若い世代から中高年世代に至るまで、幅広い世代に人気のエタニティリング。
シンプルな装いで飽きのこないデザインゆえにたくさんの人に愛用されています。
選ぶ基準はやはりダイヤの輝きが基本。
ダイヤがより輝くエタニティリングを選びたいものです。
そのためにはダイヤの品質である4Cを確認すればいいわけですが、その前にもうひとつ重要な項目があるのです。
それはダイヤの留め方です。
エタニティリングのダイヤの留め方には2種類あって、ひとつは爪留め、もうひとつはレール留めです。
爪留めとは、ダイヤひとつひとつを爪で留める一番オーソドックスな技法です。
もうひとつのレール留めとは、地金と地金でダイヤをしっかり挟んで留める技法です。
ダイヤの留め方は大きく分けてこの二つになりますが、最近では爪留めにフチが付いたものもあります。
これは、爪留めは衣服などの繊維に引っ掛かりやすい特性があるため、それを防ぐ意味で爪留めにフチが設けられたのです。
このフチあり爪留めを加えると、ダイヤの留め方は全部で3つになりますね。
この留め方によって、セッティングされたダイヤモンドの輝きが微妙に異なってくるのです。
このページでは、まずどの留め方のダイヤが一番輝くか説明し、そのあと輝くダイヤの見分け方とエタニティリングの選択方法をお伝えさせていただきたいと思います。
爪留め、レール留め、どちらのダイヤが輝く
まずは一番オーソドックスな爪留めのエタニティリングを見てみましょう。
ダイヤのひとつひとつに爪が設けられ、上部からだけでなくサイドからもダイヤの容姿を見ることができます。
そしてフチありとは、この爪留めにフチが付いた格好のエタニティリングをいいます。
(下の写真)
爪留めのエタニティリングに、繊維が引っ掛からないようにフチが設けられています。
そして最後にレール留めのエタニティリング
地金と地金でしっかりとダイヤを挟んで固定して留めてあるエタニティリングです。
(下の写真)
フチありと似ていますが、爪が一切ありません。
すべて地金同士の挟みでダイヤを固定してあります。
この3つの内、どの留め方のダイヤが輝くでしょうか?
結論から言いますと、爪留めのエタニティリングです。
なぜなら、ダイヤの輝きはダイヤの露出度に関係してくるからです。
ダイヤの露出度が高ければ、光の入射と反射がそれだけ活発に行われることになり、ダイヤが輝くということになります。
しかしダイヤが地金で覆われた場合、光の入射が減少し、それだけ反射も少なくなるということになります。
爪留め、フチあり、レール留めと比べた場合一番露出度が高いのは爪留めで、光が前後左右から入射するため輝きが他のものに比べ高いということになります。
それゆえ、エタニティリングでダイヤの輝きを重視するなら、爪留めのものにすることが賢明です。
輝くダイヤの見分け方
いくらダイヤの露出度が高いエタニティリングであっても、ダイヤ自体に輝きがなければ意味がありません。
そのためには輝くダイヤが付いたエタニティリングを選ばなければなりません。
そこでこの項では、美しく輝くダイヤの見分け方を解説します。
ご存知のように、ダイヤには品質を表す4Cというのがあります。
4Cとはカラット(重量)、カラー(色)、クラリティ(透明度)、カット(研磨・プロポーション)の頭文字をとってそう呼びます。
この中のカラーとクラリティはダイヤの美しさに影響を与え、クラリティとカットはダイヤの輝きに影響を与えます。
それでは順番にカラー、クラリティ、カットについて説明し、どのようにダイヤの美と輝きに影響を与えるか解説させて頂きます。
カラー
カラーはダイヤの色を表す指標で、無色のダイヤほど高くランク付けされます。
最近では、Very Light Yellowとかブラウンダイヤなどが販売されていますが、要は色のついたダイヤのことであり、価値的に見れば無色のダイヤより劣っていることになります。
ダイヤはやはり無色の方が美しく、その理由はダイヤ内で起こるプリズム効果にあります。
太陽光を含む白色光はプリズムを通せば赤、橙、黄、緑、青、藍、紫と七色に分かれます。
これは色それぞれの波長が異なるため、屈折によって光が分散されるためです。
この現象がダイヤ内でも起こります。
ダイヤ内に光が入射すると、光の中にある波長の異なる色が屈折によって分散されます。
上質のダイヤモンドを覗き込むと、いろいろな色の光線が発見できます。
これはダイヤ内でプリズム効果がなされているからです。
無色のダイヤに光が入射すると、反射した光は変色されることなくありのままの光線を放ちます。
しかし色のついたダイヤモンドの場合、ダイヤのカラーの影響を受けてしまい、光線を変色させるのです。
これがダイヤの美しさに影響します。
ダイヤに美しさを求めるなら無色の方が望ましく、色のついたものは避けた方が無難です。
ではダイヤが美しく輝くためには、カラーがどのランクのものがいいかというと「H」以上のものが望ましいといえます。
同じ「ほとんど無色」に属しているG、H、I、Jですが、IとJはその下の「わずかな黄色」のランクに近いこともあり、やはり幾分黄色く見えます。
プリズム効果にさほどの影響を与えないのは「Hカラー」以上のダイヤといえ、美しいダイヤを求めるならこれ以上のものを選ぶ必要があります。
ただし、いくらカラーがH以上であっても、ダイヤの透明度が悪ければ美しいとは言えません。
よってダイヤが美しくあるためには、次に説明するクラリティが重要な要素となるのです。
クラリティ
クラリティとはダイヤの透明度を表した指標です。
ダイヤは天然鉱物ゆえ、必ずインクルージョン(内包物)が存在します。
このインクルージョンが多いダイヤは当然透明度が低くなり、光の透過率が劣ります。
つまりクラリティとは、インクルージョンの多い少ないを表した指標とも呼べます。
このクラリティは11段階にランク付けされます。
インクルージョンの全くないFL(フローレス)を最高とし、インクルージョンの量が増えるにしたがい、IF、VVS1、VVS2、VS1というふうにランク付けされるわけです。
ダイヤの美しさ、輝きには、ある程度の透明度が必要となるわけですが、
ではどの程度の透明度、クラリティであればいいのか?
