手から放たれるダイヤの輝き。
テーブルの上にそっと手を置いたとき、そこにはダイヤ特有の美しい輝きが。
水晶やジルコニアとは全く次元の異なる光を放ち、人の目をくぎ付けにするほどのまばゆさがそこにはある。
それほどにダイヤの指輪というのは美しく、眩いものであるがゆえに、誰しもが望むリングとなっているのです。
しかしこの美しく眩いとされるダイヤリングであっても、選び方ひとつでその度合いが格段に変わってきます。
最近では通販が主流で、テレビやネットでしきりにダイヤリングが販売されていますが、果たしてその演出に騙されてはいないのか?
そのダイヤは本当に美しく、眩いくらいの光を放ってくれるのか?
疑問に感じるところがたくさんあります。
ではネットにしろテレビにしろ通販でダイヤの指輪を買う際に、どのような条件であれば「ヨシ」といえるのか。
それを述べてみたいと思います。
ダイヤの輝く条件
そもそもダイヤはなぜ輝くのでしょう。
ダイヤが自ら光を発しないのは自明の理で、ダイヤは光の反射によって輝きます。
ではそのダイヤが効率よく光を反射してくれるためにはどのような条件が必要か?
それはダイヤの透明度とカットの出来具合が大きく関係してきます。
クラリティとは
ダイヤモンドの価値を測る指標に4Cがあります。
4Cとは、カラット(重量)、カラー(色)、クラリティ(透明度)、カット(研磨・プロポーション)の頭文字をとってそう呼びます。
このなかのクラリティとはダイヤの透明度を表します。
そしてクラリティのランクはダイヤが輝くうえで重要な要素となります。
ダイヤは天然鉱物ゆえ、必ずインクルージョン(内包物)が存在します。
このインクルージョン(内包物)の存在がダイヤの透明度に影響を与えるのです。
クラリティは11段階に区分けされ、インクルージョンが少ない順にランク付けされます。
インクルージョンの全く存在しなし「FL(フローレス)」から始まり、量が増えるにしたがってIF、VVS1、VVS2、VS1と評価がつけられます。
ではダイヤが輝くのにあまり支障のないクラリティ(透明度)はどの程度かというと「SI」クラスです。
SIクラスというのは表からおわかりのように、肉眼で発見が困難な時につけられる評価で、それだけインクルージョンが微小ということです。
つまり光の透過にそれほど影響を与えないという程度です。
しかしその下のランクの「I」クラスになるとそうではありません。
Iクラスというのは、肉眼でも容易にインクルージョンが発見できるというもので、それだけインクルージョンの存在が大きく、光の透過を邪魔する存在なのです。
つまり光の透過の妨げはダイヤの輝きに影響しますから、Iクラスのダイヤモンドはあまり輝かないということになるのです。
言葉だけの説明ではわかりにくいと思いますので、実際に比較画像をご覧頂きます。
左がSIクラス、右がIクラスのダイヤです。
明らかに透明度の違いが見て取れるでしょう。
つまりダイヤが輝くためには、クラリティが少なくとも「SI」クラス必要なのです。
カットについて
ダイヤモンドの採掘時はすりガラスのようですが、それがカットによってあのような輝きを放つ石に変貌するのです。
そして最も輝くカット法をラウンドブリリアントカットといいますが、すべてのダイヤがこのカットを行うことによって輝くかというとそうではありません。
そこは出来不出来というものがあり、素晴らしいカットがなされたものだけがより輝くダイヤへと変貌します。
以下のイラストをご覧ください。
矢印は光の反射のベクトルを表したものですが、Excellentカットされたダイヤに光が入射すると光はダイヤ内で反射され、それが再びダイヤ外へ放射されます。(イラスト左参照)
これを全反射といいます。
しかしダイヤのカットが深すぎたり浅すぎたりすると光は全反射せず、ダイヤの底部より漏れてしまい輝きが劣ることになるのです。
これがカットの出来如何による輝きの違いです。
ダイヤ内の光が全反射するためには、その理想となるプロポーションが存在し、それが以下の比率で構成されています。
ダイヤは、この構成比率に近くて研磨状態が良好なものから、Excellent、VeryGood、Good、Fair、Poorとランク付けされます。
ではダイヤが輝くためにはカットはどのランクのものがいいかというと、「Good」以上のダイヤです。
FairやPoorカットのダイヤはプロポーションに問題があり、輝くとは言えません。
よってダイヤが輝くためには、カットがGood以上のものにする必要があるのです。
