数あるファッションリングの中でエタニティリングが人気を博しています。
シンプルで飽きのこないデザインが人気を呼び、またダイヤというどんな服装にも合わせやすいという特徴から多くの人に愛用されています。
しかし選ぶとなると、その値段の違いに驚かされます。
同じカラット数であっても値段に幅があり、一体何が違うのか疑問に感じますね。
そこでこのページでは、最近ネットで販売されているエタニティリングの動向を探り、値段の違いは何に起因にしているのか見てみたいと思います。
エタニティリングの販売動向
エタニティリングをネットで閲覧していて気付くのは、ダイヤに関する4C情報の掲載です。
私が確認したところでは、商品情報が以下の5パターンに分かれていました。
① ダイヤの品質の記載がないもの
② ダイヤの品質の記載がクラリティだけのもの
③ ダイヤの品質の記載がカラーとクラリティだけのもの
④ ダイヤの品質の記載がカットだけのもの
⑤ ダイヤの品質の記載がカラー、クラリティ、カットすべてされているもの
ダイヤが輝くかどうかは、4C情報を見れば明らかです。
しかし①のように何も掲載されていないエタニティリングの場合、ダイヤが輝くかどうか不明です。
よってこのようなエタニティりリングを選ぶのはきわめて危なっかしく、避けた方が無難といえます。
そこでそれ以外の②、③、④、⑤のエタニティリングがどのくらいの値段で売られているか見てみたいと思います。
ここでは0.3ctのエタニティリングに絞ってそれを見てみましょう。
クラリティだけ記載のエタニティリング
クラリティとはダイヤの透明度を表す指標です。
ダイヤは天然鉱物ゆえ、必ずインクルージョン(内包物)が存在します。
このインクルージョンの多い少ないによってダイヤの透明度は変わってきます。
つまりクラリティとは、インクルージョンの多い少ないを表した指標とも呼べます。
では実際にクラリティだけ表示されたエタニティリングを見てみましょう。
以下は0.3ct、クラリティSIクラスのエタニティリングです。
ではこのクラリティSIクラスとは、どの位置に属するダイヤでしょうか?
以下の表をご覧ください。
これはクラリティのランク別を表した表で、SIクラスとは下から2番目に属します。
このランクは表からおわかりのように、肉眼でインクルージョンの発見が困難な時に付けられるランクで、つまりそれだけインクルージョンが小さいことを意味しています。
ダイヤの輝きは透明度とカットで決まりますが、SIクラスの透明度なら光の透過にそれほど支障をきたすことがなく、カットさえ良好な状態なら輝きを十分期待できるダイヤといえます。
しかし、クラリティがその下のIクラスになると、インクルージョンが多すぎるため光の透過を邪魔し、カットがいくら優れていても輝きが劣るダイヤとなるのです。
したがってクラリティSIクラスのダイヤとは、輝くのに十分な透明度を持っているといえます。
ただし透明度だけ優れていてもダイヤは輝きません。
ダイヤは、透明度に優れたカットが伴って初めて輝くといえるのです。
そしてカラーの表示もないわけですから、美しいダイヤとも言いきれません。
つまりSIクラスのエタニティリングというのは、透明度が優れたダイヤがセッティングされたリングというだけのことです。
カラーとクラリティだけ記載のエタニティリング
上のクラリティだけ表示されたものに、カラーの表示が加わったエタニティリング。
上のクラリティだけのものとどう違うのでしょう。
まず、実際に出品されているエタニティリングを見てください。
以下は0.3ctのカラーとクラリティの記載があるエタニティリングです。
値段帯は3万円台から6万円台です。
このエタニティリングは、先に紹介したクラリティSIクラスだけのものとどう違うのでしょう。
クラリティSIクラスに関しての説明はすでに述べましたので、ここではカラーについて説明します。
ダイヤは無色に見ますが、異物などの混入により若干色を帯びます。
その色味は、黄色味がかったり、茶色がかったりしたものがあり、全くの無色というのはむしろ希少といえます。
そしてダイヤは無色が美しいといわれますが、その理由はプリズム効果にあるのです。
太陽光を含む白色光はプリズムを通せば赤、橙、黄、緑、青、藍、紫と七色に分かれます。
これは色それぞれの波長が異なるため、屈折によって光が分散されるためです。
この現象がダイヤ内でも起こります。
ダイヤ内に光が入射すると、光の中にある波長の異なる色が屈折によって分散されます。
上質のダイヤモンドを覗き込むと、いろいろな色の光線が発見できます。
これはダイヤ内でプリズム効果が発揮されているからです。
無色のダイヤに光が入射すると、反射した光は変色されることなくありのままの光線を放ちます。
しかし色のついたダイヤモンドの場合、ダイヤのカラーの影響を受けてしまい、光線を変色させるのです。
これがダイヤの美しさに影響します。
ダイヤに美しさを求めるなら無色の方が望ましく、色のついたものは避けた方が無難です。
ダイヤのカラーは、最高をDとし、色味が強くなるにしたがってE、F、G、と続き、最後アルファベットのZで終わりです。
では、プリズム効果を発揮できるカラーはどのランクのものがいいのか?
