胸元できらりと光る一粒ダイヤネックレス。
シンプルゆえ気品にあふれ、見るものを魅了する素敵なネックレスとして人気が高いアイテムです。
ですが一口に一粒ダイヤネックレスといってもそのデザインは様々で、ダイヤの留め方ひとつとってもその様相は異なってきます。
このページでは、その一粒ダイヤネックレスのいろいろなデザイン、特にダイヤの留め方による見え方の違いについてお話ししたいと思います。
一粒ダイヤネックレスのダイヤの留め方
では一粒ダイヤネックレスのダイヤの留め方にはどのようなものがあるのでしょうか。
まず始めに思い浮かびますのがオーソドックスな6本爪留め。
ダイヤが6本の爪でがっちり留められたダイヤネックレスです。
そしてこれより爪の少ない4本爪留めなどもあります。
さらに少ないのでいえば、1点留めのダイヤネックレス。
ダイヤのテーブル面とキューレット部を挟む形で留められたダイヤネックレスです。
そしてダイヤを覆う形で留めた覆輪留めのダイヤネックレスに、ダイヤを不安定な形で留めたダンシングストーンタイプのダイヤネックレス。
最後は、ダイヤにレーザーで穴をあけ、その穴をもってダイヤを留めたレーザーホール留めのダイヤネックレスです。
このようにダイヤの留め方には6タイプあり、ダイヤの見え方、輝きについてはこれらデザインの違いによって全然違ってくるといえます。
ではどのように違ってくるのか。
順に見ていきましょう。
爪留めダイヤネックレスの場合
爪留めには6本爪と4本爪があると申し上げましたが、よりダイヤが輝く環境にあるといえるのは4本爪です。
そもそもダイヤが輝くのは光の反射によるものであり、光の反射が多ければそれだけ輝くということです。
その光の反射を多くするためには入射する光の量を多くする必要がありますから、ダイヤの露出度が関係してきます。
つまり露出度の高いダイヤほど光の入射量が多くなり、結果輝きも多くなるということです。
6本爪と4本爪とを比べた場合、4本爪の方がダイヤの露出度は高く、それゆえ輝きやすいといえるのです。
ただダイヤの輝きの強さは露出度だけが関係してくるわけでなく、やはりダイヤの質が重要なカギを握るのです。
輝くダイヤの質とは
ダイヤが輝くためにはダイヤの透明度とプロポーションが重要で、どちらか一つが欠けても輝くとは言えません。
つまりダイヤ評価を測る4Cでいえばクラリティとカットが重要で、クラリティがSIクラス以上、カットがGood以上なければ輝きません。
例えばクラリティSIクラスというのは、インクルージョン(内包物)の存在が目視での発見が困難な時に付けられる評価で、このランクになると光の透過の妨げにはなりません。
しかしその下のIになると、インクルージョンが光の透過を遮り輝きが劣ることになるのです。
実際のSIとIの比較画像を見てみましょう。
明らかに透明度の違いが見て取れるでしょう。
このように、ダイヤが輝くためにはクラリティがSI以上必要なわけです。
そして次に必要なのはカットですが、このカットもGood以上なければ輝きません。
まずは以下のイラストをご覧ください。
ダイヤの輝きは光の反射によって起こりますが、Excellentカットされたダイヤに光が入射した場合、光はダイヤ内で全反射され再び外部に放射されます。
しかし、ダイヤのカットが深すぎたり浅すぎた場合(Fairカット以下)、光はダイヤ底部より逃げ輝きが劣ることになるのです。
これがカットによる輝きの違いです。
ダイヤ内の光が全反射するためには、その理想となるプロポーションが存在し、それが以下の比率で構成されています。
ダイヤは、この構成比率に近くて研磨状態が良好なものから、Excellent、VeryGood、Good、Fair、Poorとランク付けされます。
ではダイヤが輝くためにはカットはどのランクのものがいいかというと、「Good」以上のダイヤです。
FairやPoorカットのダイヤはプロポーションに問題があり、輝くとは言えません。
よってダイヤが輝くためには、カットがGood以上必要なのです。
爪留めダイヤネックレス まとめ
ダイヤの露出度が高い4本爪ダイヤネックレスですが、露出度の高さだけでダイヤが輝くとは言い切れません。
やはりダイヤの質が重要といえ、上記に示したようにクラリティSIクラス以上、カットGood以上なければならないのです。
1点留めダイヤネックレスの場合
1点留めのダイヤネックレスはさらに露出度が高いといえましょう。
ダイヤの上下を挟んだ格好で留めていますから、ダイヤが隠されているのはほんの一部。
光はそれ以外のところから入り放題です。
それゆえ輝きやすい環境にあるといえます。
そして身に付けたときの見た目は、ダイヤが宙に浮いたような格好に見え、シャープに洗練されたかっこいいダイヤネックレスとして映るでしょう。
