一粒のダイヤが耳元で輝く。
シンプルで清楚、それでいて静かな華やかさを醸し出す。
ちょっとしたお出かけに花を添え、どんな服装にも違和感を感じさせないシンプルなアクセサリー。
それが一粒ダイヤピアス。
しかしその選び方には注意が必要です。
なぜなら値段が安いとばかりにそれに飛びついて、後悔することが多いからです。
まず第一に注意すべきことは「そのダイヤは輝きますか?」ということ。
ダイヤであれば何でもいいという人は別にして、輝くダイヤが欲しいという人は購入前に厳重にチェックする必要があります。
ダイヤは輝いてこそダイヤ
ダイヤは輝きが命です。
輝いてこそダイヤといえ、輝かないダイヤならジルコニアの方がましというもの。
それゆえダイヤである以上輝きにはこだわりたいものです。
しかしネットにしろ店頭で買うにしろ、見た目だけで判断し購入してしまうケースが多いのです。
例えばネットでは商品画像には美しいダイヤピアスの写真が掲載されています。
しかしダイヤは天然もの。
ひとつとして同じものは存在しません。
それゆえ商品画像と同じものが送られてくることはないのです。
例え商品画像のダイヤピアスが輝いていても、送られてくるダイヤピアスもそうであるとは限らないのです。
そして店頭での購入にも注意点が。
実物を目の前に見せられるから安心でしょうが、ショールームにおける環境は宝石が輝くように照明が施されています。
以前私のお客様で店頭で宝石を購入された方がいらっしゃったのですが、ショールームで見た宝石の輝きと家に持ち帰ってきたときの輝きが違うとおっしゃられていました。
ショールームではもっと輝いていたのに・・と。
それもそのはず、ショールームではダイヤが輝くように照明が施されていますから、通常の照明とショールームの照明とでは明らかに輝きが違ってくるのです。
このように、ネットにしろ店頭購入にしろ、見た目だけで判断するのは早計なのです。
ではどうしたら輝くダイヤピアスを探し出すことができるのか。
それはダイヤのスペック、いわゆる4Cを基準に選ぶことが重要になってくるのです。
ダイヤの輝きはクラリティとカットが重要
ダイヤの価値を測る指標に4Cがあります。
4Cとは、カラット(重量)、カラー(色)、クラリティ(透明度)、カット(研磨・プロポーション)の頭文字をとってそう呼びますが、このうちダイヤが輝くための条件で必要なのが、クラリティとカットのランクにかかってくるというわけです。
では実際にどの程度のランクが必要か、まずはクラリティとカットの重要性についてお話ししてみたいと思います。
クラリティの重要性
クラリティとはダイヤの透明度を表す指標で、ダイヤが輝くうえで重要なキーとなります。
元来ダイヤモンドは天然鉱物ゆえ必ずインクルージョン(内包物)が存在します。
このインクルージョン(内包物)の存在がダイヤの透明度に影響を与えるのです。
クラリティは11段階に区分けされ、インクルージョンが少ない順にランク付けされます。
インクルージョンの全く存在しなし「FL(フローレス)」から始まり、量が増えるにしたがってIF、VVS1、VVS2、VS1と評価がつけられます。
このクラリティのランクによってそのダイヤがよく輝いたりそうでなかったりするわけです。
ではダイヤが輝くための最低ランクはどこかというと、それはSIクラスにあたります。
SIクラスというのは表からおわかりのように、肉眼で発見が困難な時につけられる評価で、それだけインクルージョンが微小ということです。
つまり光の透過にそれほど影響を与えないという程度です。
しかしその下のランクの「I」クラスになるとそうではありません。
Iクラスというのは、肉眼でも容易にインクルージョンが発見できるというもので、それだけインクルージョンの存在が大きく、光の透過を邪魔する存在なのです。
光の透過の妨げはダイヤの輝きに影響しますから、Iクラスのダイヤモンドはあまり輝かないということになるのです。
言葉だけの説明ではわかりにくいと思いますので、実際に比較画像をご覧頂きます。
左がSIクラス、右がIクラスのダイヤです。
明らかに透明度の違いが見て取れるでしょう。
つまりダイヤが輝くためには、クラリティが少なくとも「SI」クラス必要なのです。
カットの重要性
採掘時のダイヤはすりガラスのようですが、それがカットによってあのような輝きを放つ石に変貌するのです。
そして最も輝くカット法をラウンドブリリアントカットといいますが、すべてのダイヤがこのカットを行うことによって輝くかというとそうではありません。
やはり出来不出来というものがあり、素晴らしいカットがなされたものだけがより輝くダイヤへと変貌します。
