ダイヤリングには様々なダイヤの留め方があります。
ひとつは爪留め。
ダイヤを爪でしっかり固定する技法です。
もうひとつはフクリン留め。
ダイヤを地金で覆って固定する技法です。
最後は埋め込み留め。
リングの中にダイヤを埋め込んで留める技法です。
これら留め方によってリングのデザインが変わるのは言うまでもありません。
しかし変わるのはデザインだけでなく、ダイヤの輝きも変わるのです。
そして最もダイヤが輝くのが爪留めのダイヤリングなのです。
なぜか?
このページでは、爪留めのダイヤリングがなぜ最も輝くのか?
その理由を述べてみたいと思います。
爪留めダイヤリング
エンゲージリングに用いられる立爪ダイヤリング。
一昔前は6本の太い爪がダイヤをがっちり固定したエンゲージリングが主流でしたが、30年ほど前からでしょうか、ティファニーで用いられている細く小さな爪のエンゲージリングが主流になりました。
そして最近では6本爪でなく4本爪のエンゲージリングが出てきましたね。
これはなぜだかわかりますか?
私が推察するに、ダイヤが輝くからです。
太い爪より細い爪、6本爪より4本爪。
こうなることで変わるのはダイヤの露出度です。
爪が細く、少なくなることによってダイヤの露出度が増します。
そうするとどうなるか?
ダイヤに入射する光が多くなり、その結果ダイヤの輝きが増すようになる。
ダイヤは光の反射によって輝きますから、入射する光が多くなれば当然反射する光も多くなる。
そうなれば自然と輝きも増すという理屈です。
一般に爪留めのダイヤは露出度が高いといえます。
ダイヤの前面だけでなく側面まで露出していますから光が入射しやすく、それゆえ輝きも増すのです。
では他の留め方のダイヤリングではどうでしょう。
爪留めのダイヤと比べてみましょう。
フクリン留めダイヤリング
カジュアルなおしゃれに用いられるフクリン留めのダイヤリング。
ダイヤの周囲を地金が覆うようにしてダイヤを留めています。
露出している部分はダイヤの前面だけで、側面、裏面すべて地金で隠されています。
つまり光が入射するのはダイヤの前面だけで他の部分からの入射はなく、したがってダイヤの輝きは爪留めよりはるかに劣ることになります。
確かにダイヤの輝きはダイヤの露出度だけによるものではありません。
上質のダイヤ、たとえば透明度のあるエクセレントカットのダイヤなら、ダイヤ前面から入射した光を全反射するほどの輝き度はあります。
しかし爪留めのダイヤリングの場合ダイヤの側面からの光の入射もあり、その反射した輝きも無視できません。
よってダイヤの質が同じなら、断然爪留めのダイヤの方が輝くのです。
埋め込みタイプはどうか?
ダイヤの留め方のもうひとつのタイプに埋め込みタイプのダイヤリングがあります。
引っ掛かりの危惧を配慮した留め方で、ダイヤがリング内に埋め込まれています。
写真で見る限り、フクリン留めのようにすべてが地金で覆われているわけではなく、ダイヤの側面が一部露出しています。
しかしダイヤの露出度は爪留めの比ではなく、入射する光の量を考えると明らかに爪留めに軍配が上がるといわざるを得ません。
ダイヤの輝きはダイヤの質だけで片付けられない
ダイヤが輝くためには、言うまでもなくダイヤの質が重要です。
詳しく言いますと、ダイヤの透明度を表すクラリティがSIクラス以上で、カットがGood以上あればダイヤは間違いなく輝きます。
しかし同質のダイヤを爪留め、フクリン留め、埋め込み留めにした場合、どのダイヤが最も輝くかというと爪留めです。
理由は説明するまでもないでしょう。
露出度の違いです。
露出度の高い爪留めがやはり一番光を取り込みやすい環境にありますから、同質のダイヤであっても爪留めがやはり輝くのです。
つまり、ダイヤの輝きはダイヤの質だけでは片付けられないということです。
まとめ
爪留めダイヤリングが輝く理由をまとめました。
参考になりましたでしょうか。
このページが皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読み頂き、真に有難うございました。