太陽光のもとでは深い青緑色の輝き、電灯光のもとでは赤紫色の輝きを放つ魔法のような石、アレキサンドライト。
希少性の高さから価格も高く、良質のアレキサンドライトにはなかなか手が出せないのが現状です。
それゆえか、合成宝石のアレキサンドライトが安い価格で販売されていますが、商品説明を見るとイマイチピンとこない。
なぜなら製造過程も成分も一切記載されておらず、ただシンセティックアレキサンドライトと記載されているだけにとどめているからです。
シンセティックストーンとは合成宝石のことで、シンセティックの定義によれば成分が天然と同一ということ。
しかし私が見た限りにおいては、その成分内容が一切記載されていない。
これでは疑問を抱かざるを得ません。
しかし京セラクレサンベールのアレキサンドライトにおいては、その成分、科学分析において十分なる説明がなされており、消費者にとっては安心して買い物ができるといえます。
ここでは、京セラクレサンベールのアレキサンドライトにおける特徴を述べさせて頂きます。
クレサンベールの特徴
クレサンベールとは京セラ独自の技法で作られた再結晶宝石のことで、大自然の中で生み出される宝石と成分はまったく同じで、違いといえば自然界が作り出したものと、人工的に似通った環境の下で作られたものとの違いです。
そもそも京セラが再結晶宝石を手掛けるきっかけとなったのは、天然宝石の質の低下、価格の高騰にあります。
天然宝石にはキズやインクルージョン(内包物)が必ずあり、またあるからこそ天然宝石と呼べるのですが、しかしそれをカバーするために色石の場合人工処理が施され、熱を加えて色を良くしたり、含侵処理によってキズやインクルージョンを見えにくくしているのが現状で、それがまた通例になっています。
ここまで人工処理が施されたものが果たして天然宝石と呼べるのか、甚だ疑問に感じるところですが、これでは宝石本来の魅力 人に夢を与え、心を豊かにすることから遠ざかりつつあることを危惧した京セラは、宝石本来の美しい「色」を現代技術の力で再現したいという思いから、開発が始まりました。
つまり京セラの目指す宝石は模造ではなく、再現でした。
宝石本来の美しさの再現。
これこそが京セラクレサンベールのモットーであり、他の人工宝石と一線を画すところであります。
クレサンベールは科学分析結果を公表している
京セラはクレサンベールについてをこう述べています。
クレサンベールと天然の宝石は、化学的・物理的・光学的性質にほとんど違いがないと。
これを裏付ける証として、それぞれのデータを公表しています。
以下のデータは、天然アレキサンドライトとクレサンベールアレキサンドライトの科学的データの実証記録です。
化学的性質は同じ
たとえば天然のアレキサンドライトの場合、化学的組成は、BeAl2O4です。
一方クレサンベールのアレキサンドライトの化学的組成もBeAl2O4です。
これは全く同成分ということになります。
これを証づけるものとしてX線回折、分光分析を行っており、天然石と同一という結果が出ております。
物理的性質も同じ
天然アレキサンドライトの結晶系は斜方晶系ですが、クレサンベールのアレキサンドライトも全く同じです。
そして硬度(モース)も同じ8.5、比重は天然3.71~3.72に対してクレサンベールアレキサンドライトは3.71でほぼ同じ、融点に関しても同じ1870℃という結果が出ています。
このように物理的性質もほぼ同じといえます。
光学的性質も同じ
さらに光学的性質について見てみますと、
天然アレキサンドライトの屈折率は1.747~1.757に対し、クレサンベールのアレキサンドライトの屈折率は1.743~1.752という結果が出ています。
つまり屈折率もほぼ同じ。
そして複屈折は天然は0.01に対しクレサンベールでは0.009という結果。
これもほぼ同じです。
以上のデータは、すべて京セラクレサンベールの公式ホームページより抜粋したものです。
詳しくは、京セラクレサンベールの公式ホームページをご覧ください。
クレサンベールのメリット
クレサンベールは化学的・物理的・光学的性質において天然宝石とほぼ同じという結果が出たわけですが、これは宝石的にみればどういうことでしょう。
私が特に注目するのは光学的性質における屈折率です。
同成分のクレサンベールは天然宝石と同じ輝きをもつ
屈折率も天然宝石とほぼ同じと出ておりますが、屈折率が同じということは輝きも同じということになるのです。
媒体には必ず屈折率が存在し、屈折率が高いものほど光は鋭角に曲がります。
屈折率は以下の数式で産出されます。
屈折率は臨界角に関係し、臨界角とは光が逃げない角度のことを言います。
臨界角のことをわかりやすく水と空気とで説明すると、光源を水の中に置き、そこから光を放射したとします。
放たれた光は水中から空気へと進みますが、媒質が異なるため、空気中に出ると光は屈折します。(①の場合)
水面に対して光源はほぼ真下にあるので光はこういう方向に進みますが、これがもし光源から離れたところの水面ではどうでしょう。
②のように、光は水中から出られず、そのまま水中に反射されることになるのです。
この角度を臨界角といいます。
この臨界角は宝石の場合輝きに影響し、臨界角が狭いほど光を逃さず効率的に光を反射させることができます。
ダイヤが輝くのは臨界角が極端に小さいからで、そのおかげで入射した光を逃さずダイヤ内で反射させるため、あのような素晴らしい輝きを放つことができるのです。
話を元に戻しますと、クレサンベールの宝石は天然ものと同一の成分を有しているため、屈折率は同じです。
屈折率は同じだから臨界角も同じということになり、輝きも天然のものと同じということなのです。
カラーが均一
天然宝石にはどうしても色むらがあります。
濃いもののあれば薄いものもあり均一されていません。
それゆえ、選ぶ宝石によって色むらが発生するのです。
しかしクレサンベールの場合は違います。
クレサンベールは再結晶されたもの全部を使うわけではなく、そのいいところだけを抽出し、選びに選び抜かれたものだけをクレサンベールの宝石にしますから、色むらがほとんどありません。
すべて色が均一化された宝石がクレサンベールなのです。
それゆえ、天然ものと違って色むらはほとんどないのがクレサンベールということになります。
色調が退化しない
天然宝石といっても色調をよくするため人工処理をしている色石があります。
たとえばエメラルドなどはオイル処理を施して艶をあげています。
最初はいいのですが、時間の経過とともにそれが薄れ、色調が退化していきます。
しかしクレサンベールはそのような人工処置は一切行っておりません。
したがって半永久的に色調が変わらないといえます。
インクルージョン(内包物)がほとんどない
天然宝石には必ずインクルージョン(内包物)が存在します。
これは天然物ゆえ仕方がないことです。
しかしクレサンベールは違います。
再結晶時においてもインクルージョンは発生しますが、クレサンベールの場合極力インクルージョンの少ない部分だけをカットしますから、濁りのもとであるインクルージョンがほとんど存在しないのです。
それゆえ常に透き通った宝石を提供できるのがクレサンベールというわけです。
まとめ
アレキサンドライト京セラクレサンベールの特徴を挙げてみました。
京セラの再結晶宝石が他のシンセティックストーン(合成宝石)と一線を画すことがおわかり頂けたと思います。
京セラは、製造工程や科学的根拠に基づく天然宝石との同一性を公表し、その立証性を明らかにしています。
まさに安心して購入できる人工宝石といえるでしょう。
最後に、クレサンベールのアレキサンドライトネックレスを紹介し、このページを閉じたいと思います。
最後までお読み頂き、真に有難うございました。