妖艶な深紅の輝きを放つ宝石、ルビー。
その深く濃い赤色は見るものの目をクギ付けにし、思わず「美しい」といってしまうほど魅力に溢れています。
しかしそんな美しいはずのルビーも、巷で売られているものの中にはそれにそぐわない色相のルビーが混じっていたりします。
一口にルビーといってもその色相は産出される地域によって異なります。
たとえばタイで産出されるルビーは透明度が低く、鉄分を含み黒味がかった赤色が多く、スリランカやベトナムで産出されるものは明るくピンクに近い色調のものが多く、チェリーピンクと呼ばれています。
いずれも美しいことに違いないのですが、ルビーの最高色と言われるピジョンブラッド(鳩の血)のルビーではありません。
ピジョンブラッドのルビーの原産国は限られており、それはビルマ(現ミャンマー)のモゴック地方。
ここでのモゴック鉱山で産出されるルビーのなかにピジョンブラッドのものが奇跡的確率で発見されるといいます。
つまりそれだけピジョンブラッドのルビーの数は少ないことを意味しています。
そしてこのピジョンブラッドのルビーこそ、見るものの目をクギ付けにし思わず「美しい」といってしまうルビーなのです。
このページでは、ルビーの最高峰といわれるピジョンブラッドのルビーネックレスの見つけ方を述べさせて頂きます。
楽天市場でのピジョンブラッドルビーネックレスの商品
楽天で「ルビーネックレス ピジョンブラッド」と検索してみると様々なカラーのルビーネックレスがヒットするのに驚かされます。
赤黒いルビーネックレスや
紫が混じった赤色のルビーネックレス。
そして濃いピンク色のルビーネックレスなど様々です。
しかしこれら皆「ピジョンブラッド」と謳われています。
果たしてどれが本当のピジョンブラッドルビーなのか?
素人では見分けがつきませんね。
実際問題ピジョンブラッドのルビーはミャンマーでしか産出されませんから、ピジョンブラッドルビーと謳っている以上すべてミャンマー産なんでしょう。
しかしここまでのばらつきが果たしてあるのでしょうか。
私としては甚だ疑問です。
ピジョンブラッドのルビーを見つけるのは難しい
実際ネットでピジョンブラッドのルビーネックレスを検索してみますと、様々なカラーのルビーネックレスがヒットします。
それには必ず品質保証書が添付されており、そこには確かにピジョンブラッドと記されています。
しかしそれは店の保証書であって第三者機関のものではありません。
またこれらの商品の中には鑑別書付のものとそうでないものとがありますが、その鑑別機関も果たして信用できるものなのか。
まあ疑いだしたらキリがありませんが、安い買い物でないゆえ慎重にならざるを得ません。
でも事実これだけの色違いのピジョンブラッドルビーが存在するわけですから、疑いたくもなるでしょう。
結局のところ、ピジョンブラッドルビーのネックレスを見つけるのは難しいという結論に至りますね。
クレサンベールなら間違いなくピジョンブラッド
しかしひとつだけ確かなピジョンブラッドルビーがあるとすると、それはクレサンベールのルビーです。
クレサンベールとは京セラ独自の技法で作られた再結晶宝石で、俗にいうシンセティック宝石とは一線を画しています。
どの部分が一線を画しているかというと、同じ再結晶宝石でもその製造法、成分、科学分析をすべて公表している点です。
他のシンセティック宝石は、同じ成分と謳いながらその内容を明らかにしていない点で疑問が残ります。
しかし京セラのクレサンベールの再結晶宝石はすべてを明らかにしているため信用できるのです。
ここにクレサンベールのルビーについての内容を、京セラクレサンベールの公式ホームページより抜粋して明らかにさせて頂きます。
京セラはクレサンベールについてこう述べています。
クレサンベールと天然の宝石は、化学的・物理的・光学的性質にほとんど違いがないと。
これを裏付ける証拠として、京セラは科学的データを公表しています。
化学的性質は同じ
天然ルビーの化学的組成は、Al2O3です。
一方クレサンベールのルビーの化学的組成もAl2O3です。
これは全く同成分ということになります。
これを証拠づけるものとしてX線回折、分光分析を行っており、天然石と同一という結果が出ております。
