普段使いに合うダイヤラインネックレス。
一粒ダイヤネックレス同様シンプルなデザインで、派手すぎない控えめな様相から普段使いとしてよく用いられています。
しかし普段使い用ゆえに、選ぶときに困ることがあります。
それはダイヤが輝きすぎること。
一粒ダイヤの場合は、たとえ輝いても一粒ですからそれほど大したことはありません。
しかしダイヤが数珠上に並んだラインネックレスでは、ダイヤの輝きは半端ではない。
よそ行き用のダイヤネックレスなら輝いてこそその役割を果たしますが、普段使いのダイヤネックレスが輝きすぎれば嫌味に映ることもあります。
それゆえ、輝きを抑えたダイヤを選びたいものです。
ではどういった質のダイヤのラインネックレスなら輝きを抑えたものになるのか?
答えは、Hカラー、SIクラスのダイヤがセッティングされたものを選ぶことです。
このページでは、普段使いに合うHカラー、SIクラスのダイヤラインネックレスとはどういう特色を持っているのか、それを詳しく説明したいと思います。
ダイヤのカラーと透明度の関係
ダイヤにはその価値を測る4C評価というのがあります。
4Cとは、カラット(重量)、カラー(色)、クラリティ(透明度)、カット(研磨・プロポーション)の頭文字をとってそう呼びます。
カラットに関してはダイヤの重さなのでダイヤの美しさと輝きに関連してくることはありませんが、他の3つは大いに関連してきます。
まず、ダイヤのカラーと透明度を表すクラリティについて説明させて頂きます。
カラーについて
カラーはダイヤの色を表す指標で、無色のダイヤほど高くランク付けされます。
最近では、Very Light Yellowとかブラウンダイヤなどが販売されていますが、要は色のついたダイヤのことであり、価値的に見れば無色のダイヤより劣っていることになります。
ダイヤはやはり無色の方が美しく、その理由はダイヤ内で起こるプリズム効果にあります。
太陽光を含む白色光はプリズムを通せば赤、橙、黄、緑、青、藍、紫と七色に分かれます。
これは色それぞれの波長が異なるため、屈折によって光が分散されるためです。
この現象がダイヤ内でも起こります。
ダイヤ内に光が入射すると、光の中にある波長の異なる色が屈折によって分散されます。
上質のダイヤモンドを覗き込むと、いろいろな色の光線が発見できます。
これはダイヤ内でプリズム効果がなされているからです。
無色のダイヤに光が入射すると、反射した光は変色されることなくありのままの光線を放ちます。
しかし色のついたダイヤモンドの場合、ダイヤのカラーの影響を受けてしまい、光線を変色させるのです。
これがダイヤの美しさに影響します。
ダイヤに美しさを求めるなら無色の方が望ましく、色のついたものは避けた方が無難です。
ではプリズム効果を発揮するダイヤカラーとはどの程度のものか。
それはHカラー以上のダイヤです。
以下の表をご覧ください
Hは「ほとんど無色」に属しています。
ほとんど無色には、G、H、I、Jとありますが、IとJはその下の「わずかな黄色」のランクに近いこともあり、やはり幾分黄色く見えます。
それゆえHカラーはプリズム効果が発揮できるギリギリのラインといえます。
つまりHカラー以上のダイヤは、美しいダイヤに属することを意味しています。
ただし、いくらダイヤがHカラー以上でも透明度が悪ければ美しいダイヤとはいえません。
美しいダイヤとは、次に説明するクラリティ評価がSIクラス以上なければならないのです。
クラリティについて
ダイヤは天然鉱物ゆえ、必ずインクルージョン(内包物)が存在します。
このインクルージョンが多いダイヤは透明度が低くなり光の透過率が劣るわけですが、このインクルージョンの多い少ないのグレードを表したのがクラリティなのです。
つまりクラリティとはダイヤの透明度を表した指標なのです。
そしてこのクラリティは11段階にランク付けされます。
インクルージョンの全くないFL(フローレス)を最高とし、インクルージョンの量が増えるにしたがい、IF、VVS1、VVS2、VS1というふうにランク付けされるわけです。
では透明度の高いダイヤとはどの程度のクラリティを指すのか?
