近頃注目を集めているダイヤラインネックレス。
普段使いからカジュアル、フォーマルに至るまで使いこなせ、飽きのこないシンプルなデザインゆえ幅広い年代に人気があります。
ですが一口にラインネックレスといってもその品数は豊富で、その理由はセッティングされているダイヤの数がそれぞれ異なるからです。
5石、7石、9石、10石、11石、13石といった具合に、装填されているダイヤの数はラインネックレスごとに異なります。
どれを選択するかは個人の好みによるところが大きいですが、ラインネックレスの美しさから考えるとダイヤの数も重要な要素となり、一概に好みだけで選ぶのはあまり推奨できません。
このページでは、ダイヤラインネックレスの美しさを左右するものと題して、セッティングされているダイヤの数やグラデーションがどのようにラインネックレスの美しさに関係してくるかを考えてみたいと思います。
ダイヤ数は何石なら美しいと見えるか?
冒頭で申し上げましたように、ラインネックレスのダイヤの数は製品によってまちまちです。
5石、7石、9石、11石、13石といったように奇数個が多いのですが、ではどの数が一番美しく見えるでしょうか。
実際の装着写真を見て比べてみましょう。
0.3ctダイヤラインネックレス ダイヤ数一覧
下は、総計0.3ctのダイヤラインネックレスのダイヤ数ごとの装着写真です。
製品ごとに写真のアングルが異なることをお許しください。
すべて美しいネックレスであることは否定できませんが、特にラインネックレスの美しさを際立たせているものを選ぶとしたら、7石、9石、11石あたりではないかと思います。
なぜならグラデーション効果が顕著に表れているからです。
ラインネックレスのダイヤ数が奇数個が多いのは、グラデーションを表現するためです。
奇数個なら中央のダイヤを中心に左右バランスよくダイヤが並び、それを段階的にダイヤを小さくしていくことでエレガントな雰囲気が出せます。
7石、9石、11石のラインネックレスではそれが顕著に表れて、ラインネックレスのエレガントさを見事に表現しています。
他の13石以上のラインネックレスにもグラデーションを施しているのですが、それが見た目ではあまりわからないというのが実感で、エレガントさという観点から見れば7石、9石、11石には及ばないといえるのではないでしょうか。
エレガントを表現するグラデーション効果
均一のダイヤが並べられたものとグラデーションにダイヤが並べられたもの。
どちらがエレガントかというと明らかに後者です。
しかし見た目ではっきりとグラデーションがわからなければ、意味をなさなくなってしまいます。
ダイヤの数が多いラインネックレスの場合、ダイヤを段階的に小さくしていく幅が小さくなります。
それゆえ、前項で申し上げましたように13石以上のラインネックレスの場合グラデーションがわかりにくくなります。
これがダイヤ数の多いラインネックレスの欠点です。
エレガントで美しいラインネックレスを望むなら、ダイヤ7石~11石のグラデーションがはっきりしたものを選ぶと間違いないでしょう。
グラデーションの度合いで美しさに変化
グラデーションといってもその度合いがあるのをご存知ですか。
度合いというのは中央の一番大きいダイヤと、一番端にあるダイヤとの大きさの落差です。
この差が大きければそれだけグラデーションが顕著に現れ、エレガントに見せてくれます。
しかしいくら7石~11石であっても、そのグラデーション度合いは様々です。
下の装着写真をご覧ください。
これは0.3ct 11石のグラデーション化されたラインネックレスです。
しかし度合いが違います。
①はグラデーションの度合いが弱く、②は強いです。
エレガントという点では②の方が優位で、またダイヤの全体的なボリュームも②の方が大きく見えます。
これは中央のダイヤと一番端のダイヤとのサイズ差が大きいからです。
ペンダントネックレスを見る場合、どうしても中心に目が行きます。
その中心のダイヤが大きいと横に並んだダイヤもボリュームがあるように映り、全体が大きく見えるのです。
しかし均一に近いグラデーションでは、目が行く場所はダイヤ全体に行きますから焦点がおぼろとなり、ボリュームを感じさせないのです。
このように、同じグラデーションを施したラインネックレスであっても、その度合いの違いによって見え方が異なることがおわかり頂けたと思います。
つまり、選ぶときはグラデーションの度合いもチェックした方がいいのです。
ダイヤの美しさと輝き
ダイヤネックレスを選ぶうえで最も大事なのが、ダイヤの美しさと輝きです。
上記のダイヤの数とグラデーションの度合いに加えて、ラインネックレスの美しさを左右する要素といえます。
ここで、ダイヤの美しさと輝きについて詳しくご説明させて頂きたいと思います。
ダイヤには、その価値を測る4C評価というものがあります。
4Cとは、カラット(重量)、カラー(色)、クラリティ(透明度)、カット(研磨・プロポーション)の頭文字をとってそう呼びますが、ダイヤの美しさはカラーとクラリティに依存し、輝きはクラリティとカットに依存しています。
それは順次説明させて頂きます。
カラーについて
カラーはダイヤの色を表す指標で、無色のダイヤほど高くランク付けされます。
最近では、Very Light Yellowとかブラウンダイヤなどが販売されていますが、要は色のついたダイヤのことであり、価値的に見れば無色のダイヤより劣っていることになります。
ダイヤはやはり無色の方が美しく、その理由はダイヤ内で起こるプリズム効果にあります。
太陽光を含む白色光はプリズムを通せば赤、橙、黄、緑、青、藍、紫と七色に分かれます。
これは色それぞれの波長が異なるため、屈折によって光が分散されるためです。
この現象がダイヤ内でも起こります。
ダイヤ内に光が入射すると、光の中にある波長の異なる色が屈折によって分散されます。
上質のダイヤモンドを覗き込むと、いろいろな色の光線が発見できます。
これはダイヤ内でプリズム効果がなされているからです。
