アレキサンドライト 天然・合成・人工どれを選ぶ?

世界的に希少な宝石、アレキサンドライト。

このアレキサンドライトの発見は、1830年のロシア、ウラル山脈に始まります。

昼と夜とで違う顔を持つこの宝石は、太陽光のもとでは深い青緑色の輝きを放ち、電灯光のもとでは赤紫色へと変化する不思議な宝石として珍重され、当時のロマノフ王朝のアレクサンドル2世からその名前を取り「アレキサンドライト」と名付けられたと言われています。

しかしこのウラル山脈の鉱床もやがて枯渇し、その他の地域から産出されるものの、ウラル山脈産に匹敵するほどのアレキサンドライトが産出されないことからその希少性は高まっています。

それゆえ良質の天然アレキサンドライトは非常に少ないうえ値段も高く、その背景から合成宝石、人工宝石が世にたくさん出回っているという始末です。

事実楽天で「アレキサンドライト」と検索すると、合成アレキサンドライト、人工アレキサンドライトが多くヒットするものの、天然のアレキサンドライトがヒットされる数は限られています。

ではアレキサンドライトに天然、合成、人工とありますが、どれを選べば一番満足のいく買い物ができるでしょうか。

このページでは、アレキサンドライトの天然・合成・人工についての特徴を述べ、その中からどれが一番か考えてみたいと思います。

天然アレキサンドライトについて

冒頭で申し上げた通り天然アレキサンドライトの品数は少なく、その少ない中から他商品と比べ良い悪いを判別するのは難しいといえます。

たとえばネックレスなら以下の商品だけです。

天然アレキサンドライトのネックレスに関してはこれだけですから、この中で一つだけ選ぶのは難しいですね。

それに気になるのは、安い商品に関しては鑑別書の添付がないということ。

ネットで購入する場合、店頭よりも不安がありますからやはり鑑別書は欲しいもの。

この点でも躊躇してしまいます。

またアレキサンドライト選びのキーとなるカラーチェンジですが、これが非常にわかりにくい。

カラーチェンジはアレキサンドライトの命ですが、その変わりようがネット画像だけでは判別しにくいのです。

それゆえレビューよりそのカラーチェンジの具合を確認するしかないのですが、それによるとあまりカラーチェンジが確認できないという評価もあり、こういう評価がひとつでもあるとどうしても二の足を踏んでしまいます。

天然にこだわる人には非常に残念ですが、天然アレキサンドライトではあまり満足のいく買い物はできないように感じられます。

合成アレキサンドライトについて

合成アレキサンドライトネックレスに関しては以下の商品がヒットしました。

合成とシンセティックは同意語で、合成(シンセティック)宝石というのは天然宝石と化学的・物理的・光学的に同じということを意味しています。

しかしシンセティック宝石をみていつも疑問に思うのは、その製造元・製造方法が全く商品ページに記載されていないことです。

そして合成宝石が化学的・物理的・光学的に天然宝石と同じと言う定義にならば、それを証明する何かが必要ともいえます。

しかしそのどちらの記載もなく、ただシセンティックアレキサンドライトとだけではいささか腑に落ちない感じがします。

肝心のカラーチェンジはレビューを見る限り問題はないようですが、合成アレキサンドライトの成分が本当に天然アレキサンドライトと同じものなのか、買う側としてはそこをはっきりして欲しいと思います。

