女性も40代になると、本物のアクセサリーが付けたくなります。
ダイヤ、ルビー、サファイア、エメラルド、様々な宝石がありますが、身に付けて一番自然なのがダイヤモンドです。
ダイヤモンドは白く、他の宝石のように色を持ち合わせておりませんから、どんな服にも合わせやすく、誰が付けてもいやらしく映りません。
そして最も自然なダイヤのアクセサリーといえばネックレスです。
ダイヤピアスは少し派手に映り、一粒ダイヤリングはよそ行き用のアクセサリーです。
それゆえ、最も自然でさりげないおしゃれができるといったらダイヤネックレスが一番です。
さてそのダイヤネックレスですが、皆さんお悩みになるのが大きさの選定です。
果たして何カラットのダイヤがいいのか。
40代ともなると、あまり小さなダイヤではかっこ悪いと思う方も多く、ネットでの書き込みでも「40代ですが、何カラットのダイヤネックレスが相応しいですか」という質問をたびたび見かけます。
しかし長年宝石の業界に携わってきた私としては、年代とダイヤの大きさとはあまり関係がないというのが私の持論で、身につける方がいいと思えば、その大きさでいいのです。
小さいダイヤは小さいダイヤなりの良さがありますので、あまり気にすることはありません。
しかしどうしても気になるという人のために申し上げますと、0.5カラットのダイヤネックレスが最もふさわしいといえます。
そして実際、40代女性が好んで着ける大きさが0.5ctであり人気があるのです。
なぜ0.5カラットなのかといいますと、大きすぎず、小さすぎない大きさだからです。
この大きさなら、20代から60代という幅広い年齢層に至るまで、身につけておかしくありません。
そして、いかにも「つけてる~」といういやらしさがなく、ごく自然に、さりげないおしゃれとして好感がもてます。
ここらあたりに、0.5ctダイヤの人気の秘密があるのかもしれません。
ダイヤネックレスで、小さなカラット数だからかっこ悪いとおっしゃる方がいますが、むしろ大きすぎて仰々しく映り、かえってかっこ悪く見えることだってあります。
私は経験上、アクセサリーのおしゃれはさりげない方がかっこいいと思っています。
それは以下の体験からそう思ったのです。
以前電車の中で、とても上品なご婦人に出逢ったことがありました。
その方は、ダイヤのネックレスをひとつ身につけておられました。
それもそれほど大きなダイヤでなく。
そしてそれ以外のアクセサリーは何もつけておられませんでした。
ダイヤネックレスひとつです。
背筋がピンと伸び、凛としたお姿の中に、首のダイヤネックレスが非常にきれいに見えたのを覚えています。
そのとき、「なるほど、ダイヤはこうして身につけるものだ」と感心しました。
ピアスやリングを一緒につけるのではなく、小さなダイヤネックレスであっても、ひとつさりげなくつけることによってそれが映えて写り、身につけている人がかっこよく見える。
私はこの時より、アクセサリーのおしゃれは、さりげないほどかっこよく映るということを覚ったのです。
話が横にそれましたが、0.5カラットのダイヤネックレスこそは、仰々しくない適度な大きさゆえ、さりげないおしゃれができるアクセサリーといえます。
0.5ctダイヤネックレスの相場
さて、市場で売られている0.5ctダイヤネックレスの相場は、安いもので4万~5万円台です。
以下に示します商品はその典型です。
使われているダイヤのスペックは、いずれもHカラー、Iクラリティが標準です。
しかし残念ながらこれらのダイヤに輝きは期待できません。
何をもって期待できないのかというと、ダイヤのクラリティとカットが悪すぎるからです。
ダイヤの輝く条件
ダイヤは輝きが命です。
輝いてこそダイヤといえます。
しかし、ダイヤが輝くためにはある条件をクリアしなければいけません。
その条件とは、クラリティとカットです。
ここで少し遠回りになりますが、ダイヤが輝くための条件である「クラリティ」と「カット」についてお話ししたいと思います。
クラリティとは
ダイヤの価値を測る指標として4Cというのがあります。
カラット(重さ)、カラー(色)、クラリティ(透明度)、カット(研磨・プロポーション)の頭文字をとってそう呼びます。
そのうちクラリティはダイヤの透明度を表す指標で、透明度の高いダイヤほど輝きます。
