華奢なダイヤリングの選び方

普段使い用のダイヤリングの条件は華奢なこと。

あまり大きなダイヤを普段身につけていれば周囲の者がギョッとし、何事かと思われるやもしれませんからね。

清楚でかわいく、これ見よがし感のないダイヤリングこそ普段使いには相応しいもの。

それには華奢なダイヤリングが一番です。

では華奢なものであったら何でもいいのかというとそうではありません。

ダイヤリングには爪留め、フクリン留めなどのタイプがありますが、この留め方にはそれぞれ一長一短があります。

そのため一概に華奢であれば何でもOKというわけにはいかないのです。

このページでは、普段使いに合う華奢なダイヤリングをどのように選ぶのか、爪留め、フクリン留めのデメリットを交えてその選び方を解説させて頂きます。

爪留めダイヤリングのデメリット

普段使いに相応しい華奢なダイヤリング。

しかし華奢なダイヤリングといってもすべてが普段使いに向いているとは言えません。

なぜなら普段使いにするにはもうひとつクリアしなければならない条件があるからです。

それは使い勝手。

日常身に着けるのですから、日々の作業の支障になってはいけません。

やはり使い勝手が良いものを選びたいものです。

たとえば爪留めのダイヤリングの場合、爪が衣服などの繊維に引っ掛かることがあり、あまり使い勝手がいいとは言えません。

たとえ華奢なダイヤであっても爪留めのものはいただけませんね。

やはり引っ掛かりのないツルっとしたデザインのダイヤリングがいいと思います。

フクリン留めダイヤリングのデメリット

では引っ掛かりのないフクリン留めのダイヤリングではどうか?

確かに引っ掛かりがなく使い勝手はいいですが、ダイヤの輝きがイマイチになります。

なぜならダイヤの周囲を地金が覆っていますから光が入射しにくく、そのためあまり輝かないダイヤになってしまうのです。

ダイヤが輝くのは光が反射するからであり、そのためには入射する光が多くなければなりません。

フクリン留めのダイヤは周りが地金で覆われていますから光が入射しにくい環境にあり、そのためダイヤの輝きが爪留めに比べ劣ってしまうのです。

いくら普段使いとは言え、やはりダイヤは輝いて欲しいですね。

華奢で引っ掛からないダイヤリングであっても、ダイヤが輝かなければ話になりません。

フクリン留めのダイヤリングでは、少し物足りなさを感じるかもしれません。

デメリットを克服する新しいダイヤセッティング法

以上のように、爪留め、フクリン留めそれぞれにデメリットがあります。

爪留めは引っ掛かり。

フクリン留めはダイヤの露出不足による輝きの低下。

この二つのデメリットを克服したダイヤリングであれば文句なしなんですが。

実は、この二つのデメリットを克服したダイヤのセッティング法があるのです。

名前を伏せ込みセッティングといいます。

ダイヤがアームの部分に埋め込まれたようなセッティング方法で、爪はなく、またダイヤの面とリングの面が同じ高さであるゆえ引っ掛かりがないのです。

それにダイヤの露出部も前面だけでなく側面においても表に出ているため、光が入射しやすい環境にあり輝きが衰えることがないのです。

つまりこのセッティング法は、爪留めのデメリットとフクリン留めのデメリットを見事に克服したセッティング法なのです。

華奢なダイヤリングは伏せ込みが一番

ふたつのデメリットを克服した伏せ込み方式のダイヤリングですが、実はこの手のダイヤリングには華奢なものがほとんどなのです。

なぜならばダイヤが大きいとアームの部分だけでは留めきれないからです。

仮に大きなダイヤを留めようと思ったらアームの部分が太くなり、デザイン的におかしく不格好になってしまいます。

そのためダイヤの大きさは0.1ct前後のものがほとんどで、まさに華奢なダイヤリングのために作られたセッティング法だといえないこともないのです。

引っ掛かりがなく、ダイヤの露出度もあるから輝きは十分。

まさに普段使いに相応しい華奢なダイヤリングといえます。

しかし華奢なダイヤリングといってもこれで十分とは言えません。

ダイヤの露出度が高いからっといってすべてのダイヤが輝くわけではないですから。

やはりダイヤの質が重要になってきます。

次にダイヤが輝くためのダイヤの質についてお話しさせて頂きます。

ダイヤが輝く条件とは

上品質なダイヤと低品質のダイヤ。

ダイヤにはピンからキリまであり上を見たらキリがありませんが、しかしダイヤは輝きが命です。

輝いてこそダイヤと言えます。

そこでダイヤが輝く条件についてお話しさせて頂きます。

ご存知のようにダイヤにはその価値を測る4C評価なるものがあります。

4Cとは、カラット(重量)、カラー(色)、クラリティ(透明度)、カット(研磨・プロポーション)の頭文字をとってそう呼びます。

この中のクラリティとカットが、ダイヤが輝くうえで重要な要素となります。

ダイヤの輝く原理を知って頂くために、まずはクラリティとカットについて詳しく説明させて頂きます。

クラリティについて

クラリティとはダイヤの透明度を表す指標です。

ダイヤは天然鉱物ゆえ、必ずインクルージョン(内包物)が存在します。

このインクルージョンが多いダイヤは透明度が低くなり光の透過率が劣るわけですが、このインクルージョンの多い少ないのグレードを表したのがクラリティなのです。

クラリティは11段階にランク付けされます。

インクルージョンの全くないFL(フローレス)を最高とし、インクルージョンの量が増えるにしたがい、IF、VVS1、VVS2、VS1というふうにランク付けされるわけです。

