天然素材で、汚れたところだけ洗濯、交換できるコルクマットは非常に便利なマットで、赤ちゃんがいるご家庭でよく使われています。
このコルクマットは、断熱・床のキズ予防・転倒時のケガ予防・防音対策など様々な目的で使用されています。
フローリングが主流の住宅環境では、底冷えする、床が傷つく、転んだらケガをするといった問題があるため、こういった目的でコルクマットを用いるのは最もなことですが、しかしこの中の防音対策については、果たして本当に効果があるのでしょうか。
実は防音対策には遮音と吸音の二つがあり、また音にも空気音と固体音の二通りの種類がありますから、それぞれの防ぎ方には大きな異なりがあるのです。
コルクマットは吸音効果
床に敷くコルクマットは、床に与える衝撃を吸収し振動音を抑える働きがあります。
しかしこれは空気音ではなく固体音に対して効果のあることで、すべての音に対して効果があるといえません。
空気音とは空気の振動によって伝わる音のことで、人の話し声、テレビや音響機器から出る音がそれにあたります。
そして固体音とは物の振動によって伝わる音で、階上での人の歩く音、道路を走る車の振動音がそうです。わかりやすい例を挙げますと糸電話がそれにあたります。
ピンと張った糸が振動することによって、人の声がはっきり聞こえますね。
これなどは固体音の最たるものです。
コルクマットの場合この固体音に効果があり、衝撃音をマットのクッションが吸収し、音の響きを緩和してくれる働きがあります。
防音対策でいえば、吸音に当たります。
しかし空気音、いわゆる人の話し声やスピーカーから出る音に対してはほとんど吸音しません。したがってほとんど効果がないといえます。
空気音を吸音するためには、素材にたくさんの空気孔が空いている必要があります。
例を挙げますと断熱材に使われるグラスウールやフェルトで作られたボード(フェルメノン)などです。
吸音の原理は、空気の振動が空気孔がたくさんある素材の中に入り、音エネルギーが熱エネルギーに変換され音が緩和されるという仕組みです。
本格的に防音対策をするのであれば、グラスウールを壁の中に入れるか、それともフェルトボード(フェルメノン)を壁に貼るかすれば、防音効果は増します。
なお、フェルメノンはDIYでできる防音対策ですので、日曜大工に自信のある方はおすすめします。空気音の吸音に関してはフェルメノン吸音パネルが役に立ちます。
衝撃音の吸収に関してはコルクマットは効果あり!
空気音の防音対策に効果がないコルクマットも、床への衝撃音に関しては効果を発揮します。そのわけはコルクマットに使われているEVA素材にあります。
EVA素材とはビーチサンダルなどに用いられるクッション性に優れたもので、気温の変化に関係なく弾力性に優れていますから、人が歩くときに発生する振動を吸収し、音を緩和してくれます。
マンションでの階下への振動が気になる方は、このコルクマットはおすすめです。
まとめ
コルクマットの防音効果についてお話ししました。
衝撃音の吸収に関しては抜群の効果を発揮するコルクマットも、空気音である人の声やスピーカーから出る音に関してはほとんど効果はありません。
しかし床への振動音をおさえるだけなら、このコルクマットは役に立ちます。
コルクマットのそれぞれの効果を理解した上、上手にお使いください。
やさしいコルクマット