エタニティリングの選び方

ダイヤが一列に並べられただけのリング

エタニティリング。

エタニティとは永遠を意味し、その関係で結婚指輪的なリングとして認知している方も多いようです。

しかしながら既婚未婚に関係なく、最近ではファッションリングとして用いられることが多く、若い世代から中高年世代に至るまで幅広く愛用されています。

それゆえ選び方も多種多様で、見た目のボリューム感を重視する人もいれば、使い勝手のいい華奢なタイプを選ぶ人など、人によってその選別方法は様々です。

ですがエタニティリングを選ぶにあたって最初に注意すべきことは、そのリングをいつするかということをはっきりさせることです。

普段使いかフォーマルか

先述しましたようにエタニティリングはファッションリングとして認知している方も多いため、普段使い用のリングとして選ばれる方も多くいます。

普段使い用として選ぶ場合、まず最初に考えるのが使い勝手がいいこと。

日常に使うわけですから使い勝手が悪ければ話にならない。

そうなるとエタニティリングの場合、爪の引っ掛かりが気になる。

使用するたびに爪の引っ掛かりがあっては日常生活もままならない。

それゆえ引っ掛かりのない、あるいはその可能性の少ないものを選ばなければなりません。

一方フォーマル、あるいはよそ行きのおしゃれとしてエタニティリングを選ぶ場合、エタニティリングに求めるのは華やかさやボリュームです。

爪の引っ掛かりは多少あっても華やかさを優先させてエタニティリングを選ぼうとします。

つまり普段使いとフォーマルでは、エタニティリングの選び方が全く異なることになります。

普段使いにエタニティリングを選ぶ

では普段使いにエタニティリングを選ぶ場合、どのようなことに気を付けて選ばなければならないでしょうか。

まず第一に先ほど申し上げたように、使い勝手の良さ。

そのためには特に爪の引っ掛かりがないものを選ぶ。

さらにアームのしっかりしたものを選ぶ必要があります。

なぜならリングのアームが弱いと使用しているうちにリングがへしゃげてしまい、留めてある爪が緩んでダイヤが落下することがあります。

よく華奢なエタニティリングを日常使いにする方がいらっしゃいますが、気を付けないといけません。

華奢なリングはすぐにリングがへしゃげ、ダイヤ落下のもとになります。

それゆえ普段使いのエタニティリングのアームは頑丈でなければなりません。

そして最後に注意すべきはダイヤのボリューム感。

普段使いですから、ボリュームのあるエタニティリングは日常には向きません。

どちらかというと少し小振りのダイヤのしておいた方が無難です。

自分は良かれと思っていても周囲にはどう映るかわかりません。

ボリュームがありすぎると周囲が嫌味に感じたり、見せびらかしているなどと勘繰られてしまうこともありますので、少し落としたエタニティリングを選ぶのが賢明だといえます。

普段使いに向くエタニティリング

では具体的にどのようなエタニティリングが普段使いに向くのか。

まずダイヤのボリュームですが、0.3ctあたりが適当ではないでしょうか。

もちろん下の画像で見られるようにダイヤの粒数によってボリューム感は変わります。


0.3ct(ダイヤ5石)

0.3ct(ダイヤ7石)

0.3ct(ダイヤ9石)

0.3ct(ダイヤ12石)

0.3ct(ダイヤ15石)

0.3ct(ダイヤ20石)

ダイヤ粒数の少ないエタニティリングは同じ0.3ctでもボリュームがあり、粒数の多いものは華奢に見えます。

しかしながら全体を見てみても、0.3ctあたりが適当ではないかと思えます。

普段使いにはレール留めかフチあり

そして次にエタニティリングの形状、デザインですが、普段使いに合うのは爪の引っ掛かりのないレール留めもしくはフチありのエタニティリングが適当かと思います。

レール留めとは、爪が全くなく地金で挟み込んでダイヤを留めてあるエタニティリングで、それゆえ引っ掛かりの心配が全くありません。

ダイヤ側面は地金がすべて覆っているためダイヤの輝きである華やかさも抑えられ、普段使いには向いていると思います。

そしてフチありとは、爪留めタイプのもののサイドにフチを施したもので、これにより引っ掛かりを防ぎます。

ダイヤ側面は同じく地金で覆われているためダイヤの輝きは抑えられ、華やかさも少しおとなしく感じさせます。

このように普段使いに向くエタニティリングのデザインは、レール留めかフチありのものが適当ではないかと思われます。

ダイヤの質はクラリティSIクラス

そして最後にダイヤの質ですが、やはりカラーは無色に近く、透明度のあるダイヤがいいでしょう。

ランクでいえば、カラーはH以上、クラリティはSIクラス以上あれば上出来です。

これ未満のダイヤでは黄色っぽく見え、また氷砂糖のような白濁したダイヤになってしまいます。

最低限でもHカラー、SIクラスのダイヤが欲しいですね。

以下にこれらを満たしたエタニティリングをご紹介します。

フォーマル用にエタニティリングを選ぶ

次にフォーマル、あるいは特別な日に着けるエタニティリングはどういったものがいいでしょうか。

特別な日に身に着けるエタニティリングに制限はありません。

ご自分の好みで選ぶのが一番でしょう。

しかしダイヤの輝き、美しさにはこだわりたいものです。

特に輝きはダイヤにとって命ですから、輝きのあるダイヤを選ばなければなりません。

一般にエタニティリングにセッティングされているダイヤはメレダイヤでラウンドブリリアントカットが施されており、このカット法はダイヤが最も輝くとされています。

しかしながらどんなダイヤでもすべて輝くかというとそうではありません。

やはりカットの出来不出来によってダイヤの輝きは変化します。

カットと輝きの関係

以下のイラストをご覧ください。

矢印は光の反射のベクトルを表したものですが、Excellentカットされたダイヤに光が入射すると光はダイヤ内で反射され、それが再びダイヤ外へ放射されます。(イラスト左参照)