ただ、輝きに関するダイヤの質については意見の分かれるところで、ダイヤの前面からの輝きを重要視する場合はダイヤの質(クラリティ・カット)にこだわらなければなりませんが、ダイヤ全体からの輝きを重要視する場合はクラリティ(透明度)のみ重要視すればいいという意見もあります。
なぜならこの1点留めのダイヤネックレスの場合は露出度が高いこともあり、ダイヤの側面からの眺めも楽しめるからです。
それゆえ全反射するGoodカットのダイヤよりも、光がダイヤの底部より多少漏れるFairカットダイヤの方がかえっていいという意見もあります。
つまり選ぶダイヤの質は選ぶ人の好みにより、ダイヤの前面の輝きに重きを置くかダイヤ全体の輝きに重きを置くかで変わってくるわけです。
覆輪留めダイヤネックレスの場合
覆輪留めのダイヤネックレスは、ダイヤの露出度が最も低いネックレスといえます。
ダイヤが見えているのはダイヤの前面だけで、側面、裏面に至っては地金で隠された状態です。
それゆえ光の入射はダイヤの前面だけに限られ、質の悪いダイヤとなるとダイヤ本来の輝きは失われ、ガラス玉のような輝きしか放たないネックレスとなってしまいます。
つまり覆輪留めこそ、最もダイヤの質にこだわらなければならないネックレスといえます。
ただ見た目は、地金がダイヤの周囲を覆っているだけあってダイヤが大きく見えたりもします。
それゆえダイヤが小さくても、ボリュームがあるネックレスとして映ります。
これが覆輪留めダイヤネックレスの大きなメリットといえます。
ダンシングダイヤネックレス
ダイヤが揺れることによって輝き、その存在をアピールするダイヤネックレス。
それがダンシングダイヤネックレスです。
別名スイングダイヤネックレスとも言いますが、ダイヤをわざと不安定にセッティングしたネックレスで、人のわずかな動きにも反応し揺れ動きます。
その揺れによってダイヤが輝くわけですが、ひとつ問題があります。
それはダイヤの大きさです。
ダイヤがあまりにも小さいとダイヤが揺れてもその揺れが確認できず、揺れるダイヤネックレスとして意味をなさなくなるという問題です。
ダイヤは揺れてはいるがその揺れが確認できない。
これでは一粒ダイヤネックレスと何ら変わらないということになります。
ダイヤの揺れが確認できるのはだいたい0.5ct以上で、これ未満になるとよーく見ないと揺れが確認できません。
パット見では揺れが確認できないのです。
これが唯一の問題点です。
よって選ぶとしたら0.5ct以上のダイヤがセッティングされたネックレスにしなければなりません。
またダイヤの質に関していえば、輝きをダイヤの前面に集中させる方がより揺れて輝きますから、上質であることに越したことはありません。
できればクラリティSIクラス以上、カットGood以上のダイヤが欲しいものです。
ただ、ダイヤが0.5ct以上あり、しかも上質のダイヤであれば周囲の目を引きつけるダイヤネックレスであることは間違いありません。
ダイヤの揺れは光を乱反射させますから、その光は周囲の目に届き、人の目に留まる存在となるからです。
レーザーホール留めダイヤネックレスの場合
最後にレーザーホール留めダイヤネックレスについてお話しします。
レーザーで穴をあけたダイヤを使い、その穴をもってダイヤを留めたネックレスです。
露出度的にいえば、このダイヤネックレスが一番高いといえます。
ダイヤはほぼルース状態ですから光は全方位から入射可能です。
光の反射量は光の入射量に比例しますから、全方位からの入射はそれを輝きに変えます。
しかも全方位に向かって。
これがレーザーホール留めダイヤネックレスの特徴です。
それゆえダイヤの品質で唯一こだわるのはクラリティだけです。
光をダイヤ全体から放射させるためには、輝きをダイヤ前面だけに集中させるExcellentカットのダイヤより、輝きを分散させるカットの悪いダイヤの方がむしろいいからです。
それゆえレーザーホール留めダイヤネックレスに求められるダイヤの品質は、クラリティSIクラス以上あれば十分美しさを感受できます。
そして見た目となると、これは先ほど紹介した1点留めダイヤネックレスに似ており、ダイヤが宙に浮いた感じで非常に洗練されたネックレスと映るでしょう。
またほぼルース状態のダイヤネックレスですから、揺れて輝きを放つという点も魅力のひとつです。
人の動きに応じでダイヤが右に左に揺れて光を取り込み、それが輝きとなって現れる。
その輝きは周囲の人の目に留まり、存在感あふれるネックレスとなるでしょう。
まとめ
一粒ダイヤネックレスのデザインについてお話しさせていただきました。
いかがだったでしょうか。
参考になりましたでしょうか。
このページが皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、真に有難うございました。