人工アレキサンドライトについて

人工アレキサンドライトのネックレスに関しては以下の商品がヒットしました。

商品ページを見る限り、これらの商品説明には人工アレキサンドライトの成分に関しての記載はなく、ただ人工アレキサンドライトとのみの記載でした。

これもシンセティックアレキサンドライト同様、買う側としては不安が残ります。

人工的にアレキサンドライトを作り上げたのか、それともカラーチェンジする石だからアレキサンドライトという名を入れたのか、はっきりしません。

石の中身がわからない以上、買う側としては躊躇するでしょう。

しかし人工アレキサンドライトの中でもちゃんと石の中身を公開しているものがあります。

それは京セラの人工アレキサンドライトです。

京セラは独自の技法で製造した人工宝石をクレサンベールとよび、その中身は再結晶宝石です。

では京セラの人工アレキサンドライトとはどのような成分なのか。

それを見てみましょう。

京セラ 人工アレキサンドライトについて

京セラはクレサンベールについてこう述べています。

クレサンベールは天然宝石と化学的・物理的・光学的にほぼ同じと。

これを証明する形で、以下のような科学的データを公開しています。

化学的性質は同じ

天然のアレキサンドライトの化学的組成は、BeAl2O4です。

一方クレサンベールのアレキサンドライトの化学的組成もBeAl2O4です。

これは全く同成分ということになります。

これを証づけるものとしてX線回折、分光分析を行っており、天然石と同一という結果が出ております。

物理的性質も同じ

天然のアレキサンドライトの結晶系は斜方晶系ですが、クレサンベールのアレキサンドライトも全く同じです。

そして硬度(モース)も同じ8.5、比重もほぼ同じ3.71で、融点に関しても同じ1870℃という結果が出ています。

このように物理的性質もほぼ同じといえます。

光学的性質も同じ

さらに光学的性質について見てみますと、

天然のアレキサンドライトの屈折率は1.747~1.757に対し、クレサンベールのアレキサンドライトの屈折率は1.743~1.752という結果が出ています。

つまり屈折率もほぼ同じ。

そして複屈折は天然は0.01に対しクレサンベールでは0.009という結果。

以上のデータは、すべて京セラクレサンベールの公式ホームページより抜粋したものです。

詳しくは、京セラクレサンベールの公式ホームページをご覧ください。

このように京セラは、クレサンベールの再結晶宝石は天然宝石と化学的・物理的・光学的にほぼ同じということを科学的データをもって証明しています。

この実証データを見れば、京セラのアレキサンドライトが巷にあふれる人工宝石とは一線を画している宝石といえるのではないでしょうか。

ではクレサンベールを選ぶメリットとは何でしょう。

それにはクレサンベールができるまでの製造工程を知る必要があります。

クレサンベールのできるまで

京セラはクレサンベールの製造工程において、再結晶宝石をより美しく仕上げるために様々な努力をしています。

それは原鉱石の精製に始まり、出来上がった再結晶宝石の厳選、商品化といった厳しい審査を経て、はじめてクレサンベールと認定されるということです。

以下にその工程を説明します。

不純物の除去

まず原鉱石の中で良質なものが使用できるよう、鉱石を厳選していきます。

そして適した原石が見つかったらそれを粉状にして精製していきます。

つまりこの段階で不純物を出来るだけ取り除くのです。

こうすることで黒ずみやインクルージョンの発生を抑え、良質な再結晶が生まれやすくしています。

原鉱石を溶かす

次にプラチナ製のるつぼの中で原鉱石を溶かしていきます。

地球内部のマグマと同じ状態を再現するために1410℃以上で加熱し、どろどろに溶かしていきます。

そして結晶が順調に成長するよう理想的な環境を作るために、人とコンピューター制御によって管理していきます。

しかし京セラはこう述べています。

科学技術はあくまで環境を整えるサポート役にすぎません。

結晶が美しく成長してゆく過程は、石そのものに委ねるしかないと。

こうして出来上がったのが再結晶宝石になるのですが、ここからさらに厳選が始まります。

厳選・カッティング

次に、再結晶によって生まれた原石のチェックが始まります。

色合い、インクルージョンの大きさ、位置等を確認し、良質な天然宝石に匹敵するほどの宝石になるようカッティングする部分をマーキングし、カットしていきます。

カットは良質な色合いの部分のみを選び、インクルージョンを避けながら行われます。

そして途中何度も品質のチェックが行われ、宝石ひとつひとつを熟練した職人による丹念な手作業で磨き上げられます。

しかしここで完成ではなく、さらに厳しい品質検査が待っています。

品質検査

研磨された再結晶宝石を、さらに熟練の鑑定士によって品質検査を行います。

