ダイナミックな足技、回し蹴り。
回し蹴りは、体のひねりと腰のひねりの相乗効果で、爆発的なパワーを生み出す大技です。
しかしひねりのタイミングを誤れば相乗効果はなくなり、パワーも半減してしまいます。
つまり回し蹴りは、タイミング次第で良くもなったり悪くもなったりするのです。
ではどのように蹴れば威力のある回し蹴りが放てるようになるのでしょうか?
このページでは、回し蹴りが上手くなるための練習法をお伝えさせていただきます。
回し蹴りのよくある間違い
回し蹴りを放つとき、よく言われるのが軸足を回すということです。
確かに体の回転力を活かすためには軸足の回転は必要です。
しかし軸足を体と同時に回してしまえば、回転だけのパワーになり威力はそれほどではありません。
ヒットしても標的をなでるような蹴りになり、標的にえぐり込むような威力ある蹴りには到底なりません。
ではどうするかというと、体の回転と軸足の回転をずらすのです。
回し蹴りを放つと同時に体は回転します。
しかしこの時軸足はまだ回しません。
蹴りが標的に当たる瞬間、軸足を回転させるのです。
つまり軸足の回転はぎりぎりまでタメ、ヒットと同時に一気にタメを解放させるのです。
こうすれば体の回転力に腰、軸足のタメのパワーが加わり、威力は倍増するのです。
では実際にどのような練習すればいいかお伝えさせていただきます。
バーを掴んでの練習
体を支えるバーのようなものがあればいいのですが、なければ安定した椅子を使って行うことができます。
椅子の背もたれ側に立ち、背もたれを掴んでグラグラしないかを確認します。
グラグラしなければ片手で背もたれを掴み、回し蹴りの練習をします。
前屈立ちに構え、回し蹴りを放ちます。
しかし軸足は回しません。
写真でもおわかりのように、軸足はほとんど回転していません。
軸足を回転させないことで、腰にタメをつくっているのです。
そしてフィニッシュの瞬間、軸足を回転させタメを一気に解放するのです。
これが威力のある回し蹴りの放ち方です。
ここでは軸足を回転させずに回し蹴りを放つ練習をしていますが、それは腰にタメをつくためにやっているのです。
軸足を回転させずに回し蹴りを放つには、腰と股関節にかなりの柔軟性が求められます。
この練習は、その柔軟性を養うために行っているのです。
この軸足を回さない回し蹴り練習を何度も繰り返すことによって股関節と腰の柔軟性が高まり、それがタメとなって威力ある回し蹴りが放てるようになります。
今回練習に椅子を使用しましたが、この椅子の背もたれの高さは低すぎたため、蹴るときに腰が落ちた格好になってしまいました。
それゆえ体の支えとなるバーの高さは腰より高い方がいいと思います。
そして腰にタメがつくれるようになったら、椅子の補助なしでやってみてください。
タメを保った回し蹴り練習
前屈立ちに構え、回し蹴りを放ちます。
タメを意識して膝をサイドから上げます。
膝を内側にえぐり込むように走らせ、足のヘッドスピードを上げます。
そしてフィニッシュの瞬間、軸足を回転させます。
しかし軸足の回転は、踵を標的の方にまで向ける必要はありません。
それは次の攻撃に備えるため、ある程度のタメを残すためです。
足技を練習するときの留意点は、常にタメを残すような練習方法でないといけません。
一撃必倒であればいいですが、そんなことはあり得ません。
蹴り損なったり、かわされた時、次の攻撃に移らなければなりませんので、常にタメを残しておく必要があるのです。
そのために、常にタメを考えた練習方法でないといけないのです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
参考になりましたでしょうか。
この軸足を回転させない回し蹴りの練習方法は、私の空手の師匠芦原英幸先生から教わったものです。
今から40年くらい前の話です。
参考になれば幸いです。
このページが、空手を始めようとする方の参考になれば幸いです。
最後までお読み頂き、真に有難うございました。