物理的性質も同じ
天然ルビーの結晶系は六方晶系ですが、クレサンベールのルビーも全く同じです。
そして硬度(モース)も同じ9、比重は天然3.90~4.01に対してクレサンベールルビーは4.01でほぼ同じ、融点に関しても同じ2050℃という結果が出ています。
このように物理的性質もほぼ同じといえます。
光学的性質も同じ
さらに光学的性質について見てみますと、
天然ルビーの屈折率は1.760~1.768に対し、クレサンベールのルビーの屈折率は1.762~1.770という結果が出ています。
つまり屈折率もほぼ同じ。
そして複屈折は天然は0.008に対しクレサンベールでは0.008という結果。
これも同じです。
以上のデータは、すべて京セラクレサンベールの公式ホームページより抜粋したものです。
詳しくは、京セラクレサンベールの公式ホームページをご覧ください。
このようにクレサンベールの人工宝石は、天然宝石と化学的・物理的・光学的にほぼ同じということで、見た目だけ同じという人工宝石とは一線を画す宝石といえるのです。
ではこのクレサンベールを選ぶメリットとは何でしょう。
それにはクレサンベールができるまでの製造工程を知る必要があります。
クレサンベールのできるまで
京セラはクレサンベールの製造工程において、再結晶宝石をより美しく仕上げるために様々な努力をしています。
それは原鉱石の精製に始まり、出来上がった再結晶宝石の厳選、商品化といった厳しい審査を経て、はじめてクレサンベールと認定されるということです。
以下にその工程を説明します。
不純物の除去
まず原鉱石の中で良質なものが使用できるよう、鉱石を厳選していきます。
そして適した原石が見つかったらそれを粉状にして精製していきます。
つまりこの段階で不純物を出来るだけ取り除くのです。
こうすることで黒ずみやインクルージョンの発生を抑え、良質な再結晶が生まれやすくしています。
原鉱石を溶かす
次にプラチナ製のるつぼの中で原鉱石を溶かしていきます。
地球内部のマグマと同じ状態を再現するために1410℃以上で加熱し、どろどろに溶かしていきます。
そして結晶が順調に成長するよう理想的な環境を作るために、人とコンピューター制御によって管理していきます。
しかし京セラはこう述べています。
科学技術はあくまで環境を整えるサポート役にすぎません。
結晶が美しく成長してゆく過程は、石そのものに委ねるしかないと。
こうして出来上がったのが再結晶宝石になるのですが、ここからさらに厳選が始まります。
厳選・カッティング
次に、再結晶によって生まれた原石のチェックが始まります。
色合い、インクルージョンの大きさ、位置等を確認し、良質な天然宝石に匹敵するほどの宝石になるようカッティングする部分をマーキングし、カットしていきます。
カットは良質な色合いの部分のみを選び、インクルージョンを避けながら行われます。
そして途中何度も品質のチェックが行われ、宝石ひとつひとつを熟練した職人による丹念な手作業で磨き上げられます。
しかしここで完成ではなく、さらに厳しい品質検査が待っています。
品質検査
研磨された再結晶宝石を、さらに熟練の鑑定士によって品質検査を行います。
GIAに準拠した判断基準をもとに、確かなグレーディングが行われます。
そして最終的に宝飾品として製品化されるのは、育成された再結晶宝石の中でたった数パーセントだと言います。
つまりクレサンベールは、これほどの行程を経てようやく世に出ることになるのです。
完成された再結晶宝石
天然では成しえることができない美しさをもった宝石。
それがクレサンベールの再結晶宝石です。
人工的になされたものは、宝石が結晶化するための環境作りだけ。
それ以外の結晶化はすべて宝石まかせ。
マーキング、カッティングは天然宝石においても行われていること。
しかしそれでも色むら、インクルージョンが混入するため、加熱処理などの人工処理が行われています。
しかしクレサンベールにはそのような人工処理は必要ありません。
科学の力で色むら、インクルージョンを出来るだけ少なくし、さらにその少ない中から厳選し、抽出したルビーだから人工処理せずとも美しいのです。
クレサンベールのメリット