それはHカラー以上のダイヤといえます。
同じ「ほとんど無色」に属しているG、H、I、Jですが、IとJはその下の「わずかな黄色」のランクに近いこともあり、やはり幾分黄色く見えます。
それゆえ、プリズム効果を発揮できるのは「Hカラー」以上のダイヤといえます。
つまりカラーの記載が加わったこのHカラー、SIクラスのダイヤというのは、無色透明のダイヤということです。
プリズム効果を発揮する無色に透明度が加味されると、ダイヤ本来の美しさが表現されます。
Hカラー、SIクラスのエタニティリングというのは、美しいダイヤのエタニティリングと言え、上のクラリティだけ記載されたエタニティリングより上質のものといえます。
このクラスのエタニティリングは3万円台から6万円台で売られています。
カットだけ記載のエタニティリング
次に、カットだけ記載されたエタニティリングについて解説します。
カットはダイヤが輝くうえで重要な要素となります。
それをご理解いただくために、カットがダイヤの輝きにどのように影響するか解説させて頂きます。
カットについて
採掘されたダイヤの原石は、一見スリガラスのようです。
それが人間の手によってあのような素晴らしい輝きを放つ石になるのです。
そしてその方法が、ラウンドブリリアントカットというカット法です。
しかしラウンドブリリアントカットすれば何でも輝くというものではありません。
カットの良し悪しによって輝いたりそうでなかったりするのです。
Excellentカットされたダイヤに光が入射すると、光はダイヤ内で漏れることなく反射され、再びダイヤ外へ放射されます。これを全反射といいます。(下イラスト左参照)
しかしダイヤのカットが深すぎたり浅すぎたりすると、光は全反射せずダイヤ底部より漏れてしまい輝きが劣ることになるのです。
これがカットの良し悪しによる輝きの違いです。
ダイヤ内の光が全反射するためには、その理想となるプロポーションが存在し、それが以下の比率で構成されています。
ダイヤは、この構成比率に近くて研磨状態が良好なものから、Excellent、VeryGood、Good、Fair、Poorとランク付けされます。
ではダイヤが輝くためにはカットはどのランク以上のものがいいかというと、「Good」以上のダイヤなら輝くといえます。
FairやPoorカットのダイヤはプロポーションに問題があり、輝くとは言えません。
よってカットがGood以上のダイヤが、輝くダイヤといえるのです。
ハートアンドキューピットとは
販売されているエタニティリングの中で、ハートアンドキューピットという記載が見られます。
これは何のことかというと、カットに関する記載です。
素晴らしいカットが施されたダイヤを特別のスコープで覗き込むと、8つのハートとアロー像が確認されることがあります。
これをハートアンドキューピットが現れるダイヤとして重宝されています。
これはプロポーションとシンメトリ(対称性)の良い最高のカットをダイヤに施した場合、8つのハートとアロー像が特殊スコープで確認できるのです。
つまりハートアンドキューピットが現れるダイヤとは、最高のカットが施されたということで、カットグレードでいえばExcellentかVery Goodにあたるのです。
カット記載だけのエタニティリング
以下のエタニティリングは、カットだけ記載されたものです。
5万円台から6万円台で売られています。
すべてハートアンドキューピットが現れるダイヤを使用しているということで、カットのランクでいえばExcellentかVeryGoodに当たるものです。
ただし、クラリティの記載がないので透明度が明白でなく、輝くとは言い切れません。
またカラーの記載がないので無色とも言い切れず、美しいとも言い切れません。
せめてクラリティSIクラスかカラーHの記載があればはっきりするのですが、情報が不確かなため何とも言えません。
しかしその割に値段が5万円台から6万円台と高値がついています。
上記のカラー、クラリティ記載のエタニティリングとあまり変わらない価格帯です。
すべて記載のエタニティリング
最後に、カラー、クラリティ、カットのすべてが記載されたエタニティリングについて解説します。
ダイヤ情報がすべて記載されているエタニティリングなら、美しさ、輝きを明確に知ることができます。
ダイヤはカラーとクラリティのランクで美しさがわかり、クラリティとカットのランクで輝きがわかります。
すべてが記載されたものなら、これらすべてが把握できるのです。
以下に楽天で選んだ0.3ctのエタニティリングをご紹介します。
すべて美と輝きを兼ね備えたエタニティリングです。
3万円台から5万円台で売られています。
ダイヤが上質のわりに、価格が安いのに驚かされます。
今まで紹介したエタニティリングよりも安く値段が設定されています。
まとめ
これらの商品情報をみて気付いたと思いますが、値段の違いはどの分野のエタニティリングであっても大差ありません。
ただ驚くべきことは、上質のダイヤエタニティリングであっても値段が安く設定されていることもあるということです。
要は、上質で安いエタニティリングを見つけることが重要ということですね。
いかがだったでしょうか。
参考になりましたでしょうか。
このページが皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読み頂き、真に有難うございました。