一粒ダイヤネックレスと並んで人気のラインネックレス。
上品でエレガントなデザインに人気が集まり、幅広い年齢層に選ばれています。
しかし選ぶときに困るのは、ダイヤの品質表示が少ないこと。
一粒ダイヤネックレスの場合、ほとんどがその品質を謳っているにもかかわらず、ラインネックレスには逆にほとんどが謳ってないのです。
これでは選ぶのに迷ってしまいますね。
このページでは、現在ネットで販売されているダイヤラインネックレスが、どのような品質表示をしているのか例に挙げ、それがどういう種類のダイヤなのかご説明させて頂きたいと思います。
ネットのダイヤラインネックレスの品質状況
ネットでは、0.1ct~1.5ctのダイヤラインネックレスが販売されています。
その中では、ダイヤの品質表示があるものとないものとに分かれます。
しかしあっても表示の仕方は様々で、すべて表示されたものもあれば、限定的に表示されたものとがあります。
たとえばSIクラスとだけ表示されたもの。
あるいは、Hからー、SIクラスとだけ表示されたものとかです。
ダイヤモンドに関してある程度知識のある人なら、これを見ればどの程度のダイヤか判別がつきますが、素人さんがこれを見ても何のことかわかりませんね。
まずは選ぶにあたって、これらのダイヤがどの程度のものなのか、説明させて頂きます。
SIクラスのダイヤとは
ダイヤにはその品質をはかる4C評価というのがあります。
4Cとは、カラット(重量)、カラー(色)、クラリティ(透明度)、カット(研磨・プロポーション)の頭文字をとってそう呼びます。
SIクラスというのは、この中の透明度を表すクラリティに関しての表示です。
ここでクラリティに関して詳しく説明させて頂きます。
クラリティについて
ダイヤは天然鉱物ゆえ、必ずインクルージョン(内包物)が存在します。
このインクルージョンが多いダイヤは透明度が低くなり光の透過率が劣るわけですが、このインクルージョンの多い少ないのグレードを表したのがクラリティなのです。
つまりクラリティとはダイヤの透明度を表した指標なのです。
そしてこのクラリティは11段階にランク付けされます。
インクルージョンの全くないFL(フローレス)を最高とし、インクルージョンの量が増えるにしたがい、IF、VVS1、VVS2、VS1というふうにランク付けされるわけです。
ではダイヤが輝くためにはどの程度のクラリティであればいいのか?
それはSIクラスです。
以下の表をご覧ください。
SIクラスというのは表でもおわかりのように、肉眼で発見が困難なほどインクルージョンが微小なため、光の透過にそれほど影響を与えることはありません。
しかしその下の「Iクラス」になると、肉眼での発見が容易なほどインクルージョンが大きいため、光の透過を邪魔してしまうのです。
その結果、輝きも劣ってしまうのです。
つまりSIクラス以上のダイヤは透明度が高く、光が透過しやすいといえます。
ただし付け加えておきますと、透明度が高いからといってダイヤの輝きを保証するものではありません。
ダイヤが輝くためには、クラリティSI以上のほかに、カットがGood以上なければならないのです。
カットがGood未満のFairになりますと、光がダイヤ底部より漏れてしまい、輝きが劣ることになるのです。
つまりSIクラスのダイヤというのは、ただ単に透明度が高いというだけのことです。
Hカラーのダイヤとは
ダイヤの品質表示の中に、Hカラー、SIクラスというのがあります。
SIクラスのダイヤについてはすでに述べましたから、Hカラーのダイヤについてお話しします。
Hとは、ダイヤのカラーのランクを表したものです。
ここでカラーに関して詳しくご説明させて頂きます。
カラーについて
カラーはダイヤの色を表す指標で、無色のダイヤほど高くランク付けされます。
最近では、Very Light Yellowとかブラウンダイヤなどが販売されていますが、要は色のついたダイヤのことであり、価値的に見れば無色のダイヤより劣っていることになります。
ダイヤはやはり無色の方が美しく、その理由はダイヤ内で起こるプリズム効果にあります。
太陽光を含む白色光はプリズムを通せば赤、橙、黄、緑、青、藍、紫と七色に分かれます。
これは色それぞれの波長が異なるため、屈折によって光が分散されるためです。
この現象がダイヤ内でも起こります。
ダイヤ内に光が入射すると、光の中にある波長の異なる色が屈折によって分散されます。
上質のダイヤモンドを覗き込むと、いろいろな色の光線が発見できます。
これはダイヤ内でプリズム効果がなされているからです。
無色のダイヤに光が入射すると、反射した光は変色されることなくありのままの光線を放ちます。
しかし色のついたダイヤモンドの場合、ダイヤのカラーの影響を受けてしまい、光線を変色させるのです。