GIAに準拠した判断基準をもとに、確かなグレーディングが行われます。

そして最終的に宝飾品として製品化されるのは、育成された再結晶宝石の中でたった数パーセントだと言います。

つまりクレサンベールは、これほどの行程を経てようやく世に出ることになるのです。

完成された再結晶宝石

天然では成しえることができない美しさをもった宝石。

それがクレサンベールの再結晶宝石です。

人工的になされたものは、宝石が結晶化するための環境作りだけ。

それ以外の結晶化はすべて宝石まかせ。

マーキング、カッティングは天然宝石においても行われていること。

しかしそれでも色むら、インクルージョンが混入するため、オイル処理などの人工処理が行われています。

しかしクレサンベールにはそのような人工処理は必要ありません。

科学の力で色むら、インクルージョンを出来るだけ少なくし、さらにその少ない中から厳選し、抽出したエメラルドだから人工処理せずとも美しいのです。

クレサンベールのメリット

クレサンベールは天然宝石と同じ輝きをもつ

クレサンベールは、屈折率も天然宝石とほぼ同じ。

つまり屈折率が同じということは輝きも同じということになるのです。

媒体には必ず屈折率が存在し、屈折率が高いものほど光は鋭角に曲がります。

屈折率は以下の数式で産出されます。

屈折率は臨界角に関係し、臨界角とは光が逃げない角度のことを言います。

臨界角のことをわかりやすく水と空気とで説明すると、光源を水の中に置き、そこから光を放射したとします。

放たれた光は水中から空気へと進みますが、媒質が異なるため、空気中に出ると光は屈折します。(①の場合)

水面に対して光源はほぼ真下にあるので光はこういう方向に進みますが、これがもし光源から離れたところの水面ではどうでしょう。

②のように、光は水中から出られず、そのまま水中に反射されることになるのです。
この角度を臨界角といいます。

この臨界角は宝石の場合輝きに影響し、臨界角が狭いほど光を逃さず効率的に光を反射させることができます。

ダイヤが輝くのは臨界角が極端に小さいからで、そのおかげで入射した光を逃さずダイヤ内で反射させるため、あのような素晴らしい輝きを放つことができるのです。

話を元に戻しますと、クレサンベールの宝石は天然ものと同一の成分を有しているため、屈折率は同じです。

屈折率は同じだから臨界角も同じということになり、輝きも天然のものと同じということなのです。

カラーが均一

天然宝石にはどうしても色むらがあります。

濃いもののあれば薄いものもあり均一されていません。

それゆえ、選ぶ宝石によって色むらが発生するのです。

しかしクレサンベールの場合は違います。

クレサンベールは再結晶されたもの全部を使うわけではなく、そのいいところだけを抽出し、選びに選び抜かれたものだけをクレサンベールの宝石にしますから、色むらがほとんどありません。

すべて色が均一化された宝石がクレサンベールなのです。

それゆえ、天然ものと違って色むらはほとんどないのがクレサンベールということになります。

色調が退化しない

天然宝石といっても色調をよくするため人工処理をしている色石があります。

たとえばルビーなどは、鉛ガラスの含侵処理を施して艶をあげています。

最初はいいのですが、時間の経過とともにそれが薄れ、色調が退化していきます。

しかしクレサンベールはそのような人工処置は一切行っておりません。

したがって半永久的に色調が変わらないといえます。

インクルージョン(内包物)がほとんどない

天然宝石には必ずインクルージョン(内包物)が存在します。

これは天然物ゆえ仕方がないことです。

しかしクレサンベールは違います。

再結晶時においてもインクルージョンは発生しますが、クレサンベールの場合極力インクルージョンの少ない部分だけをカットしますから、濁りのもとであるインクルージョンがほとんど存在しないのです。

つまり透明度が高いため、天然宝石より輝くといえます。

京セラ 人工アレキサンドライトネックレス

まとめ

アレキサンドライトの天然・合成・人工についての特徴をまとめました。

いかがだったでしょうか。

ネットで宝石を買うとなるとやはり信用できるものを選びます。

その信用できるものは天然・合成・人工の中でありましたでしょうか。

この中で一番信用できるものは、やはり京セラの人工アレキサンドライトではないかと思います。

アレキサンドライトのキーポイントであるカラーチェンジも、スタッフが厳選したものですから安心でき、値段も天然ほど高くなくリーズナブルといえますから、一番いいのではないかと思います。

このページは参考になりましたでしょうか。

このページが皆様のお役に少しでも立てたら幸いです。

最後までお読み頂き、真に有難うございました。

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