深海を思わせる深く濃い青色の宝石、サファイア。
ダイヤのような煌びやかさはなくても、その静かな佇まいは大人の気品を漂わせ、身に着けるだけで品位をも高めてくれる。
サファイアとはそんな宝石といえます。
ただサファイアといっても青色だけでなく、ピンクやオレンジといったカラーも持ち合わせておりますが、一般にサファイアといえばこのブルーサファイアのことを指します。
産地としてはオーストラリア、スリランカが多く、スリランカ産に関してはチャールズ皇太子がダイアナ妃に婚約指輪として18カラットのサファイアリングを贈ったことは殊に有名です。
しかしオーストラリア産、スリランカ産問わず、このサファイアを選ぶのは昨今非常に難しくなっています。
その理由は、コランダムから産出されるルビーやサファイアには少なからず人工処理が施されているからです。
このページでは、サファイアリングを選ぶ際にどういった点に気を付けなければならないか、そしてどのようなサファイアリングなら安心かを述べさせて頂きます。
サファイアに施される人工処理とは
加熱処理
実に95%のルビーやサファイアはこの加熱処理が施されており、これによって色艶を良くし宝石の美観を向上させています。
そして時間の経過で退色することはなく、いつまでも同じカラーを保ち続けます。
この加熱処理は通常処理として扱われ、国内でも加熱処理はいわば当たり前で、加熱処理したものでも天然宝石として扱われています。
つまり世に出ているサファイアリングのほとんどは、この加熱処理がされているということを認識しておいてください。
そしてこれが天然宝石と呼べるギリギリの処理であることも知っておいてください。
表面拡散加熱処理
宝石の色を変えたり色調を変えるために、加熱処理時に人為的に特定の元素を加え、宝石の表面に拡散・浸透させる加熱処理法を表面拡散加熱処理といいます。
たとえば無色のコランダム(ルビーやサファイア)にチタンやクロムといった着色元素を加熱処理時に加えると、色を石表面に浸透させることができます。
このサファイアは、見た目はブルーでもそれは表面だけで、カットすれば中身は無色のコランダムが現れてきます。
こうなるともはやサファイアとは言えず、天然宝石ともいえないでしょう。
こういった処理に関しては商品説明の中での記載が義務付けられており、もし表面拡散処理と記載があれば選ばないようにしなくてはいけません。
大抵このような商品は、カラット数のわりに極端に安い価格が付けられています。
含侵処理
サファイアの透明度をよくする目的で行われているのがこの含侵処理。
鉛ガラスをサファイアのクラックやインクルージョンに含侵させ、透明度をアップさせるという処理。
しかしこの含侵処理されたサファイアは、重量や耐久性などに影響を及ぼすことが懸念されており、事実酸に弱いという報告も見られます。
この含侵処理されたサファイアは、鑑別書においては「含侵を認む。」と表記されるため見分けるのは容易いですが、商品説明では省いているときもあるため、十分な注意が必要です。
このサファイアに関しても、カラット数のわりに価格が安いというのが特徴で、あまり安いサファイアリングの場合、商品説明や添付されている鑑別書の中身をよく見る必要があります。
サファイアリング選び方のポイント
以上の説明でおわかり頂けたと思いますが、サファイアリングを選ぶ際はその処理法がどのようなものであるか確認する必要があります。
認められる処理法は加熱処理だけで、これのみ唯一天然宝石と認められます。
そしてこれは通常処理であるから、商品説明には敢えて記載していないでしょう。
しかし他の表面拡散処理や含侵処理に関しては通常処理の範囲を出ており、天然ものと呼べるには値しないといえます。
これらの処理は商品説明の中での記載が義務付けられていますが、稀にない場合もありますので注意が必要です。
安心して選べるクレサンベールのサファイアリング
京セラクレサンベールという名をご存知ですか?
あの京セラという会社が、独自の技術で作り上げた宝石をクレサンベールと呼ぶのです。
クレサンベールはいわば再結晶宝石です。
再結晶宝石とは、天然サファイアと同成分の鉱石を一度溶かし、それを時間をかけて再結晶させることで、美しいサファイアに生まれ変えさせるという技法です。
巷に出回っている色を合わせたような模造宝石ではなく、宝石のいわば再現です。
不純物が混じりやすい自然界においてはでき得なかった美しい色合いのサファイアを、京セラが科学の力で再現した宝石。
それがクレサンベールの再結晶宝石です。
しかもその再結晶させたサファイアの中から、インクルージョン(内包物)が少なく色むらのないところだけを抽出し、最高のものだけをクレサンベールとしてネックレスや指輪、ピアスといった製品にしているのです。
つまり再結晶させたサファイアだけをクレサンベールと呼ぶのではなく、選びに選び抜いたものだけが商品として販売されているということです。
これこそが選ぶにふさわしいサファイアといえるでしょう。
ではクレサンベールのメリットは何でしょう。
メリット1 輝きが天然ものと同一
クレサンベールの成分は天然ものと同一と申し上げました。
これは何を意味するかというと、成分が同じということは光の屈折率も同じということです。
媒体には必ず屈折率が存在し、屈折率が高いものほど光は鋭角に曲がります。
屈折率は以下の数式で産出されます。
屈折率は臨界角に関係し、臨界角とは光が逃げない角度のことを言います。
臨界角のことをわかりやすく水と空気とで説明すると、光源を水の中に置き、そこから光を放射したとします。
放たれた光は水中から空気へと進みますが、媒質が異なるため、空気中に出ると光は屈折します。(①の場合)
水面に対して光源はほぼ真下にあるので光はこういう方向に進みますが、これがもし光源から離れたところの水面ではどうでしょう。
②のように、光は水中から出られず、そのまま水中に反射されることになるのです。
この角度を臨界角といいます。
この臨界角は宝石の場合輝きに影響し、臨界角が狭いほど光を逃さず効率的に光を反射させることができます。
ダイヤが輝くのは臨界角が極端に小さいからで、そのおかげで入射した光を逃さずあのような素晴らしい輝きを放つことができるのです。
話を元に戻しますと、クレサンベールの宝石は天然ものと同一の成分を有しているため、屈折率は同じです。
屈折率は同じだから臨界角も同じということになり、輝きも天然のものと同じということなのです。
これがクレサンベールのメリットのひとつなのです。
メリット2 カラーが均一
天然宝石にはどうしても色むらがあります。
濃いもののあれば薄いものもあり均一されていません。
それゆえ、選ぶ宝石によって色むらが発生するのです。
しかしクレサンベールの場合は違います。
先ほども申し上げたように、いいところだけを抽出した宝石ですから色むらがほとんどありません。
すべて色が均一化された宝石がクレサンベールなのです。
メリット3 インクルージョン(内包物)がほとんどない
天然宝石には必ずインクルージョン(内包物)が存在します。
これは天然物ゆえ仕方がないことです。
しかしクレサンベールは違います。
極力インクルージョンの少ない部分をカットし抽出したものですから、濁りのもとであるインクルージョンがほとんど存在しないのです。
それゆえ常に透き通った宝石を提供できるのがクレサンベールというわけです。
クレサンベールサファイアリングを選ぶメリット
以上の説明でおわかり頂けたと思いますが、クレサンベールのサファイアリングなら安心して選ぶことができます。
色むらなし、インクルージョンなし、成分、輝きは同一。
そして天然サファイアのように一切の人工処理はしていません。
もちろん加熱処理もです。
天然では成しえなかった色合いを、科学の力によって成しえた美しい色合いの宝石。
それがクレサンベールの再結晶宝石です。
クレサンベールのサファイアリングなら安心して選ぶことができます。
まとめ
サファイアリングの選び方を解説させて頂きました。
以上述べましたように、サファイアには人工処理がなされており、許される範囲としては加熱処理だけです。
それ以外の処理法は問題があり、選ぶに値しません。
しかし天然には色むら、インクルージョンが存在し決してすべてが美しいサファイアとは言えません。
しかしクレサンベールのサファイアならそんな心配はなく、すべてが美しくきれいといえます。
つまり安心して選べるのはクレサンベールのサファイアリングだけということになります。
最後に、クレサンベールのサファイアリングを紹介し、このページを閉じたいと思います。
最後までお読み頂き、真に有難うございました。