クレサンベールは天然宝石と同じ輝きをもつ
クレサンベールは、屈折率も天然宝石とほぼ同じ。
つまり屈折率が同じということは輝きも同じということになるのです。
媒体には必ず屈折率が存在し、屈折率が高いものほど光は鋭角に曲がります。
屈折率は以下の数式で産出されます。
屈折率は臨界角に関係し、臨界角とは光が逃げない角度のことを言います。
臨界角のことをわかりやすく水と空気とで説明すると、光源を水の中に置き、そこから光を放射したとします。
放たれた光は水中から空気へと進みますが、媒質が異なるため、空気中に出ると光は屈折します。(①の場合)
水面に対して光源はほぼ真下にあるので光はこういう方向に進みますが、これがもし光源から離れたところの水面ではどうでしょう。
②のように、光は水中から出られず、そのまま水中に反射されることになるのです。
この角度を臨界角といいます。
この臨界角は宝石の場合輝きに影響し、臨界角が狭いほど光を逃さず効率的に光を反射させることができます。
ダイヤが輝くのは臨界角が極端に小さいからで、そのおかげで入射した光を逃さずダイヤ内で反射させるため、あのような素晴らしい輝きを放つことができるのです。
話を元に戻しますと、クレサンベールの宝石は天然ものと同一の成分を有しているため、屈折率は同じです。
屈折率は同じだから臨界角も同じということになり、輝きも天然のものと同じということなのです。
カラーが均一
天然宝石にはどうしても色むらがあります。
濃いもののあれば薄いものもあり均一されていません。
それゆえ、選ぶ宝石によって色むらが発生するのです。
しかしクレサンベールの場合は違います。
クレサンベールは再結晶されたもの全部を使うわけではなく、そのいいところだけを抽出し、選びに選び抜かれたものだけをクレサンベールの宝石にしますから、色むらがほとんどありません。
すべて色が均一化された宝石がクレサンベールなのです。
それゆえ、天然ものと違って色むらはほとんどないのがクレサンベールということになります。
色調が退化しない
天然宝石といっても色調をよくするため人工処理をしている色石があります。
たとえばエメラルドなどはオイル処理を施して艶をあげています。
最初はいいのですが、時間の経過とともにそれが薄れ、色調が退化していきます。
しかしクレサンベールはそのような人工処置は一切行っておりません。
したがって半永久的に色調が変わらないといえます。
インクルージョン(内包物)がほとんどない
天然宝石には必ずインクルージョン(内包物)が存在します。
これは天然物ゆえ仕方がないことです。
しかしクレサンベールは違います。
再結晶時においてもインクルージョンは発生しますが、クレサンベールの場合極力インクルージョンの少ない部分だけをカットしますから、濁りのもとであるインクルージョンがほとんど存在しないのです。
つまり透明度が高いため、天然宝石より輝くといえます。
ピジョンブラッドのルビーならクレサンベールを
話が少々長くなってしまいましたが、クレサンベールについて詳しくわかって頂くには仕方ありません。
冒頭で申し上げたように、ピジョンブラッドのルビーの存在は極めて鮮少です。
しかしあったとしても天然宝石ゆえ、多少の色むらがありインクルージョンが存在します。
しかしクレサンベールのルビーなら、色むらなくインクルージョンがほぼない状態のピジョンブラッドですから、本当に美しいルビーといえます。
ネットでピジョンブラッドの非加熱ルビーと謳われて販売されていますが、果たして本当にそんなにたくさんのピジョンブラッドのルビーがあるのか?
天然ルビーはひとつとして同じものがなく、皆それぞれ色が違います。
似通った色ならあるかもしれませんが、果たしてピジョンブラッドと呼べるにふさわしいルビーなのか?
わたしなら疑問に感じます。
それよりも品質の確かなクレサンベールのルビーなら間違いなくピジョンブラッドのルビーといえます。
なぜならピジョンブラッドのルビーしか販売しないのですから。
それが京セラのポリシーですから。
最後に、クレサンベールのルビーネックレスを紹介し、このページを閉じたいと思います。
最後までお読み頂き、真に有難うございました。