普段使いのルビーネックレスの選び方

赤い宝石ルビー。

深紅の輝きは妖艶さを感じさせ、見る者をうっとりさせるほど魅惑に満ちた宝石。

近年このルビーが安い価格で販売されはじめ、それが手伝ってか、普段使い用のネックレスにする人が増えているように思います。

しかし安いものには訳がある。

うかつに飛びつくとあとで後悔することにもなりかねません。

それゆえ慎重な判断が望まれます。

このページでは、安く設定されているルビーはなぜこんなにも安いのか?

そしてそれを普段使い用のネックレスしても問題はないのか?

普段使いにするルビーネックレスはどんなものが相応しいのか?

ここに焦点をあて、その選び方をお話ししたいと思います。

安いルビーのわけ

驚くべきことに5カラットもするルビーネックレスが1万円台で売られていることもあります。

さらに3カラットのルビーネックレスが3万円台。

なぜこんなに安いのか調べてみますと、理由がわかりました。

含侵処理をしていたからです。

天然の宝石は、鉱石から発掘して研磨され、そのまま使っているように思われがちですが、そうではありません。

コランダムから産出されるルビーやサファイアなどは、自然な状態ではほとんどは美しい色にはならないため、人工的な処置をしているのです。

そのひとつが含侵処理という処方です。

含侵処理とは、ルビーやサファイアなどの透明度を鉛ガラスを含侵させることによって改善させる方法で、2004年の初めころから宝石市場に急速に広がったとされています。

そして過度の含浸がコランダム(ルビー・サファイア)の重量や耐久性などに影響を及ぼすことが懸念され、全国宝石学協会が国内外に注意を喚起したといいます。

ここまで人工的に処理したルビーが果たして天然ルビーといえるのかどうか意見が分かれるところですが、ただ懸念されるのは耐久性の問題です。

物質的に脆くはないのか?
そして色褪せたりしないのか?

大いに気になるところです。

普段使い用ルビーネックレスの条件

ルビーネックレスを普段使いにする。

そうなると、見た目よりまず耐久性が重要になります。

常に身に着けた状態ですから、日光にさらされ汗が浸み込む機会が増えるということ。

それでへたるようでは普段使いの意味がありません。

先ほどの安いルビーネックレスは含侵処理がなされていますが、果たしてこれが普段使いに向くでしょうか。

ある研究機関の検査の結果では、含侵ルビーは酸に腐食されやすいというデータが出ています。

汗は酸です。

つまり含侵ルビーは汗には弱いということになります。

また含侵ルビーネックレスの商品ページに次のような記載がありました。

※注 このルビーは、色を引き立たせる為の加熱処理と、光沢・透明度を増す為の含浸処理がされていますので、超音波洗浄機にかけると変色する場合があります。(商品説明ページより抜粋)

つまり汗をかいたからといってネックレスを洗浄すれば、ルビーが変色する可能性があるということです。

これでは普段使いには向きませんね。

ゆえに、安いからっといってそんな商品を買えば後悔することになります。

なお、含侵処理されたルビーの場合、必ず商品説明にそのことが謳われてありますので、よく読んで選んでください。

ルビーネックレスの選び方

ルビー、サファイアに関しては約95%が何らかの処置がなされていると言われます。

しかし処置にも程度があり、エンハンスメントとトリートメントに分かれ、エンハンスメントした宝石は天然宝石と認められますが、トリートメントになるともはや天然とは言えず、人工という範疇に属すと言われています。

エンハンスメントとは加熱処理のことで、これはルビーやサファイアに関して通常に行われていることで、この処理により色を引き立たせることができます。

トリートメントとは先ほど述べました含侵処理が含まれ、鉛ガラスや樹脂などを含侵させることによって透明度を上げる技法です。

ここまでくると天然とは言えないというのが一般的な意見です。

ルビーネックレスを選ぶときは、エンハンスメントのルビーにとどめ、トリートメント(含侵処理)をしたルビーネックレスは選ばないようにする方が得策です。

その理由は先ほども申し上げたように、耐久性に欠けるからです。

使っているうちにルビーの色があせたり、また欠けることがあってはたまったものではありません。

ルビーネックレスを選ぶときは十分注意して選びましょう。

半永久的に美しさを保つクレサンベール

ここに、クレサンベールのルビーネックレスがあります。

クレサンベールとは京セラ独自の技法で作られた再結晶宝石のことで、成分、輝きは全く天然の宝石と変わりません。

天然のルビーやサファイアは先ほども申し上げたように、ほとんどが熱処理をして色合いを向上させていますが、クレサンベールのルビーはそのような処理はまったくしていません。

再結晶されたままのルビーをカッティングし、そのままクレサンベールの宝石として世に出ているのです。

それゆえ色合い、輝きは半永久的で、色あせや輝きの退化は一切ありません。

私はこれこそが、普段使いのルビーネックレスに相応しいんじゃないかと思うのです。

京セラはクレサンベールについてをこう述べています。

クレサンベールと天然の宝石は、化学的・物理的・光学的性質にほとんど違いがないと。

その意味とは何でしょうか?

