普段使いに合うフクリン留めダイヤリング。
周囲を地金で覆った形でダイヤを留めているため引っ掛かりがなく、日常身に付けていても支障なく過ごせるダイヤリングです。
また爪留めのような派手ないでたちでなく、どちらかといえば控えめな印象を受けるため普段使いにはもってこいといえます。
しかし控えめな印象を与えるとはいえ、ダイヤ自体があまり輝かないのでは控えめを通り越して貧相なリングに映ってしまいます。
やはりダイヤはダイヤ。
ダイヤは輝かなければ意味がありません。
実はフクリン留めのダイヤリングを選ぶ場合、気を付けなければ貧相なリングを選んでしまうこともあるのです。
その注意点をこのページでは説明させていただきます。
ダイヤは光を浴びてこそ輝く
そもそもダイヤがなぜ輝くのか?
それは光の反射によるものです。
ダイヤが自ら光を発しないのは自明の理で、ダイヤは光を浴びてこそ輝くのです。
しかしフクリン留めのダイヤリングはどうでしょう。
ダイヤは光を十分浴びれるでしょうか?
爪留めのダイヤリングは通常6本の爪でダイヤを支えています。
そのため爪と爪の間には隙間ができ、光が入射しやすい環境にあります。
しかしフクリン留めのダイヤリングはどうでしょう。
ダイヤの周囲を地金が覆っていますから、サイドからの光の入射は不可能です。
つまり、光の入射はダイヤの表面だけに限られることになります。
ダイヤの輝きは光の入射量に比例します。
入射量が多ければそれだけ反射量も多く、結果輝きも多くなります。
しかし爪留めとフクリン留めを比べた場合、爪留めの方が光の入射量が多くフクリン留めのそれは少ないことになりますから、ダイヤの輝きは爪留めの方が多く、フクリン留めは少ないことになります。
つまりフクリン留めのダイヤが爪留めダイヤ並みに輝くには、ダイヤが露出している部分から入射した光を、最大限反射に変える品質を備えたダイヤが求められるわけです。
入射した光を最大限反射に変えるダイヤとは
入射した光を最大限反射に変える。
そのためにはダイヤの透明度とカット(研磨・プロポーション)の品質が重要といえます。
ここで、ダイヤの透明度を示すクラリティと、光の反射に大きく影響するカットについて説明したいと思います。
クラリティについて
濁りのない透明度の高いダイヤほど輝きます。
その透明度を測る指標をクラリティといい、
そのクラリティは最高をFL(フローレス)とし、以下10段階に区分けされます。
ダイヤが輝くためにはクラリティがSI以上必要で、それ未満の評価だとダイヤはあまり輝きません。
ダイヤモンドは天然鉱石であるため、インクルージョン(内包物)が必ず存在します。
そのインクルージョンの量や位置によってクラリティの評価が決められますが、SIは肉眼でインクルージョンの発見が困難な時につけられる評価で、これは光の透過にそれほどの支障をきたさない程度のものなのです。
しかしその下のIになると、インクルージョンが光の透過を遮り輝きが劣ることになるのです。
実際のSIとIの比較画像を見てみましょう。
明らかに透明度の違いが見て取れるでしょう。
このように、ダイヤが輝くためにはクラリティがSI以上必要なわけです。
カットについて
ダイヤモンドは磨かなければただの石です。
ダイヤは、カットがあってこそ初めて輝くのです。
そしてダイヤが最大限輝くカット法をラウンドブリリアントカットと呼びますが、しかしラウンドブリリアントカットすればなんでも輝くわけではありません。
やはりカットの出来具合によって、輝いたりそうでなかったりするのです。
以下イラスト使って、ダイヤの輝く仕組みを解説します。
矢印は光の反射の方向を示しています。
ダイヤの輝きは光の反射によって起こりますが、Excellentカットされたダイヤに光が入射した場合、光はダイヤ内で全反射され再び外部に放射されます。
しかし、ダイヤのカットが深すぎたり浅すぎた場合(Fairカット以下)、光はダイヤ底部より逃げ輝きが劣ることになるのです。
これがカットによる輝きの違いです。
ダイヤ内の光が全反射するためには、その理想となるプロポーションが存在し、それが以下の比率で構成されています。
ダイヤは、この構成比率に近くて研磨状態が良好なものから、Excellent、VeryGood、Good、Fair、Poorとランク付けされます。
ではダイヤが輝くためにはカットはどのランクのものがいいかというと、「Good」以上のダイヤです。
FairやPoorカットのダイヤはプロポーションに問題があり、輝くとは言えません。
よってダイヤが輝くためには、カットがGood以上必要なのです。
フクリン留めダイヤリングを選ぶときの条件
光の入射が爪留めダイヤほどないフクリン留めダイヤの場合、以上お話ししたクラリティSIクラス以上、カットGood以上の品質を有したダイヤが必要です。
これ未満なら、残念ながら輝きの少ないフクリン留めダイヤリングとなってしまいます。
よって選ぶとしたら、この条件をクリアしたフクリン留めダイヤリングを選ぶといいでしょう。
以下に、この条件をクリアしたフクリン留めダイヤリングを紹介します。
輝くフクリン留めダイヤリング
まとめ
フクリン留めダイヤリングの選び方を解説しました。
参考になりましたでしょうか。
このページが皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、真に有難うございました。