青緑色と赤紫色の2色を持つ宝石アレキサンドライト。
太陽光のもとでは赤紫の光を放ち、電灯光のもとでは赤紫の光を放つ不思議な宝石。
アレキサンドライトは神様のいたずらと称されるほど神秘的で、ロシアのウラル山脈に産するアレキサンドライトは特に変色効果があるとされています。
しかし産出量が極めて少なく、評価の高いアレキサンドライトはめったに市場に出回ることがないため、高品質のアレキサンドライトにお目にかかることはほとんどありませんでした。
しかしそれを可能にしたのが、京セラクレサンベールのアレキサンドライト。
クレサンベールとは人工宝石のことで、京セラ独自の技法で天然宝石と同成分の宝石を作り上げたのです。
これにより、希少性の高かった良質のアレキサンドライトが世に出回ることになり、変色効果の優れたアレキサンドライトにお目にかかることができるようになったのです。
ではクレサンベールのアレキサンドライトのメリットは何でしょう。
このページでは京セラクレサンベールのアレキサンドライトに焦点を絞り、その良さを解説してみたいと思います。
クレサンベールは再結晶宝石
京セラのクレサンベールは、再結晶宝石です。
天然鉱石をいったん溶かし、それを最高の宝石が生まれる理想的な環境の中でじっくり時間をかけて再結晶された宝石です。
その再結晶された宝石をさらに色相・透明度の高いところだけを厳選し、磨き上げたものがクレサンベールというわけです。
京セラはクレサンベールについてをこう述べています。
クレサンベールと天然の宝石は、化学的・物理的・光学的性質にほとんど違いがないと。
その意味とは何でしょうか?
化学的性質は同じ
天然のアレキサンドライトの化学的組成は、BeAl2O4です。
一方クレサンベールのアレキサンドライトの化学的組成もBeAl2O4です。
これは全く同成分ということになります。
これを証づけるものとしてX線回折、分光分析を行っており、天然石と同一という結果が出ております。
物理的性質も同じ
天然のアレキサンドライトの結晶系は斜方晶系ですが、クレサンベールのアレキサンドライトも全く同じです。
そして硬度(モース)も同じ8.5、比重もほぼ同じ3.71で、融点に関しても同じ1870℃という結果が出ています。
このように物理的性質もほぼ同じといえます。
光学的性質も同じ
さらに光学的性質について見てみますと、
天然のアレキサンドライトの屈折率は1.747~1.757に対し、クレサンベールのアレキサンドライトの屈折率は1.743~1.752という結果が出ています。
つまり屈折率もほぼ同じ。
そして複屈折は天然は0.01に対しクレサンベールでは0.009という結果。
以上のデータは、すべて京セラクレサンベールの公式ホームページより抜粋したものです。
詳しくは、京セラクレサンベールの公式ホームページをご覧ください。
クレサンベールのメリット
クレサンベールは化学的・物理的・光学的性質において天然宝石とほぼ同じという結果が出たわけですが、これは宝石的にみればどういうことでしょう。
私が特に注目するのは光学的性質における屈折率です。
同成分のクレサンベールは天然宝石と輝きも同じ
屈折率も天然宝石とほぼ同じと出ておりますが、屈折率が同じということは輝きも同じということになるのです。
媒体には必ず屈折率が存在し、屈折率が高いものほど光は鋭角に曲がります。
屈折率は以下の数式で産出されます。
屈折率は臨界角に関係し、臨界角とは光が逃げない角度のことを言います。
わかりやすく水と空気とで説明すると、光源を水の中に置き、そこから光を放射したとします。
放たれた光は水中から空気へと進みますが、媒質が異なるため、空気中に出ると光は屈折します。(①の場合)
水面に対して光源はほぼ真下にあるので光はこういう方向に進みますが、これがもし光源から離れたところの水面ではどうでしょう。
②のように、光は水中から出られず、そのまま水中に反射されることになるのです。
この角度を臨界角といいます。
この臨界角は宝石の場合輝きに影響し、臨界角が狭いほど光を逃さず効率的に光を反射させることができます。
ダイヤが輝くのは臨界角が極端に小さいからで、そのおかげで入射した光を逃さずあのような素晴らしい輝きを放つことができるのです。
話を元に戻しますと、クレサンベールの宝石は天然ものと同一の成分を有しているため、屈折率は同じです。
屈折率は同じだから臨界角も同じということになり、輝きも天然のものと同じということなのです。
これがクレサンベールのメリットのひとつなのです。
カラーが均一
天然宝石にはどうしても色むらがあります。
濃いもののあれば薄いものもあり均一されていません。
それゆえ、選ぶ宝石によって色むらが発生するのです。
しかしクレサンベールの場合は違います。
クレサンベールは再結晶されたもの全部を使うわけではなく、そのいいところだけを抽出し、選びに選び抜かれたものだけをクレサンベールの宝石にしますから、色むらがほとんどありません。
すべて色が均一化された宝石がクレサンベールなのです。
それゆえ、天然ものと違って色むらはほとんどないのがクレサンベールということになります。
色調が退化しない
天然宝石といっても色調をよくするため人工処理をしている色石があります。
たとえばエメラルドなどはオイル処理を施して艶をあげています。
最初はいいのですが、時間の経過とともにそれが薄れ、色調が退化していきます。
しかしクレサンベールの色石なら、できた製品を見栄えをよくするための人工処置は行っておらず、したがって半永久的に色調が変わらないといえます。
インクルージョン(内包物)がほとんどない
天然宝石には必ずインクルージョン(内包物)が存在します。
これは天然物ゆえ仕方がないことです。
しかしクレサンベールは違います。
再結晶時においてもインクルージョンは発生しますが、クレサンベールの場合極力インクルージョンの少ない部分だけをカットしますから、濁りのもとであるインクルージョンがほとんど存在しないのです。
それゆえ常に透き通った宝石を提供できるのがクレサンベールというわけです。
まとめ
以上の説明でおわかり頂けたと思いますが、クレサンベールのアレキサンドライトは天然ものと同成分で構成され、しかも上質な部分だけ抽出し、さらに厳選されたものであるから、最高級のアレキサンドライトといえるわけです。
天然宝石との違いは天然か人工かの違いだけということです。
最後に、クレサンベールのアレキサンドライトネックレスを紹介し、このページを閉じたいと思います。
最後までお読み頂き、真に有難うございました。