ダイヤモンドの輝きはダイヤの品質に依存します。
ダイヤの品質は4Cであらわされ、ダイヤが輝くためにはクラリティが少なくともSIクラス以上、カットがGood以上必要とされます。
そしてダイヤに美しさも求めるなら、これに加えてカラーがH以上必要です。
これらがそろってはじめて美しく輝くダイヤとなるわけですが、ただダイヤの輝きに関してはダイヤの品質だけでは測れないものがあります。
なぜならダイヤは光を取り込んでこそ輝くからです。
いくら素晴らしいダイヤ品質であっても、光が入ってこなければダイヤは輝きません。
確かにダイヤの表面は露出しているため光が入ってくるでしょう。
しかしダイヤの裏面はルース(裸石)でない限り地金で隠され、光が入ってきにくい状態です。
通常のダイヤアクセサリーは爪でダイヤが留められています。
ダイヤは台座に載せられそれを留めるために爪が用いられるわけですが、ダイヤが露出している部分はダイヤのサイド部分の爪と爪とのわずかな間と表面だけです。
覆輪留めのダイヤなどはそのサイドさえも地金で隠されています。
これでは光の入射は制限され、輝きも制限されることになるのです。
ダイヤが最も輝くのはルース(裸石)の時
では、ダイヤが最も輝く状態とはどういう時か。
それはルース(裸石)の時です。
光の入射を遮るものは何もないため、全方位から光が入射します。
その光はダイヤ内、あるいはダイヤの表面で反射され、四方八方に輝きを放ちます。
そしてその輝きは、ダイヤの前面(テーブル面)からだけではありません。
ダイヤの側面、ダイヤの裏面からも光が放たれますから、四方八方というにふさわしい輝きでしょう。
ダイヤの輝きはダイヤ前面からみたもの
通常のダイヤの輝きは前面(テーブル面)に比重が置かれます。
透明度があり、かつExcellentカットされたダイヤの場合、光がダイヤ前面から入射するとその光はダイヤ内で全反射され、再びダイヤ外へ放射されます。
Excellentカットされたダイヤが輝くのは、前面より入射した光を漏らすことなく全反射するためによく輝くのです。
しかしこれは、ダイヤ前面から入射した光の反射率が高いことを表しているだけであり、ダイヤ側面や裏面からの光の反射は含まれていません。
以下のイラストをご覧ください。
Excellentカットされたダイヤは入射した光を漏らすことなく全反射することはすでに述べましたが、ダイヤのカットが深すぎた場合や浅すぎた場合、光はダイヤの底部(裏面)から漏れます。
これは何を意味するかというと、入射した光は必ずダイヤ内で反射されるということです。
Excellentカットされたダイヤに前面より光が入射すると、光は必ず前面より放射されます。
それゆえよく輝くダイヤといわれるわけですが、しかし他のカットの悪いダイヤであっても光は反射され、前面でなくともダイヤの他の箇所より放射されるのです。
つまりダイヤ全容で見た場合、たとえカットの悪いダイヤであっても輝きはそれほど変わらないといえるかもしれません。
レーザーホールダイヤモンドという裸石
レーザーホールダイヤモンドというのがあります。
これはレーザーで直接ダイヤに穴をあけたダイヤモンドで、その目的はホールをもってダイヤを留めることで、ダイヤの露出度を上げるために行われています。
先述したようにダイヤの輝きは露出度に比例し、露出度の高いダイヤほど光をよく取り込み輝きを放ちます。
このレーザーホールダイヤはほぼルース(裸石)状態ですから露出度は抜群です。
それゆえ輝きも格段に高いといえます。
しかもその輝きはダイヤ前面だけにとどまりません。
まさしく四方八方というにふさわしい輝き方です。
通常のダイヤアクセサリーはダイヤが爪で留められています。
それゆえダイヤの側面や裏面は地金があるためダイヤの輝きは制限されます。
ですがレーザーホールダイヤの場合は全方位が露出状態ですから、ダイヤをどの方向から見ようと輝きが制限されることはないのです。
まさにダイヤの側面や裏面からも光が放たれるというわけです。
そしてこのレーザーホールダイヤの場合、カットの悪いダイヤであっても、否カットの悪いダイヤだからこそ光があちこちで漏れて輝いて見えるなんてことになるかもしれません。
レーザーホールダイヤに求められる品質は透明度とカラーだけ
レーザーホールダイヤの場合、たとえカットが悪くても問題ありません。
なぜならダイヤに入射した光は必ず反射されますから、前面でなくてもどこか他の場所から放射されるからです。
その放射された光は輝きとなってダイヤを美しく見せてくれるはずです。
ただ反射をよくするためには、ダイヤの透明度が唯一重要になってきます。
