エメラルドネックレス選びの注意点

深緑の宝石エメラルド。

その深く濃い緑色はエメラルドグリーンとも形容され、グリーンカラーの美しさの象徴としても表現されています。

これ見よがしのない控えめな佇まいと嫌味に感じさせないグリーンカラー。

ダイヤのような派手さはなくとも、落ち着いた静かな輝きがこのエメラルドにはあり、大人としての雰囲気を見事に醸し出した宝石といえます。

しかしこのエメラルド。

世に出回るほとんどのエメラルドにはオイル処理が行われているという。

オイル処理とは、エメラルド内にあるクラック(亀裂)やインクルージョン(内包物)を目立たなくするために行う処方で、これによりエメラルドの色艶が格段に上がるといいます。

この処理は宝石業界では容認されており、たとえオイル処理されたエメラルドであっても天然宝石として認められています。

しかしこのオイル処理により、エメラルドの取り扱いに注意しなければならない点が出てきたのです。

このページでは、エメラルドネックレス選びの注意点と題して、その注意すべきところを解説してみたいと思います。

なぜオイル処理が必要か

そもそもエメラルドになぜオイル処理が必要かというと、エメラルドの特性が大いに関係しているといえます。

エメラルドはもともとクラックやインクルージョンが多い宝石として有名で、キズひとつないエメラルドを得ることは、欠点のない人間を探すより難しいという言葉があるほどです。

それほどエメラルドにはキズといわれるものが多く存在し、それがため透明度を著しく落としてしまう傾向にあります。

透明度の低下はエメラルドの色艶をも落とし、ひいてはエメラルドの品質も低下させます。

そこで採られた方法がオイル処理という方法です。

オイルをクラックやインクルージョンに含侵させ、それによりこれらを目立たなくすることで色艶をあげ、エメラルドの品質を向上させたのです。

つまりオイル処理はエメラルドの色艶を復活させるために行われた処方で、ある意味仕方がなかったといえます。

そうでないと美しくないエメラルドばかりが市場にあふれ、市場が成立しなかったおそれがあります。

そのため、今世に出回っているエメラルドリング・ネックレスのほとんどにはオイル処理がされているということを認識しておいた方がいいでしょう。

取扱注意の天然エメラルドネックレス

世に出回る天然エメラルド製品のほとんどにはオイル処理がされている。

これにより新たな問題が出てきます。

それが取扱い方法です。

天然宝石の美しさというのは、いわば半永久的といえます。

ダイヤは永遠の輝きといわれるように、その美しさは半永久的です。

しかしオイル処理されたエメラルドの場合、半永久的とは言えません。

なぜなら、洗浄や乾燥によってエメラルド内に含侵したオイルが抜け落ち、褪色していくからです。

ネックレスに装填されたエメラルドは、それを身に着けることによって多少は汚れていきます。

それゆえ洗浄が必要なわけですが、宝石洗浄によく使う超音波洗浄でエメラルドを洗うとどうなると思われますか。

エメラルド内のオイルが抜け落ち、色調が退化していくのです。

つまり洗えば洗うだけ色は褪せ、最初の頃の色艶はなくなっていくのです。

よってエメラルドの超音波洗浄は厳禁といえます。

しかし厳禁は超音波洗浄だけではありません。

石鹸水による手洗いも気を付けなければなりません。

あまりゴシゴシ擦るとオイルが抜け落ち、色あせの原因になりますので注意が必要です。

それからもうひとつ、注意しなければならないのが乾燥です。

エアコンなどの空気が直接当たる場所や日光が直接当たる場所にエメラルドを放置すると乾燥し、オイルが抜け落ちて色あせの原因になります。

きちっとジュエリーボックスに保管する必要があります。

できれば湿度を調節できる桐箱のジュエリーボックスがベストですが。

このように美しさが半永久とされる天然宝石ですが、オイル処理されたエメラルドの場合は半永久的とは言えず、取扱いに十分注意しなければ褪色も免れないということなのです。

エメラルドネックレスの取り扱い、十分注意してください。

エメラルドネックレスの選び方

ではオイル処理がされていると知って、どのエメラルドネックレスがいいのか。

どうすればいいエメラルドネックレスが選べるのかというと、天然では無理といえます。

天然エメラルドはほぼ全部がオイル処理がされていると認識した方がよく、どれを選んでも乾燥・洗浄・時間の経過によって間違いなく褪色していきます。

よって天然エメラルドで見つけるのは不可能といえます。

しかし天然ではなく人工宝石のエメラルドなら、褪色しないものがあります。

それは京セラが開発したクレサンベールのエメラルドネックレスです。

クレサンベールのエメラルドは褪色しない

天然のエメラルドは取り扱いに注意が必要で、あやまった取り扱いでは褪色のおそれがありますが、クレサンベールのエメラルドにはそういったおそれはまったくありません。

それは天然にみるオイル処理が全くされていないからです。

クレサンベールのエメラルドは人工宝石ですが、天然エメラルドと同じ成分を有し、化学的・物理的・光学的にほぼ同じという検査結果データで裏付けされています。

以下がその内容です。

化学的性質は同じ

天然エメラルドの化学的組成は、3BeO・Al2O3・6SiO2です。

一方クレサンベールのエメラルドの化学的組成も3BeO・Al2O3・6SiO2です。

これは全く同成分ということになります。

これを証拠づけるものとしてX線回折、分光分析を行っており、天然石と同一という結果が出ております。

物理的性質も同じ

天然エメラルドの結晶系は六方晶系ですが、クレサンベールのエメラルドも全く同じです。

そして硬度(モース)も同じ7.5~8.0、比重は天然2.65~2.74に対してクレサンベールのエメラルドは2.65~2.70でほぼ同じ、融点に関しても同じ1410℃という結果が出ています。

