コロンビア産エメラルドリングの色相とは

ルビーはピジョンブラッド、サファイアはコーンフラワーブルーが最高の色と言われていますが、エメラルドとなると最高の色と称される表現色はありません。

一般にエメラルドは濃いグリーンが良質のものと評価されますが、この濃いグリーンも原産地によってその色相が若干異なり、これがエメラルド最高の色と言うまでには至っていません。

よって原産国ごとの色相によって、いい悪いが評価されているようです。

しかしエメラルドの評価が高い原産国はコロンビアで、実に50%のものがこの国から産出されており、この国のエメラルドが高い評価を得ているのは確かです。

ではコロンビア産のエメラルドはどのような色相か。

このページでは、ネットで販売されているコロンビア産エメラルドリングに焦点をあて、その色相を見てみたいと思います。

コロンビア産エメラルドリングの様々な色相

以下に、楽天で販売されているコロンビア産エメラルドリングをピックアップしました。

どれも濃いグリーンで、艶・輝きともすばらしいエメラルドリングです。

しかし、中にはグリーン色がやや薄いものもありました。

最初の3点と比べてみると、色が若干薄いように感じます。

そしてさらに薄いものになるとこういう色になります。

ほかに、同じコロンビア産でも黒っぽいエメラルドリングもありました。

いかがでしょう。

同じコロンビア産であってもこれだけの色の違いがあるのです。

どの色を選ぶかは本人の好みによるところですが、これを見る限りにおいて言えることは、コロンビア産のエメラルドがすべていいというわけではないということです。

なぜならこれだけ色が違うのですから。

一般にコロンビア産のエメラルドの色は、深みのある純粋な緑色とされています。

これらの商品を見て思うことは、最初の3点のエメラルドリングが最もコロンビア産に近く、それ以外のものは他の産出国からも十分採取できるものであるということです。

つまりコロンビア産にこだわる必要はなく、色相のきれいなものを主に選ぶのが最も適した選び方だといえるでしょう。

エメラルドにみる共通点

エメラルドはクラック(亀裂)やインクルージョン(内包物)が多い鉱石として有名で、それがため透明度が非常に悪い宝石といえます。

これはコロンビア産、パキスタン産、ブラジル産に関係なく、みな共通しています。

透明度の悪さは輝きに影響し、輝きはエメラルドの美しさに影響します。

つまりどの産地のエメラルドを選ぶにせよ、クラックやインクルージョンの少ないものを選ぶ必要があります。

さらには、ほとんどのエメラルドはオイルや樹脂で充填処理がなされています。

これはキズや亀裂を隠すために行う処置として通例となっていますが、時間の経過とともにオイルや樹脂が蒸発し、あるいは洗浄によって抜け落ち、キズが目立ってくることもあります。

エメラルドは超音波洗浄をしてはならないというのもこの人工処理が関係しており、エメラルドの取り扱いには十分注意しなければならないのです。

これも産出国に関係なく、エメラルド共通の問題です。

キズや亀裂がないクレサンベールのエメラルド

エメラルドはインクルージョンや亀裂が多い宝石と言いました。

これは天然宝石ゆえ仕方がないことですが、しかしこれがために透明度が悪くなり、オイル処理などをしなければならない始末になっています。

しかし京セラが出すクレサンベールのエメラルドにはインクルージョンや亀裂がほとんどなく、それがため透明度が抜群で、オイル処理などの人工的な処理は一切必要ないのです。

さらに京セラはクレサンベールのエメラルドについてこう述べています。

世界最高級のエメラルドの宝庫とされる南米コロンビア。
中でも、コロンビア最大のエメラルド鉱山として名高いのがムゾー鉱山です。
クレサンベールのエメラルドは、ムゾー鉱山で産出されるエメラルドとほぼ同様の色彩を放ち、やや青みが強いのが特長ですと。(京セラクレサンベール公式ホームページより抜粋)