これを全反射といいます。

しかしダイヤのカットが深すぎたり浅すぎたりすると光は全反射せず、ダイヤの底部より漏れてしまい輝きが劣ることになるのです。

これがカットの出来如何による輝きの違いです。

ダイヤ内の光が全反射するためには、その理想となるプロポーションが存在し、それが以下の比率で構成されています。

ダイヤは、この構成比率に近くて研磨状態が良好なものから、Excellent、VeryGood、Good、Fair、Poorとランク付けされます。

ではダイヤが輝くためにはカットはどのランクのものがいいかというと、「Good」以上のダイヤです。

FairやPoorカットのダイヤはプロポーションに問題があり、輝くとは言えません。

よってダイヤが輝くためには、カットがGood以上必要なのです。

しかしいくらカットがGood以上だからといって、どんなダイヤでも輝くわけではありません。

ダイヤが輝くためにはもうひとつ条件が必要なのです。

クラリティと輝きの関係

クラリティとはダイヤの透明度を表します。

ダイヤは天然鉱物ゆえ、必ずインクルージョン(内包物)が存在します。

このインクルージョン(内包物)の存在がダイヤの透明度に影響を与えるのです。

クラリティは11段階に区分けされ、インクルージョンが少ない順にランク付けされます。

インクルージョンの全く存在しない「FL(フローレス)」から始まり、量が増えるにしたがってIF、VVS1、VVS2、VS1と評価がつけられます。

ではダイヤが輝くのにあまり支障のないクラリティ(透明度)はどの程度かというと「SI」クラスです。

SIクラスというのは表からおわかりのように、肉眼で発見が困難な時につけられる評価で、それだけインクルージョンが微小ということです。

つまり光の透過にそれほど影響を与えないという程度です。

しかしその下のランクの「I」クラスになるとそうではありません。

Iクラスというのは、肉眼でも容易にインクルージョンが発見できるというもので、それだけインクルージョンの存在が大きく、光の透過を邪魔する存在なのです。

つまり光の透過の妨げはダイヤの輝きに影響しますから、Iクラスのダイヤモンドはあまり輝かないということになるのです。

言葉だけの説明ではわかりにくいと思いますので、実際に比較画像をご覧頂きます。

左がSIクラス、右がIクラスのダイヤです。

明らかに透明度の違いが見て取れるでしょう。

つまりダイヤが輝くためには、クラリティが少なくとも「SI」クラス必要なのです。

美しいダイヤを求めるなら

次に、カラーとダイヤの美しさの関係性について説明させて頂きます。

カラーはダイヤの色を評価したもので、無色のダイヤほど高い価値が付けられます。

最近ではVery Light Brownなどのダイヤも販売されていますが、要は色のついたダイヤのことであり価値的に見れば無色のダイヤより劣っていることになります。

ダイヤはやはり無色のものが美しく、その理由はダイヤ内で起こるプリズム効果にあります。

プリズム効果を発揮する無色のダイヤ

太陽光を含む白色光はプリズムを通せば赤、橙、黄、緑、青、藍、紫と七色に分かれます。

これは色それぞれの波長が異なるため、屈折によって光が分散されるためです。

この現象がダイヤ内でも起こります。

ダイヤ内に光が入射すると、光の中にある波長の異なる色が屈折によって分散されます。

上質のダイヤモンドを覗き込むと、いろいろな色の光線が発見できます。
これはダイヤ内でプリズム効果がなされているからです。

無色のダイヤに光が入射すると、反射した光は変色されることなくありのままの光線を放ちます。

しかし色のついたダイヤモンドの場合、ダイヤのカラーの影響を受けてしまい、光線を変色させるのです。

これがダイヤの美しさに影響します。
ダイヤに美しさを求めるなら無色の方が望ましく、色のついたものは避けた方が無難です。

ではダイヤが美しく輝くためには、カラーがどのランクのものがいいかというと「H」以上のものが望ましいといえます。

同じ「ほとんど無色」に属しているG、H、I、Jですが、IとJはその下の「わずかな黄色」のランクに近いこともあり、やはり幾分黄色く見えます。

それゆえプリズム効果を発揮するのは「Hカラー」以上のダイヤといえ、美しいダイヤを求めるならこれ以上のものを選ぶ必要があります。

美しく輝くエタニティリングを選ぶ

以上の説明でおわかり頂けたと思いますが、ダイヤが美しく輝く条件はHカラーでクラリティSIクラス、カットはGood以上です。

これ未満のダイヤは残念ながら美しく輝くとは言えません。

よってこの条件を満たしたエタニティリングを選ばなければなりません。

特別な日にだけ身に着けるエタニティリングには、こういった上質のダイヤがセッティングされたものが相応しいでしょう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする