普段使いのエタニティリング 品質の妥協点

あらゆるシーンで活用できるエタニティリング。

カジュアルやフォーマルはもちろん、普段身につけるリングとしても活用できます。

しかし選ぶとなると困るのが、どの程度のものが普段使いに適すのか?

フォーマルとなるとある程度のダイヤの大きさと輝きが欲しいもの。

しかし普段日常で着けるものに、そんな大げさなものが果たして必要か?

こんな疑問が湧いてくるのも無理からぬこと。

このページでは、エタニティリングを普段使い用に選ぶ際、どの程度のものが必要か?
妥協点はどの程度のダイヤなのか?

それを探ってみたいと思います。

そんな大きなダイヤが普段使いに必要か?

たとえば1カラットのエタニティリングを普段していたらどうでしょう。

自分は満足かもしれませんが、周囲の反応は全く違いますね。

見せびらかしていると思われ嫌味に映ってしまいます。

フォーマルの場ではある意味見せびらかすのが当たり前です。
みんなに見てもらうために大きな煌びやかなダイヤをするのです。

しかし普段使いの場合は全く違います。
普段のさりげないおしゃれの中に溶けこむ指輪が相応しいのです。

そうしないと服装と指輪がかけ離れたものになり、ちぐはぐなおしゃれになってしまいます。

それゆえ普段使いのエタニティリングは、ダイヤの大きさを控えたものが相応しいといえます。

では何カラットなら普段使いに相応しいか?

これはその人が普段どのようなおしゃれをしているかによって異なりますが、無難のところでいえば0.3ct~0.5ctあたりが適当ではないでしょうか。

これくらいの大きさなら嫌味に映ることもなく、普段の装いの中に自然に溶け込んだエタニティリングとして見えるでしょう。

ダイヤの質はどの程度が相応しい?

ネットでエタニティリングを閲覧しておりますと、ダイヤの品質に関して以下の5パターンあるのに気づきました。

① ダイヤの品質の表示がないもの

② ダイヤの品質の表示がクラリティだけのもの

③ ダイヤの品質の表示がカラーとクラリティだけのもの

④ ダイヤの品質の表示がカットだけのもの

⑤ ダイヤの品質の表示がカラー、クラリティ、カットすべてされているもの

エタニティリングに限らず、ダイヤ製品でダイヤの品質が謳われているものは、ダイヤに自信があるからです。

ダイヤの品質に確たる自信があれば、①のように全く表示されないことはあり得ないでしょう。

よって選ぶとすれば②、③、④、⑤のいずれかのエタニティリングにすべきなのです。

では、②、③、④、⑤のエタニティリングにどれだけ違いがあるかわかるでしょうか?

そしてこの中で、普段使いに相応しいエタニティリングとはどのあたりになるのか?

それを順に見ていきたいと思います。

クラリティだけ表示のエタニティリング

クラリティとはダイヤの透明度を表す指標です。

ダイヤは天然鉱物ゆえ、必ずインクルージョン(内包物)が存在します。

このインクルージョンの多い少ないによってダイヤの透明度は変わってきます。

つまりクラリティとは、インクルージョンの多い少ないを表した指標とも呼べます。

では実際にクラリティだけ表示されたエタニティリングを見てみましょう。

以下は0.3ct、クラリティSIクラスのエタニティリングです。

ではこのクラリティSIクラスとは、どの位置に属するダイヤでしょうか?

