飽きのこないデザインで、一粒ダイヤネックレスと並んで人気のラインネックレス。
小さなダイヤが並んでセッティングされた様はエレガントで気品がよく、一粒ダイヤネックレスにはない趣があります。
それゆえ幅広い年齢層から人気が高いのでしょう。
しかしこのラインネックレスには大きく分けて二つのデザインがあります。
ひとつは、まっすぐなライン状の台座にダイヤを並べたもの。
もうひとつは、曲線を描くような台座にダイヤを並べたもの。
つまりダイヤの配置が直線か曲線かの違いです。
この違いによってネックレスの様相や印象も変わってくるのですが、曲線の場合は、さらにダイヤの数や粒の大きさによっても変わってきます。
Uラインのダイヤネックレスもそのひとつです。
Uラインネックレスとは、ネックレスを身に付けた時のデコルテ部の形状が、U字になるネックレスのことですが、ダイヤの数や粒の大きさ等により、Uラインに見えるものやそうでないものとに分かれるのです。
このページでは、Uラインのダイヤネックレスを選ぶうえで重要な、ダイヤの数やダイヤの粒について解説したいと思います。
Uラインネックレスとダイヤ数の関係
下の写真は、総計0.3ctのダイヤラインネックレスのダイヤ数ごとの装着写真です。
この中でデコルテ部でU字になっているネックレスはどれでしょうか?
意見はいろいろあるでしょうが、私の見立てでは9石~17石といったところです。
7石以下のラインネックレスはU字というよりV字に近いものがあり、25石の場合はU字と呼べるものではありません。
このように、ラインネックレスの中でもダイヤの数によってUラインと呼べるものとそうでないものとに分かれるのです。
つまり、ダイヤは少なすぎてもダメ、そして多すぎてもダメということです。
Uラインのダイヤネックレスを選ぶときは、ダイヤの数とそれを身に着けているモデルさんの装着写真を確認してから行う方が賢明だといえます。
Uラインネックレスと粒の大きさの関係
一般に販売されているダイヤラインネックレスは、ダイヤの粒が均一なものとグラデーションされたものとに分かれます。
この均一とグラデーションでUラインの見え方が違ってくるのです。
まず以下の写真をご覧ください。
これはダイヤの粒が均一のラインネックレスです。
カラット数は0.3ct、ダイヤ数は11石です。
デコルテ部にUラインが現れていますね。
次にグラデーション化された同じ0.3ctダイヤ11石のラインネックレスを見てみます。
どうです。
ちょっと違って見えませんか?
グラデーションの場合、中央のダイヤが一番大きくしてあるため、トップ部分がV字に近い形状になってしまうのです。
これをわかりやすくするために、グラデーションの強いラインネックレスを見てみます。
下の写真は、同じ0.3ctダイヤ11石のラインネックレスですが、グラデーションが上のものより強く出ているネックレスです。
ラインネックレスとしては美しい形状ですが、Uラインとなると話は違ってきます。
グラデーションが強烈に表れているため、緩やかなカーブというより鋭角的なカーブに見え、Uラインネックレスとしてはどうかと思ってしまいます。
つまり緩やかなカーブを描くUラインネックレスを望むなら、ダイヤの粒が均一か、もしくはグラデーションが弱いものにした方がいいということです。
ただ、これはあくまで私の意見ですので参考程度にしていただければと思います。
輝きのあるダイヤを見分ける
通常のラインネックレスを選ぶにせよ、Uラインネックレスを選ぶにせよ最も大事なのはダイヤの輝きです。
使われているダイヤがきれいで、輝かなければ意味がありません。
それには輝くダイヤを見分ける知識が必要です。
次に、ダイヤの美しさと輝きについて詳しく説明したいと思います。
カラーについて
ダイヤは一見無色透明と思われますが、素材の混入により色が混ざっています。
まったくの無色というのは稀で、むしろ色が混ざっているものの方が多いのです。
これはダイヤが天然鉱物ゆえ、致し方ないことです。
無色のダイヤをカラーでは「D」と評価し、色が付いていくにしたがいE、F、G、・・と評価されていきます。
では無色のダイヤと黄色味を帯びたダイヤとでは輝きが違うかというと、違いはありません。
ダイヤのカラーはダイヤの輝きには全く関係しません。
ただ、輝きの質に関係してくるのです。
プリズム効果を発揮する無色のダイヤ
太陽光を含む白色光はプリズムを通せば赤、橙、黄、緑、青、藍、紫と七色に分かれます。
これは色それぞれの波長が異なるため、屈折によって光が分散されるためです。
この現象がダイヤ内でも起こります。
ダイヤ内に光が入射すると、光の中にある波長の異なる色が屈折によって分散されます。
上質のダイヤモンドを覗き込むと、いろいろな色の光線が発見できます。
これはダイヤ内でプリズム効果がなされているからです。
無色のダイヤに光が入射すると、反射した光はありのままの光線を放ちます。
しかし色のついたダイヤモンドの場合、ダイヤのカラーの影響を受けてしまい、光線を変色させるのです。
これがダイヤの美しさに影響します。
ダイヤに美しさを求めるなら無色の方が望ましく、色のついたものは避けた方が無難です。
ではダイヤが美しく輝くためには、カラーがどのランクのものがいいかというと「H」以上のものが望ましいといえます。
同じ「ほとんど無色」に属しているG、H、I、Jですが、IとJはその下の「わずかな黄色」のランクに近いこともあり、やはり幾分黄色く見えます。
プリズム効果にさほどの影響を与えないのは「Hカラー」以上のダイヤといえ、美しいダイヤを求めるならこれ以上のものを選ぶ必要があります。
クラリティについて
ダイヤは天然鉱物ゆえ、必ずインクルージョン(内包物)が存在します。
このインクルージョンが多いダイヤは透明度が低くなり光の透過率が劣るわけですが、このインクルージョンの多い少ないのグレードを表したのがクラリティなのです。
つまりクラリティとはダイヤの透明度を表した指標なのです。
そしてこのクラリティは11段階にランク付けされます。
インクルージョンの全くないFL(フローレス)を最高とし、インクルージョンの量が増えるにしたがい、IF、VVS1、VVS2、VS1というふうにランク付けされるわけです。
ではダイヤが輝くためにはどの程度のクラリティであればいいのか?
