若い世代から中高年に至るまで人気のエタニティリング。
カジュアル、フォーマル問わずおしゃれが楽しめることから、幅広い世代に人気のあるダイヤリングです。
デザイン的にはダイヤが全周覆ったフルエタニティと半周覆ったハーフエタニティリングがありますが、ダイヤの留め方にも3種類あり、この留め方によってダイヤの見え方が随分変わってくるものです。
エタニティリングにおけるダイヤの留め方は爪留め、レール留め、覆輪留めの3種類あり、一番ダイヤの容姿が見えるのが爪留めのエタニティリングです。
上からでも横からでもダイヤが見え、華やかさという点ではこれが一番のエタニティリングでしょう。
次によく見えるのがレール留め。
爪がなく、地金でダイヤを挟んで固定していますから、ひとつひとつのダイヤが上からはっきり見て取れます。
しかしサイドをレールで覆われているため、横からはダイヤを見ることができず、華やかさという点では爪留めに劣るかもしれません。
そして一番ダイヤが隠されているのが覆輪留めのエタニティリング。
ダイヤひとつひとつの周りが地金で覆われた格好になっているため、まさに上からだけしかダイヤを見ることができません。
レール留めは僅かながらダイヤのサイド部分を垣間見ることができますが、覆輪留めではそれはかなわず、真上からだけしか見ることはできません。
よって覆輪留めは、一番ダイヤが隠されたエタニティリングと言えるのです。
実はこの覆輪留めのエタニティリングを選ぶ際、気を付けなければならない点があります。
このページでは、どの点に気を付けなければならないか述べさせて頂きます。
ダイヤの露出度とダイヤの輝き
そもそもダイヤはなぜ輝くのでしょうか?
ダイヤが自ら輝かないのは自明の理です。
ダイヤは光の反射によって輝くのです。
つまり光がダイヤに入射し、それがダイヤ内で反射され再びダイヤ外へ放射される。
これがダイヤの輝きになります。
では輝くためにはダイヤはどのような環境に置けばいいのでしょう。
簡単です。露出度を上げることです。
露出度と輝きは比例する
ダイヤの露出度が上がれば、当然光が入射しやすくなります。
そうなるとダイヤは光を反射し、輝きます。
つまりダイヤの留め方でいえば、爪留めが一番露出度が高く輝きやすい環境にあります。
そしてその次がレール留め、最後になるのがフクリン留めです。
つまりフクリン留めのエタニティリングのダイヤが一番輝きにくい環境にあるのです。
このような最も輝きにくい環境にある覆輪留めのエタニティリングを選ぶ場合、どういった点に注意すればいいのか?
答えは、輝く条件を満たしたダイヤがセッティングされたエタニティリングを選ぶことです。
輝く条件を満たしたダイヤとは
覆輪留めは周囲を地金で覆われている以上、光の入射が限定されます。
それゆえ、ダイヤ正面から入射した光が漏れることなく全反射するダイヤを選ばなければなりません。
そうでないと輝きが劣り、ガラス玉に似たダイヤになってしまうのです。
そのためには、ダイヤのスペックである4C(カラット、カラー、クラリティ、カット)のうち、クラリティとカットが重要な要素となります。
まずは、ダイヤの輝く原理をご理解頂くために、クラリティとカットについて詳しく解説させて頂きます。
クラリティ
クラリティとはダイヤの透明度を表す指標で、透明度の高いダイヤほど光は透過します。
ダイヤは天然鉱物ゆえ、必ずインクルージョン(内包物)が存在します。
このインクルージョンが多いダイヤは透明度が低くなり光の透過率が劣るわけですが、このインクルージョンの多い少ないのグレードを表したのがクラリティなのです。
クラリティは11段階にランク付けされます。
インクルージョンの全くないFL(フローレス)を最高とし、インクルージョンの量が増えるにしたがい、IF、VVS1、VVS2、VS1というふうにランク付けされるわけです。
では光の透過率の高いダイヤのクラリティはどのランク以上かというと、「SIクラス」以上のダイヤなら光をよく透過させます。
SIクラスというのは表でもおわかりのように、肉眼で発見が困難なほどインクルージョンが微小なため、光の透過にそれほど影響を与えることはありません。
しかしその下の「Iクラス」になると、肉眼での発見が容易なほどインクルージョンが大きいため、光の透過を邪魔してしまうのです。
言葉だけの説明ではわかりにくいと思いますので、実際に比較画像を見てみましょう。
左がSIクラス、右がIクラスのダイヤです。
明らかに透明度が違うでしょう。
このようにSIクラス以上のダイヤは透明度の高いダイヤといえ、これ未満のものは透明度が低いといえます。
ただし、透明度の高さは輝きを保証するものではありません。
ダイヤが輝くためには次に説明するカットが重要になるのです。
カット
採掘されたダイヤの原石は、一見スリガラスのようです。
それが人間の手によってあのような素晴らしい輝きを放つ石になるのです。
その方法が、ラウンドブリリアントカットというカット法です。
しかしラウンドブリリアントカットすれば何でも輝くというものではありません。
カットの良し悪しによって輝いたりそうでなかったりするのです。
Excellentカットされたダイヤに光が入射すると、光はダイヤ内で漏れることなく反射され、再びダイヤ外へ放射されます。これを全反射といいます。(下イラスト左参照)
しかしダイヤのカットが深すぎたり浅すぎたりすると、光は全反射せずダイヤ底部より漏れてしまい輝きが劣ることになるのです。
これがカットの良し悪しによる輝きの違いです。
ダイヤ内の光が全反射するためには、その理想となるプロポーションが存在し、それが以下の比率で構成されています。
ダイヤは、この構成比率に近くて研磨状態が良好なものから、Excellent、VeryGood、Good、Fair、Poorとランク付けされます。
ではダイヤが輝くためにはカットはどのランク以上のものがいいかというと、「Good」以上のダイヤなら輝くといえます。
FairやPoorカットのダイヤはプロポーションに問題があり、輝くとは言えません。
よってダイヤが輝くためには、カットがGood以上必要なのです。
覆輪留めエタニティリングを選ぶときの注意点
何度も申し上げる通り、覆輪留めはダイヤが地金で覆われているため光が入射しにくい環境にあります。
その限定された範囲の中で、ダイヤを最大限輝かすためにはダイヤの質が重要となってきます。
つまり上で説明した、輝く条件を満たしたダイヤでなければならないのです。
上で説明した輝く条件を満たしたダイヤなら、ダイヤ正面から入射した光を間違いなく全反射させ、きれいな輝きを放ちます。
つまりフクリン留めのエタニティリングを選ぶなら、上の条件を満たしたダイヤがセッティングされたものを選ばなければなりません。
以下に、輝く条件を満たした覆輪留めのエタニティリングを紹介します。
覆輪留めエタニティリング
まとめ
覆輪留めエタニティリングを選ぶときの注意点をまとめました。
参考になりましたでしょうか。
このページが皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読み頂き、真に有難うございました。