ダイヤは天然鉱物ゆえ、必ずインクルージョン(内包物)が存在します。
このインクルージョンの多い少ないでダイヤの透明度が変わってきます。
つまりクラリティとは、インクルージョンの多い少ないを表したものなのです。
インクルージョンの全く存在しないダイヤにはFL(フローレス)のランクが付けられ、以降インクルージョンが増えるにしたがいIF、VVS1、VVS2というふうに、ランク付けされます。
ではダイヤが輝くためにはどのランクのクラリティがいいかというと「SIクラス」以上のものです。
SIクラスは、肉眼でインクルージョンの発見が困難なほど微小なため、光の透過にそれほどの支障にならず、ダイヤの輝きに大きく影響を与えないのです。
しかしその下の「Iクラス」になると、肉眼で容易にインクルージョンが発見できるほど大きいため、光の透過を邪魔し輝きを著しく落としてしまうのです。
言葉だけの説明ではわかりにくいと思いますので、実際に比較画像を見てみましょう。
左がSIクラス、右がIクラスのダイヤです。
透明度の違いが明らかでしょう。
このように、ダイヤが輝くためにはどうしてもクラリティが「SIクラス」以上必要なのです。
カットとは
採掘されたダイヤの原石はスリガラスのようです。
しかし人の手によってあのような素晴らしい輝きを放つ石に変貌するのです。
その方法がラウンドブリリアントカットというカット法です。
しかし、ラウンドブリリアントカットであればなんでも輝くというものではありません。
カットの良し悪しによって輝いたりそうでなかったりするのです。
Excellentカットされたダイヤに光が入射すると、光はダイヤ内で漏れることなく反射され、再びダイヤ外へ放射されます。これを全反射といいます。(下イラスト左参照)
しかしカットが深すぎたり浅すぎたりすると光は全反射せず、ダイヤ底部より漏れてしまい輝きが劣ることになるのです。
これがカットの良し悪しによる輝きの違いです。
ダイヤ内の光が全反射するためには、ダイヤ理想のプロポーションというものがあり、以下の比率で構成されています。
この理想のプロポーションに近く、研磨状態が良好なものからExcellent、VeryGood、Good、Fair、Poorとランク付けされます。
ではどのランクのカットであればダイヤは輝くのかというと「Good」です。
「Fair」や「Poor」ではプロポーションに問題があり、ダイヤが輝くとは言えません。
よってダイヤが輝くためにはどうしてもカットが「Good」以上必要なのです。
4万~5万円のダイヤネックレスでは輝かない
話が長くなりましたが、
上に紹介した4万~5万円の0.5ctダイヤはすべてクラリティがIクラスで、カットはFairか表記されていないものです。
カットの表記がないというのは、表記できるほどのカットではないということ。
したがって輝く条件を全くクリアしておらず、とても輝くとは言えないわけです。
上の4万~5万円台の0.5ctのダイヤネックレスを購入すれば間違いなく後悔するといえます。
0.5ctダイヤネックレスの選び方
さてダイヤネックレスを買う以上、誰しも輝くダイヤが欲しいわけです。
しかし自分の予算と合わない場合、ある程度のところで妥協しなくてはいけません。
ではどの程度で妥協したらいいのか。
クラリティがSI、カットがGoodの0.5ctダイヤネックレスの場合、およそ10万円強の価格が付いています。
さらにカラーのグレードがDクラスに上がると、価格は15万円台に跳ね上がります。
このクラスになると0.5ctのネックレスでは、高級クラスのものといえます。
つまり輝く0.5ctのダイヤネックレスは、10万~16万円の間で購入できるわけです。
しかしこの価格では無理とおっしゃる方は、さらにグレードを下げたネックレスを見つけなければなりません。
それでは輝く条件のクラリティとカットの内、どちらを優先すればいいのか。
答えは「カット」です。
いくらクラリティがSIクラスであっても、カットがFairかPoorではダイヤは輝きません。
光がダイヤ底部より漏れ、輝きが劣ってしまいます。
つまりダイヤが輝くためには、カットを一番優先しなければなりません。
クラリティは、先述したようにダイヤの透明度を示し、インクルージョン(内包物)の量や存在する位置によって評価されるのですが、あまりにインクルージョンが多いものだと光の透過を邪魔し、輝きが劣ってしまいます。
