50代 けがの少ない空手練習法①

私は50歳を契機に昔やっていた空手を再び始めました。

それから早10年余りがたち、昔以上の体の柔軟性と技を身につけるに至りましたが、その過程において数多くのけがに悩まされたのも事実です。

若い頃のけがや体の痛みは数日で和らぎますが、50代のそれはそう簡単にはよくなりませんでした。

何日たっても痛みは和らぐ気配すらなく、このままずっと痛いままではないかと悩む日々でした。

しかし人間の自然治癒力というのはやはりすごいもので、時間は若い時と比べてかかったものの完治するに至りました。

このとき思ったのは、50代での練習は決して無理をしてはいけないということ。

無理をすれば必ず体のどこかに負荷がかかり、ケガとなって現れます。

そうなると生業もできなくなる。

これでは元も子もなくなるので、やはり50代には50代なりの練習法を考えなければならない。

そう思ったのです。

ここでは私が過去10年間の空手の稽古を通し、その中で培ったケガの少ない練習法をお話させていただきます。

まずは体をほぐす

空手の稽古を始める前にまず柔軟体操、いわゆるストレッチから入りますが、これを入念にしなければなりません。

ストレッチもそこそこにして空手を始めたりしますと必ずケガをします。

私の場合、最初は50分かけてストレッチを行いました。

若い頃のストレッチといえば大体10分~15分くらいでしょう。

しかしそれは若いからこれくらいの短時間で済むのです。

50代になると途端に体は硬くなります。

当然柔らかくする時間も長くなりますから、50分くらい時間をかけて入念にストレッチを行うくらいがちょうどいいのです。

ではどのようなストレッチを行うのか。

簡単にお話しさせていただきます。

屈伸運動

まず肩幅に足を開いて立ち、屈伸運動から始めます。

両手を膝に当てそのままゆっくり腰を沈めていきます。

そしてそのまま腰、脚の筋肉を伸ばすことを意識してしゃがみ込みます。

この時踵は床につけるようにします。
踵が浮くとストレッチ効果が半減します。

そしてしゃがみ終わったらそのまま立ち上がり、両手で膝を押して筋肉を伸ばします。

これを自ら号令をかけ、10回程度繰り返します。

膝回し

屈伸運動が終わったら、今度は両足を揃えて立ち膝を回す運動をします。

両手を膝に当て、膝を軽く曲げて膝を回します。

右回しを5回

左回しを5回行います。

伸脚運動

膝回しが終わったら今度は伸脚運動です。

足を肩幅の2倍の大きさに開いて立ち、そのまま右足の方に座り込みます。

座ったとき、右足の踵は同じく床につけるようにしてください。

最初はできないかもしれませんが、チャレンジしていくうちにできるようになります。

そして座ると同時に体を上下にゆすり、左脚の筋を伸ばします。

左脚のストレッチが終わったら、今度は右脚に移ります。

体を左足の方に座り込み、左脚の筋を伸ばします。

これも自ら号令をかけて10回ほど繰り返します。

前屈ストレッチ

伸脚運動が終わったら、今度は両足を前に出して座ります。

前屈ストレッチはこの体勢のまま上体を前に倒すストレッチですが、初めてこれを行う方はおそらくつま先を手でつかむこともできないでしょう。

そこで片足ずつ前屈ストレッチをします。

まず右足を左膝の上に載せます。

そしてその体勢のまま上体を前に倒すのです。

通常の前屈ストレッチでは上体を前に倒すと膝が床から浮き上がってしまいます。

しかしこの膝載せストレッチは、足の重みが膝の浮き上がらせを防いでくれるため効果的に行えるのです。

まずはつま先を手でつかむことを目標にし、それができたら上体を徐々に前に倒すようにしてきます。

柔らかくなるとそのままベターと上体が倒れるようになります。

左脚のストレッチが終わったら足を交代し、今度は左足を右膝の上に載せて同じように繰り返します。

これを何度も繰り返すことによって体は柔らかくなっていき、やがて両足を伸ばしたままでも膝が浮き上がることなく上体を前に倒すことができるようになります。

股関節ストレッチ

前屈ストレッチが終わったら、今度は両足の裏を合わせて座り股関節のストレッチを行います。

最初は股関節が硬いため、上の写真のように膝が床につかないでしょう。

それでもこの姿勢を取り続けるとやがて股関節が柔らかくなり、膝が床に着くようになってきます。

そして膝が床に着くようになったら、今度はその体勢のまま上体を前に倒します。

胸に足をつけることを意識して上体を倒します。

最初は無理でもこれを繰り返すことで柔らかくなり、上の写真のようにできるようになります。

開脚ストレッチ

股関節のストレッチが終わったら、今度は開脚ストレッチに移ります。

しかしいきなり上の写真のように足が開けるわけがありません。

そこでこのストレッチも片足ずつ行います。

左脚を折り、右足だけを斜めに伸ばして座ります。

そしてこの姿勢から上体を右足の方向に倒します。

右手で右つま先をつかむように倒します。

最初はつかむこともできないと思いますが、根気よく続けていくうちにやがて指先がつま先に届くようになってきます。

そして右脚のストレッチが終わったら足を交代し、左足を伸ばして右足をたたんで座り同じように繰り返します。

この両方のストレッチを繰り返すうちに、やがて開脚して座ってのストレッチができるようになります。

これらの写真は、今年61歳になる私のストレッチ風景です。

根気よく続けることで、たとえ61歳でもここまでできるようになります。

まずはここまでのストレッチを空手の稽古の前に続けてください。

ただし言っておきますが、ストレッチは痛いものです。

体の硬い人にとって心地よいストレッチは一つもありません。

皆痛みが伴います。

50代の空手練習に無理はいけないと申しましたが、それは大いなる無理のことです。

ストレッチのこの痛みは少しの無理に属します。

少しの無理を積み重ねることによってやがてそれが実となり、柔軟な体へと変化していきます。

ケガの少ない体造りのためにストレッチがあります。

まずこのストレッチを徹底的に行ってください。

そうすることで体が柔らかくなり、空手の稽古をしてもケガが少なくて済みます。

このページが少しでも参考になれば幸いです。

最後までお読み頂き、真に有難うございました。

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