ルースダイヤアクセサリーを可能にしたレーザーホール留め

何物をも身にまとわない裸のダイヤ、ルースダイヤモンド。

ダイヤモンドは光を浴びてこそ輝きを放ち、浴びる光の分量によってその輝きも変化します。

そしてこのルースダイヤこそ、最も光を浴びる環境にあり、最も輝きを放つダイヤといえます。

全方位から光を浴び、その光がダイヤ内で反射され、輝きとなって現れる。

これがルースダイヤモンドの最大の魅力です。

しかしそのダイヤも、アクセサリーとして加工されるとルースではなくなります。

リング、ネックレス、ピアス、どれをとってもダイヤは爪で留められ、ダイヤの一部はその陰に隠れます。

それゆえダイヤに入射する光は制限され、それに比例して輝きも劣ることになるのです。

しかしこれはダイヤに限らず宝石の宿命といえるかもしれません。

どのような美しい宝石もルース状態でアクセサリーにすることは不可能で、石を留めるためにはどうしても爪に頼るほかないと考えられてきました。

しかしここにきて、他の宝石はそうであってもダイヤに限ってはそうではなくなってきました。

つまりルース状態でダイヤを留め、アクセサリーにする方法があるのです。

それがレーザーホール留めというものです。

レーザーホール留めとは

レーザーでダイヤに直接穴をあけたものをレーザーホールダイヤモンドといいます。

レーザーホール留めとは、そのあけた穴に丸環をいれダイヤを留める技法です。

この方法ならダイヤを留めるのに爪を用いる必要はなく、ダイヤの一部が爪に隠れることはありません。

ダイヤはほとんど丸裸状態で、光は全方位から取り込めるというわけです。

つまりこのレーザーホール留めこそ、ルースダイヤの魅力を最大限発揮してくれる技法といえます。

レーザーホール留めがルースダイヤアクセサリーを可能にした

レーザーホールができるのはダイヤだけのようです。

他の宝石でレーザーホールされたものは見かけません。

推察するに、他の宝石の場合インクルージョンが複雑に混入していますので、下手に穴をあけると割れてしまう可能性があるからでしょう。

もちろんダイヤにもインクルージョンが存在しますが、レーザーホールされるダイヤの場合、比較的インクルージョンが少なく透明度の高いものが用いられているようです。

そしてこのレーザーホール留めが可能となったことで、ルースダイヤがアクセサリーとして確立することになったのです。

様々なルースダイヤアクセサリー

このレーザーホール留めを利用して様々なルースダイヤアクセサリーが誕生しています。

リング

ネックレス

ピアス

これらすべてレーザーホールされたダイヤで、ルースダイヤの美しさを見事に表現しています。

なかでもひと際ルースダイヤの美しさを表現できるアクセサリーはピアスといえるでしょう。

その理由はダイヤの露出度にあります。

先述したように、ダイヤは入射する光の分量によってその輝きが違います。

光の分量が多ければ多いほどダイヤはより輝きます。

リング、ネックレス、ピアスと見比べてわかると思いますが、ルースダイヤのリングをつけた場合、あるいはルースネックレスをつけた場合、ダイヤの一部が皮膚にあたります。

リングの場合は指に、ネックレスの場合は胸元にダイヤの一部があたり、その部分からの光の入射は困難になります。

しかしピアスの場合は違います。

見ての通りダイヤの周囲には何もない状態であり、しかもダイヤが皮膚に触れることはありません。

つまり隠れるところが何もない状態ですから光は全方位から入り放題。

全方位から光を取り込んだダイヤは、全方位に光を反射します。

つまりピアスこそがルースダイヤの輝きを見事に表現したアクセサリーであり、レーザーホール留めを見事に活かしたアクセサリーといえるでしょう。

レーザーホールダイヤの選び方

ルースダイヤの美しさを見事に表現するレーザーホールダイヤですが、どんなダイヤであってもそれが可能なわけではありません。

やはりそこはダイヤの品質も重要になってきます。

ではダイヤの品質のどの部分が重要か?

