ダイヤネックレスの中で人気の大きさといえば1カラットと0.5カラットです。
1カラットのダイヤは皆が一度は付けたいネックレスだから、その人気のほどはわかるのですが、なぜ0.5カラットのダイヤがそれほど人気があるのか!
それは大きすぎず小さすぎないちょうどいい大きさで、カジュアルでもフォーマルでも両方使えるネックレスだからです。
ネットでの検索をみても1ctの次に多いのが0.5ctで、その人気のほどがわかります。
さて、その0.5ctのダイヤネックレスは、現在ネットではいくらで取引されているのか?
そしてどのくらいの値段のものを買えばリーズナブルなのか?
その相場と選び方を、元宝石商の私が解説させて頂きます。
0.5ct ダイヤネックレスのネットでの価格帯
ネットでの0.5ctダイヤネックレスの価格は安いもので4万~5万円台で売られています。
数点を楽天よりピックアップして以下に掲載しました。
お気付きのように、これらのダイヤスペックはみなHカラー、Iクラスで、カットは表記のあるものでFairカットです。
しかし表記のないものもあり、それらは表記できないほどカットがひどいということです。
遠慮なく言わせてもらえば、これらのダイヤは輝きません。
輝かないといえば語弊がありますが、皆さんが期待するほどの輝きはないということです。
なぜ輝かないのでしょう。
素人さんは、それがわからないために商品写真だけで良し悪しを判断して購入しますから、届いたダイヤネックレスを見て愕然とするのです。
0.5ctのダイヤネックレスはピンからキリまであり、ピンにしてもキリにしてもそれぞれ相場があるのです。
まずは輝かない0.5ctダイヤネックレスの相場はわかりましたね。
そうです。4万~5万円台です。
では輝く0.5ctダイヤネックレスはいくらで売られているのでしょう。
しかしその前に、ダイヤが輝く仕組みを知らなければ相場を知ることはできません。
まずはダイヤの輝く仕組みについてご説明します。
ダイヤが輝く仕組み
ダイヤの輝きは、光の反射によって起こります。
ダイヤ内に入射した光が効率よく反射されるかどうかで、その輝き方が異なります。
以下のイラストをご覧ください。
矢印は光の方向を表し、ダイヤ内の光の経路を表しています。
まず、ダイヤ最高のカットグレード『Excellentカット』されたダイヤに光が入射すると、光はダイヤ内で漏れることなく反射し再びダイヤ外へ放射されます。これを全反射といいます。
しかしダイヤのカットが深すぎたり浅すぎた場合、ダイヤは全反射せずダイヤ底部より漏れてしまい輝きが劣ることになるのです。
つまりカットの良し悪しによってダイヤは輝いたりそうでなかったりするのです。
これがダイヤが輝く仕組みです。
ダイヤ内の光が全反射するためには、ダイヤ理想のプロポーションというのがあり、それが以下の比率で構成されています。
この理想となるプロポーションに近く、研磨状態が良好なものからExcellent、VeryGood、Good、Fair、Poorとランク付けされます。
ではダイヤが輝くためにはどのランクのものがいいのか!
ダイヤが輝くためにはGood以上のランクが必要です。
FairやPoorカットのダイヤはプロポーションに問題があり、輝くとは言えません。
よって輝くダイヤを見つけるためには、カットがGood以上のものにする必要があるのです。
カットの次に大事なクラリティ
ダイヤスペック(4C)のひとつ、クラリティもダイヤが輝くための大事な要素です。
クラリティとはダイヤの透明度を表し、透き通ったダイヤほどよく輝きます。
ダイヤは天然鉱物ゆえ、必ずインクルージョン(内包物)が存在します。
このインクルージョンの多い少ないを表したのがクラリティなのです。
クラリティは11段階にランク付けされます。
インクルージョンがまったく存在しないFL(フローレス)を筆頭に、インクルージョンが増えるにしたがいIF、VVS1、VVS2とランク付けされます。
では、ダイヤが輝くためにはどのランクのクラリティがいいのか!
