アレキサンドライト ネットでの選び方

世界的に珍しい宝石アレキサンドライト。

太陽光のもとでは深い青緑色の輝きを放ち、電灯光のもとでは赤紫色へと変化する、カラーチェンジが特徴の宝石。

良質なアレキサンドライトとしてはロシアのウラル山脈より産出されるものが有名ですが、その鉱床は今ではほとんど枯渇状態で、現代ではスリランカ、東アフリカ、ブラジル産のものがほとんどといいます。

そしてこれらの鉱床でわずかに良質なアレキサンドライトが採掘されるものの、19世紀に発見されたロシアのアレキサンドライトほどの変色性を示すものはなく、色合いも濁っているという報告があります。

つまり良質なアレキサンドライトを手に入れることはほとんど不可能で、鮮やかなカラーチェンジを有するアレキサンドライトを身に着けるには合成アレキサンドライトしかないわけです。

事実楽天で「アレキサンドライト」と検索しますと、そのほとんどが「シンセティック」あるいは「合成」といった言葉が頭についています。

つまりそれほど安くて良質の天然アレキサンドライトは少ないということで、買う方としては合成に頼らざるを得ないということになります。

しかしここでも疑問が生じます。

シンセティック、合成と頭につくアレキサンドライトの中身の記載が全くないことです。

このページでは、アレキサンドライト、とりわけシンセティック・合成アレキサンドライトをネット購入する際に思う疑問点を列記し、最後に天然に匹敵するほどの人工アレキサンドライトの選び方を述べさせて頂きます。

シンセティックを謳うアレキサンドライトの中身は?

シンセティックとは合成を意味し、シンセティックアレキサンドライトとは合成アレキサンドライトのことを言います。

では合成宝石の定義とは何かというと、化学的・物理的・光学的に天然宝石と同じということで、中身はまったくといっていいほど同じと言うことになります。

しかしどのシンセティックアレキサンドライトを見ても、その中身についての記載はなく、ただシンセティックアレキサンドライト、あるいは合成アレキサンドライトと記載されているだけです。

なぜその中身を公表しないのでしょう。

これでは本当に定義通りの合成アレキサンドライトかどうか疑問に残ります。

合成宝石に求めるもの

そのアレキサンドライトが本当に合成宝石であるならば、それに見合う証明書が必要です。

ショップの保証書はどの商品にも添付されていますが、それが化学的・物理的・光学的に同じであるという証明書にはなっていません。

やはり第三者機関による何らかの証明書が必要です。

あるいは開発・製造者が、検証したデータを公式ホームページなどに載せるべきです。

天然アレキサンドライト商品には、すべて第三者機関による鑑別書が添付されています。

それゆえお客様は安心してお買い物ができるわけですが、それは合成宝石であっても同じことです。

合成と謳う以上、それに見合う証明書・検証データがあってこそお客様は安心してお買い物ができるというもの。

しかしなければ本当に合成宝石なのか、化学的・物理的・光学的に天然宝石と同じものなのか、疑問に思うのは当然でしょう。

製造者・製造方法の記載がない

ネットでみる合成宝石と謳う商品には製造者・製造方法の記載がありません。

だれがどのようにしてその合成宝石を製造したのか全く分かりません。

買う側の立場からすれば、どの企業がどのような製造方法でその合成宝石を製造したのか興味があります。

素人からしても、化学的・物理的・光学的に天然宝石と同じ人工宝石を作るのは、そんなに簡単なものではないと思います。

精密な機器も必要でしょう。

熟練した職工も必要でしょう。

合成宝石を製造するには、やはりそれだけの技術が必要です。

しかしだれがどのようにして製造したのか記載していないのが実情です。

買う側が安心して購入できるように、製造者・製造方法を記載して欲しいものです。

シンセティックという曖昧表現

シンセティック・合成というのは、宝石に関して言えば非常にあいまいな表現です。

なんせ、シセンティック・合成を証明するものが何もなく、ただ言葉だけでシセンティック・合成宝石と謳っているだけですから信憑性は薄く、イミテーション(模造宝石)に近いんじゃないかと思いたくもなります。

