結婚記念日に大変喜ばれるプレゼントのひとつ 一粒ダイヤネックレス。
飽きのこないシンプルなデザインは流行に左右されず、いつの時代であっても身につけておかしくないネックレスで、それゆえか、たくさんの方が好んで一粒ダイヤネックレスを選ばれています。
しかし一口に一粒ダイヤネックレスといっても爪留め、覆輪留め、1点留め等の違いによって様相が異なってきます。
プレゼントとしては爪留め(6本爪)が一番オーソドックスですが、今回は1点留めのダイヤネックレスの選び方に焦点を絞って解説したいと思います。
実は、1点留めのダイヤネックレスには他の留め方にはないメリットがあるのです。
それをまず説明し、そのあと選び方を解説させて頂きます。
1点留めのダイヤネックレスのメリット
1点留めのダイヤネックレスは他の留め方のものに比べどんなメリットがあるのか?
まずはその外観を比較してみたいと思います。
留め方の違いの外観比較
まずは6本爪のダイヤネックレスをご覧ください。
ダイヤを6本の爪がかっちり固めて留めてあります。
そしてダイヤの底部に至っては、地金がダイヤを覆った状態にあります。
次に覆輪留めのダイヤネックレスを見てみます。
ダイヤの周囲を地金が覆うようにして留めてあります。
そして裏面は、このダイヤネックレスの場合クローバーデザインの穴が開いていますが、穴のないものもあります。
最後に一点留めのダイヤネックレス。
ダイヤの上下を挟むようにしてダイヤを留めてあります。
これらを見比べてみて気付くことは何かというと、ダイヤの露出度の違いです。
6本爪のダイヤネックレスは、ダイヤの側面は露出していますがダイヤの底部(キュレット)部分は地金で覆われています。
覆輪留めはダイヤの側面、底部とも地金で覆われて、露出している部分はダイヤの前面だけです。
裏面に至っては穴が開いているものの、身に付ければ穴は塞がれた状態になるため、露出はないといえます。
そして一点留めは画像からも明らかなように、側面、底面部分がほぼ露出している状態にあります。
仮にこれらネックレスのダイヤの質がすべて同じだとすると、一番輝くのは1点留めのダイヤといえます。
なぜならば、ダイヤの輝きはダイヤの露出度に比例するからです。
ダイヤの輝きはダイヤの露出度に比例する
そもそもダイヤはなぜ輝くのでしょう。
ダイヤが自ら輝かないのは自明の理です。
ダイヤは光の反射によって輝きます。
光がダイヤに入射し、その光がダイヤ内で反射され再びダイヤ外へ放射される。
これがダイヤの輝く原理です。
つまり光が入射してこそダイヤは輝くのです。
では光が入射しやすいダイヤとはどのような環境下にあるダイヤでしょう。
もうおわかりですね。
露出度の高い環境下にあるダイヤです。
上記の留め方に当てはめれば、1点留めのダイヤが一番輝きやすい環境にあるということです。そして2番目が6本爪留め、最後は覆輪留めです。
つまり1点留めは他の留め方にはない、ダイヤが輝く環境下にあるのです。
1点留めダイヤネックレスの選び方
1点留めのダイヤは輝きやすい環境下にあると申し上げました。
しかしどんなダイヤであっても輝くというわけではありません。
やはりそこは、ダイヤの質が重要になってきます。
そして1点留めの場合ダイヤの露出度が高いわけですから、ダイヤ内のインクルージョン(内包物)、ダイヤの色まで他の留め方のものと比べ判別しやすくなります。
それゆえ、選ぶ際はダイヤのカラー、クラリティ(透明度)、カット(研磨・プロポーション)に至るまで吟味して選ばなければなりません。
ではどの程度のカラー、クラリティ、カットであればいいのか?
