骨盤が歪んでいない人はいないと思います。
若い人は別ですが、50年も歳を重ねますと長年の癖が体に浸み込み、それが歪みにつながっているのではないかと思うのです。
私は50歳からストレッチを始めましたが、当初は自分の体が歪んでいるなんて思っていませんでした。
ところがストレッチをして体が柔らかくなってくると、自分の体が歪んでいるのがわかるようになったのです。
なぜ体が歪んでいるのか?
体のどの部分が歪んでいるのか?
そんなことを考えながらストレッチを毎日続けてたどり着いた結論は、骨盤の歪みがそもそもの原因ではないかということでした。
骨盤が歪めばその状態では体のバランスは崩れますから、それをカバーするために背筋が曲がる、またそれをカバーするように肩が曲がる、といった具合です。
つまり根本は骨盤の歪みに原因があったからで、これを正せば背筋や肩も正常位置に戻るのではないかと考えたのです。
そこで私なりに、骨盤を正すためのストレッチを試行錯誤で繰り返し行ってきました。
このページは、その試行錯誤の体験記です。
骨盤の歪みで悩まれている皆様の参考にして頂ければ幸いです。
骨盤矯正には筋肉の柔軟性が必要
まず初めに思ったのは、歪んだままで、長年凝り固まった骨盤を矯正するには、骨盤を取り囲む筋肉が柔らかくなければ元には戻らないんじゃないかということでした。
そこで徹底的に骨盤周りの筋肉のストレッチに取り掛かったのです。
屈伸運動
まず最初に行ったのは屈伸運動です。
足を肩幅に広げそのまましゃがみ、そして立ち上がってひざを伸ばす。
いたってシンプルな動きですが、これが骨盤内の筋肉のストレッチに役立つのです。
注意すべきことは、しゃがんだ時かかとを上げないということです。
つまりかかとは床につけたまま。
体の硬い方は、最初このポーズはとれません。
後ろにひっくり返ってしまいそうになります。
ですから徐々にこのポーズになれるように努力します。
そしてこのポーズをとったときに見て欲しいのは、お尻の傾きです。
これは姿見などを利用して確認できますが、しゃがんだ時にお尻の右の山と左の山が同じ高さになっているかを見て欲しいのです。
私の場合は、お尻の右の山が左の山より下にきていました。
つまりこれは明らかに骨盤が歪んでいるという証になります。
お尻の肉の付き具合によって左右多少の違いはありますが、あまりにも差があるようでしたら、それは骨盤の歪みが原因かもしれません。
そして立ち上がってしっかりとひざを伸ばす。
この運動を、イチニー、サンシーと号令をかけて行います。
これを毎日続けることで、骨盤内の筋肉が次第に柔らかくなってきます。
伸脚運動
おもに脚裏を伸ばす伸脚運動は、やり方ひとつで骨盤内の筋肉を伸ばす運動に変わります。
それは屈伸運動と同じようにかかとを床につけたまま行うことです。
一般に行う伸脚運動は、脚の筋肉を伸ばすのを目的にしていますからかかとは浮かせます。
しかしこれでは骨盤内の筋肉までは伸ばせません。
ですが、かかとを床につけて行う伸脚運動は脚を伸ばすだけでなく骨盤内の筋肉も同時に伸ばしますから、体の柔軟性を高めるうえで非常に有効なのです。
開脚背筋伸ばし
これは私のオリジナルストレッチです。
意外や意外、このストレッチで骨盤がどの向きに歪んでいるのかがわかったのです。
通常、背筋伸ばしのストレッチは腹ばいになり、そのまま上体を反らす運動です。
しかしこれでは骨盤がどの向きに歪んでいるかわかりません。
そこで脚を開き、つま先は外に向けて上体を反らすのです。
しかし上の写真と比べると、体があまり反れず、ひざが床から浮いてしまうのです。
この時重量はどこにかかるかというと、腰椎あたりにかかります。
そして微妙な痛みを感じます。
微妙な痛みとは、腰椎周りにある筋肉のハリと痛みが、左右それぞれ違うということ。
そしてそれによって、明らかに骨盤がまっすぐ体の正面に向いていないのがわかったのです。
この状態で腰をゆっくり上下に振り、左右の筋肉のハリが均等になるようストレッチします。