化学的性質は同じ

天然の化学的組成は、Al2O3です。

一方クレサンベールのルビーの化学的組成もAl2O3です。

これは全く同成分ということになります。

これを証づけるものとしてX線回折、分光分析を行っており、天然石と同一という結果が出ております。

物理的性質も同じ

天然ルビーの結晶系は六方晶系ですが、クレサンベールのルビーも全く同じです。

そして硬度(モース)も同じ9、比重は天然3.90~4.01に対してクレサンベールルビーは4.01でほぼ同じ、融点に関しても同じ2050℃という結果が出ています。

このように物理的性質もほぼ同じといえます。

光学的性質も同じ

さらに光学的性質について見てみますと、

天然ルビーの屈折率は1.760~1.768に対し、クレサンベールのルビーの屈折率は1.762~1.770という結果が出ています。

つまり屈折率もほぼ同じ。

そして複屈折は天然は0.008に対しクレサンベールでは0.008という結果。
これも同じです。

以上のデータは、すべて京セラクレサンベールの公式ホームページより抜粋したものです。

詳しくは、京セラクレサンベールの公式ホームページをご覧ください。

クレサンベールのメリット

クレサンベールは化学的・物理的・光学的性質において天然宝石とほぼ同じという結果が出たわけですが、これは宝石的にみればどういうことでしょう。

私が特に注目するのは光学的性質における屈折率です。

同成分のクレサンベールは天然宝石と同じ輝きをもつ

屈折率も天然宝石とほぼ同じと出ておりますが、屈折率が同じということは輝きも同じということになるのです。

媒体には必ず屈折率が存在し、屈折率が高いものほど光は鋭角に曲がります。

屈折率は以下の数式で産出されます。

屈折率は臨界角に関係し、臨界角とは光が逃げない角度のことを言います。

臨界角のことをわかりやすく水と空気とで説明すると、光源を水の中に置き、そこから光を放射したとします。

放たれた光は水中から空気へと進みますが、媒質が異なるため、空気中に出ると光は屈折します。(①の場合)

水面に対して光源はほぼ真下にあるので光はこういう方向に進みますが、これがもし光源から離れたところの水面ではどうでしょう。

②のように、光は水中から出られず、そのまま水中に反射されることになるのです。
この角度を臨界角といいます。

この臨界角は宝石の場合輝きに影響し、臨界角が狭いほど光を逃さず効率的に光を反射させることができます。

ダイヤが輝くのは臨界角が極端に小さいからで、そのおかげで入射した光を逃さずダイヤ内で反射させるため、あのような素晴らしい輝きを放つことができるのです。

話を元に戻しますと、クレサンベールの宝石は天然ものと同一の成分を有しているため、屈折率は同じです。

屈折率は同じだから臨界角も同じということになり、輝きも天然のものと同じということなのです。

これがクレサンベールのメリットのひとつなのです。

カラーが均一

天然宝石にはどうしても色むらがあります。

濃いもののあれば薄いものもあり均一されていません。

それゆえ、選ぶ宝石によって色むらが発生するのです。

しかしクレサンベールの場合は違います。

クレサンベールは再結晶されたもの全部を使うわけではなく、そのいいところだけを抽出し、選びに選び抜かれたものだけをクレサンベールの宝石にしますから、色むらがほとんどありません。

すべて色が均一化された宝石がクレサンベールなのです。

それゆえ、天然ものと違って色むらはほとんどないのがクレサンベールということになります。

色調が退化しない

天然宝石といっても色調をよくするため人工処理をしている色石があります。

たとえばエメラルドなどはオイル処理を施して艶をあげています。

最初はいいのですが、時間の経過とともにそれが薄れ、色調が退化していきます。

しかしクレサンベールはそのような人工処置は一切行っておりません。

したがって半永久的に色調が変わらないといえます。

インクルージョン(内包物)がほとんどない

天然宝石には必ずインクルージョン(内包物)が存在します。

これは天然物ゆえ仕方がないことです。

しかしクレサンベールは違います。

再結晶時においてもインクルージョンは発生しますが、クレサンベールの場合極力インクルージョンの少ない部分だけをカットしますから、濁りのもとであるインクルージョンがほとんど存在しないのです。

それゆえ常に透き通った宝石を提供できるのがクレサンベールというわけです。

普段使いのルビーネックレスはクレサンベールが相応しい

以上の説明でおわかり頂けたと思いますが、クレサンベールのルビーは美観・耐久性とも天然物より優れ、それは半永久的といえます。

このようなルビーネックレスこそ、普段使いに相応しいのではないかと思うのです。

最後にクレサンベールのルビーネックレスを紹介し、このページを閉じたいと思います。

最後までお読み頂き、真に有難うございました。

クレサンベール ルビーネックレス

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