ラインネックレスにみるダイヤの品質表示

一粒ダイヤネックレスと並んで人気のラインネックレス。

ライン状にダイヤが並べられたフォルムは、一粒ダイヤと違って帯状の光線を放ちます。

それゆえ、一粒ダイヤより華やかに見え、エレガントな雰囲気を醸し出します。

また、普段使い、カジュアル、フォーマルに至るまで用いることができるのも人気の理由です。

デザインにクセがなくシンプルに作られていますから、どこへでも着けていけます。

小粒のダイヤなら普段使いやカジュアルに、少し大粒のダイヤならフォーマルに、といった使い分けができます。

こういったメリットがあるゆえ、ラインネックレスに人気が集まるのです。

ただ、このラインネックレスを選ぶにあたって、ひとつ気になることがあります。

それはダイヤの品質に関してムラがあることです。

ネットでダイヤのラインネックレスを見ておりますと、ダイヤの品質を表示しているのが極めて少ないのです。

人はダイヤに何を求めるかというと輝きです。

そうです。

ダイヤという以上、ガラス玉より輝かなければなりません。

しかしダイヤの品質表示がなければ、輝くかどうか確証がありません。

私が見た限りでは、ダイヤの品質を謳ったものは、

クラリティSIクラスとだけ表示(カラー、カットの表記なし)

Hカラー、SIクラスと表示(カットの表記なし)

Gカラー、SIクラス、Goodカットと表示

ハートアンドキューピットが現れるダイヤと表示(カラー、クラリティの表記なし)

の4つに大別されます。

ではこれら4つのダイヤモンドとはどのようなダイヤモンドであるか、それがわからなければ選びようがありませんね。

そこでこれらについて解説をさせて頂きます。

クラリティSIのダイヤとは

ダイヤには品質をはかる4Cというのがあります。

カラット(重量)、カラー(色)、クラリティ(透明度)、カット(研磨・プロポーション)の頭文字をとってそう呼びますが、クラリティとはダイヤの透明度を表す指標なのです。

クラリティについて

ダイヤは天然鉱物ゆえ、必ずインクルージョン(内包物)が存在します。

このインクルージョンが多いダイヤは透明度が低くなり光の透過率が劣るわけですが、このインクルージョンの多い少ないのグレードを表したのがクラリティなのです。

クラリティは11段階にランク付けされます。

インクルージョンの全くないFL(フローレス)を最高とし、インクルージョンの量が増えるにしたがい、IF、VVS1、VVS2、VS1というふうにランク付けされるわけです。

では光の透過率の高いダイヤのクラリティはどのランク以上かというと、「SIクラス」以上のダイヤなら光をよく透過させます。

SIクラスというのは表でもおわかりのように、肉眼で発見が困難なほどインクルージョンが微小なため、光の透過にそれほど影響を与えることはありません。

しかしその下の「Iクラス」になると、肉眼での発見が容易なほどインクルージョンが大きいため、光の透過を邪魔してしまうのです。

つまりSIクラスのダイヤというのは透明度が高く、光が透過しやすいダイヤといえます。

ただし、ダイヤが輝くためには透明度だけでは不十分です。

なぜならカットがGood以上でないと光は反射せず、ダイヤ下方より漏れてしまうのです。

つまりダイヤの透明度がいくらSIクラスであっても、輝きまで期待できないということです。

Hカラー、SIクラスのダイヤとは

では次に、SIクラスの上にHカラーのダイヤとはどういうダイヤであるのか、説明させて頂きます。

カラーについて

カラーはダイヤの色を表す指標で、無色のダイヤほど高くランク付けされます。

最近では、Very Light Yellowとかブラウンダイヤなどが販売されていますが、要は色のついたダイヤのことであり、価値的に見れば無色のダイヤより劣っていることになります。