以下の表をご覧ください。
これはクラリティのランク別を表した表で、SIクラスとは下から2番目に属します。

このランクは表からおわかりのように、肉眼でインクルージョンの発見が困難な時に付けられるランクで、つまりそれだけインクルージョンが小さいことを意味しています。

ダイヤの輝きは透明度とカットで決まりますが、SIクラスの透明度なら光の透過にそれほど支障をきたすことがなく、カットさえ良好な状態なら輝きを十分期待できるダイヤといえます。

しかし、クラリティがその下のIクラスになると、インクルージョンが多すぎるため光の透過を邪魔し、カットがいくら優れていても輝きが劣るダイヤとなるのです。

したがってクラリティSIクラスのダイヤとは、輝くのに十分な透明度を持っているといえます。

ただし透明度だけ優れていてもダイヤは輝きません。

ダイヤは、透明度に優れたカットが伴って初めて輝くといえるのです。

そしてカラーの表示もないわけですから、美しいダイヤとも言いきれません。

つまりSIクラスのエタニティリングというのは、透明度が優れたダイヤがセッティングされたリングというだけのことです。

これが果たして普段使いに向いているのか?

いくら普段使いでも、この程度のダイヤでは貧相すぎます。

40,700円を出すくらいなら、もう少し上質のダイヤがセッティングされたエタニティリングがあるはずです。

よって、もう少し上質のエタニティリングを探しましょう。

カラーとクラリティだけ表示のエタニティリング

上のクラリティだけ表示されたものに、カラーの表示が加わったエタニティリング。

上のクラリティだけのものとどう違うのでしょう。

まず、実際に出品されているエタニティリングを見てください。

以下は0.3ct Hカラー・SIクラスのエタニティリングです。

このエタニティリングは、先に紹介したクラリティSIクラスだけのものとどう違うのでしょう。

クラリティSIクラスに関しての説明はすでに述べましたので、ここではカラーについて説明します。

ダイヤは無色に見ますが、異物などの混入により若干色を帯びます。

その色味は、黄色味がかったり、茶色がかったりしたものがあり、全くの無色というのはむしろ希少といえます。

そしてダイヤは無色が美しいといわれますが、その理由はプリズム効果にあるのです。

太陽光を含む白色光はプリズムを通せば赤、橙、黄、緑、青、藍、紫と七色に分かれます。

これは色それぞれの波長が異なるため、屈折によって光が分散されるためです。

この現象がダイヤ内でも起こります。

ダイヤ内に光が入射すると、光の中にある波長の異なる色が屈折によって分散されます。

上質のダイヤモンドを覗き込むと、いろいろな色の光線が発見できます。
これはダイヤ内でプリズム効果が発揮されているからです。

無色のダイヤに光が入射すると、反射した光は変色されることなくありのままの光線を放ちます。

しかし色のついたダイヤモンドの場合、ダイヤのカラーの影響を受けてしまい、光線を変色させるのです。

これがダイヤの美しさに影響します。
ダイヤに美しさを求めるなら無色の方が望ましく、色のついたものは避けた方が無難です。

ダイヤのカラーは、最高をDとし、色味が強くなるにしたがってE、F、G、と続き、最後アルファベットのZで終わりです。

では、プリズム効果を発揮できるカラーはどのランクのものがいいのか?

それはHカラー以上のダイヤといえます。

同じ「ほとんど無色」に属しているG、H、I、Jですが、IとJはその下の「わずかな黄色」のランクに近いこともあり、やはり幾分黄色く見えます。

それゆえ、プリズム効果を発揮できるのは「Hカラー」以上のダイヤといえます。

つまりカラーの表示が加わったこのHカラー、SIクラスのダイヤというのは、無色透明のダイヤということです。

プリズム効果を発揮する無色に透明度が加味されると、ダイヤ本来の美しさが表現されます。

Hカラー、SIクラスのエタニティリングというのは、そんなダイヤがセッティングされたエタニティリングと言えます。

そしてまさしく、普段使いに相応しいエタニティリングとも言えます。

お値段も比較的安く、お買い求めやすいといえます。

以下に、カラーとクラリティの表示のある0.3ctのエタニティリングをご紹介します。

参考までにご覧ください。

カットだけ表示のエタニティリング

次に、カットだけ表示されたエタニティリングについて解説します。

カットはダイヤが輝くうえで重要な要素となります。

それをご理解いただくために、カットがダイヤの輝きにどのように影響するか解説させて頂きます。

カットについて

採掘されたダイヤの原石は、一見スリガラスのようです。

それが人間の手によってあのような素晴らしい輝きを放つ石になるのです。

そしてその方法が、ラウンドブリリアントカットというカット法です。

しかしラウンドブリリアントカットすれば何でも輝くというものではありません。

カットの良し悪しによって輝いたりそうでなかったりするのです。

Excellentカットされたダイヤに光が入射すると、光はダイヤ内で漏れることなく反射され、再びダイヤ外へ放射されます。これを全反射といいます。(下イラスト左参照)

しかしダイヤのカットが深すぎたり浅すぎたりすると、光は全反射せずダイヤ底部より漏れてしまい輝きが劣ることになるのです。

これがカットの良し悪しによる輝きの違いです。

ダイヤ内の光が全反射するためには、その理想となるプロポーションが存在し、それが以下の比率で構成されています。

ダイヤは、この構成比率に近くて研磨状態が良好なものから、Excellent、VeryGood、Good、Fair、Poorとランク付けされます。

ではダイヤが輝くためにはカットはどのランク以上のものがいいかというと、「Good」以上のダイヤなら輝くといえます。

FairやPoorカットのダイヤはプロポーションに問題があり、輝くとは言えません。

よってカットがGood以上のダイヤが、輝くダイヤといえるのです。

ハートアンドキューピットとは

販売されているエタニティリングの中で、ハートアンドキューピットという記載が見られます。

これは何のことかというと、カットに関する記載です。

素晴らしいカットが施されたダイヤを特別のスコープで覗き込むと、8つのハートとアロー像が確認されることがあります。

これをハートアンドキューピットが現れるダイヤとして重宝されています。

これはプロポーションとシンメトリ(対称性)の良い最高のカットをダイヤに施した場合、8つのハートとアロー像が特殊スコープで確認できるのです。

つまりハートアンドキューピットが現れるダイヤとは、最高のカットが施されたということで、カットグレードでいえばExcellentかVery Goodにあたるのです。

カット表示だけのエタニティリング

以下のエタニティリングは、カットだけ表示されたものです。

すべてハートアンドキューピットが現れるダイヤを使用しているということで、カットのランクでいえばExcellentかVeryGoodに当たるものです。

ただし、クラリティの表示がないので透明度が明白でなく、輝くとは言い切れません。
またカラーの表示がないので無色とも言い切れず、美しいとも言い切れません。

せめてクラリティSIクラスかカラーHの表示があればはっきりするのですが、情報が不確かなため何とも言えません。

それゆえ、普段使いに向いているかどうかという前に、販売商品としては情報が不足しているため、購入を避けた方が無難に思います。

すべて表示のエタニティリング

最後に、カラー、クラリティ、カットのすべてが表示されたエタニティリングについて解説します。

ダイヤ情報がすべて表示されているエタニティリングなら、美しさ、輝きを明確に知ることができます。

そしてこれこそが、エタニティリングをはじめとするダイヤ製品販売のあるべき姿です。

ダイヤはカラーとクラリティのランクで美しさがわかり、クラリティとカットのランクで輝きがわかります。

すべてが表示されたものなら、これらすべてが把握できるのです。

そして普段使いに最も適したエタニティリングと呼ぶことができます。

以下に楽天で選んだ0.3ctのエタニティリングをご紹介します。

すべて美と輝きを兼ね備えたエタニティリングです。

まとめ

普段使いのエタニティリングの品質の妥協点について述べさせて頂きました。

普段使いでは、カラット数を少し抑えたエタニティリングが相応しいといえます。

しかし、美と輝きに関してはこだわりたいものです。

HカラーSIクラスのエタニティリングは美しいといえます。
そしてSIクラスGoodカットのエタニティリングは輝きます。

普段使いのエタニティリングは、これらどちらかが相応しいといえます。

いかがでしょうか。
参考になりましたでしょうか。

このページが皆様のお役に立てれば幸いです。

最後までお読み頂き、真に有難うございました。

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