その選び方を解説したいと思います。

クラリティについて

ダイヤの価値を測る指標として4Cがあります。

カラット(重さ)、カラー(色)、クラリティ(透明度)、カット(研磨・プロポーション)の頭文字をとってそう呼びます。

この中のクラリティとはダイヤの透明度を表す指標で、ダイヤの輝きに大きく影響します。

ダイヤは天然鉱物ゆえ、必ずインクルージョン(内包物)が存在します。

このインクルージョンの多い少ないによってダイヤの透明度は大きく変わります。

簡単に言うとクラリティとは、このインクルージョンの多い少ないを表した指標といえます。

インクルージョンが全く存在しないダイヤのクラリティはFL(フローレス)と評価されます。

そしてインクルージョンが増えるにしたがい、IF、VVS1、VVS2、VS1と評価されます。

ではダイヤが輝くためにはどのランクのものがいいかというと「SIクラス」以上です。

SIクラスとは、インクルージョンの発見が肉眼では困難な時につけられる評価で、そのくらいインクルージョンが微小なのです。

しかしその下の「Iクラス」になると、インクルージョンが肉眼で容易に発見できる時につけられる評価で、それくらい大きいと光の透過を遮り、輝きを著しく落としてしまうのです。

言葉だけの説明ではわかりにくいと思いますので、実際に比較画像を見てみましょう。

左がSIクラス、右がIクラスのダイヤです。
明らかに透明度が違うでしょう。

このように輝くダイヤを望むなら、クラリティが「SIクラス」以上のものを選ぶ必要があるのです。

ダイヤに美しさを求めるならカラーも重要

さらにダイヤに美しさを求めるならカラーにもこだわらなければなりません。

ダイヤは天然鉱石ゆえ、すべてが無色というわけではありません。
素材の混入により、黄色味を帯びたものが存在します。

最近ではVery Light BrownとかYellowといったダイヤが売り出されていますが、要は色のついたダイヤであり、価値的に見れば無色のダイヤより劣っているといえます。

やはり選ぶとしたら無色のダイヤがおすすめです。

その理由は、プリズム効果があるからです。

プリズム効果を発揮する無色のダイヤ

太陽光を含む白色光はプリズムを通せば赤、橙、黄、緑、青、藍、紫と七色に分かれます。

これは色それぞれの波長が異なるため、屈折によって光が分散されるためです。

この現象がダイヤ内でも起こります。

ダイヤ内に光が入射すると、光の中にある波長の異なる色が屈折によって分散されます。

上質のダイヤモンドを覗き込むと、いろいろな色の光線が発見できます。
これはダイヤ内でプリズム効果がなされているからです。

無色のダイヤに光が入射すると、反射した光は変色されることなくありのままの光線を放ちます。

しかし色のついたダイヤモンドの場合、ダイヤのカラーの影響を受けてしまい、光線を変色させるのです。

これがダイヤの美しさに影響します。
ダイヤに美しさを求めるなら無色の方が望ましく、色のついたものは避けた方が無難です。

ではダイヤが美しく輝くためには、カラーがどのランクのものがいいかというと「H」以上のものが望ましいといえます。

同じ「ほとんど無色」に属しているG、H、I、Jですが、IとJはその下の「わずかな黄色」のランクに近いこともあり、やはり幾分黄色く見えます。

プリズム効果にさほどの影響を与えないのは「Hカラー」以上のダイヤといえ、美しいダイヤを求めるならこれ以上のものを選ぶ必要があります。

まとめ

ルースダイヤアクセサリーを可能にしたレーザーホール留めについてお話しさせていただきました。

そしてそのアクセサリーの中でも、最もその特性を生かしたものがピアスであることも述べさせていただきました。

参考になりましたでしょうか。

最後に、そのルースダイヤが最も美しく見えるピアスを紹介し、このページを閉じたいと思います。

最後までお読みいただき、真に有難うございました。

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