ダイヤが輝くためにはSIクラス以上必要です。
SIクラスとは、ダイヤ内にあるインクルージョン(内包物)の発見が、肉眼では困難な時に付けられる評価で、それほど微小なため光の透過にあまり影響を与えないのです。
しかしその下の「Iクラス」になると、肉眼での発見が容易なほどインクルージョンが大きいため、光の透過を邪魔し輝きを著しく落としてしまうのです。
言葉だけの説明ではわかりにくいと思いますので、実際の比較写真を見てみましょう。
左がSIのダイヤ、右はIのダイヤです。
明らかに透明度の違いがわかるでしょう。
つまり、ダイヤが輝くためにはクラリティSI以上必要なのです。
0.5ctの輝くダイヤネックレスの相場
ダイヤが輝くためには、カットがGood以上、クラリティがSI以上必要ということがおわかり頂けたと思います。
では、その輝く条件が揃った0.5ctダイヤネックレスの相場を見ていきましょう。
クラリティがSI、カットがGoodの0.5ctダイヤネックレスの場合、およそ10万円の価格が付いています。
さらにカラーのグレードがDクラスに上がると、価格は15万円台に跳ね上がります。
このクラスになると0.5ctのネックレスでは、高級クラスのものといえます。
ダイヤカラーDというのは最高のランクで、これ以上のダイヤはありません。
業界でもめったにお目にかかれないほどのダイヤですから、お値段が跳ね上がっても無理のないことです。
つまり、輝く0.5ctのダイヤネックレスの相場は、10万~16万円ということになります。
しかし輝かないダイヤネックレスの相場(4万~5万円台)と、輝くダイヤネックレスとの相場(10万~16万円)にはかなりの開きがありますね。
その間(あいだ)の商品はないのか、疑問に感じるところです。
そこで探したところ、間のダイヤネックレスが見つかりました。
それは輝く条件のひとつであるカットだけがGoodで、クラリティがI1のダイヤネックレスでした。
Goodカットの0.5ctダイヤネックレス
ダイヤの輝きで、カットとクラリティどちらが優先するかというとカットです。
クラリティがいくら良くてもカットが悪ければ輝きません。
しかしカットがGoodならば、クラリティがI1クラスならある程度は輝きます。
I1とは、SIクラスのワンランク下のグレードで、インクルージョンもダイヤが白濁するまでには至っておりません。
それゆえ、輝くダイヤネックレスといえます。
しかしこれ以上ランクが落ちるとダイヤは輝きを落とします。
つまりクラリティがI2やI3では、いくらカットがGoodであっても輝きは落ちます。
I1は、いわば限界ぎりぎりのラインです。
つまりGoodカットの0.5ctダイヤネックレスの相場は、7万円台ということになります。
Very Light Brownダイヤネックレスとは
0.5ctダイヤネックレスの中で、最近ダイヤのカラーが無色系でなく、少し色のついたVery Light Brownのダイヤネックレスが販売されています。
ダイヤの輝く要素であるSIクラス以上、Goodカット以上のスペックを有しており、輝きに関しては申し分ありません。
しかし所詮色のついたダイヤモンドは価値的には低く、その証拠にお値段が格段に安く設定されています。
ここでダイヤのカラーについてお話をさせて頂きますが、カラーは輝くダイヤを、より美しくする要素といえるのです。
プリズム効果を発揮する無色のダイヤ
太陽光を含む白色光はプリズムを通せば赤、橙、黄、緑、青、藍、紫と七色に分かれます。
これは色それぞれの波長が異なるため、屈折によって光が分散されるためです。
この現象がダイヤ内でも起こります。
ダイヤ内に光が入射すると、光の中にある波長の異なる色が屈折によって分散されます。
上質のダイヤモンドを覗き込むと、いろいろな色の光線が発見できます。
これはダイヤ内でプリズム効果がなされているからです。
無色のダイヤに光が入射すると、反射した光は変色されることなくありのままの光線を放ちます。
しかし色のついたダイヤモンドの場合、ダイヤのカラーの影響を受けてしまい、光線を変色させるのです。
これがダイヤの美しさに影響します。
ダイヤに美しさを求めるなら無色の方が望ましく、色のついたものは避けた方が無難といえます。
ダイヤのカラーはお好みで
七色に光るダイヤをお望みなら無色のダイヤがおすすめです。
しかし服装に合わせて敢えて少し色のついたダイヤ(Very Light Brown)を選ぶのもありといえます。そこはお好みでいいと思います。
しかし美しく輝くダイヤを望むなら、カラーは「H」以上のものが望ましいといえます。
同じ「ほとんど無色」に属しているG、H、I、Jですが、IとJはその下の「わずかな黄色」のランクに近いこともあり、やはり幾分黄色く見えます。
プリズム効果を発揮するのは「Hカラー」以上のダイヤといえ、美しいダイヤを求めるならこれ以上のものがおすすめです。
楽天で見つけたさらに上をいく0.5ctダイヤネックレス
これまで見てきたものは、すべてクラリティがSIクラスのものばかりでしたが、以下に紹介するダイヤネックレスはクラリティのランクがさらに上がったVSクラスのものです。
このクラスになると価格は一気に跳ね上がり、20万円台になります。
さらに、カラーがHからEになり、クラリティもVSからIFに上がると価格はさらにアップし、40万円台になります。
このように、楽天市場で販売されている0.5ctのダイヤネックレスは、輝くダイヤからさらにその上を行く美しく輝くダイヤにランクが分けられています。
そしてその価格幅は11万円~40万円台で、それぞれのランクに相場がありました。
まとめ
以上、0.5ctダイヤネックレスのそれぞれの相場をまとめてみました。
このように、ダイヤモンドというのはピンからキリまであり、そのランクごとに相場があるのがおわかり頂けたと思います。
ダイヤネックレスの購入は、どのランクで妥協するかです。
予算に照らし合わせ、ご自分が納得のいくランクのダイヤネックレスを購入するのが一番です。
このページが、皆さまのダイヤ購入の手助けになれば幸いです。
最後までお読みいただき、誠に有難うございました。