ダイヤが均一に並べられたシンプルな指輪 エタニティリング。
どんな服装にも合わせやすく、よそ行き用、普段使い用と幅広く用いられています。
ですが、このエタニティリング、
普段使い用にする場合、注意すべき点があるのです。
それはまずその選び方から始まり、日常でやってはならないことまであります。
このページでは、普段使いに相応しいエタニティリングの選び方と日常やってはならない行為を解説します。
参考にして頂ければ幸いです。
普段使いのリングは汚れやすい
普段使いですから、日常ズーッとしているわけです。
そうなると汚れやすいですね。
ダイヤは親油性ですから油が付着しやすく、洗わないと落ちません。
買った頃はよく光っていたのに最近あまり光らないなあと思うのは、汚れが付着しているからです。
それゆえ、よく洗えばまた光るようになります。
ただ洗うという作業も面倒で、そんなにしょっちゅう洗うことはできません。
それに完璧に汚れを除去するのは不可能です。
それゆえ普段使いにするなら、汚れにくい構造のリングにしておいた方がいいのです。
共有爪のエタニティリングが普段使いに相応しい
ダイヤリングで一番汚れやすい部分をご存知ですか?
それはダイヤの裏側です。
ダイヤは先ほども言いましたように親油性ゆえ油が付着しやすく、ダイヤ表面についた汚れは拭けば落ちますが、裏側はそうはいきません。
エタニティリングなど、ダイヤ裏側に付いた汚れを取るのは困難です。
よって洗浄しやすい爪の少ないリングがいいのです。
汚れが付着しやすいのはダイヤ裏側と、ダイヤを留めてある爪の淵です。
通常はリングなどを洗浄するときは、超音波洗浄機を使って行います。
しかし完璧に汚れを落とすのは不可能です。
それゆえ汚れが付着しにくい構造のリング、エタニティリングでいえば共有爪のものがいいと思います。
共有爪はダイヤの輝きを際立たせるため、敢えて爪の数を少なくしてあります。
耐久性には多少弱いものの、ダイヤの輝きを一番に考えた留め方です。
それにもう一つの利点は爪が少ない分、汚れがとどまりにくいという点があります。
これは他の独立爪やレール留めのエタニティリングに比べ、はるかに大きなメリットです。
ダイヤの輝きが買った時より劣って見えるのはダイヤそのものの問題ではなく、それに付着した汚れに原因があること。
その汚れを除去しやすく、買った時と同じような輝きを保持できるエタニティリングは、共有爪のほかにないといえます。
よってエタニティリングを普段使い用に用いるなら、共有爪のエタニティリングを選ぶのが無難といえるでしょう。
普段使いはハーフエタニティリングがおすすめ
ご存知だと思いますが、エタニティリングにはフルエタニティとハーフエタニティとがあります。
フルエタニティとはリング全周にダイヤが装填されているもので、ハーフエタニティとは半周装填されているものです。
先ほども申し上げましたように、普段使いですから日常ずっと身に着けているわけです。
そうなるとモノとの接触が多くなります。
全周をダイヤで覆われたフルエタニティの場合、手のひら側にもダイヤがあるわけですから、当然ダイヤがモノに接触する機会が多くなります。
そうなるとダイヤは傷つきませんが、ダイヤを留めてある爪に影響を与え、爪が緩むことも考えられます。また爪が繊維に引っ掛かることも考えられます。
それゆえ、普段使いにする場合のエタニティリングは、手のひら側にはダイヤがないハーフエタニティを選んだ方が無難といえます。
日常やってはいけない行為
エタニティリングをはめたまま、日常やってはいけない行為を述べさせて頂きます。
ダイヤの輝きが落ちたり、指輪が変形したりすることがありますので注意していただきたいと思います。
石鹸をつけての手洗い
エタニティリングに限らず、ストーンリングをつけたまま石鹸で手を洗ってはいけません。
それをするときは必ず指輪を外してください。
石鹸でダイヤを洗うんだからきれいになっていいじゃないと思うかもしれませんが、石鹸カスがダイヤの裏側に付着し輝きを落としてしまうことになります。
よく指輪をつけたままお風呂に入る人がいますが、これもいけません。
頭や体を洗った時の石鹸カスが指輪に付着します。
石鹸で手を洗うときは外す、お風呂にはつけてはいらない!
これはストーンリングの鉄則ですから覚えておいてください。
自転車の運転
自転車の運転そのものには問題はありません。
あるのはブレーキをかけた時の行為です。
ブレーキをかけた時、ブレーキレバーが指にしている指輪に圧力を加え、変形させてしまうのです。
指輪に当たらないようにブレーキをかければいいじゃない!
と思うかもしれませんが、知らず知らずのうちに指輪に当ててしまうのです。
なぜなら、それの方がブレーキをかけやすいからです。
人の体はしやすい方に勝手に動く傾向にあり、指輪があってそれを避けようと思っても、無意識レベルになると勝手に指輪をブレーキレバーに押し当ててしまうのです。
これが続くと指輪が変形し、エタニティリングの場合はへたをすると爪が緩んでダイヤを落としたなんてことにつながるかもしれません。
それゆえ、自転車に乗るときはリングを外した方が無難といえます。
輝くエタニティリングの選び方
以上、普段使いに相応しいエタニティリングの選び方と、やってはいけない行為を述べさせて頂きました。
次は付録として、輝くエタニティリングの選び方を解説させていただきます。
普段使いにしろ、よそ行き用にしろ、エタニティリングはダイヤリングである以上輝かなければなりません。
ですが元宝石商の私からすると、ネットでのそれは輝くかどうか疑わしいといえるものが少なからずあります。
よって、間違いなく輝くエタニティリングの見つけ方を、付録として詳しく解説させていただきたいと思います。
どうせ買うなら輝くエタニティリングを
ダイヤは輝きが命です。
輝いてこそダイヤといえます。
それゆえエタニティリングを買うなら、輝くダイヤが付いたものを選びたいものです。
では輝くダイヤを見分けるのにどこを見ればいいのでしょうか?