つまりクレサンベールのエメラルドの色はコロンビア産、その中のムゾー鉱山から採掘されるエメラルドの色とほぼ同様と謳っているのです。

では京セラクレサンベールとはそもそも何でしょう。

まずはクレサンベールについて説明させて頂きます。

クレサンベールとは

クレサンベールとは京セラ独自の技法で作られた再結晶宝石のことで、色といい艶といい天然を上回るほどの品質を保持しています。

京セラはクレサンベールについてこう述べています。

クレサンベールと天然の宝石は、化学的・物理的・光学的性質にほとんど違いがないと。

これを裏付ける証拠として、京セラは科学的データを公表しています。

化学的性質は同じ

天然エメラルドの化学的組成は、3BeO・Al2O3・6SiO2です。

一方クレサンベールのエメラルドの化学的組成も3BeO・Al2O3・6SiO2です。

これは全く同成分ということになります。

これを証拠づけるものとしてX線回折、分光分析を行っており、天然石と同一という結果が出ております。

物理的性質も同じ

天然エメラルドの結晶系は六方晶系ですが、クレサンベールのエメラルドも全く同じです。

そして硬度(モース)も同じ7.5~8.0、比重は天然2.65~2.74に対してクレサンベールのエメラルドは2.65~2.70でほぼ同じ、融点に関しても同じ1410℃という結果が出ています。