ダイヤはやはり無色の方が美しく、その理由はダイヤ内で起こるプリズム効果にあります。

プリズム効果を発揮する無色のダイヤ

太陽光を含む白色光はプリズムを通せば赤、橙、黄、緑、青、藍、紫と七色に分かれます。

これは色それぞれの波長が異なるため、屈折によって光が分散されるためです。

この現象がダイヤ内でも起こります。

ダイヤ内に光が入射すると、光の中にある波長の異なる色が屈折によって分散されます。

上質のダイヤモンドを覗き込むと、いろいろな色の光線が発見できます。
これはダイヤ内でプリズム効果がなされているからです。

無色のダイヤに光が入射すると、反射した光は変色されることなくありのままの光線を放ちます。

しかし色のついたダイヤモンドの場合、ダイヤのカラーの影響を受けてしまい、光線を変色させるのです。

これがダイヤの美しさに影響します。
ダイヤに美しさを求めるなら無色の方が望ましく、色のついたものは避けた方が無難です。

ではダイヤが美しく輝くためには、カラーがどのランクのものがいいかというと「H」以上のものが望ましいといえます。

同じ「ほとんど無色」に属しているG、H、I、Jですが、IとJはその下の「わずかな黄色」のランクに近いこともあり、やはり幾分黄色く見えます。

プリズム効果にさほどの影響を与えないのは「Hカラー」以上のダイヤといえます。

つまりHカラーのダイヤは、美しいダイヤに属することを意味しています。

ただし、Hカラー、SIクラスのダイヤは美しく透明度の高いダイヤあっても、輝くダイヤとは言えません。

先ほども申し上げましたように、カットがGood以上なければ輝くとは言えないからです。

よって、美しく透明度の高いダイヤとだけ言えるのです。

Gカラー、SIクラス、Goodカットのダイヤとは

カラーとクラリティの説明についてはもう十分させて頂きましたのでもうおわかりでしょう。

ここでは、カットについて詳しく説明させて頂きます。

カットについて

採掘されたダイヤの原石は、一見スリガラスのようです。

それが人間の手によってあのような素晴らしい輝きを放つ石になるのです。

そしてその方法が、ラウンドブリリアントカットというカット法です。

しかしラウンドブリリアントカットすれば何でも輝くというものではありません。

カットの良し悪しによって輝いたりそうでなかったりするのです。

Excellentカットされたダイヤに光が入射すると、光はダイヤ内で漏れることなく反射され、再びダイヤ外へ放射されます。これを全反射といいます。(下イラスト左参照)

しかしダイヤのカットが深すぎたり浅すぎたりすると、光は全反射せずダイヤ底部より漏れてしまい輝きが劣ることになるのです。

これがカットの良し悪しによる輝きの違いです。

ダイヤ内の光が全反射するためには、その理想となるプロポーションが存在し、それが以下の比率で構成されています。

ダイヤは、この構成比率に近くて研磨状態が良好なものから、Excellent、VeryGood、Good、Fair、Poorとランク付けされます。

ではダイヤが輝くためにはカットはどのランク以上のものがいいかというと、「Good」以上のダイヤなら輝くといえます。

FairやPoorカットのダイヤはプロポーションに問題があり、輝くとは言えません。

よってカットがGood以上のダイヤが、輝くダイヤといえるのです。

Gカラー、SIクラス、Goodカットのダイヤは、美しく透明度の高い、そして輝くダイヤといえます。

こういうダイヤが装填されたラインネックレスをなら、間違いはないでしょう。

ハートアンドキューピットが現れるダイヤとは

最後にハートアンドキューピットが現れるダイヤについてご説明します。

ハートアンドキューピットとは

素晴らしいカットが施されたダイヤを特別のスコープで覗き込むと、8つのハートとアロー像が確認されることがあります。

これをハートアンドキューピットが現れるダイヤとして重宝されています。

これはプロポーションとシンメトリ(対称性)の良い最高のカットをダイヤに施した場合、8つのハートとアロー像が特殊スコープで確認できるのです。

このような像を確認できたダイヤは、クラリティとカラーが2~3段階アップして見える極上のダイヤモンドになるといわれています。

つまりハートアンドキューピットが現れるダイヤとは、最高のカットが施されたということで、ダイヤの輝きに大きく影響を与えます。

カットグレードでいえばExcellentかVery Goodのカットにあたり、ダイヤの輝きに大きく貢献しているということです。

ただし、ハートアンドキューピットという表記だけで、他のカラーやクラリティに関しての表記がないということは、カットだけ優れたダイヤということになります。

ダイヤの美と輝きは、カラー、クラリティ、カットの三拍子が揃って初めて成り立ちます。

それゆえ、ハートアンドキューピットだけでの判断では難しいということになります。

まとめ

ラインネックレスにみるダイヤの品質表示について述べさせて頂きました。

輝きを求めるなら、やはりカラー、クラリティ、カットの三拍子そろったものが望ましいといえます。

最後に、三拍子そろったラインネックレスをご紹介し、このページを終了したいと思います。

最後までお読み頂き、真に有難うございました。

三拍子そろったラインネックレス

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