7月の誕生石ルビー。
深紅の輝きは妖艶さを感じさせ、見る者をうっとりさせるほどの魅力を持ちます。
こんな魅力的なルビーを誕生日プレゼントにと考える人も少なくないでしょう。
しかしルビーは余程注意して選ばないと大変なことになるのです。
どう大変かというと、時間の経過とともに変色していくのです。
つまり安いからといって何でもかんでもいいというものではなく、ちゃんとした知識をもってルビーは選ばなければならないのです。
このページでは、ルビーの指輪を彼女あるいは奥様にプレゼントする場合、どういった点に注意しなくてはならないか。
そしてどんなルビーリングならプレゼントに相応しいか、述べさせて頂きます。
95%のルビーは加熱処理が施されている
タイやミャンマーで産出されることの多いルビーは、自然のままではほとんどが美しい色にはなりません。
他の不純物が混入し、黒みがかっていたり褐色が混じっていたりと色調は様々です。
その悪い色調を、ルビー本来のカラーに近づけようと施されたのが加熱処理です。
加熱処理によってルビーは色鮮やかに変化し、ルビー本来の色を取り戻すことができたのです。
そしてこの加熱処理が施されたルビーは、市場に出回っているルビーの実に95%を占めるといわれます。
つまりほとんどのルビーは加熱処理されているといっても過言ではありません。
しかし加熱処理しているからといって天然ではないと考えるのは早計で、国内においては加熱処理されたルビーは天然石と扱われ、その価値を失うことはないとされています。
しかしプレゼントとなると、やはり何の手も加えられていない非加熱処理のルビーが欲しくなります。
そんなルビーリングはめったにないのですが、楽天で一つ見つけました。
それがこれです。
このルビーには一切熱処理が加えられておらず、まさしく天然ルビーそのものです。
彼女や奥様にプレゼントするには相応しいルビーリングだと思われます。
含侵処理のルビーに注意
カラット数が大きいのに、やたらと安いルビーリングがあります。
下のルビーリングは2カラットで5,681円、その下のものは5カラットで15,960円です。
なぜこんなに安いのか?
それは含侵処理をしているからです。
含侵処理とは、ルビーやサファイアなどの透明度を鉛ガラスを含侵させることによって改善させる方法で、2004年の初めころから宝石市場に急速に広がったとされています。
そして過度の含浸がコランダム(ルビー・サファイア)の重量や耐久性などに影響を及ぼすことが懸念され、全国宝石学協会が国内外に注意を喚起したといいます。
ここまで人工的に処理したルビーが果たして天然ルビーといえるのかどうか意見が分かれるところですが、ただ懸念されるのは耐久性の問題です。
物質的に脆くはないのか?
そして色褪せたりしないのか?
大いに気になるところです。
ただ、ある研究機関の検査の結果では、含侵ルビーは酸に腐食されやすいというデータが出ています。
汗は酸です。
つまり含侵ルビーは汗には弱いということになります。
また含侵ルビーネックレスの商品ページに次のような記載がありました。
※注 このルビーは、色を引き立たせる為の加熱処理と、光沢・透明度を増す為の含浸処理がされていますので、超音波洗浄機にかけると変色する場合があります。(商品説明ページより抜粋)
つまり汗をかいたからといって洗浄すれば、ルビーが変色する可能性があるということです。
こういったルビーリングが大切な方へのプレゼントに相応しいとは言えません。
できたらプレゼントには含侵ルビーを使ったリングは避けたいものです。
プレゼントに最もふさわしいクレサンベールルビーリング
私がプレゼントに最もふさわしいルビーリングはクレサンベールといえます。
クレサンベールとは京セラ独自の技法で作られた再結晶宝石のことで、成分、輝きは全く天然の宝石と変わりません。
天然のルビーやサファイアは先ほども申し上げたように、ほとんどが熱処理をして色合いを向上させていますが、クレサンベールのルビーはそのような処理はまったくしていません。
再結晶されたままのルビーをカッティングし、そのままクレサンベールの宝石として世に出ているのです。
それゆえ色合い、輝きは半永久的で、色あせや輝きの退化は一切ありません。
私はこれこそが、プレゼントに相応しいルビーリングじゃないかと思うのです。
京セラはクレサンベールについてをこう述べています。
クレサンベールと天然の宝石は、化学的・物理的・光学的性質にほとんど違いがないと。
その意味とは何でしょうか?
