日本生まれのベッドといえば、すのこベッドです。
他国にはない、日本の高温多湿という気候に合わせた、日本オリジナルのベッドです。
最近では、ベッドの床板にすのこ仕様のものが多く売り出されていますが、それはベッドの湿気問題を改善しようという試みといえるでしょう。
しかし床板をすのこ状に変えただけでは、多少の湿気対策になるでしょうが効果は薄いといえるでしょう。
なぜならベッドの湿気除去は、すのこの形状だけで効果が現れるのではなく、素材も大きく関係してくるからです。
現在すのこベッドは、ヒノキや桐、パイン材といった木製素材で作られているものが多く出回っていますが、その中で私が強くおすすめするのは桐のすのこベッドです。
桐のすのこベッドにすることで、他の木製素材で作られたすのこベッドよりも、すぐれた効果を発揮します。その理由をこれから述べていきます。
桐の特徴
桐には、他の素材にはない優れた特性があります。
桐を用いたすのこが多く出回っているのも、その表れでしょう。
まずは、桐の特徴を述べていきます。
1.調湿効果がある
調湿効果とは、湿度を調節する機能です。
湿度が高いときは、湿気を吸収して空気中の湿度を下げ、湿度が低いときは、湿気を放出して湿度を挙げる役割をします。
この特性を活かしたのが、桐のタンスです。
桐を使うことでタンス内の湿度を調整し、中の衣類を守る役割をしています。
よく、桐とヒノキが比較されますが、調湿効果でいえば桐に軍配が上がります。
ヒノキはヒノキ風呂に代表されるように、湿気や水には強く防腐性も高い素材です。
しかし、湿度調節でいうと桐の比ではありません。
このように桐は、他の素材を寄せ付けないほどの調湿効果があるのです。
2.熱伝導率が低い
熱伝導率が低いとは、熱が伝わりにくいということです。
つまり外気温の影響を受けにくい、断熱性に優れた素材ということです。
なぜ熱伝導率が低いかというと、それは桐の組織構造にあります。
針葉樹などの樹木は、中の導管同士がつながっていますが、桐の場合、それぞれが独立した単独気泡という構造をしているため、外からの影響を受けないのです。
簡単に言えば発泡スチロールのような構造になっていて、これは桐独自の組織体です。
他の木材には見られません。
冬に、桐のすのこの上に素足で上がっても、ヒヤッとした感じはしません。
また夏に上がっても、暑くてベタベタした感じを受けません。
実際に触れてみると、その効果ははっきりわかります。
この熱が伝わりにくいという特性は、調湿効果と並んだ桐の2大特性で、桐ダンスや桐箱からも、大切なものを保管するのに最も適した素材であることがわかります。
ではヒノキと比べるとどうでしょう。
残念ながら、ヒノキにはこの熱伝導率が低いという効果はありません。
やはりこの点に関しても、桐に軍配が上がります。
3.結露が発生しない
結露が発生する環境を想像してみましょう。
冬の窓に結露が発生するのは、外気温と部屋内の温度に差があるからです。
つまり、窓の外側と内側との温度差によって結露が発生するのです。
ではなぜ、桐には結露が発生しないのでしょうか?
