後悔しないエタニティリングの選び方

ファッションリングとして定評のあるエタニティリング。

エタニティとは永遠を意味することから、当初エンゲージリングと思われがちだったが、今や既婚未婚に関係なく多くのジュエリー愛好者にファッションリングとして支持されている。

人気の秘密はデザインのシンプルさによるところが多い。

ダイヤが一列に並んだだけのシンプルなデザインは嫌味がなく、また流行にも左右さない普遍的装いを併せ持つ。

そんなデザインだから時代を超えて身に着けられ、幅広い年代層に愛される。

まさに「シンプル イズ ベスト」を地で行くリングといえるでしょう。

だからこそ多くに人に支持されているのでしょう。

さてこのエタニティリング。

選ぶにあたって様々な悩みにぶつかるのも事実。

なぜなら一口にエタニティリングといってもデザインは様々。

大きく分けるとフルエタニティとハーフエタニティ。

そして総カラット数とダイヤ数との関係。

デザイン的には爪留めとレール留め。

爪留めにも独立爪と共有爪の2通りあり、爪の数によってダイヤの輝き方が微妙に異なる。

このようにエタニティリングを選ぶといっても選択肢はいくつもあり、どのタイプが自分にとって一番好ましいか、決めるまでにはいくつかの選択をしなければならない。

それゆえ多くの悩みにぶつかる。

ではどのように選んでいけばいいのか。

まずは買おうとするエタニティリングをいつするかということから考えなければなりません。

特別な日か、普段使いか

エタニティリングはダイヤが一列に並んだデザインゆえ、華やかさを醸し出す。

それゆえ特別な日に身に着けるファッションリングとして購入される方が多くいます。

しかし最近では普段使い用リングとしてエタニティリングを購入する人もいます。

特別な日のために購入するエタニティリングには制限はなく、自分の好みで選べばいいわけですが、普段使いになるとちょっと事情が異なります。

なぜなら使い勝手が問題になるからです。

普段使いですから、何より使い勝手がよくなければならない。

石付きリングというのは石の部分がリングのアーム部分より突出している場合が多く、そのため何らかの動作でその部分が何かにあたる可能性もあるからです。

こういったリングは使い勝手が悪く、普段使いには向かないといえるのです。

エタニティリングもその例外ではなく、ダイヤの部分がリングのアームより突出しているものもあるため、こういったエタニティリングは普段使いには向かないといえます。

ではどういったエタニティリングなら普段使いに向くかというと、レール留めのエタニティリングがそれに当たります。

レール留めエタニティリングの特徴

レール留めのエタニティリングはダイヤを爪で留めるのでなく、両脇のレールで挟み込むようにしてダイヤを留めています。

ダイヤがリングアームの中に埋め込まれた形で留められているため出っ張りがなく、何かにぶつけることも少ないといえます。

また爪がないため衣服への引っ掛かりがなく、その引っ掛かりがもとで、爪が緩んでダイヤが落下する心配もありません。

そしてリング全体がツルンとした形状になっていますから、非常に使い勝手がよく、普段使いにはもってこいのデザインといえます。

つまり普段使い用にエタニティリングを買おうと思う人には、こういったレール留めのエタニティリングを選ぶ方がのちのち後悔することがないといえます。

フルかハーフか

次にフルエタニティとハーフエタニティのメリットデメリットについて見てみましょう。

フルエタニティとは、ダイヤがリング一周に配置されたものです。

このメリットは、リングがくるくる回転してもダイヤが手のひら内に隠れることはなく、常にダイヤが外に出ている状態が保たれるという点です。

そして手の甲からだけでなく手のひら側からもダイヤの美しさを感受できるという点が、フルエタニティリングの最大のメリットでしょう。

しかし反面注意しなければならないのは、何かを掴むときダイヤの部分がその何かに接触してしまう可能性がゼロではないということです。

ダイヤは硬い鉱物ゆえ表面にはキズはつきませんが、強靭性に関しては別物で、衝撃を強く受けると割れることもありますので、その点注意が必要でしょう。

