結婚記念日に相応しい一粒ダイヤネックレスの選び方

結婚記念日のプレゼントとして人気の高い一粒ダイヤネックレス。

今まで苦労を共にした奥様に労い、感謝の意味も込めて手渡すダイヤネックレスは、何よりも代えがたい価値のあるプレゼントといえましょう。

ですが、手渡す側のご主人にとっては選び方が難しいのではないでしょうか。

女性ならいざ知らず、宝石についての知識が豊富な男性は皆無に等しく、選ぶのに悩んでしまうのではないかと思うのです。

そこで元宝石商の私が、結婚記念日のプレゼントに相応しい一粒ダイヤネックレスの選び方をお伝えさせて頂きたいと思います。

ダイヤは輝きが命

まず選ぶにあたって大切なことは、ダイヤが輝くということ。

男性は、ダイヤだったら何でも輝くと思いがちですが、それは間違い。

ダイヤでも、よく輝くダイヤとあまり輝かないダイヤがあるのです。

それはダイヤの品質によって変わってくるのです。

ではどういったダイヤが輝くのか?

ダイヤにはその価値を測る4C評価なるものがあります。

4Cとは、カラット(重量)、カラー(色)、クラリティ(透明度)、カット(研磨・プロポーション)の頭文字をとってそう呼びます。

この中のクラリティとカットがダイヤが輝くうえで重要な要素となります。

ここでダイヤの輝く仕組みを理解していただくために、クラリティとカットについて詳しく説明させて頂きたいと思います。

クラリティについて

クラリティとはダイヤの透明度を表す指標です。

ダイヤは天然鉱物ゆえ、必ずインクルージョン(内包物)が存在します。

このインクルージョンが多いダイヤは透明度が低くなるわけですが、このインクルージョンの多い少ないのグレードを表したのがクラリティなのです。

クラリティは11段階にランク付けされます。

インクルージョンの全くないFL(フローレス)を最高とし、インクルージョンの量が増えるにしたがい、IF、VVS1、VVS2、VS1というふうにランク付けされるわけです。

では光が透過しやすいダイヤのクラリティはどのランク以上かというと、「SIクラス」以上のものです。

SIクラスというのは表でもおわかりのように、肉眼で発見が困難なほどインクルージョンが微小なため、光の透過にそれほど影響を与えることはありません。

しかしその下の「Iクラス」になると、肉眼での発見が容易なほどインクルージョンが大きいため、光の透過を邪魔してしまい、輝きも劣ってしまうのです。

言葉だけの説明ではわかりにくいと思いますので、実際に比較画像を見てみましょう。

左がSIクラス、右がIクラスのダイヤです。
明らかに透明度が違うでしょう。

このように、クラリティがSIクラス以上のものは透明度が高いダイヤといえます。

ただし、透明度の高さだけではダイヤの輝きは保証されません。

ダイヤの輝きはこの透明度のほかに、次に説明するカットが重要になります。

カットについて

採掘されたダイヤの原石は、一見スリガラスのようです。

それが人間の手によってあのような素晴らしい輝きを放つ石になるのです。

そしてその方法が、ラウンドブリリアントカットというカット法です。

しかしラウンドブリリアントカットすれば何でも輝くというものではありません。

カットの良し悪しによって輝いたりそうでなかったりするのです。

Excellentカットされたダイヤに光が入射すると、光はダイヤ内で漏れることなく反射され、再びダイヤ外へ放射されます。これを全反射といいます。(下イラスト左参照)

しかしダイヤのカットが深すぎたり浅すぎたりすると、光は全反射せずダイヤ底部より漏れてしまい輝きが劣ることになるのです。

これがカットの良し悪しによる輝きの違いです。

ダイヤ内の光が全反射するためには、その理想となるプロポーションが存在し、それが以下の比率で構成されています。

ダイヤは、この構成比率に近くて研磨状態が良好なものから、Excellent、VeryGood、Good、Fair、Poorとランク付けされます。

ではダイヤが輝くためにはカットはどのランク以上のものがいいかというと、「Good」以上のダイヤなら輝くといえます。

FairやPoorカットのダイヤはプロポーションに問題があり、輝くとは言えません。

よってダイヤが輝くためには、カットがGood以上必要なのです。

ダイヤが美しくあるために

ダイヤが輝くためにはクラリティSIクラス以上、カットGood以上必要ということがおわかり頂けたと思います。

ですが輝くだけでなく、ダイヤの美しさにもこだわるならカラーにも目を向けねばなりません。

カラーはダイヤの色を表し、ダイヤの美しさに影響を与えます。

ここでダイヤの美しさについて理解を深めていただくために、カラーについても説明させて頂きます。

カラーについて

カラーはダイヤの色を表す指標で、無色のダイヤほど高くランク付けされます。

最近では、Very Light Yellowとかブラウンダイヤなどが販売されていますが、要は色のついたダイヤのことであり、価値的に見れば無色のダイヤより劣っていることになります。