それは桐の表裏に温度差がほとんどないからです。
これは桐の熱伝導率の低さに関係していて、断熱効果のある桐は外からの温度に影響を受けませんから、桐の表と裏に温度差が生じず結露が発生しないのです。
4.抗菌・防虫効果
桐にはタンニンという成分が多く含まれています。
このタンニンには、抗菌・防虫効果があり、菌が繁殖しにくくカビなどの発生もほとんど起こりません。また害虫なども寄せ付けません。
タンスに桐が用いられる理由がわかります。
5.湿気に強い
桐は湿気に強い素材です。
桐は呼吸し、湿度調節をしますが、それは桐表面だけで行われ内部に湿気が侵入することはありません。
それは先ほど申し上げた単独気泡のおかげで、それぞれの気泡が独立しているおかげで他の干渉を受け付けないため、中に水が浸入することはないのです。
それゆえ、湿気に強い素材といえます。
桐すのこをベッドにしたら
いかがでしょうか。
ベッドにすれば、これほど優れた素材はないといえませんか。
他にも桐は、
・軽い
・復元力がる
・柔らかい
などの特徴があります。
軽ければ、ベッドの移動がスムーズに行えますから、掃除がラクになります。
柔らかいから、ぶつけてもケガがしにくいといえます。
このように桐は、ベッドの素材として最高の能力をもっているといえるのです。
桐すのこベッドの特徴
冬は暖か、夏は涼しく
よくすのこベッドは冬は寒いといわれますが、それは他の素材に関して言えること。
桐は申し上げましたように発泡スチロールのような素材ですから、断熱性に優れています。
それゆえ外気の影響を受けにくく、また体温を奪うことはありませんから、冬は暖かくお休み頂けます。
また湿気の多い夏も、湿度を調整して蒸れを防ぎ、ベッドの床板に発生しがちな結露も、桐素材ゆえ発生しないのです。
このように湿度調整してくれる桐のベッドなら、夏でも涼しくお休みできるのです。
カビの心配不要
すのこベッドでもカビは生える!
しかしそれは、桐以外の素材を使ったベッドです。
いくら通気性のいいすのこベッドであっても、布団やマットレスが敷きっぱなしではカビも生えてきます。しかし桐ですのこベッドにした場合、事情は異なってきます。
カビは湿気が多いところに繁殖します。
逆に言えば、湿気が少なければカビは繁殖しません。
なら、桐のすのこベッドは湿気が多いでしょうか?
桐には調湿作用があり、断熱効果があり、温度差によって結露は発生しないという特徴があります。それに加えて、抗菌・防虫効果があります。
この条件下でカビが発生するでしょうか?
100%とは言い切れませんが、カビが発生する確率は極めて低いといえます。
桐のすのこベッドに限って言えば、他のベッドに見られがちな「カビの心配」は、ほとんどないといえるでしょう。
移動がラク
桐は軽い素材です。
木材の中で1番軽いのがバルサ材で、桐は2番目にあたります。
それほど軽い桐をベッドに用いれば、どんなベッドより軽く仕上がります。
ベッドが軽ければ移動がラクにできるため、掃除のときに非常にラクです。
また部屋のレイアウトを変える時も、ベッドが軽ければ簡単に行えます。
桐で作ったベッドにはこういったメリットもあるのです。
布団も敷ける
全部とは言いませんが、桐のベッドの場合布団が敷けるものがあります。
マットレスの柔らかさが苦手で、布団のちょうどいい硬さが快適と感じる人にはうれしいことです。
布団が敷けるベッドというのは限られていて、マットレスと違って布団は浸み込んだ汗や湿気がベッドに通りやすく、カビの発生につながる恐れがあるため、それほど多くは販売されていません。
しかし桐のベッドには調湿効果と抗菌効果がありますから、それを可能にしたのでしょう。
いずれにしてもベッドに布団が敷けるというのは、布団派の人にとってはうれしいことです。
まとめ
桐すのこベッドをおすすめする理由を述べさせていただきました。
桐という素材が、如何にベッドに相応しい素材であるかおわかり頂けたと思います。
日本は高温多湿ゆえ、他国以上にベッドの湿気に気を遣わなければなりません。
しかし桐のすのこベッドなら、その問題を一気に解決してくれるのです。
冬は暖かく、夏は涼しく使える桐すのこベッドは、日本人に向いたベッドといえます。
皆様の参考になれば幸いです。
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『二つ折りベッド』 16,686円~ |
『総桐すのこベッド』 27,000円~ |
『折り畳みベッド』 4,229円~ |
『シュラフ』 4,985円~ |