しかしそんな曖昧な表現のシンセティックの中にも、唯一定義に合致する人工宝石があります。

それは京セラが開発したクレサンベール、再結晶宝石です。

しかし京セラは自社のクレサンベールをシセンティック宝石と謳っていません。

独自の名称「再結晶宝石」と謳っています。

しかしこの再結晶宝石は化学的・物理的・光学的に天然宝石と同じということで、シセンティック宝石のカテゴリーに属します。

ではなぜ京セラはクレサンベールをシセンティック宝石と謳わないのでしょう。

それは、クレサンベールには世間一般に言われるシセンティック宝石と一線を画すものがあるからです。

実はこのクレサンベールのアレキサンドライトこそ、選ぶべき人工アレキサンドライトなのです。

ではクレサンベールとは何でしょう。

まずはクレサンベールができるまでを解説したいと思います。

クレサンベールのできるまで

京セラはクレサンベールの製造工程において、再結晶宝石をより美しく仕上げるために様々な努力をしています。

それは原鉱石の精製に始まり、出来上がった再結晶宝石の厳選、商品化といった厳しい審査を経て、はじめてクレサンベールと認定されるということです。

以下にその工程を説明します。

不純物の除去

まず原鉱石の中で良質なものが使用できるよう、鉱石を厳選していきます。

そして適した原石が見つかったらそれを粉状にして精製していきます。

つまりこの段階で不純物を出来るだけ取り除くのです。

こうすることで黒ずみやインクルージョンの発生を抑え、良質な再結晶が生まれやすくしています。

原鉱石を溶かす

次にプラチナ製のるつぼの中で原鉱石を溶かしていきます。

地球内部のマグマと同じ状態を再現するために1410℃以上で加熱し、どろどろに溶かしていきます。

そして結晶が順調に成長するよう理想的な環境を作るために、人とコンピューター制御によって管理していきます。

しかし京セラはこう述べています。

科学技術はあくまで環境を整えるサポート役にすぎません。

結晶が美しく成長してゆく過程は、石そのものに委ねるしかないと。

こうして出来上がったのが再結晶宝石になるのですが、ここからさらに厳選が始まります。

厳選・カッティング

次に、再結晶によって生まれた原石のチェックが始まります。

色合い、インクルージョンの大きさ、位置等を確認し、良質な天然宝石に匹敵するほどの宝石になるようカッティングする部分をマーキングし、カットしていきます。

カットは良質な色合いの部分のみを選び、インクルージョンを避けながら行われます。

そして途中何度も品質のチェックが行われ、宝石ひとつひとつを熟練した職人による丹念な手作業で磨き上げられます。

しかしここで完成ではなく、さらに厳しい品質検査が待っています。

品質検査

研磨された再結晶宝石を、さらに熟練の鑑定士によって品質検査を行います。

GIAに準拠した判断基準をもとに、確かなグレーディングが行われます。

そして最終的に宝飾品として製品化されるのは、育成された再結晶宝石の中でたった数パーセントだと言います。

つまりクレサンベールは、これほどの行程を経てようやく世に出ることになるのです。

完成された再結晶宝石

天然では成しえることができない美しさをもった宝石。

それがクレサンベールの再結晶宝石です。

人工的になされたものは、宝石が結晶化するための環境作りだけ。

それ以外の結晶化はすべて宝石まかせ。

マーキング、カッティングは天然宝石においても行われていること。

しかしそれでも色むら、インクルージョンが混入するため、加熱処理などの人工処理が行われています。

しかしクレサンベールにはそのような人工処理は必要ありません。

科学の力で色むら、インクルージョンを出来るだけ少なくし、さらにその少ない中から厳選し、抽出したアレキサンドライトだから人工処理せずとも美しいのです。

こうして出来上がったクレサンベールの再結晶宝石ですが、外観だけでなく宝石の中身も細かく分析し、天然宝石と化学的・物理的・光学的性質にほとんど違いのないことを科学的に証明しています。