ダイヤはやはり無色の方が美しく、その理由はダイヤ内で起こるプリズム効果にあります。

プリズム効果を発揮する無色のダイヤ

太陽光を含む白色光はプリズムを通せば赤、橙、黄、緑、青、藍、紫と七色に分かれます。

これは色それぞれの波長が異なるため、屈折によって光が分散されるためです。

この現象がダイヤ内でも起こります。

ダイヤ内に光が入射すると、光の中にある波長の異なる色が屈折によって分散されます。

上質のダイヤモンドを覗き込むと、いろいろな色の光線が発見できます。
これはダイヤ内でプリズム効果がなされているからです。

無色のダイヤに光が入射すると、反射した光は変色されることなくありのままの光線を放ちます。

しかし色のついたダイヤモンドの場合、ダイヤのカラーの影響を受けてしまい、光線を変色させるのです。

これがダイヤの美しさに影響します。
ダイヤに美しさを求めるなら無色の方が望ましく、色のついたものは避けた方が無難です。

ではダイヤが美しく輝くためには、カラーがどのランクのものがいいかというと「H」以上のものが望ましいといえます。

同じ「ほとんど無色」に属しているG、H、I、Jですが、IとJはその下の「わずかな黄色」のランクに近いこともあり、やはり幾分黄色く見えます。

プリズム効果を発揮するには「Hカラー」以上のダイヤがよく、美しいダイヤを求めるならこれ以上のものを選ぶ必要があります。

ダイヤの留め方によっても輝きは変わる

ダイヤが美しさと輝きを兼ね備えるためには、カラーH以上、クラリティSIクラス以上、カットGood以上必要だということがご理解いただけたと思います。

しかし結婚記念日にプレゼントするダイヤネックレスには、この条件だけでは不十分と言えます。

なぜなら、ダイヤの留め方によってもダイヤの輝きが変わるからです。

どうせプレゼントするなら最高に輝くダイヤネックレスをプレゼントしたいものです。

そのためには、ダイヤの留め方にもこだわらなければなりません。

一粒ダイヤネックレスのダイヤの留め方には大きく分けて3タイプあります。

爪留め(6本爪、4本爪、2本爪)、覆輪留め、1点留めです。

これらの留め方の違いによってダイヤの輝きも微妙に違ってくるのです。

それを詳しく説明しましょう。

爪留めダイヤネックレス

まずは爪留めタイプのダイヤネックレスの外観を見てください。

6本爪ががっちりダイヤを固定して留めています。

ダイヤの側面は爪を除いた部分は露出した状態ですから、側面からはやや光が入ってきます。

しかし裏面は地金がダイヤを覆った状態にあり、裏面からの光はあまり入ってこない環境にあります。

次に覆輪留めを見てみましょう。

覆輪留めダイヤネックレス

覆輪留めダイヤネックレスの外観です。

ダイヤの周囲を地金がぐるりと覆った形で留めてあります。

ダイヤの側面は地金が覆った状態ですから光は入ってきません。

そして裏面は、このダイヤネックレスの場合デザインとしてクローバー形状の穴が開いていますが、身につけた場合それは塞がれてしまいますので、光が入ってこない状態であるといってもいいでしょう。

最後に一点留めを見てみましょう。

1点留めダイヤネックレス

1点留めダイヤネックレスの外観です。

1点留めの場合、上下を挟むようにしてダイヤを留めてあります。

ダイヤ側面は爪の部分を除きすべて露出している状態で、さらにダイヤ裏面もキュレット(ダイヤ底部)部分を除いて露出した状態ですから、ダイヤ前面、側面、裏面から光が入ってきやすい環境下にあります。

ダイヤの輝きは露出度に比例する

以上の外観比較から何がわかるでしょうか?

それはダイヤの露出度の違いです。

露出度の違いは何を意味するのか?

ダイヤの輝きです。

ダイヤが自ら輝かないのは自明の理です。

ダイヤは光の反射によって輝きます。

つまり光が入ってきやすい環境にあるダイヤほど輝くというわけです。

では留め方の中で露出度の高いものはどれでしょうか?

最も露出度の高いのは1点留めで、次に爪留め(6本爪)、最後が覆輪留めです。

つまり1点留めのダイヤが最も輝く環境下にあるということになります。

結婚記念日に相応しい一粒ダイヤネックレスとは

以上の説明でおわかり頂けたと思いますが、ダイヤがより輝くためには、ダイヤが輝く環境下にあり、かつ品質がHカラー以上、クラリティSIクラス以上、カットGood以上のものというわけです。

これこそが、結婚記念日に相応しい一粒ダイヤネックレスということになります。

以下に、1点留めの輝く条件が揃ったダイヤネックレスを紹介してこのページを閉じたいと思います。

最後までお読み頂き、真に有難うございました。

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