光の透過を遮るインクルージョンがダイヤ内にたくさんあると光は透過せず、輝きとなって現れないからです。
ではどのくらいの透明度であればダイヤの光の反射がスムーズに行われるのでしょうか。
ここでダイヤの透明度を示すクラリティについてご説明いたします。
クラリティとは
ダイヤの価値を測る指標として4Cがあります。
カラット(重さ)、カラー(色)、クラリティ(透明度)、カット(研磨・プロポーション)の頭文字をとってそう呼びます。
この中のクラリティとはダイヤの透明度を表す指標で、ダイヤの輝きに大きく影響します。
ダイヤは天然鉱物ゆえ、必ずインクルージョン(内包物)が存在します。
このインクルージョンの多い少ないによってダイヤの透明度は大きく変わります。
簡単に言うとクラリティとは、このインクルージョンの多い少ないを表した指標といえます。
インクルージョンが全く存在しないダイヤのクラリティはFL(フローレス)と評価されます。
そしてインクルージョンが増えるにしたがい、IF、VVS1、VVS2、VS1と評価されます。
ではダイヤが輝くためにはどのランクのものがいいかというと「SIクラス」以上です。
SIクラスとは、インクルージョンの発見が肉眼では困難な時につけられる評価で、そのくらいインクルージョンが微小なのです。
しかしその下の「Iクラス」になると、インクルージョンが肉眼で容易に発見できる時につけられる評価で、それくらい大きいと光の透過を遮り、輝きを著しく落としてしまうのです。
言葉だけの説明ではわかりにくいと思いますので、実際に比較画像を見てみましょう。
左がSIクラス、右がIクラスのダイヤです。
明らかに透明度が違うでしょう。
このように輝くダイヤを望むなら、クラリティが「SIクラス」以上のものを選ぶ必要があるのです。
ダイヤに美しさを求めるならカラーも重要
さらにダイヤに美しさを求めるならカラーにもこだわらなければなりません。
ダイヤは天然鉱石ゆえ、すべてが無色というわけではありません。
素材の混入により、黄色味を帯びたものが存在します。
最近ではVery Light BrownとかYellowといったダイヤが売り出されていますが、要は色のついたダイヤであり、価値的に見れば無色のダイヤより劣っているといえます。
やはり選ぶとしたら無色のダイヤがおすすめです。
私が無色のダイヤをすすめる理由は、プリズム効果があるからです。
プリズム効果を発揮する無色のダイヤ
太陽光を含む白色光はプリズムを通せば赤、橙、黄、緑、青、藍、紫と七色に分かれます。
これは色それぞれの波長が異なるため、屈折によって光が分散されるためです。
この現象がダイヤ内でも起こります。
ダイヤ内に光が入射すると、光の中にある波長の異なる色が屈折によって分散されます。
上質のダイヤモンドを覗き込むと、いろいろな色の光線が発見できます。
これはダイヤ内でプリズム効果がなされているからです。
無色のダイヤに光が入射すると、反射した光は変色されることなくありのままの光線を放ちます。
しかし色のついたダイヤモンドの場合、ダイヤのカラーの影響を受けてしまい、光線を変色させるのです。
これがダイヤの美しさに影響します。
ダイヤに美しさを求めるなら無色の方が望ましく、色のついたものは避けた方が無難です。
ではダイヤが美しく輝くためには、カラーがどのランクのものがいいかというと「H」以上のものが望ましいといえます。
同じ「ほとんど無色」に属しているG、H、I、Jですが、IとJはその下の「わずかな黄色」のランクに近いこともあり、やはり幾分黄色く見えます。
プリズム効果にさほどの影響を与えないのは「Hカラー」以上のダイヤといえ、美しいダイヤを求めるならこれ以上のものを選ぶ必要があります。
レーザーホールダイヤにカットは重要視しない
以上のご説明でご理解いただいたと思いますが、レーザーホールダイヤにカットはあまり問題にしなくてもいいでしょう。
入射した光はダイヤ内で反射され、ダイヤのどこかの場所から放射されるわけですから、全容をさらけ出したレーザーホールダイヤにとってその場所はどこでもいいわけです。
Excellentカットされたダイヤの輝きの向きは、ダイヤ前面からの放射に限定されておりますが、それはダイヤの前面以外が地金で覆われているからであって、全容をさらけ出したレーザーホールダイヤには関係ないのです。
それゆえレーザーホールダイヤで重要視するのは輝きに関係するダイヤの透明度と、美しさに関係するカラーだけなのです。
いかがだったでしょうか。
参考になりましたでしょうか。
最後に、おすすめのレーザーホールダイヤピアスを紹介し、このページを閉じたいと思います。
最後までお読みいただき、真に有難うございました。