掃除機の吸引力とヘッドの形状の関係

掃除機は吸引力が命です。

どんなにデザインがよく軽量であっても吸引力がなければ話になりません。

そこで吸引力の目安になる吸込仕事率をみて判断するのですが、レビュー記事を見るとこれがあまりあてにならない。

吸込仕事率はW(ワット)で表し、吸い込む風量(浮き上がったごみを運ぶ力)と真空度(ごみを浮かせる力)を掛け合わせた数値で、値の大きいものほど仕事率が高いといえます。

しかしレビューを見ると、吸込仕事率が結構高い掃除機であっても吸引力が弱いといった意見もあり、一概に吸込仕事率だけで吸引力の有る無しを判断するのは難しいといえます。

そして、ゴミの取れやすさは吸引力だけではなく、ヘッドの形状や種類によっても左右されるのは確かです。

これは私の体験からもそう言えるのです。

以下は、実際私がやってみた吸引力とヘッドの関係についての実験です。

真空度とヘッドの形状の関係

我が家で使っている掃除機は、東芝VC-SG910-Rです。

この掃除機の吸込仕事率は、180W~約50Wとあります。
※ 最大値(~最小値)を表示

キャニスタータイプゆえ、吸引力が結構あり重宝するのですが、私からするとひとつ難点が。

それはヘッドの形状です。

この掃除機の通常のヘッドは自走式で問題ないのですが、問題があるのはブラシヘッドの形状です。

この掃除機の柄の部分に当たるパイプの先についたブラシは楕円形です。

吸い込み口が大きく一見よさそうにみえるのですが、いざ掃除してみると死角が生まれます。

上の写真は階段を掃除したときのブラシヘッドの部分ですが、階段の隅っこにブラシが届いてません。

ではこの状態でホコリを吸い取れるかというと、吸い取れません。

ホコリが隅っこに残ったままです。

そこまで吸引力が強くないのです。

そこで100均で売られていた掃除機ノズルをこの掃除機に装填し、再度ホコリを吸うべく試みました。

その掃除機ノズルには2種類あり、隙間ノズルとブラシノズルの2点がセットになって販売されているのですが、まず最初に隙間ノズルを付け、その先にブラシノズルを付けました。

この状態で先ほどの階段の隅を掃除したらどうなったか。

見事にホコリが吸い取られました。

吸い込み口が小さいほど吸引力は強くなる

この結果をどう見るか?

同じ掃除機であっても、吸い込み口の形状が小さくなれば吸引力が強くなるということです。

この掃除機のブラシヘッドは吸い込み口が大きく、その周りにブラシが付いていました。

しかしこれでは十分ホコリが吸い取れないので、100均の隙間ノズルを付けました。

隙間ノズルの先端は尖っており、しかも吸い込み口は小さいです。

吸い込み口が小さいということは吸い込む空気量は少ないですが、反対に真空度(ごみを浮かせる力)は強くなります。

そしてブラシヘッドをその先に付けましたから、真空度が高い状態でホコリを吸い上げようとしたため、ホコリは見事に吸い上げられたのです。

吸い込む風量と真空度は反比例の関係にある

吸込仕事率の計算式は以下の通りです。

吸込仕事率=0.01666×風量(立方メートル/min)×真空度(Pa)

この計算式によると、吸い込む風量と真空度が高ければ、吸込仕事率も高くなります。

しかしながら先ほどの実験でわかったのは、吸い込む風量を少なくすることで逆に真空度が増すということです。

つまり吸い込む風量と真空度は反比例の関係にあり、たとえ仕事率が低くても吸い込み口の形状を変え、小さくしてやれば自然と真空度が増し、吸引力が増すということになります。

やはり吸込仕事率は目安で、ヘッドの形状によって真空度はいかようにも変えることができるというわけです。

吸い込み口が大きく、ホコリやごみを思うように吸ってくれないとお悩みならば、100均のこの掃除機ノズルを装填してみてはいかがでしょうか。

まとめ

以上の実験でわかったのは、ヘッドの形状でごみの吸い取り効率が変わるということです。

吸込仕事率はあくまで目安に過ぎず、ヘッドの使いようによって掃除機のごみ吸い取り効率は断然違ってきますから、あまりとらわれない方がいいというのが私の意見です。

いかがだったでしょうか。

参考になりましたでしょうか。

このページが皆様のお役に立てれば幸いです。

最後までお読み頂き、真に有難うございました。

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