バランスを考えたストレッチのすすめ

人の体は少なからず歪んでいます。

特に中高年世代の人は、長いこと生きているだけあって癖が体に浸み込み、それが原因となって体の歪みが顕著になってくるのです。

私は50歳でストレッチを始めましたが、当初はそんなこと考えもせずに、ひたすらストレッチに取り組んでいました。

しかし体が柔らかくなってきたある時期から、右太腿裏のスジだけ痛みはじめ、それからいくらストレッチをしてもその痛みが消えなかったのです。

普通なら、ストレッチを続けるうちに筋肉が伸び、体になじんでくると痛みは消えることを経験的にわかっておりました。

しかしこのケースだけはそうではなかったのです。

これは何かある。
そう思いながらストレッチを続けるうちにわかったことは体の歪みでした。

自分の体は歪んでいる。
だからストレッチをすると一部の筋肉だけに負荷がかかりすぎ、痛みを伴っていたんだと。

ということは、歪みがなくなれば痛みは消える。

そんな仮説をたてて、まずは歪みを改善するためのストレッチを模索しました。

そして試行錯誤の末、歪み改善のためのストレッチを考え出し、それを実践した結果、その痛みは消えてなくなりました。

このページでは、闇雲にストレッチをすることの愚をお話しし、バランスの取れたストレッチがいかに大切であるかを解説させていただきます。

ストレッチで腰痛は治るはウソ

以前テレビ番組で、開脚ストレッチをすれば腰痛も改善するというようなことを言っていました。

しかし私に言わせれば、そんなことはありません。

確かに治るものもあるでしょう。
しかし全部の腰痛が治るというのはおかしい。

腰痛になるのにはなるだけの原因があり、その原因もそれぞれみんな違うはずです。

それを一括りにして治る、改善するというのはおかしいということです。

私の場合は、開脚ストレッチをしても腰痛は治りませんでした。
痛いところは痛いままです。

その痛みの原因は何かというと、体に歪みからきていたからです。

では開脚ストレッチで体の歪みは治るのか?
治りません。

歪んだまま開脚ストレッチをしていましたから、先述した右太腿裏側の筋肉に常に痛みがありました。

歪んでいるため、一か所に負荷が集中したせいだと考えられます。

そして腰の痛みは開脚ストレッチをしても消えることはありませんでした。
つまり、歪みは改善されなかったということです。

バランスの取れたストレッチとは

では歪みを取るストレッチはどうすればいいのか?

私が模索して考え出したのが、バランスの取れたストレッチ法です。

人体を右側と左側に分けて考え、右の筋肉と左の筋肉がバランスよく柔らかければ体が歪むことはありません。

しかしアンバランスゆえ、体は自然と柔らかい筋肉ばかりを使うようになり、結果として体が歪んでくるのです。

つまりストレッチを行うときは、常に左右のバランスを考えたストレッチを心掛ける必要があるということです。

右側は柔らかいけど左側は硬い。
反対に左側は柔らかいけど右側は硬い、なんてことはよくある話です。

しかしこのまま放置すれば体は歪んだままです。
やがてどこかに支障が出てくるでしょう。

必ず左右均等に柔らかくしなくてはいけません。

つまりバランスの取れたストレッチ法とは、左右の筋肉が均等に柔らかくなるようなストレッチのことをいいます。

では具体的にどのようなストレッチをすれば左右が均等になるのか。

お話を続けます。

体の歪みは骨盤の歪みからきている

そもそもなぜ体が歪んでしまったのか?

それは、筋肉の柔らかさが左右異なっていたから。

ではなぜ異なったのか?

人それぞれが持つ癖が原因となって。

ではその癖は、体のどの部分に現れたのか?

私はこういうふうに原因を突き詰めて考えていきました。
そしてたどり着いた結論が、骨盤でした。

骨盤の歪みがそもそもの原因ということ。

骨盤が歪むと体のバランスは崩れます。

すると、それを補うように背筋が反対側に歪みます。

そうすると今度は、それをさらに補うように肩が歪みます。

体のすべての筋肉は連動しています。
ひとつが歪めばそれにつながるものも歪みます。

この結果、体全体が歪むというわけです。

つまり体の歪みを直すためには、骨盤の歪みを正さなければならないということになります。

骨盤矯正のストレッチ法とは

では骨盤の歪みを矯正するストレッチ法というのがあるのか?

私が考案した骨盤矯正ストレッチ法というのがあります。
ただし、万人に当てはまるとは言えません。

したがって参考程度に見て頂ければと思います。

やり方はこうです。

できる範囲で開脚し、そのまま手を前につきます。
そして骨盤に重心をかけて腰を落としていきます。

この時つま先は外側を向けてください。

骨盤に相当の重力がかかりますので、ゆっくり行ってください。

骨盤周りの筋肉に負荷がかかりますが、痛みとハリの具合が左右で異なるのが発見できるはずです。

そしてその痛みとハリ具合から、骨盤がどの向きに歪んでいるかもわかります。

最初は痛いですからそのまま静止します。
そして痛みに慣れてきたら、ゆっくり上下に腰を振ります。

あまり痛ければ途中でやめてください。
無理は禁物です。

このストレッチを繰り返すうち、筋肉の痛みは柔軟性とともに和らいできます。
そしてハリも左右均等になってくるはずです。

こうなれば、骨盤の歪みが調整されてきたと思ってもいいかもしれません。

意識してのストレッチを心掛ける

骨盤矯正ストレッチを基本において、前屈ストレッチ、開脚ストレッチをすればいいと思います。

ただし、左右の筋肉を意識してのストレッチをしてください。

闇雲に、ただ柔らかくなればいいというようなストレッチではなく、左右の筋肉が均等に柔らかくなるように意識して、丁寧にストレッチしてくことが重要です。

前屈ストレッチひとつにしても、右足と左足の筋肉の柔らかさが違うため初めはどうしても偏った形になります。

ですが常に体の左右のバランスを考えて、硬い筋肉を一つ一つ丁寧に柔らかくしていくことで、やがてバランスの取れた体に仕上がります。

体を柔らかくするには相当時間がかかります。
中高年世代なら尚更です。

それゆえ焦らず、コツコツと続けることが肝要です。

私は、体を柔らかくするのに約10年かかりました。

体は軽く、動きも若い時のように俊敏です。
やってよかったと本当に思います。

皆様にも、バランスの取れたストレッチを続けることをおすすめします。

このページが皆様のお役に立てれば幸いです。

最後までお読み頂き、真に有難うございました。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする