エタニティリングのデザインは大きく分けて、ダイヤが全周覆ったフルエタニティと半周覆ったハーフエタニティとがあります。
またダイヤの留め方によっても、爪留めとレール留めではダイヤの見え方が違うため、デザインが異なるといえるかもしれません。
しかし最も異なって見えるのがミル打ちのエタニティリングです。
ミル打ちのエタニティリングにも2種類あり、レールにミルが打たれたタイプと覆輪留めでダイヤの周りにミルが打たれたタイプのものがあります。
ダイヤだけでなく、ダイヤ周りに打たれたミルに光が反射し輝きますから、爪留めやレール留めとは違った格式のあるエタニティリングに見えるのです。
他の人とは違ったエタニティリングを持ちたい人には、このタイプがいいかもしれませんね。
しかしこのタイプのものを選ぶ場合、ダイヤの品質に特に注意しなければなりません。
このページでは、現在販売されているミル打ちのエタニティリングは、どんなダイヤの品質のものがあるのか、見てみたいと思います。
0.5ctのミル打ちのエタニティリングの場合
ここでは0.5ctに絞って見て参りましょう。
0.5ctのミル打ちのエタニティリングの場合、次の4タイプに分かれます。
① ダイヤの品質が全く掲載されていない
② ダイヤのクラリティのみ掲載されているタイプ
③ ダイヤのカラーとクラリティが掲載されているタイプ
④ ダイヤのカラー、クラリティ、カットすべてが掲載されているタイプ
①に関しては、全くの論外で選ぶに値しないといえますから、ここでの紹介は省きます。
よって②~④までのエタニティリングを順に説明します。
クラリティのみ掲載のもの
下の商品はダイヤのクラリティがSIクラスとだけ謳ったエタニティリングです。
無色透明と謳ってはいますが、カラーに関する掲載がないので無色とは言い難く、ただ透明度は高いダイヤといえます。
クラリティとはダイヤの透明度を表す指標で、ダイヤ内部にインクルージョン(内包物)が少ないものほど透明度が高いといえます。
SIクラスとは、下の表で見るように、インクルージョンの発見が肉眼で困難な時に付けられる評価で、つまりそれだけインクルージョンが小さく、ある程度の透明度があることを意味しています。
しかし透明度イコール輝きというわけではありません。
ダイヤが輝くためには、透明度のほかにカットが重要で、カットがGood以上なければならないのです。
よってこのクラリティSIクラスのダイヤは、透明度があるダイヤとしかいえません。
カラーとクラリティが掲載されたもの
下の商品は、上で紹介したクラリティのほかに、カラーの掲載がプラスされたエタニティリングです。
カラーは文字通りダイヤの色のことで、無色のダイヤほど美しいダイヤといえます。
Hカラーとは下の表に見るようにほとんど無色に属し、グレード的に言えば上位に属します。
よってHカラーSIクラスのダイヤとは無色透明といえ、美しいダイヤと呼べます。
ただし先述しましたように、輝きまでは保証されません。
何度も申し上げますが、ダイヤが輝くためにはカットが重要で、このカットがGood以上なければダイヤは輝かないのです。
このエタニティリングのダイヤにはカットの掲載がありませんから、輝くとは言い切れません。
よって無色透明の美しいダイヤがセッティングされたエタニティリングとしかいえません。
カラー クラリティ カットのすべてが掲載
下の商品は、カラー、クラリティ、カットのすべてのランクが記載されたエタニティリングです。
カラーはD。
ダイヤカラーの中で最高のもので、これ以上のものはありません。
そしてクラリティはVVSクラス。
VVSとは、Very Very Slightly Includedの略で、インクルージョンが極々微小という意味です。
ランク的には上位に属し、極めて透明度が高いダイヤといえます。
そしてカットはExcellentカット。
カットでは最高のカットで、これ以上のものはありません。
よってこのエタニティリングには、最高に美しく輝くダイヤが装填されているといっても過言ではないでしょう。
そしてこれが、私が唯一おすすめできるミル打ちのエタニティリングといえます。
なお、ダイヤの輝きはカットが重要だと再三申し上げましたが、最後になぜカットがそんなに重要なのかを説明させて頂きたいと思います。
カットの重要性
採掘されたダイヤの原石は、一見スリガラスのようです。
それが人間の手によってあのような素晴らしい輝きを放つ石になるのです。
そしてその方法が、ラウンドブリリアントカットというカット法です。
しかしラウンドブリリアントカットすれば何でも輝くというものではありません。
カットの良し悪しによって輝いたりそうでなかったりするのです。
Excellentカットされたダイヤに光が入射すると、光はダイヤ内で漏れることなく反射され、再びダイヤ外へ放射されます。これを全反射といいます。(下イラスト左参照)
しかしダイヤのカットが深すぎたり浅すぎたりすると、光は全反射せずダイヤ底部より漏れてしまい輝きが劣ることになるのです。
これがカットの良し悪しによる輝きの違いです。
ダイヤ内の光が全反射するためには、その理想となるプロポーションが存在し、それが以下の比率で構成されています。
ダイヤは、この構成比率に近くて研磨状態が良好なものから、Excellent、VeryGood、Good、Fair、Poorとランク付けされます。
ではダイヤが輝くためにはカットはどのランク以上のものがいいかというと、「Good」以上です。
FairやPoorカットのダイヤはプロポーションに問題があり、輝くとは言えません。
よって輝くダイヤを見つけるためには、カットがGood以上のものにする必要があるのです。
まとめ
エタニティリングミル打ちの、現在販売されているダイヤ品質について述べさせて頂きました。
ダイヤは輝きが命です。
輝いてこそダイヤといえます。
よって選ぶなら輝くダイヤのエタニティリングにしたいものです。
しかし現状は、ダイヤ品質に欠如した項目が多く、クラリティだけのもの、カラーとクラリティだけのもの、ひどいものになるとダイヤ品質に関して何の掲載のないものがあります。
ダイヤ製品は高い買い物です。
よってゆっくり吟味して選ぶものです。
そして少々高くても、ダイヤが光り輝くものを選ぶことをおすすめします。
このページが皆様の参考にして頂ければ幸いです。
最後までお読み頂き、真に有難うございました。