このように物理的性質もほぼ同じといえます。

光学的性質も同じ

さらに光学的性質について見てみますと、

天然エメラルドの屈折率は1.565~1.598に対し、クレサンベールのエメラルドの屈折率は1.563~1.568という結果が出ています。

つまり屈折率もほぼ同じ。

そして複屈折は天然は0.005~0.008に対しクレサンベールでは0.005という結果。
これもほぼ同じです。

以上のデータは、すべて京セラクレサンベールの公式ホームページより抜粋したものです。

詳しくは、京セラクレサンベールの公式ホームページをご覧ください。

このようにクレサンベールの人工宝石は、天然宝石と化学的・物理的・光学的にほぼ同じということで、見た目だけ同じという人工宝石とは一線を画す宝石といえるのです。

ではこのクレサンベールを選ぶメリットとは何でしょう。

それにはクレサンベールができるまでの製造工程を知る必要があります。

クレサンベールのできるまで

京セラはクレサンベールの製造工程において、再結晶宝石をより美しく仕上げるために様々な努力をしています。

それは原鉱石の精製に始まり、出来上がった再結晶宝石の厳選、商品化といった厳しい審査を経て、はじめてクレサンベールと認定されるということです。

以下にその工程を説明します。

不純物の除去

まず原鉱石の中で良質なものが使用できるよう、鉱石を厳選していきます。

そして適した原石が見つかったらそれを粉状にして精製していきます。

つまりこの段階で不純物を出来るだけ取り除くのです。

こうすることで黒ずみやインクルージョンの発生を抑え、良質な再結晶が生まれやすくしています。

原鉱石を溶かす

次にプラチナ製のるつぼの中で原鉱石を溶かしていきます。

地球内部のマグマと同じ状態を再現するために1410℃以上で加熱し、どろどろに溶かしていきます。

そして結晶が順調に成長するよう理想的な環境を作るために、人とコンピューター制御によって管理していきます。

しかし京セラはこう述べています。

科学技術はあくまで環境を整えるサポート役にすぎません。

結晶が美しく成長してゆく過程は、石そのものに委ねるしかないと。

こうして出来上がったのが再結晶宝石になるのですが、ここからさらに厳選が始まります。

厳選・カッティング

次に、再結晶によって生まれた原石のチェックが始まります。

色合い、インクルージョンの大きさ、位置等を確認し、良質な天然宝石に匹敵するほどの宝石になるようカッティングする部分をマーキングし、カットしていきます。

カットは良質な色合いの部分のみを選び、インクルージョンを避けながら行われます。

そして途中何度も品質のチェックが行われ、宝石ひとつひとつを熟練した職人による丹念な手作業で磨き上げられます。

しかしここで完成ではなく、さらに厳しい品質検査が待っています。

品質検査

研磨された再結晶宝石を、さらに熟練の鑑定士によって品質検査を行います。

GIAに準拠した判断基準をもとに、確かなグレーディングが行われます。

そして最終的に宝飾品として製品化されるのは、育成された再結晶宝石の中でたった数パーセントだと言います。

つまりクレサンベールは、これほどの行程を経てようやく世に出ることになるのです。

完成された再結晶宝石

天然では成しえることができない美しさをもった宝石。

それがクレサンベールの再結晶宝石です。

人工的になされたものは、宝石が結晶化するための環境作りだけ。

それ以外の結晶化はすべて宝石まかせ。

マーキング、カッティングは天然宝石においても行われていること。

しかしそれでも色むら、インクルージョンが混入するため、オイル処理などの人工処理が行われています。

しかしクレサンベールにはそのような人工処理は必要ありません。

科学の力で色むら、インクルージョンを出来るだけ少なくし、さらにその少ない中から厳選し、抽出したエメラルドだから人工処理せずとも美しいのです。

クレサンベールのメリット

クレサンベールは天然宝石と同じ輝きをもつ

クレサンベールは、屈折率も天然宝石とほぼ同じ。

つまり屈折率が同じということは輝きも同じということになるのです。

媒体には必ず屈折率が存在し、屈折率が高いものほど光は鋭角に曲がります。

屈折率は以下の数式で産出されます。

屈折率は臨界角に関係し、臨界角とは光が逃げない角度のことを言います。

臨界角のことをわかりやすく水と空気とで説明すると、光源を水の中に置き、そこから光を放射したとします。

放たれた光は水中から空気へと進みますが、媒質が異なるため、空気中に出ると光は屈折します。(①の場合)

水面に対して光源はほぼ真下にあるので光はこういう方向に進みますが、これがもし光源から離れたところの水面ではどうでしょう。

②のように、光は水中から出られず、そのまま水中に反射されることになるのです。
この角度を臨界角といいます。

この臨界角は宝石の場合輝きに影響し、臨界角が狭いほど光を逃さず効率的に光を反射させることができます。

ダイヤが輝くのは臨界角が極端に小さいからで、そのおかげで入射した光を逃さずダイヤ内で反射させるため、あのような素晴らしい輝きを放つことができるのです。

話を元に戻しますと、クレサンベールの宝石は天然ものと同一の成分を有しているため、屈折率は同じです。

屈折率は同じだから臨界角も同じということになり、輝きも天然のものと同じということなのです。

カラーが均一

天然宝石にはどうしても色むらがあります。

濃いもののあれば薄いものもあり均一されていません。

それゆえ、選ぶ宝石によって色むらが発生するのです。

しかしクレサンベールの場合は違います。

クレサンベールは再結晶されたもの全部を使うわけではなく、そのいいところだけを抽出し、選びに選び抜かれたものだけをクレサンベールの宝石にしますから、色むらがほとんどありません。

すべて色が均一化された宝石がクレサンベールなのです。

それゆえ、天然ものと違って色むらはほとんどないのがクレサンベールということになります。

色調が退化しない

天然宝石といっても色調をよくするため人工処理をしている色石があります。

※ エメラルドなどはオイル処理を施して艶をあげています。

最初はいいのですが、時間の経過とともにそれが薄れ、色調が退化していきます。

しかしクレサンベールはそのような人工処置は一切行っておりません。

したがって半永久的に色調が変わらないといえます。

インクルージョン(内包物)がほとんどない

天然宝石には必ずインクルージョン(内包物)が存在します。

これは天然物ゆえ仕方がないことです。

しかしクレサンベールは違います。

再結晶時においてもインクルージョンは発生しますが、クレサンベールの場合極力インクルージョンの少ない部分だけをカットしますから、濁りのもとであるインクルージョンがほとんど存在しないのです。

つまり透明度が高いため、天然宝石より輝くといえます。

クレサンベールエメラルドのメリット

以上、クレサンベールの説明からおわかり頂けたと思いますが、

クレサンベールのエメラルドはまず第1にクラック(亀裂)、インクルージョン(内包物)がほぼない。

そして第2に色むらがない。

そして第3にカラーが深緑で統一されている。

第4にオイル処理などの人工処理が施されていないため、経年による色調劣化がない。

色艶とも半永久的に保てる。

というのがクレサンベールのエメラルドのメリットです。

まとめ

エメラルドネックレス選びの注意点を述べさせて頂きました。

天然エメラルドにはオイル処理がされており、そのため取扱いの難しさとエメラルドの褪色という問題があります。

この問題解決にはオイル処理がされていないクレサンベールのエメラルド以外なく、選ぶならこれしかないといえます。

乾燥・洗浄に気を遣う必要はなく、いつまでも美しい色艶を保持してくれるエメラルド。

クレサンベールエメラルドネックレスこそ、選ぶべき品物だといえます。

いかがだったでしょうか。

参考になりましたでしょうか。

最後に、クレサンベールのエメラルドネックレスを紹介し、このページを閉じたいと思います。

最後までお読み頂き、真に有難うございました。

クレサンベール エメラルドネックレス

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