では光の透過率の高いダイヤのクラリティはどのランク以上かというと、「SIクラス」以上のダイヤなら光をよく透過させます。

SIクラスというのは表でもおわかりのように、肉眼で発見が困難なほどインクルージョンが微小なため、光の透過にそれほど影響を与えることはありません。

しかしその下の「Iクラス」になると、肉眼での発見が容易なほどインクルージョンが大きいため、光の透過を邪魔してしまうのです。

言葉だけの説明ではわかりにくいと思いますので、実際に比較画像を見てみましょう。

左がSIクラス、右がIクラスのダイヤです。
明らかに透明度が違うでしょう。

このように、クラリティがSIクラス以上のものが透明度が高いダイヤといえます。

ただし、透明度の高さだけではダイヤの輝きは保証されません。

ダイヤの輝きはこの透明度のほかに、次に説明するカットが重要になります。

カットについて

採掘されたダイヤの原石は、一見スリガラスのようです。

それが人間の手によってあのような素晴らしい輝きを放つ石になるのです。

そしてその方法が、ラウンドブリリアントカットというカット法です。

しかしラウンドブリリアントカットすれば何でも輝くというものではありません。

カットの良し悪しによって輝いたりそうでなかったりするのです。

Excellentカットされたダイヤに光が入射すると、光はダイヤ内で漏れることなく反射され、再びダイヤ外へ放射されます。これを全反射といいます。(下イラスト左参照)

しかしダイヤのカットが深すぎたり浅すぎたりすると、光は全反射せずダイヤ底部より漏れてしまい輝きが劣ることになるのです。

これがカットの良し悪しによる輝きの違いです。

ダイヤ内の光が全反射するためには、その理想となるプロポーションが存在し、それが以下の比率で構成されています。

ダイヤは、この構成比率に近くて研磨状態が良好なものから、Excellent、VeryGood、Good、Fair、Poorとランク付けされます。

ではダイヤが輝くためにはカットはどのランク以上のものがいいかというと、「Good」以上のダイヤなら輝くといえます。

FairやPoorカットのダイヤはプロポーションに問題があり、輝くとは言えません。

よってダイヤが輝くためには、カットがGood以上必要なのです。

ダイヤが美しくあるために

ダイヤの輝きについては以上の説明でご理解いただいたでしょう。

しかし輝きだけでなく、ダイヤの美しさにもこだわりたいのならカラーにも目を向けねばなりません。

以下に、ダイヤのカラーの役割について詳しく説明させて頂きました。

参考にご覧ください。

カラーについて

カラーはダイヤの色を表す指標で、無色のダイヤほど高くランク付けされます。

最近では、Very Light Yellowとかブラウンダイヤなどが販売されていますが、要は色のついたダイヤのことであり、価値的に見れば無色のダイヤより劣っていることになります。

ダイヤはやはり無色の方が美しく、その理由はダイヤ内で起こるプリズム効果にあります。

プリズム効果を発揮する無色のダイヤ

太陽光を含む白色光はプリズムを通せば赤、橙、黄、緑、青、藍、紫と七色に分かれます。

これは色それぞれの波長が異なるため、屈折によって光が分散されるためです。

この現象がダイヤ内でも起こります。

ダイヤ内に光が入射すると、光の中にある波長の異なる色が屈折によって分散されます。

上質のダイヤモンドを覗き込むと、いろいろな色の光線が発見できます。
これはダイヤ内でプリズム効果がなされているからです。

無色のダイヤに光が入射すると、反射した光は変色されることなくありのままの光線を放ちます。

しかし色のついたダイヤモンドの場合、ダイヤのカラーの影響を受けてしまい、光線を変色させるのです。

これがダイヤの美しさに影響します。
ダイヤに美しさを求めるなら無色の方が望ましく、色のついたものは避けた方が無難です。

ではダイヤが美しく輝くためには、カラーがどのランクのものがいいかというと「H」以上のものが望ましいといえます。

同じ「ほとんど無色」に属しているG、H、I、Jですが、IとJはその下の「わずかな黄色」のランクに近いこともあり、やはり幾分黄色く見えます。

プリズム効果にさほどの影響を与えないのは「Hカラー」以上のダイヤといえ、美しいダイヤを求めるならこれ以上のものを選ぶ必要があります。

華奢なダイヤリングの選び方

以上、クラリティ、カット、カラーの説明でおわかり頂けたと思いますが、ダイヤリングを選ぶ際重要なのは、クラリティSIクラス以上、カットGood以上、カラーH以上のダイヤ品質が絶対条件です。

これ未満のダイヤでは、輝くとも、美しいともいえません。

よってこれらをクリアしたダイヤリングにしなければなりません。

以下に、これらの条件をクリアした華奢なダイヤリングを紹介し、このページを閉じたいと思います。

最後までお読み頂き、真に有難うございました。

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