このように物理的性質もほぼ同じといえます。

光学的性質も同じ

さらに光学的性質について見てみますと、

天然エメラルドの屈折率は1.565~1.598に対し、クレサンベールのエメラルドの屈折率は1.563~1.568という結果が出ています。

つまり屈折率もほぼ同じ。

そして複屈折は天然は0.005~0.008に対しクレサンベールでは0.005という結果。
これもほぼ同じです。

以上のデータは、すべて京セラクレサンベールの公式ホームページより抜粋したものです。

詳しくは、京セラクレサンベールの公式ホームページをご覧ください。

このようにクレサンベールの人工宝石は、天然宝石と化学的・物理的・光学的にほぼ同じということで、見た目だけ同じという人工宝石とは一線を画す宝石といえるのです。

ではこのクレサンベールを選ぶメリットとは何でしょう。

それにはクレサンベールができるまでの製造工程を知る必要があります。

クレサンベールのできるまで

京セラはクレサンベールの製造工程において、再結晶宝石をより美しく仕上げるために様々な努力をしています。

それは原鉱石の精製に始まり、出来上がった再結晶宝石の厳選、商品化といった厳しい審査を経て、はじめてクレサンベールと認定されるということです。

以下にその工程を説明します。

不純物の除去

まず原鉱石の中で良質なものが使用できるよう、鉱石を厳選していきます。

そして適した原石が見つかったらそれを粉状にして精製していきます。

つまりこの段階で不純物を出来るだけ取り除くのです。

こうすることで黒ずみやインクルージョンの発生を抑え、良質な再結晶が生まれやすくしています。

原鉱石を溶かす

次にプラチナ製のるつぼの中で原鉱石を溶かしていきます。

地球内部のマグマと同じ状態を再現するために1410℃以上で加熱し、どろどろに溶かしていきます。

そして結晶が順調に成長するよう理想的な環境を作るために、人とコンピューター制御によって管理していきます。

しかし京セラはこう述べています。

科学技術はあくまで環境を整えるサポート役にすぎません。

結晶が美しく成長してゆく過程は、石そのものに委ねるしかないと。

こうして出来上がったのが再結晶宝石になるのですが、ここからさらに厳選が始まります。

厳選・カッティング

次に、再結晶によって生まれた原石のチェックが始まります。

色合い、インクルージョンの大きさ、位置等を確認し、良質な天然宝石に匹敵するほどの宝石になるようカッティングする部分をマーキングし、カットしていきます。

カットは良質な色合いの部分のみを選び、インクルージョンを避けながら行われます。

そして途中何度も品質のチェックが行われ、宝石ひとつひとつを熟練した職人による丹念な手作業で磨き上げられます。

しかしここで完成ではなく、さらに厳しい品質検査が待っています。

品質検査

研磨された再結晶宝石を、さらに熟練の鑑定士によって品質検査を行います。

GIAに準拠した判断基準をもとに、確かなグレーディングが行われます。

そして最終的に宝飾品として製品化されるのは、育成された再結晶宝石の中でたった数パーセントだと言います。

つまりクレサンベールは、これほどの行程を経てようやく世に出ることになるのです。

完成された再結晶宝石

天然では成しえることができない美しさをもった宝石。

それがクレサンベールの再結晶宝石です。

人工的になされたものは、宝石が結晶化するための環境作りだけ。

それ以外の結晶化はすべて宝石まかせ。

マーキング、カッティングは天然宝石においても行われていること。

しかしそれでも色むら、インクルージョンが混入するため、オイル処理などの人工処理が行われています。

しかしクレサンベールにはそのような人工処理は必要ありません。

科学の力で色むら、インクルージョンを出来るだけ少なくし、さらにその少ない中から厳選し、抽出したエメラルドだから人工処理せずとも美しいのです。

クレサンベールのメリット

クレサンベールは天然宝石と同じ輝きをもつ

クレサンベールは、屈折率も天然宝石とほぼ同じ。

つまり屈折率が同じということは輝きも同じということになるのです。

媒体には必ず屈折率が存在し、屈折率が高いものほど光は鋭角に曲がります。

屈折率は以下の数式で産出されます。

屈折率は臨界角に関係し、臨界角とは光が逃げない角度のことを言います。

臨界角のことをわかりやすく水と空気とで説明すると、光源を水の中に置き、そこから光を放射したとします。

放たれた光は水中から空気へと進みますが、媒質が異なるため、空気中に出ると光は屈折します。(①の場合)

水面に対して光源はほぼ真下にあるので光はこういう方向に進みますが、これがもし光源から離れたところの水面ではどうでしょう。

②のように、光は水中から出られず、そのまま水中に反射されることになるのです。
この角度を臨界角といいます。

この臨界角は宝石の場合輝きに影響し、臨界角が狭いほど光を逃さず効率的に光を反射させることができます。

ダイヤが輝くのは臨界角が極端に小さいからで、そのおかげで入射した光を逃さずダイヤ内で反射させるため、あのような素晴らしい輝きを放つことができるのです。

話を元に戻しますと、クレサンベールの宝石は天然ものと同一の成分を有しているため、屈折率は同じです。

屈折率は同じだから臨界角も同じということになり、輝きも天然のものと同じということなのです。

カラーが均一

天然宝石にはどうしても色むらがあります。

濃いもののあれば薄いものもあり均一されていません。

それゆえ、選ぶ宝石によって色むらが発生するのです。

しかしクレサンベールの場合は違います。

クレサンベールは再結晶されたもの全部を使うわけではなく、そのいいところだけを抽出し、選びに選び抜かれたものだけをクレサンベールの宝石にしますから、色むらがほとんどありません。

すべて色が均一化された宝石がクレサンベールなのです。

それゆえ、天然ものと違って色むらはほとんどないのがクレサンベールということになります。

色調が退化しない

天然宝石といっても色調をよくするため人工処理をしている色石があります。

※ エメラルドなどはオイル処理を施して艶をあげています。

最初はいいのですが、時間の経過とともにそれが薄れ、色調が退化していきます。

しかしクレサンベールはそのような人工処置は一切行っておりません。

したがって半永久的に色調が変わらないといえます。

インクルージョン(内包物)がほとんどない

天然宝石には必ずインクルージョン(内包物)が存在します。

これは天然物ゆえ仕方がないことです。

しかしクレサンベールは違います。

再結晶時においてもインクルージョンは発生しますが、クレサンベールの場合極力インクルージョンの少ない部分だけをカットしますから、濁りのもとであるインクルージョンがほとんど存在しないのです。

つまり透明度が高いため、天然宝石より輝くといえます。

まとめ

コロンビア産エメラルドの色相について述べました。

ご覧頂いた通り、コロンビア産といってもエメラルドの色は様々で、これこそはコロンビア産といえるものはありませんでした。

またエメラルドにはクラックやインクルージョンによる濁りが付き物で、それがためにオイル処理などをしている始末です。

お手入れが大変で、いつ色が褪せるかもしれないから天然のエメラルドの扱いは難しいです。

しかし最後に紹介したクレサンベールのエメラルドなら透明度もよく、天然物のような人工処理がしていないから経年による色褪せの心配もなく、メンテナンスもラクに行えます。

それに何よりうれしいのは、コロンビア産のエメラルドの色に非常に近いこと。

人工的に作られた再結晶宝石ですから色は均一で、どのエメラルド製品を買っても同じ色のエメラルドが購入できます。

これって一番安心してできる買い物ではないでしょうか。

最後にクレサンベールのエメラルドリングを紹介し、このページを閉じたいと思います。

最後までお読み頂き、真に有難うございました。

クレサンベールのエメラルドリング

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