つまりダイヤが輝くためにはクラリティ「SIクラス」以上、かつカット「Good」以上必要ということです。
これは、どちらか一つ欠けてもダイヤは輝きません。
両方相まって初めてダイヤは輝くということです。
美しいダイヤを求めて
ダイヤはクラリティ「SIクラス」以上、カット「Good」以上なら輝く。
しかしダイヤは輝きだけでは不十分です。
なぜなら輝き=美しさではないからです。
ダイヤが美しくあるためには、輝く光が美しくなければなりません。
実は、光が美しくあるためにはダイヤのカラーが重要になってくるのです。
それを説明させて頂きます。
カラーはダイヤの色を評価したもので、無色のダイヤほど高い価値が付けられます。
最近ではVery Light Brownなどのダイヤも販売されていますが、要は色のついたダイヤのことであり価値的に見れば無色のダイヤより劣っていることになります。
ダイヤはやはり無色のものが美しく、その理由はダイヤ内で起こるプリズム効果にあるのです。
プリズム効果を発揮する無色のダイヤ
太陽光を含む白色光はプリズムを通せば赤、橙、黄、緑、青、藍、紫と七色に分かれます。
これは色それぞれの波長が異なるため、屈折によって光が分散されるためです。
この現象がダイヤ内でも起こります。
ダイヤ内に光が入射すると、光の中にある波長の異なる色が屈折によって分散されます。
上質のダイヤモンドを覗き込むと、いろいろな色の光線が発見できます。
これはダイヤ内でプリズム効果が発揮されているからです。
無色のダイヤに光が入射すると、反射した光は変色されることなくありのままの光線を放ちます。
しかし色のついたダイヤモンドの場合、ダイヤのカラーの影響を受けてしまい、光線を変色させるのです。
これがダイヤの美しさに影響します。
ダイヤに美しさを求めるなら無色の方が望ましく、色のついたものは避けた方が無難です。
ではダイヤが美しく輝くためには、カラーがどのランクのものがいいかというと「H」以上のものが望ましいといえます。
同じ「ほとんど無色」に属しているG、H、I、Jですが、IとJはその下の「わずかな黄色」のランクに近いこともあり、やはり幾分黄色く見えます。
それゆえプリズム効果を発揮するのは「Hカラー」以上のダイヤといえ、美しいダイヤを求めるならこれ以上のものを選ぶ必要があります。
文言だけでは不十分
ダイヤが美しく輝くためには、ダイヤ品質がカラー「H」以上、クラリティ「SIクラス」以上、カット「Good」以上必要ということがわかりました。
しかしテレビやネットの通販で、そう謳っているからといってそのまま買うのは早計です。
なぜならそれを証明する鑑定書が添付されていなければ信用できないからです。
まずダイヤの質が証明されている証書、いわゆる鑑定書が添付されているか確認することです。
しかし鑑定書が付いているからといってそれで安心してはいけません。
その鑑定書がどこで発行されたものであるか、さらにそれを知る必要があります。
鑑定結果は鑑定機関によってまちまち
ご存じでしょうか?
鑑定書を発行する鑑定機関にもいろいろあるということを。
よく商品ページに「第三者鑑定機関による証明書」と謳った文言が見られますが、問題はその第三者鑑定機関がどこか?ということです。
ダイヤの品質にピンからキリがあるように、第三者鑑定機関もピンからキリまであります。
つまりダイヤ鑑定に対して厳しい鑑定機関もあれば甘い機関もあるということです。
例えば、ダイヤのカラーがある機関では「D」と鑑定されていても厳しい鑑定機関にもっていくと「F」と鑑定されたり、クラリティ「VS1」の鑑定が「SI1」と鑑定されたりするわけです。
それゆえ鑑定書添付と謳われていても、それらすべてが同じ品質とは言えないわけです。
ではどこの鑑定機関の鑑定書なら信用できるのか?
中央宝石研究所の鑑定書なら安心
「中央宝石研究所」いわゆる「中宝研」の鑑定書なら間違いないでしょう。
業界でもトップクラスの鑑定機関で、鑑定においては最も厳しい基準で行われます。
この中央宝石研究所が発行した鑑定書が添付されたダイヤなら品質は保証されます。
上記の美しく輝く条件をクリアしたダイヤなら、間違いなく期待通りのお品となるでしょう。
つまり通販でダイヤリングを購入するには、この機関が鑑定した鑑定書が絶対必要なのです。
最後に
通販でダイヤの指輪を選ぶときの条件を述べさせていただきました。
上記の条件をクリアしたダイヤの指輪なら、安心してお買い物ができるものと信じます。
最後までお読みいただき、真に有難うございました。