答えは4Cの中にあります。
4Cとはカラット(重さ)、カラー(色)、クラリティ(透明度)、カット(研磨・プロポーション)の頭文字をとってそう呼びますが、ダイヤが輝くためにはこの中のクラリティ(透明度)とカット(研磨・プロポーション)が重要な要素となるのです。
そしてそのダイヤが美しく輝くためには、カラーも重要な要素といえます。
クラリティとは
クラリティとはダイヤの透明度を表す指標で、透明度の高いダイヤほど輝きます。
ダイヤは天然鉱物ゆえ、必ずインクルージョン(内包物)が存在します。
このインクルージョンが多いダイヤは透明度が低くなり輝きが劣るわけですが、このインクルージョンの多い少ないのグレードを表したのがクラリティなのです。
クラリティは11段階にランク付けされます。
インクルージョンの全くないFL(フローレス)を最高とし、インクルージョンの量が増えるにしたがい、IF、VVS1、VVS2、VS1というふうにランク付けされるわけです。
ではダイヤが輝くためにはクラリティはどのランク以上のものがいいかというと、「SIクラス」以上のダイヤなら輝くといえます。
SIクラスというのは表でもおわかりのように、肉眼で発見が困難なほどインクルージョンが微小なため、光の透過にそれほど影響を与えることはありません。
しかしその下の「Iクラス」になると、肉眼での発見が容易なほどインクルージョンが大きいため、光の透過を邪魔し輝きを著しく落としてしまうのです。
言葉だけの説明ではわかりにくいと思いますので、実際に比較画像を見てみましょう。
左がSIクラス、右がIクラスのダイヤです。
明らかに透明度が違うでしょう。
このように、輝くダイヤを見つけるためにはクラリティがSIクラス以上のものにする必要があるのです。
カットとは
採掘されたダイヤの原石は、一見スリガラスのようです。
それが人間の手によってあのような素晴らしい輝きを放つ石になるのです。
そしてその方法が、ラウンドブリリアントカットというカット法です。
しかしラウンドブリリアントカットすれば何でも輝くというものではありません。
カットの良し悪しによって輝いたりそうでなかったりするのです。
Excellentカットされたダイヤに光が入射すると、光はダイヤ内で漏れることなく反射され、再びダイヤ外へ放射されます。これを全反射といいます。(下イラスト左参照)
しかしダイヤのカットが深すぎたり浅すぎたりすると、光は全反射せずダイヤ底部より漏れてしまい輝きが劣ることになるのです。
これがカットの良し悪しによる輝きの違いです。
ダイヤ内の光が全反射するためには、その理想となるプロポーションが存在し、それが以下の比率で構成されています。
ダイヤは、この構成比率に近くて研磨状態が良好なものから、Excellent、VeryGood、Good、Fair、Poorとランク付けされます。
ではダイヤが輝くためにはカットはどのランク以上のものがいいかというと、「Good」以上のダイヤなら輝くといえます。
FairやPoorカットのダイヤはプロポーションに問題があり、輝くとは言えません。
よって輝くダイヤを見つけるためには、カットがGood以上のものにする必要があるのです。
ダイヤが美しくあるためには
輝くダイヤの見分け方は理解できたと思います。
しかし輝くだけでなく、そこにプラス美しさも加えたいと望むなら、カラーも選択基準の要素に加えなければなりません。
カラーはダイヤの色を表す指標で、無色のダイヤほど高くランク付けされます。
最近では、Very Light Yellowとかブラウンダイヤなどが販売されていますが、要は色のついたダイヤのことであり、価値的に見れば無色のダイヤより劣っていることになります。
ダイヤはやはり無色の方が美しく、美しく輝くダイヤを望むならカラーにもこだわりたいものです。
プリズム効果を発揮する無色のダイヤ
太陽光を含む白色光はプリズムを通せば赤、橙、黄、緑、青、藍、紫と七色に分かれます。
これは色それぞれの波長が異なるため、屈折によって光が分散されるためです。
この現象がダイヤ内でも起こります。
ダイヤ内に光が入射すると、光の中にある波長の異なる色が屈折によって分散されます。
上質のダイヤモンドを覗き込むと、いろいろな色の光線が発見できます。
これはダイヤ内でプリズム効果がなされているからです。
無色のダイヤに光が入射すると、反射した光は変色されることなくありのままの光線を放ちます。
しかし色のついたダイヤモンドの場合、ダイヤのカラーの影響を受けてしまい、光線を変色させるのです。
これがダイヤの美しさに影響します。
ダイヤに美しさを求めるなら無色の方が望ましく、色のついたものは避けた方が無難です。
ではダイヤが美しく輝くためには、カラーがどのランクのものがいいかというと「H」以上のものが望ましいといえます。
同じ「ほとんど無色」に属しているG、H、I、Jですが、IとJはその下の「わずかな黄色」のランクに近いこともあり、やはり幾分黄色く見えます。
プリズム効果にさほどの影響を与えないのは「Hカラー」以上のダイヤといえ、美しいダイヤを求めるならこれ以上のものを選ぶ必要があります。
普段使いに相応しい輝くエタニティリング
以上の説明から、ダイヤが美しく輝くためには、カラーH以上、クラリティSI以上、カットGood以上必要ということがおわかり頂けたと思います。
そこで最後にまとめとして、普段使いに相応しい共有爪の輝くエタニティリングを紹介してこのページを閉じたいと思います。
このページが皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読み頂き、真に有難うございました。