フチありエタニティリングの選び方

爪留めのエタニティリングの唯一の難点といえば引っ掛かり。

爪が服などの繊維に引っ掛かり、服を傷つけるばかりか爪まで緩んでしまい、ダイヤが外れることにつながりかねません。

そこで考案されたのがフチをつけること。

爪留めのサイドにフチを設けて引っ掛かりをなくすという方法で、これなら安心して身につけることができるというわけです。

しかしこの方法は、引っ掛かりをなくすという点ではいいかもしれませんが、ダイヤの輝きにはあまりよろしくないのです。

なぜよろしくないのか?

それは、ダイヤがなぜ輝くのかを考えれば答えはすぐにわかります。

このページでは、フチありのエタニティリングを選ぶとき、どこに気を付ければいいのか、そしてどんなものを選べばいいのか述べさせて頂きます。

ダイヤの輝きはダイヤの露出度に比例する

そもそもダイヤはなぜ輝くのかというと、ダイヤは光の反射によって輝きます。

ダイヤ内に光が入射し、その光がダイヤ内で反射され、再びダイヤ外へ放射される。

これがダイヤが輝く原理です。

仮に、ダイヤの周囲をぐるりと何かで囲ったらダイヤはどうでしょう。

入射光の量は激減し、当然反射する光の量も激減し、輝きが劣ることにつながります。

何が言いたいのかというと、爪留めのエタニティリングの場合ダイヤは爪だけで留められていますから、ダイヤの露出度は高く、光が入ってきやすい環境にあります。

しかしフチありの場合、リングサイドにぐるりと地金が覆った形になりますから、ダイヤの露出度が落ちるわけです。

こうなると光が入ってきにくくなり、当然反射する光の量も減ることになるのです。

つまり引っ掛かりをなくすにはメリットのあるフチありですが、ダイヤの輝きに関してはデメリットとなるのです。

ではフチありのエタニティリングでもダイヤが輝くにはどうすればいいのでしょうか。

それは入射した光を効率よく反射させる、ダイヤの質が重要になってきます。

効率よく光を反射させるダイヤの質とは

ダイヤを最大限輝かすには、入射した光を効率よく反射させなければなりません。

そのためにはセッティングしてあるダイヤの質が重要になってきます。

ではどのような質のダイヤならそれが可能でしょうか?

答えは、ダイヤのクラリティとカットが重要なカギを握ります。

ここでダイヤの輝きに関してご理解いただくために、クラリティとカットについて説明し、その中でどの程度のランクのものが相応しいか述べさせていただきます。

クラリティ

クラリティとはダイヤの透明度を表す指標で、透明度の高いダイヤほど光は透過します。

ダイヤは天然鉱物ゆえ、必ずインクルージョン(内包物)が存在します。

このインクルージョンが多いダイヤは透明度が低くなり光が透過しにくいわけですが、このインクルージョンの多い少ないのグレードを表したのがクラリティなのです。

クラリティは11段階にランク付けされます。

インクルージョンの全くないFL(フローレス)を最高とし、インクルージョンの量が増えるにしたがい、IF、VVS1、VVS2、VS1というふうにランク付けされるわけです。

では透明度の高いダイヤとはどの程度のクラリティかというと、「SIクラス」以上です。

SIクラスというのは表でもおわかりのように、肉眼で発見が困難なほどインクルージョンが微小なため、光の透過にそれほど影響を与えることはありません。

しかしその下の「Iクラス」になると、肉眼での発見が容易なほどインクルージョンが大きいため、光の透過を邪魔してしまうのです。

言葉だけの説明ではわかりにくいと思いますので、実際に比較画像を見てみましょう。

左がSIクラス、右がIクラスのダイヤです。
明らかに透明度が違うでしょう。

このようにSIクラス以上のダイヤは透明度の高いダイヤといえ、これ未満のものは透明度が低いといえます。

つまりSIクラス以上のダイヤは透明度が高いため光が透過しやすく、輝きやすいということになります。

ただし、透明度の高さだけでは輝きは保証されません。

ダイヤが輝くためには次に説明するカットが重要になるのです。

カット

採掘されたダイヤの原石は、一見スリガラスのようです。

それが人間の手によってあのような素晴らしい輝きを放つ石になるのです。

その方法が、ラウンドブリリアントカットというカット法です。

しかしラウンドブリリアントカットすれば何でも輝くというものではありません。

カットの良し悪しによって輝いたりそうでなかったりするのです。

Excellentカットされたダイヤに光が入射すると、光はダイヤ内で漏れることなく反射され、再びダイヤ外へ放射されます。これを全反射といいます。(下イラスト左参照)

しかしダイヤのカットが深すぎたり浅すぎたりすると、光は全反射せずダイヤ底部より漏れてしまい輝きが劣ることになるのです。

これがカットの良し悪しによる輝きの違いです。

ダイヤ内の光が全反射するためには、その理想となるプロポーションが存在し、それが以下の比率で構成されています。

ダイヤは、この構成比率に近くて研磨状態が良好なものから、Excellent、VeryGood、Good、Fair、Poorとランク付けされます。

ではダイヤが輝くためにはカットはどのランク以上のものがいいかというと、「Good」以上のダイヤなら輝くといえます。

FairやPoorカットのダイヤはプロポーションに問題があり、輝くとは言えません。

よってダイヤが輝くためには、カットがGood以上必要なのです。

フチありエタニティリングに相応しいダイヤの条件

以上の説明でおわかり頂けたと思いますが、入射した光を効率よく反射するにはクラリティとカットが重要で、それぞれがSIクラス以上、Goodカット以上なければなりません。

これ未満のランクでは効率の良い反射とは言えず、輝きは劣るといえます。

したがってフチありのエタニティリングを選ぶ場合、この条件をクリアしたダイヤがセッティングされたものを選ばなければなりません。

以下に、上の条件をクリアしたダイヤがセッティングされたフチありエタニティリングをご紹介させて頂きます。

参考までにご覧ください。

ダイヤが輝くフチありエタニティリング

まとめ

フチありエタニティリングの選び方を述べさせて頂きました。

参考になりましたでしょうか。

このページが皆様のお役に立てれば幸いです。

最後までお読み頂き、真に有難うございました。

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