少しの揺れで中石だけがゆらゆら揺れて輝くネックレス、ダンシングストーン。
ネックレス自体はそのままで、中石だけが小刻みに揺れ続けるというこのネックレスは一躍脚光を浴び、世の注目を集めました。
発売当初は中石にキュービックジルコニアを使い、台座をシルバー925を使うなど、アクセサリー感が強いネックレスでした。
しかし本物志向が高まり、ダイヤやルビー、エメラルドといった天然石も加わるようになると、次第に宝飾品として認知されるようになりました。
しかし宝飾品としてのダンシングストーンには、期待外れの感が否めませんでした。
それは次の理由からです。
① 天然石が小さすぎる
② 天然石の質が悪すぎる
天然宝石はキュービックジルコニアのような人工石に比べて値段が高いです。
それゆえ、天然石をダンシングストーンにセッティングすれば当然値段が上がります。
それを何とか抑えようと天然石の大きさを小さくしたわけですが、これが失敗の始まり。
石が小さすぎて揺れているかどうかわからない。
そして次の②の天然石の質の問題。
キュービックジルコニアは人工石ゆえ無色透明。
そしてカットはExcellentカットですから、いうなれば輝く要素が揃っていたわけです。
では天然石はどうか。
天然石には必ずインクルージョンがあり、キュービックジルコニアのような透明度はありません。
そしてカットに至ってはダイヤ以外は評価する基準がありません。
よってルビーやサファイアといった色石の場合、輝き度をチェックする方法がないのです。
そのため、揺れても輝くかどうかわからないというのが結論です。
これらが宝飾品としてのダンシングストーンが期待外れだったという理由です。
しかしただひとつ期待を持てる天然石があります。
それはダイヤモンドです。
セッティングする石がダイヤモンドの場合、大きさ、品質さえ揃えば期待以上のダンシングストーンになります。
このページでは、ダンシングストーンにつける天然石が、なぜダイヤが一番なのか説明させて頂きます。
光るダイヤかそうでないかは品質を見ればわかる
ダンシングストーンは中石が揺れて輝く。
しかし揺れても輝かなければダンシングストーンの意味はありません。
色石をダンシングストーンにつけた場合、こういった揺れても輝かないケースがあるのです。
石が輝くかどうかは、透明度とカットの程度を見ればわかります。
しかし色石にはダイヤのような4C評価がないため、透明度とカットの程度がわからず、輝くかどうか判別できないのです。
揺れても輝かないケースがあるというのはこういった理由からです。
ちなみに4Cとは、カラット、カラー、クラリティ、カットの頭文字をとってそう呼びますが、このなかのクラリティとカットを見ればそのダイヤが輝くかどうかが判別できます。
クラリティとカットの程度が輝く条件を満たしていたらそのダイヤは間違いなく輝くといえ、ダンシングストーンにつけても、揺れれば必ず輝きます。
これがダイヤと色石の決定的な違いです。
私がダンシングストーンにつける天然石はダイヤが一番ふさわしいというのは、このような理由からです。
ではどの程度のクラリティとカットであればダイヤは輝くのか。
それを順に説明させて頂きます。
クラリティについて
クラリティとはダイヤの透明度を表す指標で、透明度の高いダイヤほど光は透過します。
ダイヤは天然鉱物ゆえ、必ずインクルージョン(内包物)が存在します。
このインクルージョンが多いダイヤは透明度が低くなり光の透過率が劣るわけですが、このインクルージョンの多い少ないのグレードを表したのがクラリティなのです。
クラリティは11段階にランク付けされます。
インクルージョンの全くないFL(フローレス)を最高とし、インクルージョンの量が増えるにしたがい、IF、VVS1、VVS2、VS1というふうにランク付けされるわけです。
では光の透過率の高いダイヤのクラリティはどのランク以上かというと、「SIクラス」以上のダイヤなら光をよく透過させます。
SIクラスというのは表でもおわかりのように、肉眼で発見が困難なほどインクルージョンが微小なため、光の透過にそれほど影響を与えることはありません。
しかしその下の「Iクラス」になると、肉眼での発見が容易なほどインクルージョンが大きいため、光の透過を邪魔してしまうのです。
言葉だけの説明ではわかりにくいと思いますので、実際に比較画像を見てみましょう。
