レーザーでダイヤに直接穴をあけたレーザーホールダイヤモンド。
通常のダイヤネックレスの場合ダイヤは爪で留められるため、その一部分は爪で隠されます。
爪で隠されたダイヤはそれだけ光との接触が少なくなりますから、当然輝きも変わってきます。
しかしこのレーザーホールダイヤネックレスの場合は、光を遮る爪がありませんから光は全方位から入ります。
つまり爪留めダイヤに比べ輝きやすい環境にあるといえます。
しかし輝きやすい環境にあるからといってどんなダイヤでもいいわけではありません。
やはりそこはダイヤの品質が重要になってきます。
ではレーザーホールダイヤにとって重要なダイヤの品質とは何でしょうか?
ダイヤを評価する4Cからそれを見てみましょう
ダイヤの4Cとは
ダイヤの4Cとはダイヤの価値を測る指標で、カラット(重量)、カラー(色)、クラリティ(透明度)、カット(研磨・プロポーション)の頭文字をとってそう呼ばれています。
この中のカラットはダイヤの大きさなので輝きには関係しません。
またカラーもダイヤの輝きには直接関係しませんので、除外します。
よってクラリティ、カットがダイヤの輝きの焦点になるわけですが、ではダイヤが輝くためにはクラリティがどの程度であればいいのか?
それを説明します。
クラリティとは
クラリティとはダイヤの透明度を表す指標で、透明度の高いダイヤほど光がスムーズに透過するためよく輝きます。
ダイヤは天然鉱物ゆえ、必ずインクルージョン(内包物)が存在します。
このインクルージョンが多いダイヤは透明度が低くなり輝きが劣るわけですが、このインクルージョンの多い少ないを表したのがクラリティなのです。
クラリティは11段階にランク付けされます。
インクルージョンの全くない状態のダイヤをFL(フローレス)と評価し、インクルージョンの量が増えるにしたがい、IF、VVS1、VVS2、VS1というふうに評価されるわけです。
ではダイヤが輝くためにはクラリティはどの評価以上のものがいいかというと、「SIクラス」以上のダイヤなら輝くといえます。
SIクラスというのは表でもおわかりのように、肉眼で発見が困難なほどインクルージョンが微小なため、光の透過にそれほど影響を与えることはありません。
しかしその下の「Iクラス」になると、肉眼での発見が容易なほどインクルージョンが大きいため、光の透過を邪魔し輝きを著しく落としてしまうのです。
言葉だけの説明ではわかりにくいと思いますので、実際に比較画像を見てみましょう。
左がSIクラス、右がIクラスのダイヤです。
明らかに透明度が違うでしょう。
このように光の透過をスムーズにしてダイヤの輝きに貢献するのは、クラリティがSIクラス以上のものなのです。
ではカットはどうでしょうか?
レーザーホールダイヤにカット評価は重要でしょうか?
これを見てみましょう。
カットとは
採掘されたダイヤの原石は、一見スリガラスのようです。
それが人間の手によってあのような素晴らしい輝きを放つ宝石に変貌するのです。
その方法が、ラウンドブリリアントカットというカット法です。
しかしラウンドブリリアントカットすれば何でも輝くというものではありません。
カットの出来如何によって輝いたりそうでなかったりするのです。
Excellentカットされたダイヤに光が入射すると、光はダイヤ内で漏れることなく反射され、再びダイヤ外へ放射されます。これを全反射といいます。(下イラスト左参照)
しかしダイヤのカットが深すぎたり浅すぎたりすると、光は全反射せずダイヤ底部より漏れてしまい輝きが劣ることになるのです。
これがカットの出来如何による輝きの違いです。
ダイヤ内の光が全反射するためには、その理想となるプロポーションが存在し、それが以下の比率で構成されています。
ダイヤは、この構成比率に近くて研磨状態が良好なものから、Excellent、VeryGood、Good、Fair、Poorとランク付けされます。
ではダイヤが輝くためにはカットはどのランク以上のものがいいかというと、「Good」以上のダイヤなら輝くといえます。
FairやPoorカットのダイヤはプロポーションに問題があり、輝くとは言えません。
ダイヤが輝くためには、カットがGood以上必要ということです。
レーザーホールダイヤにカットグレードはあまり関係ない
ダイヤが輝くためにはカットがGood以上必要。
しかしこれは爪留めされたダイヤの場合です。
爪留めダイヤはダイヤのクラウン部分だけが表にでており、パビリオン部分は爪や地金で隠されています。
そのためダイヤの輝きをクラウン部分に集中させる必要があるため、Goodカットが必要なわけです。
しかしレーザーホールダイヤの場合ダイヤがほぼルース(裸石)状態ですから、輝きをクラウン部分に集中させる必要はありません。
むしろダイヤ全体から光が放たれるほうが、レーザーホールダイヤの魅力が引き出されるというものです。
つまりダイヤの輝くための要素として挙げられるGoodカットはレーザーホールダイヤには必要なく、むしろダイヤの底部から光が漏れた方がダイヤ全体の輝きに貢献できるということです。
まとめ
レーザーホールダイヤにカットグレードはあまり関係しない。
そして唯一重要となるのが、透明度というわけです。
ただ、カットグレードは関係しませんがカットの種類は関係してきます。
レーザーホールダイヤにはラウンドブリリアントカットされたものとローズカットされたものがあります。
この二つのうちどちらがよく輝くかといえばラウンドブリリアントカットです。
その理由はカット面数です。
ラウンドブリリアントカットが58面に対しローズカットは24面です。
輝きはカット面数に比例しますから、ラウンドブリリアントカットの方がよく輝くのです。
参考になりましたでしょうか。
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最後までお読みいただき、真に有難うございました。