これがダイヤの美しさに影響します。
ダイヤに美しさを求めるなら無色の方が望ましく、色のついたものは避けた方が無難です。
ではプリズム効果を発揮するダイヤカラーとはどの程度のものか。
それはHカラー以上のダイヤです。
以下の表をご覧ください
Hは「ほとんど無色」に属しています。
ほとんど無色には、G、H、I、Jとありますが、IとJはその下の「わずかな黄色」のランクに近いこともあり、やはり幾分黄色く見えます。
それゆえHカラーはプリズム効果が発揮できるギリギリのラインといえます。
つまりHカラー以上のダイヤは、美しいダイヤに属することを意味しています。
ただし補足説明しますと、いくらHカラーのダイヤが美しいといっても、透明度の伴わないダイヤは美しいとは言えません。
Hカラー、SIクラスのダイヤというのは、色、透明度とも申し分ないので美しいダイヤといえますが、Hカラー、Iクラスのダイヤでは、とても美しいダイヤとは言い切れません。
それゆえ、ダイヤのカラーと同時にクラリティも確認して選ぶ必要があります。
おすすめはHカラー、SIクラス、Goodカットのダイヤ
以上のご説明から、SIクラスのみ、あるいはHカラー、SIクラスと表示されたダイヤの品質がおわかり頂けたでしょう。
どれもこれもダイヤの命である、輝きには縁遠いものばかりです。
しかし要素は揃っています。
ここにカットがGood以上の要素が加わりますと、ダイヤは間違いなく輝きます。
ここでダイヤの輝く仕組みをわかって頂くために、カットについてお話をさせて頂きます。
カットについて
採掘されたダイヤの原石は、一見スリガラスのようです。
それが人間の手によってあのような素晴らしい輝きを放つ石になるのです。
そしてその方法が、ラウンドブリリアントカットというカット法です。
しかしラウンドブリリアントカットすれば何でも輝くというものではありません。
カットの良し悪しによって輝いたりそうでなかったりするのです。
Excellentカットされたダイヤに光が入射すると、光はダイヤ内で漏れることなく反射され、再びダイヤ外へ放射されます。これを全反射といいます。(下イラスト左参照)
しかしダイヤのカットが深すぎたり浅すぎたりすると、光は全反射せずダイヤ底部より漏れてしまい輝きが劣ることになるのです。
これがカットの良し悪しによる輝きの違いです。
ダイヤ内の光が全反射するためには、その理想となるプロポーションが存在し、それが以下の比率で構成されています。
ダイヤは、この構成比率に近くて研磨状態が良好なものから、Excellent、VeryGood、Good、Fair、Poorとランク付けされます。
ではダイヤが輝くためにはカットはどのランク以上のものがいいかというと、「Good」以上のダイヤなら輝くといえます。
FairやPoorカットのダイヤはプロポーションに問題があり、輝くとは言えません。
よってカットがGood以上のダイヤが、輝くダイヤといえるのです。
ハートアンドキューピットとは
販売されているダイヤ製品の中で、ハートアンドキューピットという記載が見られます。
これは何のことかというと、カットに関する記載です。
ここで少し、ハートアンドキューピットについて説明させて頂きます。
素晴らしいカットが施されたダイヤを特別のスコープで覗き込むと、8つのハートとアロー像が確認されることがあります。
これをハートアンドキューピットが現れるダイヤとして重宝されています。
これはプロポーションとシンメトリ(対称性)の良い最高のカットをダイヤに施した場合、8つのハートとアロー像が特殊スコープで確認できるのです。
つまりハートアンドキューピットが現れるダイヤとは、最高のカットが施されたということで、カットグレードでいえばExcellentかVery Goodのカットにあたります。
ダイヤが美しく輝くために
ダイヤが美しく輝くためには、カラーはH以上、クラリティはSI以上、カットはGood以上必要です。
この3条件が揃ったダイヤなら、間違いなく美と輝きを併せ持ったダイヤといえます。
しかしどれかひとつでも欠けたら、それはなくなります。
ネットでのラインネックレスのダイヤ品質表示を見ておりますと、この3条件が揃ったモノが非常に少ないのです。
ダイヤを買う以上、やはり輝くものを買いたいものです。
それゆえ、購入前にはこの3点を注意深く確認してから選んでください。
以下に、私が選んだ3条件をクリアしたダイヤラインネックレスをご紹介し、このページを閉じたいと思います。
このページが皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読み頂き、真に有難うございました。