それはSIクラスです。
以下の表をご覧ください。
SIクラスというのは表でもおわかりのように、肉眼で発見が困難なほどインクルージョンが微小なため、光の透過にそれほど影響を与えることはありません。
しかしその下の「Iクラス」になると、肉眼での発見が容易なほどインクルージョンが大きいため、光の透過を邪魔してしまうのです。
その結果、輝きも劣ってしまうのです。
つまりSIクラス以上のダイヤは透明度が高く、光が透過しやすいダイヤといえます。
ただし、透明度が高いからといって輝きを保証するものではありません。
ダイヤが輝くためには、クラリティSI以上のほかに、次に説明するカットが重要な要素となります。
カットについて
採掘されたダイヤの原石は、一見スリガラスのようです。
それが人間の手によってあのような素晴らしい輝きを放つ石になるのです。
そしてその方法が、ラウンドブリリアントカットというカット法です。
しかしラウンドブリリアントカットすれば何でも輝くというものではありません。
カットの良し悪しによって輝いたりそうでなかったりするのです。
Excellentカットされたダイヤに光が入射すると、光はダイヤ内で漏れることなく反射され、再びダイヤ外へ放射されます。これを全反射といいます。(下イラスト左参照)
しかしダイヤのカットが深すぎたり浅すぎたりすると、光は全反射せずダイヤ底部より漏れてしまい輝きが劣ることになるのです。
これがカットの良し悪しによる輝きの違いです。
ダイヤ内の光が全反射するためには、その理想となるプロポーションが存在し、それが以下の比率で構成されています。
ダイヤは、この構成比率に近くて研磨状態が良好なものから、Excellent、VeryGood、Good、Fair、Poorとランク付けされます。
ではダイヤが輝くためにはカットはどのランク以上のものがいいかというと、「Good」以上のダイヤなら輝くといえます。
FairやPoorカットのダイヤはプロポーションに問題があり、輝くとは言えません。
よってカットがGood以上のダイヤが、輝くダイヤといえるのです。
ハートアンドキューピットとは
販売されているダイヤ製品の中で、ハートアンドキューピットという記載が見られます。
これは何のことかというと、カットに関する記載です。
素晴らしいカットが施されたダイヤを特別のスコープで覗き込むと、8つのハートとアロー像が確認されることがあります。
これをハートアンドキューピットが現れるダイヤとして重宝されています。
これはプロポーションとシンメトリ(対称性)の良い最高のカットをダイヤに施した場合、8つのハートとアロー像が特殊スコープで確認できるのです。
つまりハートアンドキューピットが現れるダイヤとは、最高のカットが施されたということで、カットグレードでいえばExcellentかVery Goodのカットにあたります。
ダイヤの美しさと輝き まとめ
以上の説明でおわかり頂けたと思います。
要約するとこうなります。
美しいダイヤの条件は、Hカラー以上、クラリティSIクラス以上のダイヤ。
輝くダイヤの条件は、クラリティSIクラス以上、カットGood以上のダイヤ。
そして美しく輝くダイヤの条件は、Hカラー以上、クラリティSIクラス以上、カットGood以上のダイヤモンド。
ということです。
これらの条件を確認し、Uラインネックレスを選んでください。
総括
Uラインネックレスの選び方を解説しました。
ダイヤの数、ダイヤの粒が均一かどうかでUラインに影響すると述べました。
また選ぶときに重要なダイヤの美しさと輝きについても述べました。
参考になりましたでしょうか。
このページが皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読み頂き、真に有難うございました。