左がSIクラス、右がIクラスのダイヤです。
明らかに透明度が違うでしょう。
つまりクラリティがSIクラス以上のダイヤであれば、光の透過もスムーズで輝きやすいといえるのです。
しかし透明度がいいだけではダイヤは輝きません。
ダイヤが輝くためには、次に説明するカットが重要なカギを握るのです。
カットについて
採掘されたダイヤの原石は、一見スリガラスのようです。
それが人間の手によってあのような素晴らしい輝きを放つ石になるのです。
そしてその方法が、ラウンドブリリアントカットというカット法です。
しかしラウンドブリリアントカットすれば何でも輝くというものではありません。
カットの良し悪しによって輝いたりそうでなかったりするのです。
Excellentカットされたダイヤに光が入射すると、光はダイヤ内で漏れることなく反射され、再びダイヤ外へ放射されます。これを全反射といいます。(下イラスト左参照)
しかしダイヤのカットが深すぎたり浅すぎたりすると、光は全反射せずダイヤ底部より漏れてしまい輝きが劣ることになるのです。
これがカットの良し悪しによる輝きの違いです。
ダイヤ内の光が全反射するためには、その理想となるプロポーションが存在し、それが以下の比率で構成されています。
ダイヤは、この構成比率に近くて研磨状態が良好なものから、Excellent、VeryGood、Good、Fair、Poorとランク付けされます。
ではダイヤが輝くためにはカットはどのランク以上のものがいいかというと、「Good」以上のダイヤなら輝くといえます。
FairやPoorカットのダイヤはプロポーションに問題があり、輝くとは言えません。
よってカットがGood以上のダイヤなら光の反射を効率よく行い、よく輝くといえます。
ダイヤが美しく輝くために
ダイヤが輝くためには、クラリティがSIクラス以上、カットがGood以上必要だということがおわかり頂けたと思います。
しかしダイヤの美しさにもこだわるならカラーも見逃せません。
カラーはダイヤの色を表すのですが、このカラーがダイヤの美しさに影響してくるのです。
次にダイヤの美しさに関係するカラーについて説明させて頂きます。
カラーについて
カラーはダイヤの色を表す指標で、無色のダイヤほど高くランク付けされます。
最近では、Very Light Yellowとかブラウンダイヤなどが販売されていますが、要は色のついたダイヤのことであり、価値的に見れば無色のダイヤより劣っていることになります。
ダイヤはやはり無色の方が美しく、その理由はダイヤ内で起こるプリズム効果にあります。
プリズム効果を発揮する無色のダイヤ
太陽光を含む白色光はプリズムを通せば赤、橙、黄、緑、青、藍、紫と七色に分かれます。
これは色それぞれの波長が異なるため、屈折によって光が分散されるためです。
この現象がダイヤ内でも起こります。
ダイヤ内に光が入射すると、光の中にある波長の異なる色が屈折によって分散されます。
上質のダイヤモンドを覗き込むと、いろいろな色の光線が発見できます。
これはダイヤ内でプリズム効果がなされているからです。
無色のダイヤに光が入射すると、反射した光は変色されることなくありのままの光線を放ちます。
しかし色のついたダイヤモンドの場合、ダイヤのカラーの影響を受けてしまい、光線を変色させるのです。
これがダイヤの美しさに影響します。
ダイヤに美しさを求めるなら無色の方が望ましく、色のついたものは避けた方が無難です。
ではダイヤが美しく輝くためには、カラーがどのランクのものがいいかというと「H」以上のものが望ましいといえます。
同じ「ほとんど無色」に属しているG、H、I、Jですが、IとJはその下の「わずかな黄色」のランクに近いこともあり、やはり幾分黄色く見えます。
プリズム効果にさほどの影響を与えないのは「Hカラー」以上のダイヤといえ、美しいダイヤを求めるならこれ以上のものを選ぶ必要があります。
まとめ
ダンシングストーンにつける天然石は、ダイヤが一番という理由を述べさせて頂きました。
ダンシングストーンにつける天然石は、必ず輝くという保証がなければなりません。
そういう保証を持っているのがダイヤモンドです。
いかがだったでしょうか。
参考になりましたでしょうか。
最後に、ダンシングストーンダイヤネックレスを紹介し、このページを閉じたいと思います。
最後までお読み頂き、真に有難うございました。