しかしクラリティSI2よりひとつ下のI1クラスであれば、多少の光の遮りはあっても輝きが大きく劣ることはありません。
しかしクラリティの限度はここまでです。
I2、I3になるとダイヤは白濁化し、透明度は失われ輝きが著しく劣ってしまいます。
ゆえに、クラリティI1までがぎりぎりの状態といえます。
Goodカット0.5ctダイヤネックレス
以下のダイヤネックレスは、Hカラー、I1クラス、Goodカットです。
クラリティは劣るものの、カットはGoodをキープしています。
輝く条件が揃った10万~15万円の0.5ctダイヤネックレスに比べ、クラリティをワンランク下げるだけで、価格が3万円も下がったことがおわかり頂けると思います。
そしてこのダイヤなら、輝きをある程度確保したネックレスといえ、私もおすすめできる商品です。
しかしダイヤネックレスを選ぶ場合、クラリティのダウンはここまでです。
これ以上クラリティを下げると、ダイヤの輝きは格段に落ちることになります。
いくら安くても買ってはいけません。
買えば必ず後悔します。
Very Light Brownダイヤネックレスとは
0.5ctダイヤネックレスの中で、最近ダイヤのカラーが無色系でなく、少し色のついたVery Light Brownのダイヤネックレスが販売されています。
ダイヤの輝く要素であるSIクラス以上、Goodカット以上のスペックを有しており、輝きに関しては申し分ありません。
しかし所詮色のついたダイヤモンドは価値的には低く、その証拠にお値段が格段に安く設定されています。
ここで少しダイヤのカラーについてお話をさせて頂きます。
カラーはダイヤの輝きには影響しませんが、ダイヤの美しさに大きく影響を与えるのです。
プリズム効果を発揮する無色のダイヤ
太陽光を含む白色光はプリズムを通せば赤、橙、黄、緑、青、藍、紫と七色に分かれます。
これは色それぞれの波長が異なるため、屈折によって光が分散されるためです。
この現象がダイヤ内でも起こります。
ダイヤ内に光が入射すると、光の中にある波長の異なる色が屈折によって分散されます。
上質のダイヤモンドを覗き込むと、いろいろな色の光線が発見できます。
これはダイヤ内でプリズム効果がなされているからです。
無色のダイヤに光が入射すると、反射した光は変色されることなくありのままの光線を放ちます。
しかし色のついたダイヤモンドの場合、ダイヤのカラーの影響を受けてしまい、光線を変色させるのです。
これがダイヤの美しさに影響します。
ダイヤに美しさを求めるなら無色の方が望ましく、色のついたものは避けた方が無難といえます。
ダイヤのカラーはお好みで
七色に光るダイヤをお望みなら無色のダイヤがおすすめです。
しかし服装に合わせて敢えて少し色のついたダイヤ(Very Light Brown)を選ぶのもありといえます。そこはお好みでいいと思います。
しかし美しく輝くダイヤを望むなら、カラーは「H」以上のものが望ましいといえます。
同じ「ほとんど無色」に属しているG、H、I、Jですが、IとJはその下の「わずかな黄色」のランクに近いこともあり、やはり幾分黄色く見えます。
プリズム効果を発揮するのは「Hカラー」以上のダイヤといえ、美しいダイヤを求めるならこれ以上のものがおすすめです。
40代におすすめな0.5ctダイヤネックレス
私が本物志向の40代の女性におすすめする最高のダイヤネックレスをご紹介しましょう。
ハート&キューピットが現れる、最高のプロポーションを有した0.5ctダイヤネックレスです。
ハート&キューピットとは、プロポーションとシンメトリ(対称性)の良い最高のカットをダイヤに施した場合、8つのハートとアロー像が特殊スコープで確認できるのです。
このような像を確認できたダイヤは、クラリティとカラーが2~3段階アップして見える極上のダイヤモンドになるといわれています。
まとめ
0.5ctのダイヤネックレスは幅広い年代層でお使い頂けるアイテムです。
大きすぎず小さすぎない大きさは、身に付けていて嫌味がなく、さりげないおしゃれとして好感が持たれます。
お子様の入学式や卒業式、あるいはちょっとしたお出かけや食事会に、ワンランク上のおしゃれを楽しみましょう。
40代こそが、女性が人生で最も美しくみえる期間ですから。