化学的性質は同じ
天然ルビーの化学的組成は、Al2O3です。
一方クレサンベールのルビーの化学的組成もAl2O3です。
これは全く同成分ということになります。
これを証づけるものとしてX線回折、分光分析を行っており、天然石と同一という結果が出ております。
物理的性質も同じ
天然ルビーの結晶系は六方晶系ですが、クレサンベールのルビーも全く同じです。
そして硬度(モース)も同じ9、比重は天然3.90~4.01に対してクレサンベールルビーは4.01でほぼ同じ、融点に関しても同じ2050℃という結果が出ています。
このように物理的性質もほぼ同じといえます。
光学的性質も同じ
さらに光学的性質について見てみますと、
天然ルビーの屈折率は1.760~1.768に対し、クレサンベールのルビーの屈折率は1.762~1.770という結果が出ています。
つまり屈折率もほぼ同じ。
そして複屈折は天然は0.008に対しクレサンベールでは0.008という結果。
これも同じです。
以上のデータは、すべて京セラクレサンベールの公式ホームページより抜粋したものです。
詳しくは、京セラクレサンベールの公式ホームページをご覧ください。
クレサンベールのメリット
クレサンベールは化学的・物理的・光学的性質において天然宝石とほぼ同じという結果が出たわけですが、これは宝石的にみればどういうことでしょう。
私が特に注目するのは光学的性質における屈折率です。
同成分のクレサンベールは天然宝石と同じ輝きをもつ
屈折率も天然宝石とほぼ同じと出ておりますが、屈折率が同じということは輝きも同じということになるのです。
媒体には必ず屈折率が存在し、屈折率が高いものほど光は鋭角に曲がります。
屈折率は以下の数式で産出されます。
屈折率は臨界角に関係し、臨界角とは光が逃げない角度のことを言います。
臨界角のことをわかりやすく水と空気とで説明すると、光源を水の中に置き、そこから光を放射したとします。
放たれた光は水中から空気へと進みますが、媒質が異なるため、空気中に出ると光は屈折します。(①の場合)
水面に対して光源はほぼ真下にあるので光はこういう方向に進みますが、これがもし光源から離れたところの水面ではどうでしょう。
②のように、光は水中から出られず、そのまま水中に反射されることになるのです。
この角度を臨界角といいます。
この臨界角は宝石の場合輝きに影響し、臨界角が狭いほど光を逃さず効率的に光を反射させることができます。
ダイヤが輝くのは臨界角が極端に小さいからで、そのおかげで入射した光を逃さずダイヤ内で反射させるため、あのような素晴らしい輝きを放つことができるのです。
話を元に戻しますと、クレサンベールの宝石は天然ものと同一の成分を有しているため、屈折率は同じです。
屈折率は同じだから臨界角も同じということになり、輝きも天然のものと同じということなのです。
これがクレサンベールのメリットのひとつなのです。
カラーが均一
天然宝石にはどうしても色むらがあります。
濃いもののあれば薄いものもあり均一されていません。
それゆえ、選ぶ宝石によって色むらが発生するのです。
しかしクレサンベールの場合は違います。
クレサンベールは再結晶されたもの全部を使うわけではなく、そのいいところだけを抽出し、選びに選び抜かれたものだけをクレサンベールの宝石にしますから、色むらがほとんどありません。
すべて色が均一化された宝石がクレサンベールなのです。
それゆえ、天然ものと違って色むらはほとんどないのがクレサンベールということになります。
色調が退化しない
天然宝石といっても色調をよくするため人工処理をしている色石があります。
たとえばエメラルドなどはオイル処理を施して艶をあげています。
最初はいいのですが、時間の経過とともにそれが薄れ、色調が退化していきます。
しかしクレサンベールはそのような人工処置は一切行っておりません。
したがって半永久的に色調が変わらないといえます。
インクルージョン(内包物)がほとんどない
天然宝石には必ずインクルージョン(内包物)が存在します。
これは天然物ゆえ仕方がないことです。
しかしクレサンベールは違います。
再結晶時においてもインクルージョンは発生しますが、クレサンベールの場合極力インクルージョンの少ない部分だけをカットしますから、濁りのもとであるインクルージョンがほとんど存在しないのです。
それゆえ常に透き通った宝石を提供できるのがクレサンベールというわけです。
まとめ
色合い、透明度、どれをとってもクレサンベールのルビーリングに勝るものはありません。
よってこのルビーリングこそプレゼントに相応しいといえます。
最後に、クレサンベールのルビーリングを紹介し、このページを閉じたいと思います。
最後までお読み頂き、真に有難うございました。