無色のダイヤに光が入射すると、反射した光は変色されることなくありのままの光線を放ちます。
しかし色のついたダイヤモンドの場合、ダイヤのカラーの影響を受けてしまい、光線を変色させるのです。
これがダイヤの美しさに影響します。
ダイヤに美しさを求めるなら無色の方が望ましく、色のついたものは避けた方が無難です。
ではプリズム効果を発揮するダイヤカラーとはどの程度のものか。
それはHカラー以上のダイヤです。
以下の表をご覧ください
Hは「ほとんど無色」に属しています。
ほとんど無色には、G、H、I、Jとありますが、IとJはその下の「わずかな黄色」のランクに近いこともあり、やはり幾分黄色く見えます。
それゆえHカラーはプリズム効果が発揮できるギリギリのラインといえます。
つまりHカラー以上のダイヤは、美しいダイヤに属することを意味しています。
ただし、カラーがH以上のダイヤがすべて美しいわけではありません。
ダイヤの透明度が悪ければ美しいダイヤとは言えないのです。
ダイヤの美しさは、次に説明するクラリティがSIクラス以上なければならないのです。
クラリティについて
ダイヤは天然鉱物ゆえ、必ずインクルージョン(内包物)が存在します。
このインクルージョンが多いダイヤは透明度が低くなり光の透過率が劣るわけですが、このインクルージョンの多い少ないのグレードを表したのがクラリティなのです。
つまりクラリティとはダイヤの透明度を表した指標なのです。
そしてこのクラリティは11段階にランク付けされます。
インクルージョンの全くないFL(フローレス)を最高とし、インクルージョンの量が増えるにしたがい、IF、VVS1、VVS2、VS1というふうにランク付けされるわけです。
ではダイヤが輝くためにはどの程度のクラリティであればいいのか?
それはSIクラスです。
以下の表をご覧ください。
SIクラスというのは表でもおわかりのように、肉眼で発見が困難なほどインクルージョンが微小なため、光の透過にそれほど影響を与えることはありません。
しかしその下の「Iクラス」になると、肉眼での発見が容易なほどインクルージョンが大きいため、光の透過を邪魔してしまうのです。
つまりSIクラス以上のダイヤは透明度が高いダイヤといえます。
そしてこの透明度の高いダイヤにカラーH以上が加わりますと、美しいダイヤになるわけです。
ただし、たとえSIクラス以上のダイヤであっても、輝きを保証するものではありません。
ダイヤの輝きには、次に説明するカットが重要な要素となります。
カットについて
採掘されたダイヤの原石は、一見スリガラスのようです。
それが人間の手によってあのような素晴らしい輝きを放つ石になるのです。
そしてその方法が、ラウンドブリリアントカットというカット法です。
しかしラウンドブリリアントカットすれば何でも輝くというものではありません。
カットの良し悪しによって輝いたりそうでなかったりするのです。
Excellentカットされたダイヤに光が入射すると、光はダイヤ内で漏れることなく反射され、再びダイヤ外へ放射されます。これを全反射といいます。(下イラスト左参照)
しかしダイヤのカットが深すぎたり浅すぎたりすると、光は全反射せずダイヤ底部より漏れてしまい輝きが劣ることになるのです。
これがカットの良し悪しによる輝きの違いです。
ダイヤ内の光が全反射するためには、その理想となるプロポーションが存在し、それが以下の比率で構成されています。
ダイヤは、この構成比率に近くて研磨状態が良好なものから、Excellent、VeryGood、Good、Fair、Poorとランク付けされます。
ではダイヤが輝くためにはカットはどのランク以上のものがいいかというと、「Good」以上のダイヤなら輝くといえます。
FairやPoorカットのダイヤはプロポーションに問題があり、輝くとは言えません。
よってカットがGood以上のダイヤが、輝くダイヤといえるのです。
ハートアンドキューピットとは
販売されているダイヤ製品の中で、ハートアンドキューピットという記載が見られます。
これは何のことかというと、カットに関する記載です。
ここで少し、ハートアンドキューピットについて説明させて頂きます。
素晴らしいカットが施されたダイヤを特別のスコープで覗き込むと、8つのハートとアロー像が確認されることがあります。
これをハートアンドキューピットが現れるダイヤとして重宝されています。
これはプロポーションとシンメトリ(対称性)の良い最高のカットをダイヤに施した場合、8つのハートとアロー像が特殊スコープで確認できるのです。
つまりハートアンドキューピットが現れるダイヤとは、最高のカットが施されたということで、カットグレードでいえばExcellentかVery Goodのカットにあたります。
美しく輝くダイヤとは
以上の説明でおわかり頂いたと思いますが、
美しいダイヤとはHカラー以上でクラリティがSIクラス以上のものです。
そして輝くダイヤとは、クラリティSIクラス以上でカットがGood以上のものです。
つまり美しく輝くダイヤとは、Hカラー以上、クラリティSIクラス以上、カットがGood以上のものを言います。
ラインネックレスを探すときの参考にしてください。
11石、グラデーション度合いが高いラインネックレス
以下に、0.5ctのダイヤ11石、グラデーション度合いの高いラインネックレスをご紹介します。
透明度とカットが優れたもので、輝く条件は揃っておりませんが、レビューで高い評価を獲得しているラインネックレスです。
参考までにご覧ください。
SIクラスのダイヤラインネックレス
ハートアンドキューピットのダイヤラインネックレス
まとめ
ダイヤラインネックレスの美しさを左右するものをまとめさせていただきました。
参考になりましたでしょうか。
このページが皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までお読み頂き、真に有難うございました。