それはSIクラスです。
以下の表をご覧ください。
SIクラスというのは表でもおわかりのように、肉眼で発見が困難なほどインクルージョンが微小なため、光の透過にそれほど影響を与えることはありません。
しかしその下の「Iクラス」になると、肉眼での発見が容易なほどインクルージョンが大きいため、光の透過を邪魔してしまうのです。
その結果、輝きも劣ってしまうのです。
つまりSIクラス以上のダイヤは透明度が高く、光が透過しやすいといえます。
ダイヤのカラーと透明度の関係 まとめ
以上の説明でご理解頂けたと思いますが、カラーと透明度はダイヤの美しさに関係しており、HカラーSIクラスのダイヤは美しいダイヤに属します。
次に、ダイヤの輝きに影響する透明度とカットの関係について説明します。
ダイヤの透明度とカットの関係
透明度のあるダイヤとは、クラリティSIクラス以上ということはご理解頂けたと思います。
しかし、ダイヤの透明度はダイヤの輝きを保証するものではありません。
ダイヤが輝くためには、クラリティSIクラス以上のほかに、カットが重要な要素となります。
それを以下に説明します。
カットについて
採掘されたダイヤの原石は、一見スリガラスのようです。
それが人間の手によってあのような素晴らしい輝きを放つ石になるのです。
そしてその方法が、ラウンドブリリアントカットというカット法です。
しかしラウンドブリリアントカットすれば何でも輝くというものではありません。
カットの良し悪しによって輝いたりそうでなかったりするのです。
Excellentカットされたダイヤに光が入射すると、光はダイヤ内で漏れることなく反射され、再びダイヤ外へ放射されます。これを全反射といいます。(下イラスト左参照)
しかしダイヤのカットが深すぎたり浅すぎたりすると、光は全反射せずダイヤ底部より漏れてしまい輝きが劣ることになるのです。
これがカットの良し悪しによる輝きの違いです。
ダイヤ内の光が全反射するためには、その理想となるプロポーションが存在し、それが以下の比率で構成されています。
ダイヤは、この構成比率に近くて研磨状態が良好なものから、Excellent、VeryGood、Good、Fair、Poorとランク付けされます。
ではダイヤが輝くためにはカットはどのランク以上のものがいいかというと、「Good」以上のダイヤなら輝くといえます。
FairやPoorカットのダイヤはプロポーションに問題があり、輝くとは言えません。
よってカットがGood以上のダイヤが、輝くダイヤといえるのです。
ハートアンドキューピットとは
販売されているダイヤ製品の中で、ハートアンドキューピットという記載が見られます。
これは何のことかというと、カットに関する記載です。
素晴らしいカットが施されたダイヤを特別のスコープで覗き込むと、8つのハートとアロー像が確認されることがあります。
これをハートアンドキューピットが現れるダイヤとして重宝されています。
これはプロポーションとシンメトリ(対称性)の良い最高のカットをダイヤに施した場合、8つのハートとアロー像が特殊スコープで確認できるのです。
つまりハートアンドキューピットが現れるダイヤとは、最高のカットが施されたということで、カットグレードでいえばExcellentかVery Goodのカットにあたります。
ダイヤの透明度とカットの関係 まとめ
以上の説明でおわかり頂けたと思いますが、ダイヤが輝くためには透明度だけでは不十分で、これにカットがGood以上なければならないのです。
つまりカットが抜けたダイヤモンドは、たとえ美しくても輝きが抑えられたダイヤということになるのです。
まとめ
HカラーSIクラスのダイヤラインネックレスとは、輝きを抑えた美しいダイヤのラインネックレスのことを指します。
ダイヤは輝きが命です。
ですが、その輝きも時と所によります。
自然な装いを大事にする普段使いでは、その輝きも控えめがいいのです。
HカラーSIクラスのダイヤラインネックレスなら、その装いにピッタリです。
最後に、HカラーSIクラスのダイヤラインネックレスを紹介し、このページを閉じたいと思います。
最後までお読み頂き、真に有難うございました。