化学的性質は同じ

天然のアレキサンドライトの化学的組成は、BeAl2O4です。

一方クレサンベールのアレキサンドライトの化学的組成もBeAl2O4です。

これは全く同成分ということになります。

これを証づけるものとしてX線回折、分光分析を行っており、天然石と同一という結果が出ております。

物理的性質も同じ

天然のアレキサンドライトの結晶系は斜方晶系ですが、クレサンベールのアレキサンドライトも全く同じです。

そして硬度(モース)も同じ8.5、比重もほぼ同じ3.71で、融点に関しても同じ1870℃という結果が出ています。

このように物理的性質もほぼ同じといえます。

光学的性質も同じ

さらに光学的性質について見てみますと、

天然のアレキサンドライトの屈折率は1.747~1.757に対し、クレサンベールのアレキサンドライトの屈折率は1.743~1.752という結果が出ています。

つまり屈折率もほぼ同じ。

そして複屈折は天然は0.01に対しクレサンベールでは0.009という結果。

以上のデータは、すべて京セラクレサンベールの公式ホームページより抜粋したものです。

詳しくは、京セラクレサンベールの公式ホームページをご覧ください。

このように京セラは、クレサンベールの再結晶宝石は天然宝石と化学的・物理的・光学的にほぼ同じということを科学的データをもって証明しています。

この実証データを見れば、再結晶宝石が巷にあふれる合成宝石とは一線を画している宝石といえるのではないでしょうか。

ではクレサンベールを選ぶメリットとは何でしょう。

クレサンベールのメリット

クレサンベールは天然宝石と同じ輝きをもつ

クレサンベールは、屈折率も天然宝石とほぼ同じ。

つまり屈折率が同じということは輝きも同じということになるのです。

媒体には必ず屈折率が存在し、屈折率が高いものほど光は鋭角に曲がります。

屈折率は以下の数式で産出されます。

屈折率は臨界角に関係し、臨界角とは光が逃げない角度のことを言います。

臨界角のことをわかりやすく水と空気とで説明すると、光源を水の中に置き、そこから光を放射したとします。

放たれた光は水中から空気へと進みますが、媒質が異なるため、空気中に出ると光は屈折します。(①の場合)

水面に対して光源はほぼ真下にあるので光はこういう方向に進みますが、これがもし光源から離れたところの水面ではどうでしょう。

②のように、光は水中から出られず、そのまま水中に反射されることになるのです。
この角度を臨界角といいます。

この臨界角は宝石の場合輝きに影響し、臨界角が狭いほど光を逃さず効率的に光を反射させることができます。

ダイヤが輝くのは臨界角が極端に小さいからで、そのおかげで入射した光を逃さずダイヤ内で反射させるため、あのような素晴らしい輝きを放つことができるのです。

話を元に戻しますと、クレサンベールの宝石は天然ものと同一の成分を有しているため、屈折率は同じです。

屈折率は同じだから臨界角も同じということになり、輝きも天然のものと同じということなのです。

カラーが均一

天然宝石にはどうしても色むらがあります。

濃いもののあれば薄いものもあり均一されていません。

それゆえ、選ぶ宝石によって色むらが発生するのです。

しかしクレサンベールの場合は違います。

クレサンベールは再結晶されたもの全部を使うわけではなく、そのいいところだけを抽出し、選びに選び抜かれたものだけをクレサンベールの宝石にしますから、色むらがほとんどありません。

すべて色が均一化された宝石がクレサンベールなのです。

それゆえ、天然ものと違って色むらはほとんどないのがクレサンベールということになります。

色調が退化しない

天然宝石といっても色調をよくするため人工処理をしている色石があります。

たとえばルビーなどは、鉛ガラスの含侵処理を施して艶をあげています。

最初はいいのですが、時間の経過とともにそれが薄れ、色調が退化していきます。

しかしクレサンベールはそのような人工処置は一切行っておりません。

したがって半永久的に色調が変わらないといえます。

インクルージョン(内包物)がほとんどない

天然宝石には必ずインクルージョン(内包物)が存在します。

これは天然物ゆえ仕方がないことです。

しかしクレサンベールは違います。

再結晶時においてもインクルージョンは発生しますが、クレサンベールの場合極力インクルージョンの少ない部分だけをカットしますから、濁りのもとであるインクルージョンがほとんど存在しないのです。

つまり透明度が高いため、天然宝石より輝くといえます。

まとめ

アレキサンドライトのネット購入での選び方について述べさせて頂きました。

私が唯一推薦するアレキサンドライトはクレサンベールです。

京セラはクレサンベールのアレキサンドライトについてこう述べています。

クレサンベールのアレキサンドライトは、ロシア共和国のウラル山脈に産する最高級のものとほぼ同じ色彩を放ち、鮮やかな変色効果を再現しますと。(京セラクレサンベール公式ホームページより抜粋)

化学的・物理的・光学的に天然宝石と同じということを科学的に立証し、かつ厳密な精査と厳格な審査で作り上げたクレサンベールのアレキサンドライト。

これこそが、ネットで購入できる唯一のアレキサンドライトだといえます。

最後に、クレサンベールのアレキサンドライトネックレスを紹介し、このページを閉じたいと思います。

最後までお読み頂き、真に有難うございました。

クレサンベールのアレキサンドライトネックレス

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