通常ダイヤアクセサリーのダイヤは爪で留められています。
台座の上にダイヤが載せられ、周囲にある6本の爪によってがっちり固定されています。
片やレーザーホールダイヤモンドなるものがあります。
レーザーでダイヤに直接穴をあけたダイヤモンドで、その穴に丸環を通してダイヤを留めるという技法です。
実はこの爪留めダイヤとレーザーホールダイヤ。
輝きにおいて少し異なる点があるのです。
それにダイヤ品質に関して、爪留めとレーザーホールでは選ぶ際に重要視する項目が異なるのです。
このページでは、爪留めダイヤとレーザーホールダイヤとの違いを見てみたいと思います。
爪留めダイヤで重要視する4Cの項目
ダイヤを爪で留めると、爪と台座のある部分のダイヤは地金ですべて覆われます。
こうなるとダイヤの側面や裏面からの光の入射は制限されることになり、唯一制限されないのはダイヤの前面だけになります。
つまりダイヤ前面からは光は存分に入射しますから、ダイヤが輝くためにはその光を効率よく反射してくれるものを選ばなければなりません。
では効率よく光を反射してくれるためには、ダイヤにはどのような品質が必要か？
それはダイヤの透明度とカット（研磨・プロポーション）が重要になってきます。
透明度の高さは光の透過をスムーズにし、カットの良さは光の反射をよくします。
この二つがそろって初めてダイヤは輝くといえ、それゆえ爪留めダイヤには欠かせない項目は、透明度を示すクラリティの高さとカットの良さといえます。
ではレーザーホールダイヤの場合はどうか？
レーザーホールダイヤで重要視する4Cの項目
レーザーホールダイヤの場合、ダイヤを留めるのは丸環です。
ダイヤに空いた穴に丸環を通して留めますから、爪留めのように地金がダイヤを覆うようなことはありません。
ほぼ丸裸状態のダイヤですから、光は全方位から入射します。
その全方位から入射した光を効率よく反射させるにはどういったダイヤ品質が必要か？
まず大事なのはダイヤの透明度。
これは先ほども説明したように、光の透過をスムーズにするために必要な項目です。
では爪留めダイヤで必要だったカット（研磨・プロポーション）はどうか？
以下のイラストをご覧ください。
これは、カットのいいダイヤと悪いダイヤとの光の反射の違いを説明したものですが、Excellentカットされたダイヤに光が入射するとダイヤは光を漏らすことなくすべて反射し、ダイヤ外へ放射します。（イラスト左端）
しかしダイヤのカットが深すぎたり浅すぎたりすると光はダイヤ外へ漏れてしまいます。
確かに爪留めのダイヤの場合はダイヤの前面だけが露出している状態ですから、輝きが前面に集中するExcellentカットされたダイヤがふさわしいでしょう。
しかしダイヤ全体が露出しているレーザーホールダイヤの場合、果たして輝きがダイヤ前面に集中するExcellentカットが必要でしょうか？
レーザーホールダイヤはダイヤ全容をさらしているわけですから、ダイヤの前面に輝きが集中しているよりむしろ、輝きがダイヤ全体に分散している方が美しいといえるかもしれません。
それゆえカットの良さにこだわる必要はなく、透明度、すなわちクラリティのみいいものを選べばいいと思います。
Excellentカットダイヤとレーザーホールダイヤの輝きの違い
次に輝きの違いについてお話ししたいと思います。
爪留めダイヤでよく輝くためには、クラリティとカットが重要な要素であることは既に申し上げました。
そしてレーザーホールダイヤでよく輝くためには、クラリティが重要ということも述べました。
ではこれらの要素がそろった二つのダイヤ、つまり爪留めとレーザーホールのダイヤでは輝きに違いがあるのでしょうか。
違いは確かにあります。
しかしそれは輝きの強弱ではなく、輝きの質にあります。
Excellentカットされたダイヤは入射した光を全反射するために、ダイヤの前面（テーブル面）から集中して光が放たれます。
片やレーザーホールダイヤの場合、透明度は抜群なため光の透過は十分行われ、しかも光の反射は一か所に集中せずあっちこっちに分散されます。
つまり例えるなら、Excellentカットされたダイヤの輝きは一か所を集中して照らす懐中電灯のような輝きで、レーザーホールダイヤの輝きは室内全体を照らす照明器具のような輝きといえるでしょう。
光を一か所に集中して放射するExcellentカットされたダイヤ。
光を広い範囲に分散して放射するレーザーホールダイヤ。
どちらが強く輝くかということではなく、輝きの質に違いがあるのです。
まとめ
爪留めダイヤとレーザーホールダイヤの違いを比較してみました。
いかがだったでしょうか。
このページが皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、真に有難うございました。