ウィルトン織りラグ・カーペットの選び方

ウィルトン織りのラグ、あるいはカーペットをご存知でしょうか。
ウィルトン織りとは、18世紀中頃にイギリスのウィルトン地方で作られた伝統的織物で、色鮮やかなデザインに目を奪われるほど美しい敷物といえます。

一般にカーペットには、「タフトカーペット」と「織りカーペット」の2種類があります。
タフトカーペットとは、基布の上にラテックス(接着剤)を塗り、その上にパイルを植え付けていく感じで作られるのですが、織りカーペットの場合は、パイル糸を丁寧に織り合わせて作られていきます。

そのため、生産速度を比べるとタフトカーペットの方が圧倒的に早く、ウィルトン織りよりも30倍の速さで製造ができるといわれます。

これにより、タフトカーペットは急速にそのシェアを広げたのですが、丈夫さや耐久性といった点においては明らかにウィルトン織りのカーペットの方が強いため、ウィルトン織りのカーペットにも根強い人気があるのです。



しかしウィルトン織りカーペットへの人気は、耐久性だけが理由ではありません。
色彩豊かなデザインや格調高いデザインが見るものの心を打ち、「我が家にも敷いてみたい!」と思わせるのです。

世間でよく売れている無地のラグやカーペットは、フローリングや家具の色・基調に合わせたものが多く、部屋の雰囲気を壊すことはないでしょうが、あまりにも普通で、ありきたり過ぎるために、飽きてしまうことが多いのです。

しかしウィルトン織りのカーペットの場合、デザインがすべてヨーロッパ系のもので、日本ではあまり見ることのないデザインばかり。
見ていて飽きさせないカーペットといえます。
それゆえ今日本で、にわかに人気が上がってきているのです。

ではこのウィルトン織りのカーペット、どのような基準で選べばいいのでしょうか。

ウィルトン織りカーペットはまずノット数を見る

ノット数というと、何やら聞き慣れない言葉だと思いますが、これは1平方メートル当たりの結び目の数を表しております。

結び目の数が多いということは、それだけパイルの密度が濃いということであり、その分クッション性や断熱性が高いということです。

そして密度の濃さはデザイン面にも関係しており、濃いからこそ奥深い色や美しい模様を表現できるのです。

またホコリやゴミがカーペットの奥に潜り込みにくいため、お掃除がラクにすむというメリットもパイル密度の高いカーペットにはあります。

このようにウィルトン織りのカーペットを見るときは、ノット数をまず確認してできるだけ多いものをピックアップし、それからお気に入りのデザインを探すといった方法をとるのがいいと思います。

ではどのくらいのノット数のカーペットならいいかといいますと、10万ノット数以上のものが適当といえます。
これ未満になるとパイルの目が粗くなり、デザイン的にも機能的にも劣ることになりますので、やめておいた方がいいでしょう。

ウィルトン織りパイル数

中にはノット数の表記のないものが存在しますが、これなどは論外です。
ウィルトン織りのカーペットを探すとなると、店頭ではなかなか見つけることはできません。

それゆえネットで探すことになるわけですが、実物を見ることができないネット購入にとってスペックほど大事な要素はなく、ノット数表記のないカーペットなどは論外で、検討するに値しないといえるでしょう。

したがって、ウィルトン織りカーペットのノット数目安は10万以上のものが望ましいといえます。



200×250cm(約3畳)ウィルトン織りカーペット








素材は安価なポリプロピレン

さて次にカーペットに使われる素材ですが、やはり最も適した素材といえばウールになります。しかしウール素材で作られたカーペットはコスト的に高く、躊躇せざるを得ません。

そこで開発されたのがポリプロピレンで作られたカーペットです。
ポリプロピレンはウール同様耐久性が強く、少々のことではへたらない特質をもっており、また遊び毛がほとんどでないというメリットがあるため、織りカーペットにはこの素材が使われることが多いようです。

しかし耐久性が強く丈夫ということは、裏を返すとパイルが硬いということで、フカフカ感とは少し縁遠くなってしまいます。

そこでそれを改善するかのように、フリーゼセット加工やヒートセット加工が施されたポリプロピレンのパイル糸を使用したものが発売されています。

フリーゼセット加工とは、1本1本の糸をツイストさせてねじることにより糸が多方面に向き、ボリューム感のある風合いに変化させるという加工法です。

またヒートセット加工とは、ポリプロピレンに熱加工を加えることで、本来の硬さからウールのような柔らかさに変化させる加工法です。

こうした技術革新により、ウールに負けないポリプロピレン製のカーペットが最近では主流になっています。

ウィルトン織りのカーペットを選ぶ際は、こうしたポリプロピレン製のものを選ぶのがいいと思います。

デザインを統一すればスタイリッシュなお家に

ウィルトン織りカーペットの中には、ラグやカーペットの姉妹品として同じデザインの玄関マットが販売されているものがあります。

こういった商品をセットで使うとお家はスタイリッシュな輝きを放ちます。
ウィルトン織りのカーペットは奇抜で、日本ではあまり見られないデザインですので、カーペットだけをウィルトン織りにして他のものが無地の味気ないものなら、せっかくのカーペットが浮いて見えてしまいます。

カーペットがウィルトン織りのものなら、思い切って玄関マットもウィルトン織りの同じ柄のものにすれば、カーペット、玄関マット両方が映えて見え、お家全体がかっこよく見えるのです。

つまりカーペットをウィルトン織りのものにするなら、同時に玄関マットもウィルトン織りの同じデザインのものにした方がおしゃれに見えてくるのです。



まとめ

ラグやカーペットを敷く人の目的は、もちろんインテリア性を高めるのもありますが、その前にフローリングの冷たさやゴツゴツ感から解放されたいがために敷く人が多いようです。

その証拠に、極厚タイプのものや、低反発ウレタンを使った無地のラグがよく売れており、デザイン的には、柄や模様のあまりないものばかりが売れているのです。

ラグやカーペットは部屋の大きな範囲を占めるため、インテリア的に大きな影響を与えます。
カラーが変わるだけでも、部屋の雰囲気もガラッと変わってしまうほど影響を与えます。

そんな影響力のあるラグやカーペットですから、味気ない無地のものにするのは実に勿体ない話で、できれば色鮮やかなデザイン模様に彩られたカーペットにすれば、お部屋はもっと素敵に変身するはずです。

そのひとつがウィルトン織りのカーペットというわけです。
今回はその選び方を解説させていただきました。

ヨーロッパデザインのウィルトン織りのカーペットを敷けば、フローリングの冷えやゴツゴツ感から解放されるだけでなく、色鮮やかなヨーロッパデザインのカーペットがお部屋を華やかに演出してくれることでしょう。

以下に、ウィルトン織りのラグ・カーペットを扱うお店をご紹介します。
参考までにどうぞご覧ください。
ウィルトン織りラグ・カーペット一覧

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