私の場合はストレッチ効果が増すように、指を立ててさらに上体を起こしました。
そしてこの状態で腰を上下に振り、骨盤の調整を行ったのです。
このストレッチを毎日行うことにより、左右の筋肉のハリは均等化に向かい、痛みも徐々に減少し、腰椎周りの筋肉が柔らかくなってきました。
捻りストレッチ
立った時、体がまっすぐ正面を向いている人はまずいません。
気付いていないでしょうが、皆微妙に体は斜めを向いています。
その原因は骨盤の歪みです。
歪みが原因で腰椎も捻られ、上体がまっすぐ上に伸びていないのです。
そこでそれを調整するのが捻りストレッチです。
これは腰椎の柔軟性を高めるストレッチでありますが、骨盤の歪みに連動して捻られた腰椎を正す働きもあります。
やり方は、まず両足を前に伸ばして座ります。
そして右足を左足にクロスするように引っ掛けます。
そして上体を右に捻り、左腕を右脚に引っ掛けます。
この状態でしばらく静止します。
慣れてきたら、左腕を右脚に押し当てるようにして体をさらに捻ります。
右が終わったら左も行います。
同じように左足を右足にクロスするように引っ掛けて、右腕を左足に引っ掛けます。
この時、右捻りと左捻り、どちらが捻りやすいかを確認してください。
どちらかが捻りやすい場合、普段体はそちらに向いているのです。
このストレッチによって、左右が均等に柔らかくなるようにしていくのです。
そうすることで腰椎の歪みも改善し、それに連動して骨盤の歪みも調整されていきます。
ウォーキング
私の体験から、ストレッチとウォーキングは切っても切れない関係といえます。
ストレッチで柔らかくなった筋肉をウォーキングでほぐす。
ストレッチが静ならウォーキングは動。
静と動の反復により、筋肉は飛躍的に柔らかくなると確信しています。
骨盤矯正においてもウォーキングは有効に働きます。
ただし、ウォーキングもやり方があります。
それは正しいフォームでのウォーキングです。
人間にはそれぞれ癖があり、歩き方もみな癖を持っています。
それを正しいフォームに切り替えることで、ストレッチ効果もあがり骨盤矯正にも大いに役立つのです。
では正しいフォームとは何か?
背筋をまっすぐ伸ばし、足をまっすぐ前に出して歩くということ。
人それぞれ歩くときの癖がありますから、簡単なようでなかなかできない。
前傾姿勢で歩く人、外股で歩く人など様々ですが、これを意識してなおしていくのです。
そうすることで、普段歩くときに使わない筋肉を使うようになり、それが徐々に柔らかくなり体になじんできますから、意識しなくても正しいフォームで歩けるようになるのです。
そしてウォーキングとストレッチを反復して行ううちに、筋肉の変化を感じます。
ストレッチによって柔らかくなった骨盤周りの筋肉が、ウォーキングによってさらに奥に入っていくのです。
つまり柔らかくなった筋肉の、さらにその奥の体の深部の筋肉まで柔らかくなってくるのです。これは私の体験談ですから、否定のしようがありません。
それが日に日に変わってくるのです。
つまり日によって刺激される筋肉が異なるということ。
これはウォーキングでしか味わえないストレッチです。
私がストレッチとウォーキングは切っても切れない関係というのは、ここからきています。
私は体験から、ストレッチが体全体の柔軟性を高める運動としたら、ウォーキングは体細部の柔軟性を高め、心地よい姿勢に調整してくれる運動だといえます。
私はストレッチにウォーキングを加えたことで、骨盤の歪みが矯正されつつあることを確信しています。それは意識せずとも正しいフォームでの歩行ができるようになったことが証明してくれています。
まとめ
これは私の体験記をまとめたもので、すべてが真実とはいえません。
人によっては当てはまらない人もいますので、参考程度に聞いていただければと思います。
またここでは記していない「前屈ストレッチ」「開脚ストレッチ」「股関節ストレッチ」「目視ストレッチ」なども骨盤矯正には参考になると思いますので、興味のある方はご覧ください。
最後までお読み頂き、真に有難うございました。