それはSIクラスです。
以下の表をご覧ください。
SIクラスというのは表でもおわかりのように、肉眼で発見が困難なほどインクルージョンが微小なため、光の透過にそれほど影響を与えることはありません。
しかしその下の「Iクラス」になると、肉眼での発見が容易なほどインクルージョンが大きいため、光の透過を邪魔してしまうのです。
つまりSIクラス以上のダイヤは透明度が高いといえます。
ただし、ダイヤの輝きまで保証するものではありません。
SIクラスのダイヤというのは透明度が高いだけで、それ以上のものではありません。
ダイヤが輝くためにはクラリティのほかに、次に説明するカットが重要な要素となります。
カット
採掘されたダイヤの原石は、一見スリガラスのようです。
それが人間の手によってあのような素晴らしい輝きを放つ石になるのです。
そしてその方法が、ラウンドブリリアントカットというカット法です。
しかしラウンドブリリアントカットすれば何でも輝くというものではありません。
カットの良し悪しによって輝いたりそうでなかったりするのです。
Excellentカットされたダイヤに光が入射すると、光はダイヤ内で漏れることなく反射され、再びダイヤ外へ放射されます。これを全反射といいます。(下イラスト左参照)
しかしダイヤのカットが深すぎたり浅すぎたりすると、光は全反射せずダイヤ底部より漏れてしまい輝きが劣ることになるのです。
これがカットの良し悪しによる輝きの違いです。
ダイヤ内の光が全反射するためには、その理想となるプロポーションが存在し、それが以下の比率で構成されています。
ダイヤは、この構成比率に近くて研磨状態が良好なものから、Excellent、VeryGood、Good、Fair、Poorとランク付けされます。
ではダイヤが輝くためにはカットはどのランク以上のものがいいかというと、「Good」以上のダイヤなら輝くといえます。
FairやPoorカットのダイヤはプロポーションに問題があり、輝くとは言えません。
よってカットがGood以上のダイヤが、輝くダイヤといえるのです。
ハートアンドキューピットとは
販売されているダイヤ製品の中で、ハートアンドキューピットという記載が見られます。
これは何のことかというと、カットに関する記載です。
素晴らしいカットが施されたダイヤを特別のスコープで覗き込むと、8つのハートとアロー像が確認されることがあります。
これをハートアンドキューピットが現れるダイヤとして重宝されています。
これはプロポーションとシンメトリ(対称性)の良い最高のカットをダイヤに施した場合、8つのハートとアロー像が特殊スコープで確認できるのです。
つまりハートアンドキューピットが現れるダイヤとは、最高のカットが施されたということで、カットグレードでいえばExcellentかVery Goodにあたるのです。
ダイヤの美と輝き まとめ
以上の説明からおわかり頂いたと思いますが、エタニティリングに装填されているダイヤが美しく、かつ輝くためには、カラーがH以上、クラリティがSIクラス以上、カットがGood以上なければなりません。
つまり、エタニティリングのダイヤの輝きを重要視するのであれば、爪留めで、ダイヤの品質がHカラー、クラリティSIクラス、カットGood以上のものを選ばなければならないのです。
まとめ
ダイヤが輝くエタニティリングの選択法を解説しました。
参考になりましたでしょうか。
最後に、爪留めで、輝くダイヤが装填されたエタニティリングをご紹介し、このページを閉じたいと思います。
最後までお読み頂き、真に有難うございました。