最近は円安の影響もあってダイヤモンドの価格は数年前に比べて上がってきています。
それゆえダイヤがセッティングされたリングやネックレス、ピアスなどの宝飾品も、金価格の高騰も手伝って上昇傾向にあります。
少しでもいいものを安く買いたいというのが消費者の心理ですが、このご時世、なかなかいいものを安く買うというのが難しくなってきています。
特にダイヤモンドなどは、何を基準にどう選べばいいのか素人ではわからないと思います。
例えば男性が女性にダイヤネックレスをプレゼントするとしましょう。
大抵の男性はダイヤの大きさにこだわります。
できるだけ大きなダイヤが付いたネックレスをプレゼントしようとします。
当然です。
その方が女性が喜ぶから。
しかしこれは完全に素人の選び方です。
なぜならダイヤの価値は大きさだけでは決められないものですから。
今回はそんな男性諸氏のために、予算2万円台でのダイヤネックレスの探し方をお伝えしたいと思います。
ダイヤは輝きが命
ダイヤの価値は大きさだけでは決められないと先ほど申し上げましたが、では本当の価値は何かというと輝きです。
ダイヤは輝きが命です。
輝いてこそダイヤといえ、輝かないダイヤはダイヤとしての価値がないといって等しいでしょう。
それくらいダイヤには輝きが重要で、大きさは二の次です。
そしてその次に重要なのが美しさです。
輝いても美しくなければその価値は半減します。
輝きにもいろいろあり、黄色っぽく輝くダイヤもあれば七色に輝くダイヤもあります。
どちらが美しいか言うまでもないでしょう。
つまり輝きと美しさ、これらが両方相まってダイヤの価値が決まるのです。
つまりダイヤネックレスを選ぶときは、この基準を満たしているかどうか見極める必要があるのです。
ではこの輝きと美しさを併せ持ったダイヤとはどのようなものか。
具体的に説明してまいりましょう。
輝きはクラリティとカットで決まる
ダイヤの価値を測る基準に4C評価というのがあります。
カラット、カラー、クラリティ、カットの頭文字をとって4Cといいますが、このうちダイヤの輝きを左右するのがクラリティとカットなのです。
クラリティについて
クラリティとはダイヤの透明度を表します。
ダイヤは天然鉱物ゆえ、必ずインクルージョン(内包物)が存在します。
このインクルージョン(内包物)の存在がダイヤの透明度に影響を与えるのです。
クラリティは11段階に区分けされ、インクルージョンが少ない順にランク付けされます。
インクルージョンの全く存在しない「FL(フローレス)」から始まり、量が増えるにしたがってIF、VVS1、VVS2、VS1と評価がつけられます。
ではダイヤが輝くのにあまり支障のないクラリティ(透明度)はどの程度かというと「SI」クラスです。
SIクラスというのは表からおわかりのように、肉眼で発見が困難な時につけられる評価で、それだけインクルージョンが微小ということです。
つまり光の透過にそれほど影響を与えないという程度です。
しかしその下のランクの「I」クラスになるとそうではありません。
Iクラスというのは、肉眼でも容易にインクルージョンが発見できるというもので、それだけインクルージョンの存在が大きく、光の透過を邪魔する存在なのです。
つまり光の透過の妨げはダイヤの輝きに影響しますから、Iクラスのダイヤモンドはあまり輝かないということになるのです。
言葉だけの説明ではわかりにくいと思いますので、実際に比較画像をご覧頂きます。
左がSIクラス、右がIクラスのダイヤです。
明らかに透明度の違いが見て取れるでしょう。
つまりダイヤが輝くためには、クラリティが少なくとも「SI」クラス必要なのです。
カットについて
次にカットについてお話しさせて頂きます。
ダイヤモンドの採掘時はすりガラスのようですが、それがカットによってあのような輝きを放つ石に変貌するのです。
そして最も輝くカット法をラウンドブリリアントカットといいますが、すべてのダイヤがこのカットを行うことによって輝くかというとそうではありません。
そこはやはり出来不出来というものがあり、素晴らしいカットがなされたものだけがより輝くダイヤへと変貌します。
以下のイラストをご覧ください。
矢印は光の反射のベクトルを表したものですが、Excellentカットされたダイヤに光が入射すると光はダイヤ内で反射され、それが再びダイヤ外へ放射されます。(イラスト左参照)
これを全反射といいます。
しかしダイヤのカットが深すぎたり浅すぎたりすると光は全反射せず、ダイヤの底部より漏れてしまい輝きが劣ることになるのです。
これがカットの出来如何による輝きの違いです。
ダイヤ内の光が全反射するためには、その理想となるプロポーションが存在し、それが以下の比率で構成されています。
ダイヤは、この構成比率に近くて研磨状態が良好なものから、Excellent、VeryGood、Good、Fair、Poorとランク付けされます。
ではダイヤが輝くためにはカットはどのランクのものがいいかというと、「Good」以上のダイヤです。
FairやPoorカットのダイヤはプロポーションに問題があり、輝くとは言えません。
よってダイヤが輝くためには、カットがGood以上のものにする必要があるのです。
美しいダイヤを求めるなら
ダイヤの輝きとクラリティ、カットの関係性についてはご理解頂けたと思います。
次に、カラーとダイヤの美しさの関係性について説明させて頂きます。
カラーはダイヤの色を評価したもので、無色のダイヤほど高い価値が付けられます。
最近ではVery Light Brownなどのダイヤも販売されていますが、要は色のついたダイヤのことであり価値的に見れば無色のダイヤより劣っていることになります。
ダイヤはやはり無色のものが美しく、その理由はダイヤ内で起こるプリズム効果にあるのです。
プリズム効果を発揮する無色のダイヤ
太陽光を含む白色光はプリズムを通せば赤、橙、黄、緑、青、藍、紫と七色に分かれます。
これは色それぞれの波長が異なるため、屈折によって光が分散されるためです。
この現象がダイヤ内でも起こります。
ダイヤ内に光が入射すると、光の中にある波長の異なる色が屈折によって分散されます。
上質のダイヤモンドを覗き込むと、いろいろな色の光線が発見できます。
これはダイヤ内でプリズム効果がなされているからです。
無色のダイヤに光が入射すると、反射した光は変色されることなくありのままの光線を放ちます。
しかし色のついたダイヤモンドの場合、ダイヤのカラーの影響を受けてしまい、光線を変色させるのです。
これがダイヤの美しさに影響します。
ダイヤに美しさを求めるなら無色の方が望ましく、色のついたものは避けた方が無難です。
ではダイヤが美しく輝くためには、カラーがどのランクのものがいいかというと「H」以上のものが望ましいといえます。
同じ「ほとんど無色」に属しているG、H、I、Jですが、IとJはその下の「わずかな黄色」のランクに近いこともあり、やはり幾分黄色く見えます。
それゆえプリズム効果を発揮するのは「Hカラー」以上のダイヤといえ、美しいダイヤを求めるならこれ以上のものを選ぶ必要があります。
2万円台ダイヤネックレスの探し方
以上の説明でおわかり頂けたと思いますが、ダイヤを選ぶ基準はカラーH以上、クラリティSIクラス以上、カットGood以上ということです。
これ未満のダイヤ、もしくはカラット以外の記載が一切ないダイヤネックレスは無視した方が無難でしょう。
買ったはいいが全然輝かないなんてことがあり得るからです。
あとは、そのショップが信用できる店かどうかよーく見極めて買うといいでしょう。
参考までに上記の条件を満たした2万円台のダイヤネックレスを紹介してこのページを閉じます。
最後までお読みいただき真に有難うございました。