以下のイラストをご覧ください。
矢印は光の反射のベクトルを表したものですが、Excellentカットされたダイヤに光が入射すると光はダイヤ内で反射され、それが再びダイヤ外へ放射されます。(イラスト左参照)
これを全反射といいます。
しかしダイヤのカットが深すぎたり浅すぎたりすると光は全反射せず、ダイヤの底部より漏れてしまい輝きが劣ることになるのです。
これがカットの出来如何による輝きの違いです。
ダイヤ内の光が全反射するためには、その理想となるプロポーションが存在し、それが以下の比率で構成されています。
ダイヤは、この構成比率に近くて研磨状態が良好なものから、Excellent、VeryGood、Good、Fair、Poorとランク付けされます。
ではダイヤが輝くためにはカットは最低どのランクのものがいいかというと、評価が「Good」のものです。
FairやPoorカットのダイヤはプロポーションに問題があり、輝くとは言えません。
よってダイヤが輝くためには、カットがGood以上のものにする必要があるのです。
つまりダイヤが輝くためにはクラリティ「SIクラス」以上、かつカット「Good」以上必要ということです。
これは、どちらか一つ欠けてもダイヤは輝きません。
両方相まって初めてダイヤは輝くということです。
ダイヤは輝きだけでは不十分
以上の説明でクラリティとカットの重要性についておわかり頂いたことと思いますが、ただダイヤは輝きだけでは不十分といえます。
確かにダイヤは輝きが命ですから輝きを最重要視するのは当然のことなのですが、ただ輝きにもいろいろな種類があります。
七色の光を放つ輝きもあれば、黄色っぽく輝く輝きもあります。
どちらも輝いていますが、ではどちらが美しい輝きといえるでしょうか。
これはもう言うまでもないでしょう。
つまりダイヤは輝きだけでは不十分で、そこに美しさというものが加わらないと本当の美しいダイヤとは言えないのです。
ではその美しさを加えるには何を重要視しなければならないのでしょう。
それが次に説明するカラーになってきます。
カラーの重要性
カラーはダイヤの色を評価したもので、無色のダイヤほど高い価値が付けられます。
実はカラーとダイヤの美しさは密接に関係しており、カラー如何によってその美しさが大きく変わってくるのです。
最近ではVery Light Brownなどのダイヤも販売されていますが、要は色のついたダイヤのことであり価値的に見れば無色のダイヤより劣っていることになります。
ダイヤはやはり無色のものが美しく、その理由はダイヤ内で起こるプリズム効果にあります。
プリズム効果を発揮する無色のダイヤ
太陽光を含む白色光はプリズムを通せば赤、橙、黄、緑、青、藍、紫と七色に分かれます。
これは色それぞれの波長が異なるため、屈折によって光が分散されるためです。
この現象がダイヤ内でも起こります。
ダイヤ内に光が入射すると、光の中にある波長の異なる色が屈折によって分散されます。
上質のダイヤモンドを覗き込むと、いろいろな色の光線が発見できます。
これはダイヤ内でプリズム効果が発揮されているからです。
無色のダイヤに光が入射すると、反射した光は変色されることなくありのままの光線を放ちます。
しかし色のついたダイヤモンドの場合、ダイヤのカラーの影響を受けてしまい、光線を変色させるのです。
これがダイヤの美しさに影響します。
ダイヤに美しさを求めるなら無色の方が望ましく、色のついたものは避けた方が無難です。
ではダイヤが美しく輝くためにはカラーが最低どのランクのものがいいかというと、それはHカラーといえます。
同じ「ほとんど無色」に属しているG、H、I、Jですが、IとJはその下の「わずかな黄色」のランクに近いこともあり、やはり幾分黄色く見えます。
それゆえプリズム効果を発揮するのは「Hカラー」以上のダイヤといえ、美しいダイヤを求めるならこれ以上のものを選ぶ必要があります。
美しく輝くダイヤピアス選びへ
以上の説明でおわかり頂けたと思いますが、美しく輝くダイヤピアスを選ぶには、カラーはH以上、クラリティはSIクラス以上、カットはGood以上という条件が絶対必要なのです。
これ未満のスペックを擁したダイヤは残念ながら美しくもなく輝かないダイヤということになります。
したがって、ダイヤピアスを選ぶときはこれらのスペックを最重要視して選ぶのが賢明だといえます。
最後に
一粒ダイヤピアス選びの注意点について述べさせていただきました。
いかがだったでしょうか。
参考になりましたでしょうか。
このページが皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、真に有難うございました。