また手のひら側にあるダイヤは手の皮脂の影響を受けやすく、ご存じのようにダイヤは親油性の為皮脂が付きやすく、ダイヤの輝きに少なからず影響を与えることもあります。

また着けたときの感触ですが、リング一周にダイヤがセッティングされているため指と指の間に必ずダイヤが接触しています。

そのためリングをはめた指と、その隣の指との間に常にダイヤが挟まった状態になっているため、違和感を覚えることもあるかもしれません。

こういった点では、フルエタニティリングのデメリットと言えなくもありません。

選ぶときはよくよく考えてからにした方がいいかもしれません。

ハーフエタニティのメリットデメリット

ではハーフエタニティに関してはどうでしょうか。

まずメリットについていえば、ダイヤが汚れにくい。

ダイヤが常に手の甲側にあるから手の皮脂の影響を受けにくいというメリットがある。

そしてリング全体のボリュームがあげられる。

総カラット数1カラットであってもフルとハーフではボリュームが違う。

フルはリング一周にダイヤが配列されているからその分一つ一つが小粒になる。

しかしハーフの場合リング半周分しかダイヤが配列されていないから、ダイヤの一つ一つがフルに比べて大粒になる。

そのため同じ1カラットでもハーフの方がボリューム感があるということです。


フルエタニティリング

ハーフエタニティリング

さらにもうひとつのメリットといえば指の違和感でしょう。

指と指の間にはダイヤがいかない形状だから、フルエタニティほどの違和感を覚えない。

ハーフエタニティリングのメリットといえばこれくらいでしょうか。

ではデメリットはどうかというと、リングがくるくる回るとダイヤが手のひら側に来てしまうこと。

そうなれば手の甲側には地金部分しか露出しておらず、エタニティリングの意味をなさなくなってしまう。

そして手の甲だけにしかダイヤはセッティングされていないため、手のひら側からのダイヤの美観を楽しめないこと。

しかしストーンリングは常に手の甲からの美観に重きを置くから、この点をデメリットというのは間違いかもしれない。

いずれにしてもフル、ハーフともそれぞれメリットデメリットがあるから、自分が使う際にメリットの高い方を選ぶのが賢い選択方法だといえます。

爪留め・レール留めのメリットデメリット

次に爪留めとレール留めのメリットデメリットを考えてみましょう。

まず爪留めですが、これは冒頭で申し上げたように独立爪と共有爪とがあります。

独立爪とはダイヤ一つ一つが4本の爪でがっちり留められている留め方で、共有爪とは前後のダイヤが2本の爪で共有して留められている留め方のことを言います。


独立爪エタニティリング

共有爪エタニティリング

この二つの留め方のメリットデメリットは何かというと、まずはダイヤの輝きの違いです。

ダイヤは露出部分が多い方が輝くというのは自明の理で、この点からいうと共有爪の方が爪が少ない分ダイヤの露出度が高いといえ、つまりそれだけ輝くというメリットがあります。

その反面爪が少ない分強度に弱く、爪が緩んでダイヤが落下する可能性が高いというデメリットがあります。

逆に独立爪のエタニティリングは爪が多い分強度が高いというメリットがありますが、その反面ダイヤの輝きが共有爪より劣るというデメリットがあります。

いずれにしても一長一短どちらのタイプもあるということです。

では爪留めとレール留めとの比較によるメリットデメリットを見てみましょう。


爪留めエタニティリング

レール留めエタニティリング

爪留めのメリットは何といってもダイヤの露出度の高さからくるダイヤの輝きです。

ダイヤの大部分が露出しているため光を吸収しやすい環境にあり、そのため光をよく反射し輝くというメリットがあります。

しかしその反面爪は衣服の繊維に引っ掛かりやすいというデメリットがあり、衣服を傷つけたり、そのせいで爪が緩みダイヤが落下する可能性が高いといえます。

ではレール留めはどうかというと、レール留めはリング自体がツルンとした形状になっており、ダイヤもリング内に埋め込まれる形で留めてあるため引っ掛かりがなく、ダイヤが落下する心配はないといえます。

