日本に洋式トイレが普及し始めて、日本人の足腰が弱くなったと聞きます。
確かに洋式トイレは椅子に座る形で用を足しますから肉体的には非常にラクです。
しかしその反面、足腰の筋肉を伸ばすことがなく負荷がかからない分、筋肉は退化します。
これが足腰の弱体化につながったのではないでしょうか。
若いうちは体力もあるゆえ足腰の衰えなど感じることはありません。
しかし50歳を過ぎるとそれが顕在化し、ちょっとした段差でつまずくことが多くなることからも、弱体化は進んでいるといえるかもしれません。
それゆえ、それを強化する運動をしなければ益々足腰は弱体化していきます。
そこでおすすめするのが、屈伸運動です。
このひざの曲げ伸ばし運動は極めて有効なストレッチで、毎日行うことによって確実に足腰の筋肉を柔軟にし、立ち座りや歩行をなめらかなものにします。
そしてこの屈伸運動のいいところは、前屈ストレッチや開脚ストレッチのように痛みを感じることが少ないストレッチなので、誰でも続けることができることです。
是非皆様にも健康増進のため、取り組んで頂きたいと思います。
それでは早速屈伸運動のやり方をご説明します。
屈伸運動前のストレッチ
屈伸運動なんて簡単。
説明されるまでもなく誰でもできると思っていらっしゃることと思います。
しかし、ただやみくもにしたって効果は得られません。
伸ばす筋肉を意識し、フォームを整えてストレッチするのが効果的なのです。
ではまず、フォームを整えるための屈伸運動前のストレッチの説明をします。
はじめに肩幅に両足を開いて、そのまましゃがみます。
この時かかとは床から浮き上がらないように注意してください。
50代で初めてこの姿勢をする方は、おそらくかかとをつけてしゃがめないでしょう。
無理に床につけようとすると、後ろにひっくり返りそうになるんじゃないでしょうか。
それは、足首、脛、ふくらはぎ、そして腰回り、股関節の筋肉が硬いため座れないのです。
かかとが床につかない人は、その体勢でいいですからそのままじっとしてください。
そして、筋肉が伸びるのを待ってください。
この体勢をキープしているだけでストレッチになり、筋肉は徐々に伸びていくのです。
30代のストレッチなら無理にギュッと伸ばすのが効果的ですが、50歳を過ぎれば無理のないよう自分の体重を利用してゆっくりと伸ばすのが効果的です。
この体勢に慣れてきたら、かかとが上がっている人は徐々にかかとを床に近づけてください。
近づけるだけ近づけたら再びその姿勢をキープ。
そのまま静止してください。
これを繰り返すうち、次第にかかとがついた状態でしゃがめるようになってきます。
そしてかかとが床につけば、その体勢で前後左右と体を揺らし、体重移動をしてください。
このとき筋肉の部位にハリを感じるところがあれば、それを伸ばすようにしてください。
このように筋肉のあらゆる部位を細かく丁寧に伸ばすことで、のちに行う屈伸運動が活きてくるのです。
ぜひこのストレッチを屈伸運動前に取り入れてください。
屈伸運動
では本題の屈伸運動に参りましょう。
通常皆さんが行う屈伸運動は、かかとを上げてしゃがみ、そして立ち上がってひざを伸ばすという動作です。
しかしこれでは十分なストレッチにはなりません。
私が推奨する屈伸運動は、すべてかかとは床に着けたまま行います。
そして屈伸運動の最初のしゃがみの動作は、さきほどの背中を丸めてのしゃがみではなく、背筋を伸ばしてしゃがむのです。
こうすることで背筋が伸ばされ、ストレッチにより効果が出てくるのです。
そして立ち上がってひざをしっかり伸ばす。
この単純な動作の屈伸運動が、足腰の柔軟性を高めるには非常に効果的で、これがスムーズに行えるようになれば、立ち座りも歩行もより滑らかにできるようになります。
これらは私の実体験をもとにしたストレッチですから、続ければ必ず良い結果が得られます。
頑張ってください。
人生100年時代。
いついつまでも元気でアクティブに行動できるように、健康増進に頑張りましょう。
最後までお読み頂き、真に有難うございました。
皆様の健闘を祈ります。