それを順に解説させて頂きます。
カラーについて
カラーはダイヤの色を表す指標で、無色のダイヤほど高くランク付けされます。
最近では、Very Light Yellowとかブラウンダイヤなどが販売されていますが、要は色のついたダイヤのことであり、価値的に見れば無色のダイヤより劣っていることになります。
ダイヤはやはり無色の方が美しく、その理由はダイヤ内で起こるプリズム効果にあります。
プリズム効果を発揮する無色のダイヤ
太陽光を含む白色光はプリズムを通せば赤、橙、黄、緑、青、藍、紫と七色に分かれます。
これは色それぞれの波長が異なるため、屈折によって光が分散されるためです。
この現象がダイヤ内でも起こります。
ダイヤ内に光が入射すると、光の中にある波長の異なる色が屈折によって分散されます。
上質のダイヤモンドを覗き込むと、いろいろな色の光線が発見できます。
これはダイヤ内でプリズム効果がなされているからです。
無色のダイヤに光が入射すると、反射した光は変色されることなくありのままの光線を放ちます。
しかし色のついたダイヤモンドの場合、ダイヤのカラーの影響を受けてしまい、光線を変色させるのです。
これがダイヤの美しさに影響します。
ダイヤに美しさを求めるなら無色の方が望ましく、色のついたものは避けた方が無難です。
ではダイヤが美しく輝くためには、カラーがどのランクのものがいいかというと「H」以上のものが望ましいといえます。
同じ「ほとんど無色」に属しているG、H、I、Jですが、IとJはその下の「わずかな黄色」のランクに近いこともあり、やはり幾分黄色く見えます。
プリズム効果にさほどの影響を与えないのは「Hカラー」以上のダイヤといえ、美しいダイヤを求めるならこれ以上のものを選ぶ必要があります。
クラリティについて
クラリティとはダイヤの透明度を表す指標です。
ダイヤは天然鉱物ゆえ、必ずインクルージョン(内包物)が存在します。
このインクルージョンが多いダイヤは透明度が低くなり光の透過率が劣るわけですが、このインクルージョンの多い少ないのグレードを表したのがクラリティなのです。
クラリティは11段階にランク付けされます。
インクルージョンの全くないFL(フローレス)を最高とし、インクルージョンの量が増えるにしたがい、IF、VVS1、VVS2、VS1というふうにランク付けされるわけです。
では光の透過率の高いダイヤのクラリティはどのランク以上かというと、「SIクラス」以上のダイヤなら光をよく透過させます。
SIクラスというのは表でもおわかりのように、肉眼で発見が困難なほどインクルージョンが微小なため、光の透過にそれほど影響を与えることはありません。
しかしその下の「Iクラス」になると、肉眼での発見が容易なほどインクルージョンが大きいため、光の透過を邪魔してしまうのです。
言葉だけの説明ではわかりにくいと思いますので、実際に比較画像を見てみましょう。
左がSIクラス、右がIクラスのダイヤです。
明らかに透明度が違うでしょう。
このように、クラリティがSIクラス以上のものが透明度が高いダイヤといえます。
ただし、透明度の高さだけではダイヤの輝きは保証されません。
ダイヤの輝きはこの透明度のほかに、次に説明するカットが重要になります。
カットについて
採掘されたダイヤの原石は、一見スリガラスのようです。
それが人間の手によってあのような素晴らしい輝きを放つ石になるのです。
そしてその方法が、ラウンドブリリアントカットというカット法です。
しかしラウンドブリリアントカットすれば何でも輝くというものではありません。
カットの良し悪しによって輝いたりそうでなかったりするのです。
Excellentカットされたダイヤに光が入射すると、光はダイヤ内で漏れることなく反射され、再びダイヤ外へ放射されます。これを全反射といいます。(下イラスト左参照)
しかしダイヤのカットが深すぎたり浅すぎたりすると、光は全反射せずダイヤ底部より漏れてしまい輝きが劣ることになるのです。
これがカットの良し悪しによる輝きの違いです。
ダイヤ内の光が全反射するためには、その理想となるプロポーションが存在し、それが以下の比率で構成されています。
ダイヤは、この構成比率に近くて研磨状態が良好なものから、Excellent、VeryGood、Good、Fair、Poorとランク付けされます。
ではダイヤが輝くためにはカットはどのランク以上のものがいいかというと、「Good」以上のダイヤなら輝くといえます。
FairやPoorカットのダイヤはプロポーションに問題があり、輝くとは言えません。
よってダイヤが輝くためには、カットがGood以上必要なのです。
1点留めダイヤネックレスのダイヤの条件
以上の説明でおわかり頂けたと思いますが、ダイヤが美しく、かつ輝くためには、カラーH以上、クラリティSIクラス以上、カットGood以上なければなりません。
よって1点留めのダイヤネックレスを選ぶ場合は、これらをクリアしたダイヤが装填されたものを選ばなければならないのです。
以下に、これらをクリアした1点留めダイヤネックレスをご紹介し、このページを閉じたいと思います。
いかがだったでしょうか。
参考になりましたでしょうか。
このページが皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読み頂き、真に有難うございました。