私は、認知症の母を7年間、自宅で介護しました。
はじめは畳に布団を敷いて寝ていた母も、次第に起き上がりに支障をきたすようになり、ケアマネージャーさんのアドバイスで、介護ベッドをレンタルしていただくようになりました。
レンタル先は、ベッドの大手メーカー「フランスベッド」で、レンタル料金は確か、1000円/月以内でした。とても安く借りられたことを記憶しています。
またフランスベッドは実に親切で、何かお困りのことがあったら何でも言ってくださいと、気を遣っていただき、新しいマットレスが入りましたので、こちらもよかったらどうぞ!とか、本当によくして頂きました。
母が特養に入ることが決まってベッドの撤去をお願いした時も、手際よくスムーズに行ってくれ、とてもいいお取引ができたと喜んでおります。
私の場合、結果的に介護ベッドはレンタルが良かったと思います。
購入していたら、マットレスの交換もなかったし、あのような気持ちのいい店員さんが気を配ってくれることもなかったでしょう。
第一、もし買っていたら、母が特養に入所して介護ベッドが不要になったときに処分しなければなりません。そうなると、費用も手間もかかりますから、大変なことになっていたでしょう。
私の個人的な意見ですが、介護ベッドはレンタルの方がいいと思います。
介護ベッドを買うとしたら
では、介護ベッドを買うとしたら、どんなタイプのものが使いやすいか?
経験をもとにお話しします。
リクライニング機能
これは必ず必要なものです。
私の母の場合は、背もたれと脚部のリクライニングが連動して行えるものでした。
朝起きますと、誰もが体が固まっています。特に高齢になるとそれがひどくなり、起き上がりが非常に困難です。
ボタン一つで背もたれが起き上がり、それに連れて脚部も上がる仕組みになっていますから、起き上がりが非常にラクで、介護する人にとっても非常にありがたい機能です。
脚部のリクライニングも非常に便利な機能で、背もたれを起こした時、被介護者が下にずれることがあります。それを防いでくれるのがこの脚部のリクライニングです。
両方ともあった方が介護には役立ちます。
昇降機能
ベッドの高さをリモコンで変えられる機能です。
被介護者の立ち座りがラクなように、ちょうどいい高さに調節できる便利な機能です。
しかし私の母の場合は、そのような機能は付いていませんでしたし、必要とも思いませんでした。被介護者に合った高さにあらかじめ調整してしまえば問題なく、介護の最中に高さを変える必要は全くありませんでした。
それゆえ、昇降機能は必要ないと感じました。
ベッドの柵
これは必ずいります。
被介護者がベッドから落ちるのを防ぐ役割があり、また立ち上がるときの手すりともなりますから絶対必要といえます。
そしてそれは、取り外し、設置場所の移動が可能なものです。
柵の取り外しができないと被介護者はベッドから降りることはできないし、また設置場所が決まってしまっていたら、介護がしにくくなるからです。
柵の取り外しができて、設置場所を変えられるベッドを選びましょう。
購入した場合のデメリット
介護ベッドを購入した場合の、あればいい機能についてお話ししました。
では、購入した場合デメリットはないでしょうか?
レンタルと比較してお話しします。
マットレスの交換はない!
ベッドである以上、クッションにウレタンかスプリング式のマットレスがあります。
このマットレスは半永久的でなく、時間がたてばへたってきます。
介護ベッドを購入した場合、マットレスの交換はありません。
改めて購入する必要があります。
しかしレンタルの場合、電話一本で交換してくれます。
マットレスには硬め、柔らかめ、いろいろなものがありますが、硬さが合う合わないは人によって異なります。
合わなかった場合、レンタルの場合は交換してくれますが、購入した場合は再度購入しなければなりません。
そういったことを考えると、レンタルの方が有利といえます。
メンテナンスがない!
レンタルの場合、定期的に保守点検をしてくれます。
だから、壊れる心配はほとんどなく、たとえ壊れてもすぐに駆け付けてくれます。
しかし購入した場合は、保守点検がなく、壊れた場合でもすぐに来てくれるとは限りません。
介護ベッドは機能付きですから、その機能が正常に働かなければ介護に支障をきたします。
それゆえ、レンタルの方が安心といえます。
まとめ
介護ベッドはレンタルか?購入か?について、私の見解を述べさせていただきました。
介護ベッドで必要な機能は、背もたれ・脚部のリクライニングと柵(移動式)だけです。
これだけあれば十分な介護ができますし、あとは被介護者のことを考えてマットレスの硬さを調整してあげることです。
それにはやはり、交換ができるレンタルにした方がいいということになります。
しかしこれはあくまで私の見解です。
レンタルか購入か迷ったら、ケアマネージャーさんにまず相談してみることです。
きっと一番いい方法を教えてくれるでしょう。