その反面ダイヤの露出度が爪留めに比べ低いため、ダイヤの輝きは爪留めより劣ることになります。

このように爪留め、レール留めにもそれぞれ一長一短メリットデメリットがあり、ご自分の相性に合わせた選び方をするのが賢明だといえます。

最後の選択肢はダイヤの輝き

そして最後に決め手となるのが何といってもダイヤの輝きと美しさ。

ダイヤは輝きが命で、輝いてこそダイヤといえます。

またたとえ輝いても、その輝きの色が黄色っぽかったりしては美しさに欠けます。

つまり輝きと輝きの色がダイヤには重要になってきます。

ではダイヤが輝く条件とは何でしょう。

それはダイヤの透明度とカットが重要な決め手となります。

クラリティとカットの重要性

まずダイヤの透明度ですが、これはダイヤを評価する4Cのなかのクラリティのランクを見る必要があります。

ダイヤは天然鉱物ゆえ、必ずインクルージョン(内包物)が存在します。

このインクルージョン(内包物)の存在がダイヤの透明度に影響を与えるのです。

クラリティは11段階に区分けされ、インクルージョンが少ない順にランク付けされます。

インクルージョンの全く存在しない「FL(フローレス)」から始まり、量が増えるにしたがってIF、VVS1、VVS2、VS1と評価がつけられます。

ではダイヤが輝くのにあまり支障のないクラリティ(透明度)はどの程度かというと「SI」クラスです。

SIクラスというのは表からおわかりのように、肉眼で発見が困難な時につけられる評価で、それだけインクルージョンが微小ということです。

つまり光の透過にそれほど影響を与えないという程度です。

しかしその下のランクの「I」クラスになるとそうではありません。

Iクラスというのは、肉眼でも容易にインクルージョンが発見できるというもので、それだけインクルージョンの存在が大きく、光の透過を邪魔する存在なのです。

つまり光の透過の妨げはダイヤの輝きに影響しますから、Iクラスのダイヤモンドはあまり輝かないということになるのです。

言葉だけの説明ではわかりにくいと思いますので、実際に比較画像をご覧頂きます。

左がSIクラス、右がIクラスのダイヤです。

明らかに透明度の違いが見て取れるでしょう。

つまりダイヤが輝くためには、クラリティが少なくとも「SI」クラス必要なのです。

カットについて

次にカットについてお話しさせて頂きます。

ダイヤモンドの採掘時はすりガラスのようですが、それがカットによってあのような輝きを放つ石に変貌するのです。

そして最も輝くカット法をラウンドブリリアントカットといいますが、すべてのダイヤがこのカットを行うことによって輝くかというとそうではありません。

そこはやはり出来不出来というものがあり、素晴らしいカットがなされたものだけがより輝くダイヤへと変貌します。

以下のイラストをご覧ください。

矢印は光の反射のベクトルを表したものですが、Excellentカットされたダイヤに光が入射すると光はダイヤ内で反射され、それが再びダイヤ外へ放射されます。(イラスト左参照)

これを全反射といいます。

しかしダイヤのカットが深すぎたり浅すぎたりすると光は全反射せず、ダイヤの底部より漏れてしまい輝きが劣ることになるのです。

これがカットの出来如何による輝きの違いです。

ダイヤ内の光が全反射するためには、その理想となるプロポーションが存在し、それが以下の比率で構成されています。

ダイヤは、この構成比率に近くて研磨状態が良好なものから、Excellent、VeryGood、Good、Fair、Poorとランク付けされます。

ではダイヤが輝くためにはカットはどのランクのものがいいかというと、「Good」以上のダイヤです。

FairやPoorカットのダイヤはプロポーションに問題があり、輝くとは言えません。

よってダイヤが輝くためには、カットがGood以上のものにする必要があるのです。

美しいダイヤを求めるなら

ダイヤの輝きとクラリティ、カットの関係性についてはご理解頂けたと思います。

次に、カラーとダイヤの美しさの関係性について説明させて頂きたいと思います。

カラーはダイヤの色を評価したもので、無色のダイヤほど高い価値が付けられます。

最近ではVery Light Brownなどのダイヤも販売されていますが、要は色のついたダイヤのことであり価値的に見れば無色のダイヤより劣っていることになります。

ダイヤはやはり無色のものが美しく、その理由はダイヤ内で起こるプリズム効果にあるのです。

プリズム効果を発揮する無色のダイヤ

太陽光を含む白色光はプリズムを通せば赤、橙、黄、緑、青、藍、紫と七色に分かれます。

これは色それぞれの波長が異なるため、屈折によって光が分散されるためです。

この現象がダイヤ内でも起こります。

ダイヤ内に光が入射すると、光の中にある波長の異なる色が屈折によって分散されます。

上質のダイヤモンドを覗き込むと、いろいろな色の光線が発見できます。
これはダイヤ内でプリズム効果がなされているからです。

無色のダイヤに光が入射すると、反射した光は変色されることなくありのままの光線を放ちます。

しかし色のついたダイヤモンドの場合、ダイヤのカラーの影響を受けてしまい、光線を変色させるのです。

これがダイヤの美しさに影響します。
ダイヤに美しさを求めるなら無色の方が望ましく、色のついたものは避けた方が無難です。

ではダイヤが美しく輝くためには、カラーがどのランクのものがいいかというと「H」以上のものが望ましいといえます。

同じ「ほとんど無色」に属しているG、H、I、Jですが、IとJはその下の「わずかな黄色」のランクに近いこともあり、やはり幾分黄色く見えます。

それゆえプリズム効果を発揮するのは「Hカラー」以上のダイヤといえ、美しいダイヤを求めるならこれ以上のものを選ぶ必要があります。

エタニティリングのダイヤの質

以上述べてきましたように、ダイヤの輝きと美しさの条件は、カラーがH以上、クラリティSIクラス以上、カットがGood以上必要というわけです。

しかしながら、ダイヤが数粒セッティングされているエタニティリングのその一粒一粒に鑑定を求めるのは無理があり、実際ショップにおける商品ページでも、第三者機関による鑑定ではなく、自社鑑定した内容を記載しているケースがほとんどです。

それゆえ選ぶとしたらまずショップの信頼性をレビュー記事でよく確かめ、信頼性の高いショップから上記条件が揃ったエタニティリングを選ぶのが賢明だといえます。

今まで述べてきたことを総括すれば、

まず買おうとしているエタニティリングをいつするのか。

そしてそれにふさわしいデザインはどのタイプなのか。

最後に、それにセッティングされているダイヤは美しく輝くのか。

以上の三点を考慮してエタニティリングを選べば、後悔のないお買い物ができるものと信じます。

このページが皆様のお役に立てれば幸いです。

最後までお読み頂き、真に有難うございました。

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